瓦版2025.12.09第748号室崎千重さんほか、多数コラム掲載。
瓦版2025.11.25第747号川島英樹さんほか、多数コラム掲載。


正月気分が吹っ飛ぶような激震で年が明けました。米国の侵攻もうそうですが、中部電力の嘘八百にも唖然とした方は多いでしょう。浜岡原発(静岡県御前崎市)で想定される最大の地震を過小評価して再稼働させようとしていたというのです。私たちはまもなく、あの「3.11」から15年後の未来に立ちます。何を学び、何を忘れてきたのでしょう。*写真は千葉県鴨川市の誕生寺の「願満の鯛」
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『緑と絆の木陰』
今年も小さな発見を
中村桂子 (JT生命誌研究館名誉館長 スローライフの会共同代表)
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
この年齢になりますと、平穏を求めるようになり、年末年始もあまり特別ではなくなります。おせちは、主役を娘に譲りお手伝い。ただ、たまたま届いた雑誌に、「電子レンジでつくる栗きんとん」という記事を見つけ、ちょっと試してみようかという気になりました。
蒸し物は蒸し器から出る湯気を見ないと美味しくできないような気がするし、というわけで、電子レンジは温め専門みたいな使い方をしているのですが。
電子レンジで軟らかくしたサツマイモをフードプロセッサーで潰し、調味料と栗を入れてまたレンジに。この簡単な作業で照りのあるきんとんが出来上がったのにはびっくりです。裏ごしをして、照りを出そうと懸命に練り上げていたあの作業は何だったんだ。
みなさま先刻ご存知のことなのでしょうと思いながら、自分なりの小さな発見を楽しみました。この年齢になってと書きましたが、いくつになっても小さな発見はいいものだと思いながら迎えた新しい年です。今年もこのような気持ちでお仲間に入れていただき日常を楽しみたいと思います。よろしくお願いいたします。
<あっちこっちで多事争論>
年賀状を緩急自在に
坂田啓子 (佐賀市 スローライフの会会員)
自宅のプリンターが使えなくなり、毎年写真を駆使して自前で作成していた年賀状が作れない、という大ピンチを感じた昨年末。
よし、年が明けてから「新年あけましておめでとうございます」の気持ちを込めてどうにかして、どうにかしよう!と思っていました。
そこで見つけたのが「年賀状アプリ」です。スマホで、その中の写真を利用してパパッと編集でき、言われるとおりに進めると、二次元バーコードができあがり。それをコンビニの機械にピッとかざせば、難なく葉書にプリントされて出てきました。コンビニも歩いてすぐの距離にあり、あまりの簡単さに、便利なことだと驚きでした。
さて、宛名書きです。今回は無性に墨を摩りたくなりました。水から墨を摩るのは、小学生のころ以来です。小筆用の小さな硯石の上で、墨を軽く握り、力をぬいて墨を摩っていきます。すると、フッと墨の香りがする瞬間や、とろとろとなっていく過程をとても心地よく感じたところです。送る方のこと、お住まいの場所を思い浮かべながら(「岐阜」とかここでしか書かないなぁ、とか)心をこめて書き上げました。
年賀状じまいの通知もいただくところですが、こんな風に私は緩急自在に細々と続けていこうかなと思っています。


