瓦版2012.3.6第97号

週刊スローライフ瓦版 (2012.3.6 第97号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
=======
★★★★★
3月の「さんか・さろん」は、映画と講演の夕べ。「幸せの経済学」を観て、
神野直彦・わが学会学長の特別スピーチを聴く。映写会場も広く、いい雰囲気
なので、お誘いあわせのほどを。詳細は「編集室たより」とHPで・・
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=139
★★★★★
コラム<火曜日の鐘> 早野透(桜美林大学教授)
~~~ 「ビキニ」も忘れまい
3・11から1年が経つ。その間、ヒロシマ、ナガサキ、フクシマとわが国が
体験した核恐怖を人が言うたびに、私は、そうではない、ヒロシマ、ナガサキ、
ビキニ、フクシマですよと言い直してもらう。
1954年3月、太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験で被曝した第5福竜丸の
乗組員だった大石又七さん(78歳)の話を聞いた。 あのとき、私たちの船ばかり
マスコミに騒がれたけれど、実はあの海域に1000隻もの船がいたんですよ、み
んなそれぞれ放射能を浴びたと思うんですというのである。
日本政府は、そんなことには目もくれず、汚染マグロを捨て、第5福竜丸に
政治結着金を渡して、原発推進に走り出した。そのあげくのフクシマである。
基準以下だからだいじょうぶだなどとたかをくくらずに、赤ちゃんを心配する
若いお母さんの声に耳を傾けたい。
学会コラム<緑と絆の木陰>
~~~~~
神野直彦(東京大学名誉教授) 「幸せの経済学」への誘い
砂漠を旅すると、風と太陽が砂で奏でる美しい詩が聞えてくる。その詩の美
しさに耐えられず、私は夢見るような月牙泉で駱駝を降り、歩き始めた。詩の
メロディを奏でていた砂に触れると、この世のものとは思えない心地好い肌触
りに、思わず頬を寄せたくなる。私は夢を追い、夢に舞ったアラビアのローレ
ンスのように、蝶の如くに敦煌の砂漠を舞った。
私の砂漠の旅は敦煌から始まる。国連に依頼されて、ウィグルの財政を調査
するためである。夕方の5時でも気温は42度である。トルファンの高昌故城ま
で辿り着いた時に、同僚が日射病で倒れた。
私は砂漠の魔力にかけられたように、生きることへの願望に燃え、釈迦の言
葉を呟いていた。
寒さと暑さと飢えと渇きと
風と太陽の熱と虻と蛇と これらすべてのものにうち勝って
犀の角のようにただ独り歩め
トルファンを抜け、ウルムチへの道を歩むと、ラダック山脈が見えてくる。
ウィグルからの交易路を辿り、峠を越えると、そこは中国かインドかも定まら
ないカシミールのラダックだ。このラダックと釈迦の教えに魅せられたスウェ
ーデン女性ヘレナ・ノーバーグ=ホッジの映画「幸せの経済学」が3月21日
(水)に「さんか・さろん」で上映される。私に伝わるヘレナのメッセージは、
スローライフとは「勇気」だということである。
■「日光フォーラム」におもう
輝く陽明門も観た・・ 村井康人(食生活ジャーナリスト 新潟市)
栗山と全体会の2日間の参加だった。途中、標高1030mの霧降高原で凍てつく
寒さの中のんびりと餌を食べるブラウンスイス牛に出会った。平家落人伝説の
ある栗山から、湯西川のかまくら祭りを経て鬼怒川へ。標高差数百mの移動は
驚くほど変化に富んだ景色を目の当たりにすることができる。
全体会では、増田さんのコーディネートで神野さん、坪井さん、とテレビでも
よくお見かけする方々。神野先生の基調講演で、イタリアのスローフードから
スローライフに繋がるお話をお聞きした。
マスコミで最初にスローライフを取り上げたのが筑紫哲也さんだった。いま、
その想いがしっかりとスローライフ・ジャパンの中に受け継がれていることを
強く感じて熱い思いがこみ上げてきた。陽明門の模型を作ったのは中学生の時。
東照宮を訪れるまではすっかり忘れていた。目の前の陽明門は、平成の大修理
の最中だが一部の修復を終えた漆と金箔が美しく輝いていた。
■まち・むらニュース ————————————————
・札幌市 北海道開拓記念館40周年事業で「北の土偶」展~縄文の祈りと心

2007年に函館市著保内野遺跡から発見された「中空土偶」が、国宝に指定され、
また北海道や東北地方で「縄文遺跡群」のユネスコ世界遺産登録実現に向けた
作業が進む。この「中空土偶」の国宝指定を記念展覧会を開催。東日本大震災
の影響で中止となっていたものである。
・日時:3月6日(火)から5月13日(日)まで 9:30~16:30(月曜日休館)
・場所:北海道開拓記念館(札幌市厚別区厚別町小野幌53-2)
☆北海道開拓記念館(011)898-0456 http://www.hmh.pref.hokkaido.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━
「日光『食』の研究所」から・・・
ホワイトデーのお返しに迷っている方、「日光『食』の研究所」開発の、おし
ゃれな“日光菜果はいかが?イチゴ色の「限定とちおとめ」バージョンです。
