週刊スローライフ瓦版 (2014.6.24 第214号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★6月さんかさろんは、大石芳野さんの“観る聴くさろん「福島を視つめて」。好評でした。7月も“観る聴くさんかさろんを企画中。わがNPOの浦聖冶理事がエルトゥールル号遭難事件の映画化を語ります。(「編集室便り」に)★★★★★コラム<火曜日の鐘> 丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長) ~~~ 「一滴の水」から 奥山にわき出た一滴の水が流れとなり、沢をつくる。いくつかの沢が合わさってひとつの川が生まれ、小さな川が次々に合流して大河となる。地方と都市の関係は、そのようにも例えられるでしょうか。 いつしか工場が止め、人が減り、商店が消え、街の衰えが進む。「一滴の水」たる地方の現実は苛酷です。「一滴」の枯渇は、やがて大都市を襲っていくことになるのでしょうが、その危機感はどこまで広がっているものでしょう。 しかし、個々に現れる現象を何かの対策で補おうとする営みでこと足りるとも思えません。私たちはいよいよ、21世紀の哲学を新たに打ち立てる必然性に迫られているのでしょう。大きいこと、多いこと、速いこと、早いことをよしとしてきた考え方を根本的に改め、望ましい社会の姿を描けるのか。だれかに試されている気もします。 スローライフの思想を、その根底に根付かせる。こちらも、いよいよになってきたのだと思います。学会コラム<緑と絆の木陰> 増田 寛也(野村総合研究所顧問) 極点社会を憂う 先日、人口減少社会の将来とその処方箋を発表したところ、大きな反響があった。2040年の「消滅可能性都市」のリストを掲げたことが、衝撃的だったようだ。もとより「現在と同じ状況が続けば」という前提であり、出生率などが向上すれば結果は変わる。 逆にいえば、晩婚、非婚と若者の東京一極集中構造が変わらなければ、人口急減社会イコール「極点社会」が出現する。2040年には全国の半数の自治体に消滅可能性があり、東京は超高齢化で介護がほとんど困難になるという恐ろしい姿だ。 結婚や出産という男女間のデリケートな問題に国家や行政が足を踏み入れるべきではないが、子どもを産み育てたい人の希望を阻害する社会的な要因は取り除かなければならない。また「東京一極集中構造」は欧米の「地域分権構造」に比べ特異で、唯一の成長モデルではない。 最近、外食チェーン店が人手不足が理由で、相次いで店舗の閉鎖に追い込まれているという。若者を低賃金で使い尽くし、本人が辞めたらすぐに代わりの人を補充するという低賃金労働モデルが限界にきたことを示しているといえよう。深夜や明け方でも安い牛丼がいつでも食べられることを便利だと思うのではなく、これからは過剰な利便性を拒否する勇気を持たなければならないと思う。▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej高知県土佐市「りぐる不織布ロール」。土佐和紙の技を不織布に取り入れて開発されたロールペーパー。吸収力が素晴らしく、とにかく破れない、強いです。△△△△△△△△△△△■街角から畦道から 多々良栄里(東京都江東区 フォトグラファー) 遠くから太鼓の音・・写真を始めて19年になります。写真には記録という役割が与えられていますが、最近では「何か」を「何か」のまま提示する、既存の価値観では論じられない写真が増えたように思います。東日本大震災が起き、どうしようもないことが増えた現代社会がそんな文化を定着させたのかもしれません。かくゆう私も1年半ほど前、16年撮り続けた故郷の人と風景の写真集を出版しました。ごく普通の日常の中にある永遠に、しがみつきたいと思う気持ちに気づかされたのは、あの揺れと恐ろしさを経験した後でした。今は、先祖の地を撮影しています。稲作が始まってから途切れることなく人の営みが続いた地に凄みを感じます。豊富な湧き水に支えられた広い水田は、日頃東京の湾岸景色に慣れてしまった私の目を釘付けにして止みません。写真展を開いています。「遠くから太鼓の音が聞こえる」6月23日(月)~7月6日(日)ギャラリー蒼穹舎 http://www.sokyusha.com/shop.html ■まち・むらニュース・広島県廿日市市 みやじま国際パワートライアスロン大会2014を開くスタートは世界遺産の厳島神社。スイムは瀬戸内海を縦断して対岸までの2″5km、続くバイクは中国山地の高低差850mの55kmを一気に上がり、最後の20kmのランコースは登って降りる坂道コース。制限時間はトータル7時間。美しい景観と、コース途中の住民との触れ合いが人気で今年8回目を迎える。開催日:6月29日 9:30スタート 会場:廿日市市内主催・問合せ:はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン大会実行委員会事務局 TEL0829-20-0021http://miyajimatriathlon.com/・神奈川県平塚市 第64回ひらつか七夕祭り戦後の商業振興策として始められ、日本一といわれる豪華な七夕飾りは今や関東を代表する夏の風物詩。投票で選ばれた3名の「織り姫」のパレード、七夕飾りのコンクールなどさまざまな行事も行われる。開催日:7月4日~6日 会場:JR平塚駅北口商店街を中心とする市内全域主催・問合せ:湘南ひらつか七夕まつり実行委員会 TEL0463-35-8107http://www.tanabata-hiratsuka.com/summary/コラム<象さんの散歩> ねじれが解消しても、速くても・・ 昨年7月に衆参両院のねじれが解消して初めての通常国会は、22日に終わった。政府の提出法案は、予想どうり、97%ときわめて高い成立率だった。 毎日新聞と読売新聞が「通常国会閉幕」という同じカットで、しかし対照的な評価の社説を載せた。読売は、初の通常国会は一定の成果を上げたといえる、とプラス面をあげ、「与野党協調を一層進化させよ」と説く。 対して毎日は、「言論の府の埋没を危ぶむ」と批判的。