地球沸騰の時代。温暖化などという生ぬるい感じの言葉ではなく、炎暑化と表現するほかない気温が続きます。国内最高の41.8度を群馬県伊勢崎市で観測した5日には、東京、埼玉、茨城、栃木など14地点で40度を超えました。ああ、亜熱帯ニッポン。6日、9日、15日と、それぞれに戦争を見つめ直す日々、天地が燃えているようです。
*写真は酷暑に負けず咲く富貴ラン=高知県梼原町にて。
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『緑と絆の木陰』
危険を感じているのは私だけかしら
中村桂子 (JT生命誌研究館名誉館長 スローライフの会共同代表)
皆様のお話がとても楽しく、こんなことを書くのは憚られるのですが、仕事上の悩みについてお考えを伺いたいので。AIのことです。
1970年代に遺伝子組換えが可能になった時、野放しではいけないと思った専門家が、まず技術を全面停止し、国際会議でガイドラインを決めました。この技術は、誰もが使うものではなく、大学や企業の問題ですが、今もそれは守られています。
生成AIは、子どもも含めてすべての人が関わる技術ですのに、野放しです。私は遺伝子組換えと同じく、一度止めて、ガイドラインをつくる必要があると思っています。
●文つくりは、人間の基本的賢さとつながる作業であり、ゼロから文をつくらなけれ
ば、想像力と創造力が消え、人間としての存在意義がなくなります。
●生成AIを使って育ったら、「考える人」でなくなり、「速度とお金だけの人」になります。
●AIと人間は全く違う存在なのに、「AIが人間を超える」という誤った考えが広まり、人間を人間として評価できなくなります。
●泊原発の再稼働は、データセンターでの大量電力(エネルギー)のためとはっきり言われました。「危険な暑さ」と言われる日々です。エネルギー消費を大量に増やしたら、気候はどうなっていくのでしょう。
20ワットで動く私たちの脳をフル稼働し、バカみたいに急がない社会にしないと、どうにもならない「危険な気候」がきます。生成AIと食べ物とどちらが大事でしょうか。
年寄りがわけのわからんことを言っておる、ということであればよいのですが、ぜひ、どなたか、お考えをお教えいただけませんか。
<あっちこっちで多事争論>
短歌と戦争と
松井悠夏 (東京都 スローライフの会会員)
「太き骨は先生ならむ そのそばに ちいさきあたまの骨 あつまれり」
6日に広島市で開かれた平和記念式典で、石破首相が挨拶の締めに引用した短歌である。作者は被爆歌人の正田篠枝さん。広島の惨状をありのままに詠んだ短歌100首を歌集「さんげ」にまとめ、GHQの目を逃れ死刑をも辞さない覚悟で秘密出版した。この歌は、その中の一首である。
そもそも「さんげ」とは、どういう意味なのだろうか。懺悔とも散華とも書ける。「さんげ」と読む懺悔は仏教用語で犯した罪を悔い改め、仏に告白することで、キリスト教の告解に近いかもしれない。散華も仏教用語で仏の供養をする際に花を撒くこと、あるいは戦死を美化して言う言葉(花と散る)でもある。
懺悔でも散華でも生き残った側の人間の苦しみが伝わる。特にこの歌は最も有名で、戦争を経験したことのない私たちにも戦争の哀しみ、原爆の恐ろしさが想像できる、心が動く歌だ。死んでもなお言葉の力が働くことのすばらしさと、作者の戦争による深い深い悲しみ、やるせなさ、苦しみも未来に伝える意思の両方を同じ歌詠みとして感じた。
最近、短歌界には「戦争」という言葉を、あまり良しとしない風潮がある。理由は「現実に戦争をしているから」。平和だからこそ「戦争」を鬱々とした日常の突破口の意味で使えたりしたが、ここ数年で戦争がリアルになり過ぎてしまった。言葉の力が人々に平和な心をもたらし、平和ゆえに「戦争」という言葉が忘れさられ、使われなくなるような時代になることを願う。
今年の広島原爆の日
金井紀光(東京都 写真家)
毎年この時期通う広島です。灯ろう流しの行われた元安川にこんなメッセージがありました。

夏は水辺とワインに癒されて (下)
安井美裕 (北海道池田町長)
夏本番、「この季節はやっぱりビールでしょう」という方も多いはず。でも、町民一人当たりのワインの消費量が全国一とも言われる、わが北海道池田町の町民は夏もワインを積極的に楽しみます。
先日、「十勝ワインを楽しむ町民パーティ」が開催され、夏のひと時、屋外でワインを楽しみました。約20種類のワインの飲み比べ、特別な熟成ワインも提供されていました。
最初はスパークリングワインで乾杯。あの泡と酸味の爽快感が宴の最初を華やかに演出します。そして、キリっと冷え酸味の効いた白ワインはこの季節最高です。また、池田町ではロゼワインをロックで楽しむ「ロゼ・ロック」やブランデーを炭酸水で割った「ブラボール」など独自のスタイルで楽しみます。
もちろん、赤ワインも楽しみますが、気温の高いこの時期は、いつもより低めの温度で、酸味が強めで反対に渋みが抑えられた軽快な味わいのワインがおすすめです。
そうですね。夏を楽しむワイン、キーワードは「酸味」。そして、気取らずに気軽に楽しむこと。パーティは大いに盛り上がりました。
暑さが続くこの季節、食欲も減退し疲れ気味な方も多いはず。そんな時こそ、酸味の効いたワインで身も心も癒されましょう。

