「秋はどこへいってしまったのか」と語り合っているうちに、本格的な冬になりそうです。すでに北海道には寒波が到来し、雪が降り積もり始めました。人間が慌てているのと同じように、クマたちも冬支度に忙しいのでしょう。各地で人里に出てきては「駆除」(銃殺)されています。その件数は、まさに異常事態といえるほど。はてさて、どうしたものでしょうか。写真は北海道・帯広駅前の黄葉。
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『緑と絆の木陰』
ここに住みたいと思った理由
中村桂子 (JT生命誌研究館名誉館長 スローライフの会共同代表)
雲仙で楽しい時間を過ごさせていただいてから約1カ月、その間に女性首相誕生ということもあって、こんなことを考えました。
「雲仙人(くもせんにん)」を中心に、地域で活躍していらっしゃる皆さまの活動を見ていて気付いたのは、そこにあるのは、男だから女だからという考え方や行動ではないということでした。心から自分がやりたいと思うこと、これこそ大事だと思うことをなさっていると自ずとそうなるのでしょう。少々の苦労は苦労ではなく(勝手に言って申し訳ございません)、すべてを楽しみにつなげていく活動には、人間としての私しかないわけで、男だ女だという話にはならないのでしょう。
それに比べて現代社会の象徴とも言える都会(私の場合は東京)での暮らしは、すべて分業で、男の仕事とか女の役割という言葉がよく出てきます。しかもそこに、なぜか上下関係が生まれるのです。そのような中で登場した女性首相は、「本来男性の仕事であった上等な仕事についた初めての女性」として頑張っているようで、なんだか物悲しいのです。
私の専門である生命誌で見ている生きものたちは、とても多様であり、しかも全てがフラットでオープンな関係にあるので、生きものである人間は、本来フラットでオープンなものだと思っています。雲仙で御一緒した方たちは、生きものっぽかったので、親近感が持てたのだと納得しながら、楽しかった時間を思い出しています。おかしな区別(時に差別)をつくる社会は止めて、それぞれが本当に大事と思うことをやる社会にするのが新しい生き方でしょう。
その意味で雲仙には未来につながる何かがあったのです。住人の数はあまり大きくない方がこのような生き方ができるとも思いました。
雲仙にいる間、「ここに住みたいな」と思っていた理由がわかりました。
恐らく日本のあちこちに、このような生き方があるはずだと思うと楽しくなります。
<あっちこっちで多事争論>
「NO」と言わせない日本
高橋征吾 (東京都 スローライフの会会員)
とある世論調査によれば、新政権の支持率は82%だそうです。ご祝儀相場であるにしても、政治不信が根深い中で、国民に広く支持される政権の船出は一見めでたいことなのかもしれません。老いも若きも男も女もスマホに夢中の昨今、政治ではネット(SNS)の影響がよく指摘されますが、「ネット世論」なるものについて蓋を開ければ、そこには自分への異論に対する極めて偏狭な、論にすらなっていない口撃があります(ネット工作を仕掛けるアカウントの存在も指摘されていますが)。
「多数派の専制」によって世の中が大きなうねりに飲み込まれそうな時ほど大切な「小さな声」を、窒息死させかねないこうした陰湿的なやり方は、「自由の気風」を尊ぶ多事争論とは全く逆の流れです。「愛国主義は悪党の最後の隠れ家」という言葉のとおり、異論・反論を封じた先の究極的な到着地は、ジョージ・オーウェルの描く、ビッグ・ブラザーに監視された『1984年』のような世界なのではないでしょうか。
盛田昭夫・石原慎太郎共著『「NO」と言える日本』という本がありますが、それから30数年を経た今、内なる異論に向かって「NO」を言わせない方向にこの国が向かいつつあるのではないか。そんな懸念が杞憂ではないことを願います。
最近思っていること
堀口治香 (長崎県雲仙市 雲仙人の会事務局)
最近、時間を気にせずに人と「話す」ことを心がけている時があります。
きっかけは今年の初め、尊敬する知り合いの方が飲みの席でボソッとぼやいた「みんな、友達とか仕事相手と話さないね。もっと普段から会って話したほうがいいよね」という言葉でした。この方の言う「話す」とは、大小さまざまな話題を重要度関係なく口にして、好きなだけ自分と相手との時間を過ごすことだと思われます。
日常を思い返せば、週5日を占める仕事において、ほとんど話らしい話はしません。簡潔に用件を伝えて約束を取り付けることや、余計なことで脱線せずに短く会議を終わらせることなどばかりです。一人が好きな傾向のある自分も、こんな日々が続けば、時々何をしてどこをめざしているのか分からなくなります。
折を見て、相手と色々と話し、物事を楽しんでいかなければ、幸せを感じ続けることは難しいなと思うことが増えました。雲仙という、都会より人の少ない地域に居ると、なおさらそう思います。なので、これからも、仕事や「雲仙人の会」などで、しれっと時間を使って、会う人と「話して」いくことに挑んでいこうと思います。
