週刊スローライフ瓦版 (2014.6.10 第212号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★6月の「さんか・さろん」は、すでにお知らせした・・大石芳野さんの写真と随想「福島を視つめて」。ドキュメンタリー写真集『福島FUKUSHIMA土と生きる』でも注目される時の話題を・・(詳細は「編集室便り」に)★★★★★コラム<火曜日の鐘> 斉藤睦(地域総合研究所所長) ~~~ 自信と希望 大学の学生さんたちを20数名インターシップとして受入れ、一緒にまちの謎解き周遊コースをつくる、というのをやっている。この学生さんたちが初々しい。あいさつや敬語の使い方など、一生懸命さがあふれていて“カワイイ。 数日前、日本、アメリカ、イギリスなど7カ国の若者たちの意識調査が発表された。その結果を見ると、日本の若者は「自分自身に満足している」割合が最下位の45.8%。「将来に明るい希望がある」が61.6%。日本以外の国々では、自信、希望とも「ある」と答えている若者が7、8割以上いるのに、日本の数値のあまりの低さにびっくりする。 学生さんたちがカワイイのは、自信がなく気弱さを感じさせるせいかもしれない。しかし今自信がないのは、将来の伸びしろがたくさんあるのだともいえる。このインターンシップ事業で、若者たちに自信と希望が湧くよう工夫するのも大きな役割だと思って、こちらも初々しい気持ちで取り組んでいる。学会コラム<緑と絆の木陰> 坪井ゆづる(朝日新聞仙台総局長・東北復興取材センター長) 東北はまだ植民地だったのか 6月2日付の朝日新聞第3社会面(東京本社版)に、「東北学」の赤坂憲雄学習院大教授(福島県立博物館長)のインタビュー記事を書いた。ことしの「3.11」の朝刊1面でも引用した赤坂さんの言葉・・「東北はまだ植民地だったのか」の「植民地」の部分を、じっくり聞きたかった。 その紙面に載せきれなかった赤坂語録を3つ紹介する。ひとつは、50年前と次回の東京五輪の決定的な違い。「前回は戦後復興という国民の願いを背負ったお祭りとしてデザインされたが、次回は震災復興に向けた国家的な行事にはならない。すでに資材も人材も被災地から東京に吸い寄せられている。五輪開催で、原発事故など『なかったことにしておこう』と言いたいかのようだ」 二つめは、巨大防潮堤の将来像。「国土強靱化で全国に防潮堤を造ろうとしても、いずれ国にお金がなくなり、工事が止まる。そのとき、東北には点々と食い散らかされたような防潮堤が野ざらしになっているのではないか」 三つめは、東北人気質。「一揆や打ち壊しの伝統はあるが、声をあげる習性がない。もっと言葉で戦う訓練をし、きちんと主張しないとダメだと思う」 そうそう、そうなんですよねえ、と相づちを打って聞いていた。 ▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej三重県桑名市「松阪もめんの雪駄」。日本の木綿発祥地といわれる松阪、その藍色の縞柄を雪駄に活かしました。木綿特有の感触が、これからの時期に快適。△△△△△△△△△△△■街角から畦道から 田嶋義介(島根県立大学名誉教授) いまだ未解決の40年目の豊島事件 「第18回アースディかがわin豊島」に5月下旬に参加した。瀬戸内海の豊島産業廃棄物不法投棄事件は発端から40年目を迎えたが、いまだに廃棄物処理率は約70%にとどまっている。今年7回忌となる筑紫哲也TBSキャスターが1997年に現場から生中継をして全国的関心を呼んだが、島の内外で事件への意識が薄れつつある。事件は激しい住民運動の末、2000年に公害調停が成立、03年から産廃の撤去作業が始まった。13年3月末に撤去完了の計画だったが、調査が進むにつれ、処理対象物が当初の67.4万トンから91.1万トンに増え、総事業費も約700億円にふくれた。調停上の処理期限17年3月末にも、単純計算では間に合いそうにない。汚染水問題も起こり、まだまだ道は遠い。イベントでは、約40人の参加者が、掘り返しの続く不法投棄現場(写真)を訪れて、廃棄物対策豊島住民会議から説明を受け、認識を新たにした。■まち・むらニュース・東京都新宿区 経済を基軸に読む「世界と日本の現在」神野直彦・スローライフ学会学長の朝日カルチャーセンターでの講座です。世界で日本で、私たちの眼前で次々に噴出している危機的出来事を秩序立てて理解し、そこから未来に向かって何をすべきかを探っていく。日時:6月14日(土)10:00~15:00(12:00~13:00昼休み)会場:朝日カルチャーセンター新宿(新宿区西新宿2-6-1新宿住友ビル内)受講料:7344円(朝日カルチャーセンター会員は6048円)申込み・問合せ:TEL 03-3344-1941http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=239332&userflg=0・東京都豊島区 田嶋雅己写真展「炭坑美人」が開催される筑豊に通い詰めて取材、また体験談をまとめた写真集「炭坑美人」からの写真展が開かれる。筑豊炭田で過酷な労働と生活をしてきたおばあちゃん達、その底抜けに明るい表情の数々が印象的。(会場の床屋ギャラリーは週末に開く)会期:6月29日まで金・土・日曜日のみ 13:00~19:00会場:床屋ギャラリー 豊島区南池袋3-15-7問合せ:TEL090-3688-4737(武田)http://tokoyagallery.blogspot.jp/コラム<象さんの散歩> 中野区長選挙は恥ずかしい結果に 東京都中野区長選挙は、翌9日開票。投票率は30%に届かず。結果は現職の田中大輔氏の4選に。何とも淋しい、悲しい、いやいや恥ずかしい。 選挙の争点は、田中区政が進めてきた開発政策をめぐる論点などもあったが、やはり、今回は多選が大きく問われた。単なる多選の是非ではない。田中候補が最初の選挙で自らが多選NOを公約、だけでなく、区長に就いたあと区議会に「区長は連続3期まで」の自粛規定を設けた自治基本条例を提案、成立させた。なのに4選を目指したのだ。自粛規定を削りとっての出馬だった。 多選を3期と見るか4期と見るか、はともかく、東京都杉並区の山田宏区長、川崎市の阿部孝夫市長は多選自粛規定の条例を設け、三重県の北川正恭知事、鳥取県の片山善博知事は、条例なしで2期で退いた。