しずおかのひみつ (下)
ほんだゆかり (静岡市 スローライフの会会員)
ほんだおすすめ「静岡市グルメ」は、静岡駅から徒歩3分・わさびの老舗(明治8年)「田丸屋本店」のわさび丼700円→→→徒歩30秒・練り物老舗(明治22年)「蒲菊本店」で黒はんぺんのフライ1枚170円→→→徒歩15秒・お茶の老舗(慶応元年)「小山園」の給茶スポットへ。マイボトルを持参し、めちゃ美味しい静岡茶100円。
この、トリプル老舗堪能コース。コスパ良し! ぜひお試しあれ。
そこから徒歩3分ほどの「しずおかのひみつ」へ。ぜひ、足を延ばしてください。ここは①静岡市のお土産物店、②一箱本棚オーナー「みんなの図書館」、③カフェ。3つの魅力のごきげんなスペースです。
お土産物なら、タミヤ模型のスペアボトル、伊奈せんべいの「あじろ」、あらしおの「塩キャンディ」、シンプルな銀色の「お茶缶」などが、ほんだお気に入り。さらに、「静岡市」のいろんな活動のめちゃコアな人たちが顔を揃えた一箱本棚のオーナーたち!! 「静岡市」のいろんな魅力がいっぺんに体験できるスポット。それが「しずおかのひみつ」です。

終活はじまりはじまり〜
舟越隆裕 (栃木県日光市 珈琲CoCom)
私もいよいよ終活すべき歳になったので、長い間手続きを済ませていなかった亡父の土地建物を相続し、土地活用することにしました。
まずは、実家の建物解体。
子どもの頃から長く住んだことのある建物がなくなっていくのは、自分の決めたこととは言え、やはり心が痛みます。でも、ここからがスタートと、プラス発想で気持ちを新たに進もうと思います。
先日、お寺にお願いして、仏壇をわが家に遷し、この日は、解体後のお清めをしていただきました。
しっかりご先祖さまにご挨拶できて一安心です。
さぁて、何になるかは、お楽しみ、ということで・・・。
あ、キッチンカーは残りますよ〜

カピバラの気持ち
太田民夫 (神奈川県 スローライフの会会員)
連日の猛暑を避け、気分転換に伊豆で散歩。
散歩の途中にある某動物園には入場しなくても唯一、見ることができる動物がいる。入園口の手前にある一画だ。露天風呂に入る情景をメディアが冬の風物詩として取り上げるカピバラだ。
雲一つない昼下がり。「暑いな」と水たまりで寝そべっていたカピバラ。「おっと人間さまがきたようだ」とむっくりと起き上がった(写真)。まず伸びをしてからおもむろに、こちらに向かってくる。「あまりにも暑いので、気分転換に相手でもしてやろう」
檻の外の当方へ向かってきて鼻先を向けて「クウ、クウ」と食べ物をねだる。何もないのと「指をださないで」との注意書きもあり無視。「しょうがないな」と体にくっついた水を勢いよくぶるぶると体をゆすり、わずかな水しぶきが。そして目の前にあった乾草をしきりに食べた。
カピバラの原産地は南米。草食動物なので警戒心が強い。こんな気が利いたカピバラは珍しい。きっと同動物園で行われている動物と人間のふれあいを経験したからに違いない。
同動物園を離れカピバラの気持ちを感じながら海に向かって山道を下る。日射はきついが、南西の風が木陰に吹きこむ。ひんやりと気持ちがいい。