中村桂子さんの「さんか・さろん」に学ぶ (上) 「日常」
中野修 (大阪府豊中市 スローライフの会会員)
まずは、あらためて私にとっての「日常」を考えてみたい。昨年12月16日の中村桂子さんによる「さんか・さろん」において、「戦争」の対語は「平和」であるとよく言われるけれど……、「戦争」の対語は「日常」であるとおっしゃいました。その瞬間、とても強い肌感覚で、中村さんの「平和」に対する息吹が、私の心に伝わりました。
「あの時の体験が私の原点」。それは、空襲ですべてがなくなった(過去がなくなった)体験から「今」を大切にするようになったこと。戦争が終わった実感は、灯火管制がなくなり部屋の灯りを取り戻してみんなで食事したときの楽しさであり、この楽しい「日常」を失うのが戦争であると思ったこと。終戦を境にして前日まで国(権力)に信じ込まされた価値観がすべて崩壊していく中で、権力・権威を信じない生き方になったこと……。
「日常が大事、権力嫌い、今が大事」、私も意識したい生き方です。私が中村さんの生き方の原点を踏まえて思ったこと……。
・私にとっての「日常」を今一度考えてみたい。
・私も権力には懐疑的。だから権力を監視して権力の暴走を抑止すべき。
・今を生きることはとても大事。併せて、私にとって「過去」も大切なもの。それは「家族」や「仲間」との出会いという宝物があって私の「今」があるから。
そして、38億年前に地球の中に生まれた「いのち」に連なる私が存するから。
母87歳。リハビリ卒業、一人暮らし再開へ
赤坂伸子 (長崎市 Café+G 燈家 AKARI-ya)
20年前に父が他界して以来、母は一人暮らしです。
昨夏前、母と電話で話すと「うんうん」と言うだけで口数少なく声も小さい。実家のある関東地方に住む2人の弟に聞くと、母の息切れが気になると言う。近所のかかりつけ医でなく、8月に総合病院に連れて行くと大動脈弁狭窄症と診断されました。
9月半ばに人工弁に置き換えるカテーテル手術を受けて成功。しかし後遺症で脳梗塞をおこし、左半身が麻痺しました。幸い軽度だったため言語と左手指は程なく改善しましたが、左足麻痺と筋力低下により歩けなくなりました。今後のことを家族で考えていた時、脳神経内科の医師から、本人に歩きたい意志があるようなので、とリハビリ専門病院を勧められました。
あれから3カ月余り。手厚いリハビリで母は見る見る回復。最初は立つことも出来なかったのに、この正月は外泊許可をもらって歩行補助器と一緒に家で過ごしました。母の気概を感じます。
今月末には退院予定。退院後はデイサービスと介護ヘルパーさんのお世話になりながら一人暮らしを再開します。家族と一緒だと「あれダメこれダメと怒られてばかり」で嫌だそうです。
母87歳、なるべく自由に暮らせるように見守ろうと思います。
私の「今年の漢字」
宇都野淳 (栃木県那須塩原市 スローライフの会会員)
暮れに職場で今年の漢字を発表しており、私は「汲む」にした。
昨年の8月13日に長く連れ添った柴犬の「福太郎」が旅立った。父が亡くなり、母が気落ちしないようにと東日本大震災の前年に迎えた。
当日、「福」は食事も取れず、静かに息をしていた。夜になると激しい呼吸に変ったため水を与えたが飲まない。そこで、大好きな牛乳をすくって口に含ませた。その瞬間嬉しそうに目を開き、再び口に含ませた時には私の手の中で静かに目を閉じた。大好きな牛乳を飲ませ、安心して旅立たせることができた。
職場には日々支援を求める方が来る。泣きながら子どもを連れて相談に来る親子、今日食べるものがないと言う老人、一方で「夫には黙ってて」と大切に金を持参する老婆など、支援が必要な方が居れば、支援を惜しまない方もいる。
支援に何が必要なのか、本当の答えを探すのは難しい。そんな時、相手の懐に入り「気持ちを汲む」ことが大切だ。
不安という流れに、こちらから手を差し伸べることができたら、少しでも笑顔が見られるかもしれない。今年も新たな気持ちで、職場に向かった。

冬のおくりもの
太田民夫 (神奈川県 スローライフの会会員)
昨年暮れ、台所のテーブルに突然、鬼ゆずといわれるものが置かれていた(写真)。来訪していた家人の友人が自転車で持ってきてくれた。「仏壇に置いて。長く持ちますよ」。
その友人は北西に約3㎞離れたところにある農家のご婦人で、家人と長い間、何かおしゃべりをしていた。筆者はお帰りのご挨拶に出ていった玄関先で語ってくれたお話が数分だったが豊かで明るかった。
ことしのキャベツは巻いていない。巻いていないというのはぎゅっと詰まっていないということ。置いていかれたキャベツの外側の葉っぱは飛び跳ねている。ブロッコリーはまだ固く、これから。ブロッコリーはつぼみ(花蕾)を食べますが、数年前は花が咲いてしまった。花粉が入るとだめです。
ネギもことしはもう一つでした。並べて植えてから土を絶えずかけて白い部分を長くするのですが、ことしは白い部分がうまくいかなかった。
いま、大根を収穫して干しています。練馬大根は沢庵に向いています。大根も種類によってサラダ向き、煮物向きといろいろあります。沢庵にするには樽に入れ、重しの石をのせます。この重い石を毎年運んで樽の中の大根の上に置きます。
そして、最後に笑顔で「農業は面白い」。
※鬼ゆずについて調べるとユズではなく文旦の仲間とある。

