瓦版2012.3.13第98号

週刊スローライフ瓦版 (2012.3.13 第98号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会=======★★★★★3月の「さんか・さろん」は、映画と講演の夕べ。「幸せの経済学」を観て、神野直彦・わが学会学長の特別スピーチを聴く。映写会場も広く、いい雰囲気なので、お誘いあわせのほどを。詳細は「編集室たより」とHPで・・http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=139★★★★★コラム<火曜日の鐘> 斉藤 睦(地域総合研究所所長)~~~ また来ん春 中原中也の“また来ん春…が頭をよぎる。 “また来ん春と人は云う しかし私は辛いのだ 春が来たって何になろ あの子が返って来るぢゃない わずか2歳で、愛息文也を亡くして、詩人が嘆く。 “おもへば今年の5月には おまへを抱いて動物園 象を見せても猫 (にゃあ)といひ 鳥をみせても猫(にゃあ)だった 最後にみせた 鹿だけは 角によっぽど惹かれてか 何とも云わず 眺めてた…… 辛いのは、記憶を亡くせないせいかもしれない。震災の1年前に父を亡くした。街中でふと父に似た後姿を見た気がして、思わず駆け寄って振り向かせようとする自分に驚く。父は、もう居ないのに。 震災だけではない。アフガニスタンで、チベットで、シリアで人が死ぬ。多くの肉親や恋人たち、先輩やたとえ憎たらしい相手でも、もう、居ない、逢えないことの喪失感を知ってしまった私たちに、お前はどう生きるのだと問われるような、春がまたやって来るのですね。学会コラム<緑と絆の木陰> ~~~~~ 増田寛也(野村総合研究所顧問) 甦る文化財 東日本大震災では多くの人命が失われたが、東北地方に伝わる貴重な文化財も甚大な被害を受けた。その大半は流失してしまったが、がれきに埋もれて、かろうじて残っているものを救い出す「文化財レスキュー活動」が今もなお、懸命に行われていることはあまり知られていない。 記録資料、埋蔵文化財、動植物標本、剥製など資料ごとの特性に応じた保存処理には膨大な時間と手間ひまがかかる。このような綿密な工程を経ることによって文化財が救われ、甦る様子を紹介する企画展が東京・広尾の都立中央図書館で開催され、好評のうちに先日終了した。 全国の博物館学芸員がボランティアで「モノを残し、記憶を伝えるために」活動していることを知る好企画であった。こうして甦った文化財は、未曽有の震災を乗り越えて被災地が新しく再生する、間違いなくシンボルになるだろう。今後、我々の責任で後世に確実に引き継いでゆきたい。 あの日から一年が経つ。「もう一年」「まだ一年」、思いは様々だが、今後なすべき事の多さだけは再認識しておきたい。 ■「日光フォーラム」におもう「シンポジウム」に感謝 岩崎雅幸(シンカンドゥ主宰) わたらせ渓谷鐵道に始まり、地域学習し、分科会、夜なべ談義(情報交換会)、パネルディスカッションにて、コーディネーターやパネリスト、参加した様々な方から「鍰(カラミ)」「元服式」等耳新しい言葉を聞き、意見交換でき、感謝申し上げます。「日光(東照宮)を見ずして結構」と、申し上げたい。保田輿重郎『日本の美術史』を目にしました。 天智天皇の御製に拜するやうに、日本の代々のみかどは、御自ら農事をなされ た。 <中略> この日本の神話 は、奴隷の生産によって、饗宴が行はれた ギリシア、ローマ以来の西欧の詩文思想と区別する時の第一の根本原因である。 よい智恵やよい詩歌文章も、美の大構造も、大方が饗宴の酒が人に教えた。私 は饗宴といふことばのかはりに雑遊といふことば、あるひは宴遊といふことば がよく事情にあつてゐるのでないかと思つてゐたころもあつた。しかし道長公 の場合なら、やはり饗宴(シンポジユーム)がふさわしいだらうか。私は、シンポジウムと饗宴が結びつかず、辞書で「シンポジウムは、いっしょにsyn-飲むposisの意のギリシア語symposionが語源である」と知りました。夜なべ談義は実に「シンポジウム」でした。分科会からすべてが「シンポジウム」でありたい、あって欲しいと思っています、酒代はともあれ。日光からも春の便り 川島宏子(東京都中野区・アトリエ「花と生活」) 花便りを待ちこがれていた私、うれしい宅急便が二ケ所から届きました。一つは「日光フォーラム」で訪れた湯西川の「民芸手編み巾着」。パネラーの柏村祐司先生にご紹介いただいた絶滅寸前の造り手・民宿「男鹿」の阿部さんの作品です。もう一つは静岡県河津町から。待ちに待った河津桜の小枝です。例年より一ヶ月近く遅れての便りで、愛おしささえ感じました。さっそく巾着の中にガラス瓶を入れ、そこへ桜を一枝。わが家のリビングは、スローライフの春に一変です。■まち・むらニュース ————————————————・三重県 「美し国ふるさとフェスティバル」を開く県内各市町の魅力が大集結するフェスティバル。ご当地グルメやご当地キャラ、特産品など三重の魅力がいっぺんに味わえるという。NHK津放送局の制作番組「ほっとイブニングみえ」内コーナー「ふるさとQ」のスペシャル番組の公開収録もあって、これも自由に観覧できる。<日時> 3月18日(日)10:00~16:00<場所> メッセウィングみえ(津市北河路町)http://www.messe-mie.jp/問い合わせ 美し国ふるさとフェスティバル実行委員会/(社)三重県観光連盟(電話 059-224-5904)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「日光『食』の研究所」から・・・日光手打ちそばの会が販売の「日光氷温完熟そば」は、いつでも「寒ざらし」の甘さ、風味、香り。水で食べてそれを実感してください。http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-162.