『スローライフ曼荼羅』
環り綿(めぐりわた)
野口智子 (ゆとり研究所、スローライフの会共同代表)
長崎県雲仙市小浜「アイアカネ商店」を訪ねました。藍と茜色に染める工房だから「アイアカネ」、そして藍は食べられると発信しながら商品開発も。工房と商店があります。さらに今は、綿にこだわった活動を展開中。本当の綿をみんなで作ろう、とプロジェクトが進んでいました。種を配って、各地で育てて、その綿を送り返してもらってタオルや赤ちゃんのおくるみなどにする。根気のいる作業が行なわれています。「綿がめぐり、人がめぐる」だから、単なる綿じゃない、ここにむくむく膨らんでいるのは、貴重な「環り綿」なのでした。 https://noguchi-tomoko.com/post-10868/
■■つべ小部屋■■
あの夏
つぼいゆづる (スローライフ瓦版編集長)
40年前の、きょう。1985年8月12日。夜7時のNHKニュースが終わる間際に、日航機の機影が消えたと報じた。へーっと思う間もなく、電話が鳴った。いきなり聞かれた。「そのへんで飛行機が墜ちてないか」
当時は朝日新聞の佐久通信局長だった。通信局とは警察の駐在所みたいなもので、長野県佐久市に住み、近隣の小諸市や軽井沢町など16市町村を担当していた。その管内にジャンボ機が墜落した可能性がある、と本社が連絡してきたのだ。
情報が錯そうするなか、南佐久郡北相木村の御座(おぐら)山あたりに墜ちたという話になった。その村には山村留学の取材で訪れた民宿があったので、そこへ飛び込み、取材の前線本部を設けたり、30本の臨時電話を引いたりする作業に追われた。
深夜には前線本部に続々と応援記者が詰めかけたが、山は真っ暗で何も見当たらない。夜明けとともに警察・自衛隊に同行して山に入ることになった。筆者は「周辺の地理に明るい」という理由(付近の山のことなど何も知らないのに)で、前線本部で指揮をとる本社デスクの横に座らされた。
翌13日昼前、川上慶子さんらの救出劇をフジテレビが中継するのを見た。あわてたデスクが筆者に、「テレビを見て夕刊の記事を書け」という。その乱暴さに驚いたが、画面の片隅に長野支局の同僚2人が映っており、結局、彼らの記事が載った。
当日は多くの記者が山中をさまよい、群馬県上野村の現場にたどり着けなかった。背広に革靴で登った横浜支局の記者はボロボロになって帰ってきた。実は到着できた記者は寝坊して警察官らとは別行動になり、現場上空を旋回する本社ヘリとの無線交信で進んだことが奏功したという。
筆者も3日後、現場に入った。まだ多くの遺体が散乱していた。あれほど多くの無惨な亡骸を目にしたのは、後にも先にもない。ちぎれた二の腕が樹木にぶら下がっていたり、暑さのために腐乱し始めた部位もあったりして、形容しがたい臭いが鼻をついた。その日、前線本部に戻っての夕食が焼肉で、ぎょっとしたのも忘れ難い。
後日、写真週刊誌が現場の遺体を載せたのを見て、「ああ、写真には臭いがないんだ」と思った。また、当時は犠牲者520人の顔写真を全国の記者が駆け回って集め、すべて紙面に載せた。近年、京都アニメーション放火殺人事件など、犠牲者が匿名になる事例が目立つのとは大違いで、時代の変化を実感する。
結局、前線本部には2週間いて、藤岡市の遺体安置所なども取材した。身重の妻が待つ佐久通信局へは社旗がたなびく黒塗りの車で戻った。「本社の記者は、こんな車に乗っているのか」と感心した。まさか、5年後に政治部で毎朝6時前から朝駆け取材のハイヤーに乗ることになるなどと、思いもしないで。
その後、墜落取材を本にするので、働きぶりを報告せよと言われた。自分はこんなに活躍したぞ、なんて恥ずかしくて書けないと思い、ろくに対応しなかった。なので、書籍「日航ジャンボ機墜落 朝日新聞の24時」にはほとんど登場しない。入社4年目、まだ若かった。今から思えば、もっと厚かましく「こんなに頑張りました」と事細かに報告すれば良かった。新聞記者には、そういう図々しい連中が多いことを、刊行された本で知った。
<編集室便り>
▽8月の「さんか・さろん」はお休みです。
皆様、よい夏休みを。事務局もお休みです。また9月16日(火)にお会いしましょう。
▽7月の村井康人さん「おとなの食育」のお話がYouTubeへ
https://www.slowlife-japan.jp/2025/07/30/%ef%bd%93-353/ こちらからご覧いただけます。
▽前回の瓦版に大阪府豊中市在住の会員、中野修さんから感想が届きました。
--瓦版2025.7.22第739号の前原民子さんのコラム「本屋と映画館と銭湯」を拝読して「そのとおりですよねえ」と共感しました。デジタル図書、ネット配信映画、ユニットバス…、確かにそれらは便利であると認めます。しかし、もっと「スロー」に、近所の本屋さんで立ち読みしながら好きな本を選び、気が向けばゆっくりと名画が鑑賞できて、時々、帰り道にゆったりと湯につかり顔見知りの人たちとおしゃべりもする…、そんな街が居心地よいと思います。増田寛也さんも街の書店の生き残りについて問題提起をされており、興味・関心が深まりました。
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【たまな商店】丹波篠山産の丹波黒大豆だけ使用の焙煎黒豆。こだわりの直火焙煎で仕上げています。いつものご飯に混ぜるだけで簡単に香ばしくて美味しい黒豆ごはんの完成です。そのままおやつとしても https://x.gd/tamana_shop
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