http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-161.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━
クオリティライフから・・・
「たまな食堂」のランチは大好評のため、長時間お待たせしてしまう場合がご
ざいます。事前のご予約をお願いいたします。ディナーも完全予約制です。
空き状況はこちらから→ http://nfs.tamana-shokudo.jp/?p=24
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コラム<象さんの散歩> 「日光物語」コンクールを・・
~~~
今回も「日光フォ-ラム」余聞を。ここは、想像力を刺激、物語を読む楽し
さに満ちる。東照宮、杉並木、・・だけでない物語がいくつも詰まっていた。
足尾分科会で、早野透さんが「ここに、古河市兵衛と田中正造が育った。近
代日本国家の壮大な歴史ドラマが描かれるだろう」と名調子で語った。山田功
さんも同じで、光と影が織りなす物語をもっともっと知ってほしい、と。
栗山分科会では柏村祐司さんが「ここは民話の宝庫」と話し、自らも集めた
民話集の著作を紹介していた。平家の落人集落サミットも糸口になりそうだ。
私は、光と影論議の中で、日光市今市の二宮尊徳が説いた「経済と道徳」を
思い浮かべた。が、「3・11」のがれき処理が話題にいくつか登場していたの
で、そっちへ。「がれき引き受けも選択肢に」と。付け加えて「その埋立地に
首都移転を」とも。移転候補地だった栃木・那須だから「3・11」後に再燃し
てきた首都移転論に名乗りをあげるべし、ということなのだが。
どうも突拍子ない話だった。市に出す報告書には「日光物語」コンクールを
提言した。作文コンクール“日光物語を探る・創る・・・ ∧ 川島正英 ∧
コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その92
~~~ 「西行忌」に寄せて
先般、官暦2月19日晩、NHKのドラマに、佐藤義清、のちの西行法師らしき
人物が登場した。清盛に頼まれて女性あての恋歌をつくる役回り。それが本当
かは知らないが、それで、明後日が「西行忌」なことを思い出した。
彼は「願わくば花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ」という辞
世の句を詠んだそうだが、建久元年の如月16日、まさに「望月のころ」に河内
の国で死去。現行暦なら3月30日だそうで、早咲きの桜なら開花していただろ
う。ちと出来すぎた話だが、なんとも羨ましい大往生だ。
今年の場合、明後日が如月16日で満月だ。桜の花は無理だが、梅なら咲いて
いるか?来年なら、如月16日は官暦3月27日になる。西行の時代にはなかった
染井ヨシノの花の下ではあるが、ものの哀れを感じながら、過ぎし昔を偲ぶこ
とが出来ることを期待しよう。
コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 日光じゃあ~。
~~~
富山県高岡市「スローライフ逸品研究会」で、先日の「スローライフ・フォー
ラムin日光」に参加した3人が報告をしました。「雪道を9時間運転して宇都
宮で仮眠して、ようやく日光市栗山の分科会にたどり着いた」に始まり、「ま
あ日光じゃあ、いい話を聞いたわ、おもしろい人がいた」「日光じゃあ、すご
いご馳走だった」とか・・。高岡の夜に、つきない日光話なのでした。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=147
■編集室だより

3月のスローライフ「さんか・さろん」は、映画と講演の夕べ

スローライフ・さんか・さろん とSの字づくしですね。
頭文字Sの語をおもいつくままに
small…西欧の経済学者が著書に「スモール イズ ビューティフル」の名も
slowsoft…スローライフ学会の活動はグローバリズムに抗して
separate…神野直彦先生の近著が「分かち合いの経済学」(岩波新書)
3月の「さろん」は、柔らかに経済を学ぶ。しかも豪華版です。さろんで初
の映画会。「幸せの経済学」。学会学長の神野直彦先生が、この映画を題材に
して“特別講義をしていただけるというメニューなのです。
上段の頭文字Sの語は、映画と講演それぞれに根底で通じるという思いで並
べてみた。映画が説く「ローカリゼーション」もその一つ。
映画は見てのお楽しみ、として、名調子の神野スピーチが待ちどおしいの声
がしきり。さらに、席を移しての談話「さろん」も企画中です。

ドキュメンタリー映画「幸せの経済学」(ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ監督)
はヒマラヤ辺境の小さな村・ラダックが、押し寄せるグローバリズムの波に、
伝統的な生活スタイルから文化や誇りまで奪われる。監督はスウェーデン出身
の女性。人と人の絆を取り戻すローカリゼーションを提案する。