「国宝」を観て感ずるところ
八巻史恵 (静岡県東伊豆町 スローライフの会会員)
昨年末最後の休日であった12月29日に映画「国宝」を観た。映像があまりにも美しい。すっかり魅了され、どうしてももう一度劇場で観たいと年明け最初の休日に再び観る。印象深い心に響くシーンは同じでも心がさらに深く入ってしまう甘美な時間を過ごし、やはり、次の休日も劇場に行きたいと感じている。
幸いにも長い上映期間、映画の大ヒットのおかげでもう一度観ることができるかもしれないとの期待が募る。鑑賞後は自分自身の立ち居振る舞いに背筋が伸びるのである。観ていない人に内容の話はせずにいたいからストーリーには触れないが、長い時間を飽きさせない映像美がいい。劇場で無になって映画に没頭する時間がまた心地良い。時代とともに移り行く風景は変われども心に響く文化の継承は時を超えて伝わることを示してくれた映画であった。美しいものを感じるこの国の在り方にただただ感動している。
たまな商店
兼田正道 (東京都 スローライフの会会員)
私たちは和歌山県白浜町を拠点に、たまな商店というECショップから、日々の食を通じて人と大地の健やかな関係を伝える取り組みを行っています。海と山に囲まれた豊かな土地にありながら、日本各地と同様、農業の担い手不足や食を取り巻く環境の変化を日々実感しています。
昨年の米騒動は、米が当たり前に手に入る存在ではないことを、多くの方が改めて感じた出来事でした。その背景には、長年積み重なってきた農業の構造的な課題があります。農家さんと直接向き合う立場として、私たちはこの問題を決して一時的なものとは捉えていません。
たまな商店が大切にしているのは「人と大地を健やかに」という考え方です。安心・安全であることに加え、作り手の想いや背景を知り、正当に応援できる関係を築くこと。日々の一食一食が農家さんを支え、次の世代へと農業をつないでいく。その循環を食を通じて伝えていきたいと考えています。
スローライフの会の皆さまと、食と暮らしのあり方を見つめ直し、日々の一食に向き合う時間を大切にする一年にできれば幸いです。
『スローライフ曼荼羅』
黒岩かるた
野口智子(ゆとり研究所、スローライフの会共同代表)
私が仕事で通う、群馬県富岡市黒岩地区では昨年、「黒岩かるた」が全戸配布されました。地元の自然、伝統行事、文化財、日常などが小学生の微笑ましい言葉と絵で表現されています。最初に作り始めてから40年、予算的にすぐできず、文章や絵を何度も書き換えて、ようやく黒岩地域づくり協議会が完成させました。一方で小学校は閉校になるとのこと、「さよなら黒岩小」の催しでは、「黒岩かるた」大会があるようです。https://noguchi-tomoko.com/post-11018/

■■つべ小部屋■■
2026年予想アンケート
つぼいゆづる (スローライフ瓦版編集長)
新年早々、米国の国際法違反や中部電力の不正行為を嘆き憤るのは気が進みません。もっと、あっけらかんとした話題はないものかと考えた結果、今回は筆者が会員の某団体が実施している恒例の「予想アンケート」を共有することにしました。
毎年、その年のできごとを予想するお遊びで、最高得点者は表彰され、すべての予想がはずれた人には「特別賞」が贈られます。むろん、正式に参加できるのはその某団体の会員のみで、瓦版の読者のみなさまに投票権はありませんが、まあ、どんな1年になるのか、あてずっぽうで考えてみませんか。1問目だけ固有名詞を書きますが、あとは「〇」「✕」で答えられます。
蛇足ながら、筆者はこれまで何度も問題づくりにも携わりましたが、7問正解が過去最多です。
以下、設問です。答え合わせは来年1月にいたしましょう。
1. 12月31日現在のわが国の首相は誰か 「 」
2. 衆議院の解散・総選挙が実施
される されない
3. 日経平均株価(終値)が6万円を超えることが
ある ない
4. 農林水産省が発表するコメの「スーパーでの販売数量・価格の推移」で、11月最終週の平均販売価格が3,500円/5kgを
上回る 上回らない
5. 日本の首相と中国の国家主席が正式に会談
する しない
6. 米中間選挙で、民主党が上下両院、あるいはいずれかで過半数を獲得
する しない
7. 映画「国宝」が米アカデミー賞を受賞
する しない
8. 日本人(日本出身者も含む)がノーベル賞を受賞
する しない
9. サッカー・ワールドカップ北中米大会で日本がベスト8に進出
する しない
10. ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が連覇を達成
する しない
<編集室便り>
▽1月20日は増田寛也さんの「さんか・さろん」です。
毎年1月は増田さんのお出ましです。今年のテーマは「熊」。増田さんから下記のようなタイトルをいただきました。どんなお話になるのか、皆様ご期待ください。
・日時:1月20日(火)19時から、Zoomで。
・テーマ:「熊出没のニュースから知る地域の変化」
・講師:増田寛也(野村総合研究所顧問 スローライフの会共同代表)
・申込締切:1月17日(土)メールで slowlifej@nifty.com
・参加費:会員1000円(年間分3000円お支払いの方はそれで結構です)、一般2000円
どなたでも参加できます。お申込をお待ちしております。
▽中村桂子さんの「さんか・さろん」録画をご覧ください。
昨年12月16日(火)の中村先生のお話部分をYouTubeにあげました、こちらからご覧ください。
お話のあとの質疑や感想などもとても面白いのですが、そこは参加した方だけのお楽しみということで公開はしておりません。あしからず。
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