週刊スローライフ瓦版 (2012.10.16 第129号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会=======★★★★★学会の一大イベント「スローライフ逸品フォーラムin高岡」が無事閉幕に。はるばる参加くださった会員・役員のみなさん、仲良く、楽しく、遠慮なく、そして有意義に、旅していただけたでしょうか。ありがとうございました。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授)~~~ 秋が来れーば思い出す・・・ さすが、お彼岸!それ以降は、長年の慣行に従って、猛暑サマもお引き取り頂いたようで有り難い。秋は麦酒がしみじみ美味しく感じる時節。猛暑中には「とりあえずビール!」というファストな飲み方がされがちだが、古来、酒を静かに呑むべしとされる秋には、麦酒もスローに嗜むことがふさわしい。 世間でも、大手麦酒会社が秋向けの製品を送り出す。麦酒党の筆者は毎年、この季節を楽しみにするのだが、実は、ほとんど毎年、結果的に失望してきた。なぜか?実は、秋向けの新銘柄は、筆者がしつこく拘るホンモノ(定義は平成23年8月16日第69号本欄参照)であることが少ないからだ。缶の装飾に紅葉の柄や赤い色を使って秋の雰囲気を醸し出し、「秋だけの限定醸造」などと勿体ぶるが、中身は、原料に米やらコーンスターチやらを使い、酒精度を標準品の5%より強くして5.5~6%程度にしている。単に酔いやすくしているだけのことで、別に秋らしい味覚を追求しているというほどのことはないのだ。 そういう傾向は嘆かわしい!と、老兵が愚痴っても何の効果も無い。そして季節は巡って、秋から冬になり、今度は「冬限定」で酒精度が高いだけの製品が出回る。もう、何年も同じことの繰り返し・・・。学会コラム<緑と絆の木陰> ~~~~~ 神野直彦(東京大学名誉教授) スローライフ逸品 スローライフでいう逸品とは、金を儲けるために作られた物ではない。人間の愛を語るために作られた物である。 人間は物を作る動物である。物を作ることが、人間を人間にしている。脳スキャナーを使用すると、物を作るために使用する脳の部位と、言語を話すために使用する脳の部位は重なるようである。人間は文字と同様に、物を作ることで、他者に何かを伝えようとしているのだ。 今から五万年程前の最終氷河期に、人間の脳に異変が起きた。そのために人間は、実用物ではない物を作り始める。つまり、自己が生きている世界を伝えたいと願い、人間は同じ世界に生きる動物や人間の図像を作り始める。それは具象芸術の誕生であるとともに、人間が同じ世界の生命と調和したいという切なる願い、つまり愛の証しだといってよい。 文字と同様に、物も愛を物語る。しかし、物が語る物語を聞くには、聞き手に詩人の魂が必要となる。物語の聞き手は聞いた物語に合わせて、物を配置して詩を作らなければならないからである。 伝えたい愛の詩を物に鋳込むにも、聞き手が愛の詩を物の配置で表現するにも、創造の時が必要となる。創造の時は無駄な時間だ。夢想をしたり、取り留めのないことを考えていると、創造力は生まれる。というよりも、友情を暖め、愛する者と時を同じくしている時にこそ、人間の理性と感性は総動員され、知的創造は活性化する。 逸品は金儲けに走るファストライフからは生まれない。仕事術とか時間管理術とかという類の話は、人間の創造力に失礼だ。逸品は静かに逸品の語る物語に耳を傾けて初めて、創り上げられるものだ。■街角から畦道から離島の豚放牧で自立に挑む 田嶋義介(島根県立大学名誉教授 山口県光市) 「昨年は30頭いたが、今は22頭、ここらで落ち着かせたい」。売れ行きはいいのに、世の中と逆に飼育頭数を減らしたと話すのは、山口県上関町の上関原発予定地真向いの祝島の氏本長一氏(62)。耕作放棄地で豚の放牧経営をしている。減らした理由は、頭数を増やせば、島内から出る残飯ではエサが賄い切れないからだそうだ。氏本氏は祝島生まれ。帯広畜産大で学び、3000頭を育てる宗谷岬肉牛牧場の牧場長もした。母親の介護が必要になり、07年、人口450人の島に戻った。「原発が農業にとって邪魔なことはフクシマが実証した。原発に反対するだけでなく、離島でも小規模、循環型の外部環境に負荷をかけない自立した農業ができることをみせたい」と意気込む。放牧豚の肉質は良く、通常の3倍の値段で東京などで取引されているという。「飼育数を3分の1にしても収入は通常と同じ」と笑う。 ※写真は「氏本氏と豚たち」■まち・むらニュース・北海道 オホーツク食のブランドフェアを札幌で オホーツクの地域資源を活かし、ゆとりのある滞在観光と豊かな食をPRするフェアを開く。オホーツク管内の水産物や加工食品のおいしいもの、素敵な品をたくさん集め、札幌に届ける。また、オホーツク管内で活躍している15のキャラクターが結成した「オホ☆キャラ隊」も登場!各地域の紹介やイメージソングの紹介、記念撮影会などのステージイベントも。期間:10月19日(金)~21日(日)10:00~20:00(21日は18:00まで)場所:イトーヨーカ堂アリオ札幌店催事場(札幌市東区北7条東9丁目2-20)問い合わせ:オホーツク総合振興局商工労働観光課観光室(0152)41-0639━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━米粉のまち・胎内市から・・・先日の「べえべえグランプリ」の審査。一口サイズのべえべえを、一般来場者先着50名様が試食審査。みなさん、真剣な表情でした。http://tainai-komeko.blogto.jp/archives/18538544.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「日光『食』の研究所」から・・・日光産豚肉の「豚肉のシャブシャブ」です。シャブシャブすると、肉の甘みの広がりが一段とわかり美味しさも格別。夏バテ気味の体におススメです。http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-200.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━クオリティライフから・・・10月から、私たち「たまな食堂」と、ポーラ・オルビスグループの敏感肌向け化粧品ブランド「decencia(ディセンシア)」とのコラボレーションがはじまっています。