3.11後の日本の行方に大きなヒントを与えてくれる映画です。

○3月21日(水)19時~20時30分(18時40分受付開始)
※通常のさろんは第3火曜日ですが、今月は20日祝日のため21日の開催。
○場所…都道府県会館(千代田区平河町2-6-3)3階会議室
○主催…スローライフ学会 ○参加費…1000円<一般2000円、学生500円>
○プログラム…映画(68分)と神野直彦先生(スローライフ学会学長)の講演。
【申込み】3月19日(月)までに NPOスローライフ・ジャパンへ。
電話 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
メールの場合は、下記にご記入の上、まで。
==============
3月21日(水)「さんか・さろん」に参加します。
●氏 名 :
●連絡先電話番号 :
●所属 :
【スローライフ学会員以外の方は下記もご記入ください】
●住所 :
●メールアドレス :
●あなたを紹介した学会会員名:

==============

映画「幸せの経済学」を観よう
「豊かさ」をはかるものさしとは? お金ですか。便利で、快適な暮らしを送
ることでしょうか。国の豊かさを測る指標にはGNPやGDPが使われ、どれ
だけ経済成長したかで「豊かな国」を決めてきた。この考えはグローバリゼー
ションの波に乗って世界中に広がり、さまざまな地域に「開発」という名の消
費社会が流れ込んだ。結果、便利に生活できる反面、負の側面ではコミュニテ
ィの伝統的な暮らしが崩壊し、「新たな貧困」が生まれるようになったことも
事実です。ほんものの豊かさとはなにか?今こそ考える時ではないでしょうか。
<幸せの経済学> あらすじ
急速度で世界に広がった近代化の波は、30年前まで外国人立入禁止地域だっ
たヒマラヤの辺境ラダックにも押し寄せた。西欧の消費文化は、彼らの生活を
一変させ、自然との関わりを切り離した。人との繋がりは希薄となり、彼らの
アイデンティティーや伝統文化の誇りまでも奪った。
昔は目を輝かせて暮らしていたラダックの人々が「私たちは何も持っていない、
貧しいんだ。支援が必要だ」と訴える。 映画は、グローバリゼーションの負
の側面を指摘、豊かさとは何か、を説く。
-答えはローカリゼーションにある-監督のヘレナ・ノーバーグ・ホッジさん
はその解決の糸口としてグローバリゼーションと対極の「ローカリゼーション」
を提案していく。地域の力を取り戻すローカリゼーションの促進が、人と人、
人と自然とのつながりを取り戻し、地域社会の絆を強めていく、と。
「ほんものの豊かさ」を求め、持続可能で自立した暮らしを目指すコミュニテ
ィの構築が広がりつつある。映画は、日本の小川町での取り組みや、キューバ
で起きたオイル・ピークについてのサステナブルソリューションも取り上げて
いる。
行き過ぎたグローバル経済から脱却し、持続可能で幸せな暮らしをどう作っ
ていくべきなのか。そのヒントは、日本の伝統文化の中にもあるのでないか。

=======
■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
鹿児島県
http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html
岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
鳥取市
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1196922905996/index.html
佐賀県小城市
http://www.city.ogi.lg.jp/
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/
=======
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへ

このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとの
ご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、
お気軽にお付き合いください。
今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメール
アドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。

この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。
まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2
=======
Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会
〒160-0002
東京都新宿区坂町21 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
http://www.slowlife-japan.jp/