マスコミの評判はよかった。また北川さん、片山さんの2期の実績と英明ぶりは知られるところ。 きわめて有名な引退例は、細川護煕氏の熊本県知事辞任。2期で「権不十年」と唱えた。そのこころは「花に10年の紅なく、権は10年久しからず」と。 中野区は教育委員準公選制はじめ市民自治で全国に先駆けてきた。私も都市づくり、情報公開などの分野でお手伝いしてきた。だから、首長の多選は問わないとして、区民を裏切る単純過ぎる約束違反が許せない・・∨ 川島正英 ∧================= PR =====「奈良県十津川村」から・・・7月5日(土)6日(日)大自然の中で、男女の出会いツアーが行われます。温泉あり、パワースポットありの「縁活ツアー」、申し込みは6月25日まで。http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/contents/1400737469665/index.html=======コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 弱者の買い物~~~ 先日、スーパーのエスカレーターを降りたところで、杖をついたおじいさんがよろけ、そこへ次々と人が来て少々危ない状況でした。同じ日、フライ売り場では、やはりお年寄りがほしいものをトングでとれず諦めていまた。弱い人たちが買い物しずらくなっているのを、ひしひしと感じます。映画鑑賞券のネット予約にも一苦労、「15分以内に入力を」という時間制限にまいりました。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=265■編集室便り●さんか・さろんは、「福島を視つめる」。来週の「さんか・さろん」は、NPO理事・大石芳野さんです。今回は、その写真集『福島FUKUSHIMA土と生きる』を拝見しながら、大石さんの想いを語っていただきます。詳しくはこちらから ↓http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=206○と き・・・6月17日(火)19時~21時○会 場・・・クオリティKK・会議室マーキュリールーム (千代田区麹町3丁目3 KDX麹町ビル6階) http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html 地下鉄麹町駅の近く。 新宿通りに面して麹町4丁目交差点から半蔵門寄り徒歩1分。 ○講 師・・・大石芳野(おおいし・よしの)さん 東京都出身。写真家。NPOスローライフ・ジャパン理事。 日本大学芸術学部写真学科を卒業後、ドキュメンタリー写真に携わり、 今日に至る。戦争や内乱、急速な社会の変容によって傷つけられ苦悩しな がらも逞しく生きる人びとの姿をカメラとペンで追っている。○主 催・・・スローライフ学会○参加費・・・会員1000円、一般2000円(学生500円、講師紹介1000円)○申込み・・・6月16日(月)までにご一報ください。 TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 090-7433-1741(事務局:野口携帯)●スローライフ学会の増田寛也会長が、日本記者クラブ 「人口減少問題」研究会で講演 6月9日、記者クラブ講堂で 『ストップ「人口急減社会」』 わがNPOスローライフ・ジャパンとしては、ことし、増田さんの「むら・ まちを消滅させない」思いをこめた政策提言に歩調を合わせて、むらづくり の活動をいっそう進めていくことにしています。 この「 編集室便り」でも、できる限りメモしていくつもりです。 今回は、増田さんが、日本記者クラブでも問題を提起したというニュース。 増田さんは・・人口減少は、20代30代の若年女性人口の減少、東京への一極 集中という人口の社会移動、の二つの要因で加速する、と語り始め、日本の 人口・国土構造を描く国家戦略が必要・・という持論を展開した。 この日、記者クラブ「人口減少問題」研究会の第1回スピーチであったが、 講堂いっぱいに会員が聴講、質疑応答も熱のこもったものだった。 増田さんは、クラブ恒例のサイン記帳では「一意専心」と書き、人口問題 へ込める思いを垣間見せた。●新しい年度、平成26年度の会費をお願いします。 新しい会員も募集しています。お誘いあわせてどうぞよろしく。 スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会 (学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子) です。スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、 全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。 年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」 などで交流したり。会費は下記の口座へお振り込みください。 【振込先】 ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会 三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会 ※このスローライフ瓦版は、会員以外の方にもお送りしています。 これからもお気軽にお付き合いください。□スローライフ版・IT塾 ——————————————–Q:ノートパソコンを持ち歩いていますが、長時間使っているとバッテリーが気になります。長時間使うためのコツはありますか。また作業中に切れたら、データはどうなるんでしょうか。 <編集部:篠原伊佐武> ▼A:最近のノートパソコンは、電池が切れそうになると自動的にデータを安全な場所に退避させるようになっているので、万が一、使用中に切れてもデータが消える心配はありません。パソコンの動作速度を遅くしたり画面を暗くして多少長持ちさせることもできます。最近はカフェや新幹線など、電源が使えるところもあります。気になるときは、ちょっと荷物になりますが電源ケーブルを持ち歩いて、そういう「電源」も活用しましょう。