*写真は地元の新米おにぎりの試食を手伝う筆者。

ボランティアに目覚める年頃
舟越隆裕 (栃木県日光市 珈琲CoCom )
実は今年度から、地元の通訳ガイドボランティア団体の代表になりました。
主な活動は、観光案内所での情報提供ですが、せっかくなので、今までと違った取り組みがしたいと思い、「日光ボランティア市民活動フェスタ」というイベントに参加しました。
「子どもたちに英語に親しんでもらう」をテーマに体験メニューを考えあぐねた結果、日光市にちなんだ言葉の英訳を並べて、どれが正しいかを当てるクイズを実施することに。メインの対象が中学生なので、そのレベルに合わせ、問題は「杉並木」の「杉」は、「ceder」と「pine」どちらが正しいか? 「中禅寺湖」の「湖」は、「lake」と「like」どちらが正しいか? などです。
おかげさまで、お子さん、ファミリー、大人の方まで、たくさんの方に体験いただきました。遊び心をきっかけに、英語に興味をもってもらえたでしょうか。
そして、この時、ふと気づきました。
出展していたいろいろなボランティア団体に、お久しぶりの同級生や知り合いがたくさんいてビックリ。リタイア後の私たちの年代は、ボランティアに目覚める年頃なのですね。

自然とドラマの多摩川
太田民夫 (神奈川県 スローライフの会会員)
多摩川の土手にある散歩道を歩くと、自然の変化と変調がよくわかる。ことしの春は桜が咲いているのにつばめが飛んでいる、秋の暦になると路傍に彼岸花が咲いているが、なぜかまだつばめが空中を翻っている。
春、鳶が幼鳥を従えて、上空に吹き上がる風をとらえ、回転しながら上昇していく。その幼鳥だろうか、秋にはだいぶ大きくなって一羽で獲物を探している。数年前には、土手の脇でアライグマを見た。
自然の動きを感じる多摩川だが、かつては人間を分断する自然でもあった。その分断をつないでいたのが舟による渡しだ。河口から約20㎞上流にあった登戸の渡しは大正から昭和初期には毎月、青山方面に行って肥を汲んで帰り、生田方面の農家で肥料として使った。そして、つくった梨を渡船を使って神田の市場まで運んだ。
また、登戸付近には左官屋が多く住み、やはり川を渡って東京側に仕事に出かけた。調布には遊興地があり、夕刻に渡船し、夜更けに船を出させて帰った。川を渡ることで人の営みが成り立っていた。
いまは橋や鉄橋などで渡船はなくなったが、川の恐ろしさは変わらない。1974年には狛江付近の住宅19棟が多摩川の氾濫で押し流された。脚本家山田太一はこの氾濫と家庭の崩壊と重ね合わせたテレビドラマ「岸辺のアルバム」をつくった。川はドラマでもある。
*写真は多摩川右岸からの風景、右奥に二ヶ領宿河原堰が見える。2025年6月筆者撮影。

雲仙市20周年記念フォーラムを振り返って
黒田大 (雲仙市役所政策企画課)
雲仙市20周年記念フォーラム開催にあたって、「キーワードスローライフの会」と市民団体の一つである「雲仙人の会」にご協力をいただいた。
過去20年を振り返り、「子ども・若者」のに触れながら、市民と行政が一緒に未来の雲仙市について考える機会となった。増田寛也先生の基調講演とパネルディスカッションを通じて、一言で言うと人口減少が避けられない地方自治体にとって、市民が活躍することが重要であるというメッセージをいただいた気がします。
市民の方からは「フォーラムに参加できて良かったです。特にパネルディスカッションで色んなお話を聞けて良かったです。改めて雲仙市民で良かったと思いました。子ども達にも話を聞かせてあげたいと思いました」「雲仙市を盛り上げようと頑張っている人がこんなにたくさんいる事を知りました。子ども達が自分の生まれた町を好きになり、大人になってそんな町を作りたいと繋げていけるようになれば良いなと思います」などの声をいただき、担当として胸を熱くしました。
スローライフの会の皆様、雲仙人の皆様、そして来場者の皆様、ありがとうございました。

2回目のスローライフ・フォーラム
小牟田弘子 (雲仙市職員 雲仙人の会事務局)
10月12日、雲仙市の誕生20周年を記念したスローライフ・フォーラムに参加しました。雲仙市でのフォーラムの開催は2回目です。1回目は10周年記念事業として催され、私は市の担当者として運営に関わらせていただきました。全国各地からスローライフの会員の皆様にお越しいただき、地元のたくさんの方々との交流が行われた様子が今でも強く印象に残っています。
10年前のフォーラムと今回とで大きく異なっていたことは、会場が雲仙市のもので溢れていたことです。ステージの脇には伝統的なハタ(凧)や稲が、ステージ上にはジャガイモやビーツなどの野菜が飾られていました。また、会場の外には子どもたちによる市内の風景画や未来に残したいメッセージも掲示されていました。
