室礼 「タンポポとワラビ」

桜花が散り、季節は晩春から立夏へとうつろいでいきます。

春の野の花と山菜、それぞれの代表のような二つを、肩衣(かたぎぬ)に表したお膳で遊んでみました。

タンポポは昔「鼓草」といわれたことから、鼓の音〈タン〉と〈ポポ〉からついた名ともいわれます。

英語ではdandelion。語源はフランス語で〈ライオンの歯〉の意味だとか。国による違いが面白いですね。

一方、春風に揺れるワラビを歌った大好きな狂歌があります。

「早蕨の 握りこぶしを振り上げて 山の横面(よこつら)はる風ぞ吹く」(大田蜀山人)

作・文(丸山 薫 心葉・主宰)