詳しくはこちらから。http://nfs.tamana-shokudo.jp/?p=2139━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「スローライフ逸品フォーラムin高岡」から高岡市長のスローライフ逸品宣言でフォーラムの幕が閉じました。関係者の皆さま、お疲れさまでした。そして全国から高岡に足を運んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。この逸品の動きが広がっていきますように!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━コラム<象さんの散歩> 「スローライフ逸品」に辿りついて・・~~~ 秋の工芸イベントめぐりが続く。先週は、伝統文化ポーラ賞の表彰式とその工芸作品の展示、芸能・民俗行事の鑑賞が都心のホテルで。ことしは優秀賞2、奨励賞2、地域賞5。近藤文化庁長官も3時間たっぷり。いい会合だった。 主宰するのはポーラ伝統文化振興財団。大変に意欲的な催し。すでに32回を数える。私は財団の評議員をつとめていて、半分ほどは参加してきた。 交流会では受賞者と話し合う機会もある。それぞれ静かにときの文化を語る名優、達人、語り部・・。私には岐阜県多治見の鈴木徹さんの話が楽しかった。織部釉をきわめつつ「緑釉陶器」という独自の境地を開き、注目される。伝統を踏みしめ、新しい感性をつけ加えていく。宮古上布制作の沖縄県・新里玲子さんもそうだ。伝統と創造をともに活かそうとの試みに敬服あるのみだ。 ここでも、高岡での「スローライフ逸品フォーラム」はどうかと思いが至る。週末、この欄を書き上げ、象さんの気持ちは、高岡目指してまっしぐら。 × × × × × そのフォーラムが終わった。「伝統と創造」も論点に・・。∨ 川島正英 ∧コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 神様の塩~~~三重県伊勢市二見浦、ここでは伊勢神宮に納める塩を作っています。といっても大々的に工場で、ではありません。塩田で濃い塩水を作り、煮詰め、出来上がった荒塩を三角錐の素焼きの型に詰めて、焼き固め「堅塩」というカチカチの塩を作り上げます。数百年、いやもっと長い間、変わらぬやり方で。松の緑茂る神社の中、白袴姿の男性が一人、淡々とこの作業をされていました。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=181■編集室だより □スローライフ逸品宣言! 高岡でのフォーラムが終わりました。レポートは追ってホームページに掲載 していきますが、編集室だよりでも少し報告を‥。 スローライフ逸品を高岡から-。フォーラム会場で宣言された高岡市長の宣 言文を紹介しておきます。======== 「スローライフ逸品フォーラムin高岡」宣言 今日、高岡の地で、ものづくりの世界の変容を反映させようという初めての 試みとして「スローライフ逸品フォーラム」が名乗りを上げました。 スローライフとは、「ゆっくり、ゆったり、ゆたかに」。結果だけでなく過 程を大切に、という考えです。ものづくりも、高度成長期を経てその形も大 きく変わりつつあるときに、「3・11」の東日本大震災が、あらためて新し い有り様を問いかけました。 スローライフ逸品への動きが少しずつ広まってきており、今回は、「まち、 技、こころ」の3つをキーワードにフォーラムを開催しました。そして、逸 品づくりには、地域の資源を活かす、暮らしに役立つ、地球にやさしい、心 と体を健やかに、さらに、物語をもつ、人と人をつなぐ、という多様な要素 と働きが見られることなど、フォーラムの議論から見いだせました。 ものづくりとまちづくりは、ひびき合い、結びつくものです。 すぐれたむら・まちが、すぐれたものを生みだし、すぐれたものが、すぐれ たむら・まちを創りだすという「逸村逸品(いつそんいつぴん)」の考え方 を万葉の時代から脈々と続く歴史と文化、その上に市民の熱意あふれる試み が積み重ねられてきた高岡の地で共有することができました。 「おりん」が凛々と澄みきってひびく秋、高岡市は、逸品づくりの先進地と して変わらぬチャレンジを続けるとともに、高岡から全国に「スローライフ 逸品でのつながり」を呼びかけることを決意し、宣言いたします。 2012年10月14日 富山県高岡市長 髙橋 正樹 ======= □今年度の会費をお願いします。新会員も募集中。 スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・ 神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)です。 スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、全国で スローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。 年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」 などで交流したり。会費は下記の口座へお振り込みください。 【振込先】 ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会 三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会※4月~3月の年会費のため、昨年度中途のお支払いの方も、新年度は新たに お振込いただきたく、よろしくお願いいたします。※個人名以外の口座でお振込の場合、確認できませんのでご一報ください。 新しく入会ご希望の方は、こちらからお申し込みください。 【入会フォーム】 http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=6■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/——————————————————————————–“