野党が対立軸を示せないで自民党の「一強」状態を加速させ、国会の機能低下をもたらしている、このままでは解釈改憲が実現してしまうおそれすらある、と書く。 朝日新聞は、閉会時点で世論調査をやった。「内閣支持率は43%、安倍政権になって最低に」、「集団的自衛権論議を不十分と見る 76%」の二つの数字をあげておきたい。そう、政権も国会も、支持できない、十分でない。 昨年の臨時国会では「特定秘密保護法」の突風が吹き抜けた。今国会でも、消費税引き上げと見合う形で与野党で合意した「議員定数削減」に取り組む動きはなかった。また石原環境相の福島での「金目でしょ」発言を不信任、問責できなかった。いままさに、国会審議も民意もはねのけての「集団的自衛権」の閣議決定へと遮二無二急ぐ暴風が吹く。ねじれ解消、はいいとして、だから「なんでも速く」というファスト国会は願い下げにしたい。 ∨ 川島正英 ∧================= PR =====「奈良県十津川村」から・・・十津川村に来たら「道の駅十津川郷」にお寄りください。山里の幸がいっぱいなのはもちろん、お昼近くに並ぶお弁当や「めはり寿司」は地元の方にも人気です。無料の足湯もあります。場所は役場の隣り。電話0746-63-0003=======コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>~~~ 「もう産まない!」宣言したくなる今回は私、怒っております。都議会のセクハラ野次は、世界の恥。「特定できない」などとお茶を濁そうとしていた自民党、本人が名乗り出たとてあれが本音なのでしょう。おやじたちは「もう産まないよ。産めないよ」と、女たちが突きつけている刃がわからない。こんなひどい社会に生まれたら、子供がいよいよかわいそうだ。 女たちは、ますます「産まない宣言」をしたくなるかもしれません。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=267■編集室便り□ 「エルトゥールル号」映画化で 日本とトルコの友好の物語を 胸に刻みたい (特定非営利活動法人「エルトゥールルは世界を救う」 浦聖治理事長のあいさつから)「特定非営利活動法人 エルトゥールルが世界を救う」は世界平和に寄与することを目的として、2012年6月に和歌山市にて設立されました。1890年9月、トルコ海軍軍艦エルトゥールル号が和歌山県串本沖で遭難。大島島民が生存者を決死で救出し、手厚い看護をしました。これが日本とトルコの友好関係の始まりになっています。そして1985年、イラン・イラク戦争真っ只中、テヘランの空港に取り残された日本人をトルコ航空機が救出してくれました。これら2つのエピソードは時空と民族を超えた相互協力の精神を物語っています。これらの素晴らしいエピソードですが、映画化することにより周知活動が加速します。現在トルコと日本が共同で映画化するプロジェクトが進行しています。当法人としましても、映画化を実現すべく協力することになっております。 「瓦版」の次週の号から、この欄で7月「さんか・さろん」に向けて 遭難事件など日本・トルコ友好物語の映画化あれこれを紹介します。□「かごしま暮らし・交流セミナーin大阪・東京」のお知らせです。スローライフ学会の団体会員である鹿児島県主催のセミナーです。どうぞ・・。~「豊かな自然」「おいしい食材」「南国浪漫の歴史と溢れる人情」こんな鹿児島であなたのスローライフを実現しませんか~ 都市圏在住で鹿児島県への移住に関心のある方々を対象に、鹿児島の魅力を 伝えるこのセミナーでは、・県の紹介・就業情報・移住者の体験発表・参加 市町村による移住支援施策の紹介・個別相談 などのプログラムがあります。 7月に行われる大阪と東京のセミナーは 大阪:7月12日(土)13:00~16:30 大阪産業創造館 東京:7月26日(土)17:00~20:30 NPO法人ふるさと回帰支援センター問合せは、鹿児島県企画部地域政策課 TEL099-286-2424下記より参加申し込みが必要です。http://www.pref.kagoshima.jp/ac01/pr/koryu/event/2607_osaka_tokyo.html ●新しい年度、平成26年度の会費をお願いします。 新しい会員も募集しています。お誘いあわせてどうぞよろしく。 スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会 (学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子) です。スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、 全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。 年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」 などで交流したり。会費は下記の口座へお振り込みください。 【振込先】 ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会 三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会 ※このスローライフ瓦版は、会員以外の方にもお送りしています。 これからもお気軽にお付き合いください。□スローライフ版・IT塾 ——————————————–Q:ネット上のPDFファイルを印刷しようとしてもできませんでした。パソコンにダウンロードしたらできるかな、と思ってやってみてもできません。こういうことがあるんでしょうか。<編集部:野口智子> ▼A:出力された資料がむやみに出回ることを危惧して、印刷できない制限をつけてインターネット上にアップすることができます。おそらくそういうファイルだったと思います。PDFデータを開いて右クリック、「ドキュメントのプロパティ」~「セキュリティ」のページを確かめてください。印刷が「許可されていません」となっているとアウトですので、作成者などに使用許諾を求めるなど、問い合わせてみてください。