そして、10年前には存在していなかった「雲仙人の会」のメンバーがフォーラムに参画し、壇上に並んでいたことです。以前のフォーラムに携わった者として、とても感慨深い1日でした。
今回、久しぶりにお会いした方々、また初めてお会いした方々、雲仙市にお越しいただきありがとうございました。また、お会いできることを楽しみにしております。
『スローライフ曼荼羅』
やってみる
野口智子 (ゆとり研究所 スローライフの会共同代表)
群馬県安中市の碓氷峠には、名物「力餅」が伝わります。昔、中山道の難所を越えるには力をつけてということだったのでしょう。その力餅をいま風にアレンジできないか。まちづくりワークショップでは、アイデア「力餅」コンテストなんて案も出ました。現代では移住、起業で人が動くときの力づけになるのかも。ジュノベーゼ「力餅」やピリ辛スナックのトッピングやら、いろいろとやってみました。結局、実験で終わりましたが、笑いながら現実案を考える力づけにはなったようです。
https://noguchi-tomoko.com/post-10947/
■■つべ小部屋■■
高市さんと藤田さん
つぼいゆづる (スローライフ瓦版編集長)
自民と維新という「泥船」と「落ち目」の連携が孕む政策的な胡散臭さはもちろんだが、その前にまず高市早苗さんと藤田文武共同代表の言動というか、資質に目がゆく。危ういというか、幼稚すぎるというか、大丈夫なのか、というか。
米空母の上ではしゃぐ高市さんにもげんなりしたが、同じ奈良県出身者として引っかかっているのは総裁選での「鹿」発言だ。奈良公園の鹿を蹴り上げる外国人がいるという話を、外国人政策の厳格化の文脈で語った。
ちょっと待ってほしい。奈良の鹿は、鹿煎餅やスナック菓子を持っている観光客に群がってくる(筆者が子どものころは、頭を垂れておねだりする鹿が多くいたのだが)ので、驚いたり怖がったりして、とっさに邪険に扱う人がいるのは確かだ。中には外国人もいるし、追い払おうと手や足が出る人もいるだろう。
だが、なぜ、それで外国人政策を語れるのか。外国から大挙して、意図的に奈良の鹿を蹴り上げに来ているというのなら、まだ理解できる。だが、そんな事実があるはずもない。SNSの投稿で見たかどうかは知らないが、この程度の話で国の政策を語ろうとする、その考え方が拙すぎて怖い。
藤田さんについては、公設第1秘書の会社に約2千万円の公金を支出していたことに驚いたのだが、もっと目を疑ったのは、それを報じた「しんぶん赤旗」の記者の名刺をネット上に公開したことだ。痛いところを突かれた腹いせに、自身の支持者に記者への抗議を呼びかけたようにしか見えない。おまけに、もう赤旗の取材には応じないと言い募る姿は大人の政治家ではない。ましてや政権の一角を担う人物の態度ではない。維新のトップは、この程度なのかと笑って済ませる話ではない。
これから、この2人が政権をどうけん引してゆくのか。その先に何が待っているのか。もっと大人の政治家による、信頼できる政治を期待しているのだけれど。
<編集室便り>
▽11月の「さんか・さろん」は緩急自在な暮らしのススメです。
11月18日の「さんか・さろん」は静岡市の会員、ほんだゆかりさんの登壇です。ほんださんは、ITの仕事、日本語の先生、添乗員、飲食店の手伝い、さらに今年から、タクシードライバーまで始めたという多彩な職種をこなす方。5坪の家を建てて、自家発電し、果樹を植え、コンパクトに軽やかにエコに暮しています。さらに地域の応援もしています。その発想の豊かさ、面白い仕事の仕方、工夫一杯の暮らし方などを詳しくお聞きしましょう。昨年の高知県梼原町、先月の雲仙のフォーラムにも参加されているので、お顔見知りの方多いかと思います。楽しくワイワイ話す「さろん」になりそうです。
・日時:11月18日(火)19時から、zoomで
・講師:ほんだゆかりさん(静岡市 スローライフの会会員)
・タイトル:「緩急自在な暮らしのススメ@ほんだ的シニア活動」
・申込:11月15日(土)までにスローライフの会まで。
メール slowlifej@nifty.com
・参加費:会員1000円(年間分3000円お支払いの方はそれでOKです)、一般の方は2000円です。
※ほんださんから下記のような自己紹介が届きました。
~~読売新聞編集局や広告制作業などを経て、静岡新聞社のポータルサイトアットエスの設計・運営を担当していました。静岡新聞を退職して独立。「静岡スタイル」創業。12年後に(株)イースタイルへ事業譲渡し、子会社(株)TSUTAERU代表取締役。還暦を迎える2024年、自己定年を選択し、(株)TSUTAERUをM&A。30年近く続けてきたWEBの仕事から引退し、タクシー運転手に転身。転職回数は17回のはずだけれど、全部は覚えてないや。履歴書もいい加減(笑)子供3人のシングルマザー、孫5人のしあわせもの~~
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