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━クオリティライフから・・・最近のおすすめは、旬の大根を使ったメニューです。綺麗な色の紅芯大根など、数種類の大根を、煮物をはじめとしたさまざまな方法でお楽しみいただけます。http://nfs.tamana-shokudo.jp/?p=24━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━コラム<象さんの散歩> 「3・11」一年、がれきは動かず、山は動かず~~~ 悪夢の「3・11」から一年がめぐってきた。先週、朝日新聞の真ん真ん中の見開き広告に、宮城県石巻市のがれきの山がいっぱいに広がっていた。環境省が災害廃棄物の広域処理に協力を求めた広告。そのキャッチコピーは「復興を進めるために、乗り越えなければならない“壁がある」。 まさに。真っ先に消えているはずの壁がそのまま。「フクシマ」という次元ちがいに災いされたとしても、被災3県の処理5%、というのは信じがたい。いまごろ自治体への協力要請で野田首相が知事に会ったとか、歴代環境相5人が党派を超えてがれき受け入れを依頼して歩くとか。あきれるほかない。 そもそも各地域の廃棄物処理施設はどこも窮屈だ。そこへ「分散持ち込み」に固執することがいいのか。“壁を運ぶ先として、恒久的な津波に強い高台づくり、超広大な太陽光発電広場とか、世界一の国際空港、移転する首都とか、みんなが熱烈に支援・勤労参加したくなるプロジェクトは考えられないものか。 復興庁の一周遅れスタート、性懲りなき縦割り行政・・。 ∧ 川島正英 ∧コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その93~~~ あれから、やっと1年ですか・・・ 一昨日、官暦11日、あれから、やっと1年経った。随分と長い1年だった。それでも、まだまだ復興、いや復旧にすら至っていない。 昨年、大震災後、筆者は、この欄を1ヶ月近く休んだ。東京で暮していて、自分自身も家族一同にも格別の被害がなく済んだのだが、このコラムで表明するのにふさわしい、心の余裕から生まれる言葉を失ったからだ。 今、思い出すだけで、また、言葉を失いそうになる。まして、被災者の皆さんの状況を推察すると、呑気な話をするのは躊躇され、言葉が出て来ない。 それに、ずっと、寒々とした気象続きだ。旧暦では、「啓蟄」も過ぎ、「桃が始めて笑う」つまり蕾が開きかけるとか、二月堂のお水取りとか、菜の花の虫が「蝶と化す」とか、心弾むはずの話題が豊富な時期なのだが・・・。 コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 伊勢エビを干物に~~~伊勢エビの干物!、そんなものがあるのかと驚かれると思いますが、鳥羽市の海辺で市民が一生懸命考えた企画です。ぜひ紹介させてください。鳥羽市菅島は、強い風で知られるところ。海草、魚、野菜、何でも干している島。ならば、と伊勢エビも開いて一夜干しに。究極の「旨み」です。このような新しい地域観光の住民手作りの体験メニューが23アイテム、この3月にデビューです。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=148■編集室だより 「瓦版100号」へのメッセージをよろしく・・このワッショイワッショイの瓦版が、あと二つで「100号」。編集室としてはまこと感無量のひとこと。いろいろな形で執筆・投稿いただいている、また愛読・応援いただいているみなさんに感謝申しあげつつ、なおかつ「100号におもう」のひとことをお寄せ願えれば、と書き加える次第です。 3月のスローライフ「さんか・さろん」は、映画と講演の夕べ 3月の「さろん」は、柔らかに経済を学ぶ。しかも豪華版です。さろんで初めての映画会。「幸せの経済学」。学会学長の神野直彦教授が、映画を題材にとった”特別講義”をしていただけるというメニューなのです。 ドキュメンタリー映画「幸せの経済学」(ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ監督)はヒマラヤ辺境の小さな村・ラダックが、押し寄せるグローバリズムの波に、伝統的な生活スタイルから文化や誇りまで奪われる。、監督はスェーデン出身の女性。人と人の絆を取り戻すローカリゼーションを提案する。3.11後の日本の行方に大きなヒントを与えてくれる映画です。 ○日時…3月21日(水)19時~20時30分(18時40分受付開始) ※通常のさろんは第3火曜日ですが、今月は20日祝日のため21日の開催。○場所…都道府県会館(千代田区平河町2-6-3)3階会議室○主催…スローライフ学会 ○参加費…1000円<会員外2000円”学生500円>○プログラム…神野直彦教授(スローライフ学会学長)講演と映画(68分)【申込み】3月19日(月)までに NPO スローライフ・ジャパンへ。電話 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554メールは下記項目を下記にご記入の上、まで。 (当日もOK。当日連絡は090-7433-1741野口まで) ==============3月21日(水)「さんか・さろん」に参加します。●氏 名 :●連絡先電話番号 :●所属 :【スローライフ学会員以外の方は下記もご記入ください】●住所 : ●メールアドレス :●あなたを紹介した学会会員名: =======■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/鳥取市 http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1196922905996/index.html佐賀県小城市 http://www.city.ogi.lg.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/”