今回の衆院選をどうご覧になりましたか。ふだんから政治に意見をお持ちの方も、忙しくてなかなか関心を抱けない人も、まったく見る気もしないという方も、みんな同じ1票を持つ有権者。この結果が民意、ということですね。新首相を指名する特別国会は18日召集の見込み。さて、その後は国会にどんな光景が広がるのでしょうか。
*写真は静岡県土肥(とい)町の「土肥桜」。会員のほんだゆかりさん写す。
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『緑と絆の木陰』
終活ボードゲーム
斉藤睦 (地域総合研究所顧問 スローライフの会相談役)
練馬区のNPO「楽膳倶楽部」が面白い活動を始めた。
このNPOは「食」をとおして地域福祉全般に貢献することを目的として、1998年、活動をスタート。みんなで調理し会食する食のほっとサロン、配食サービス、男性料理教室などをやってきたが、活動の中で必要性を感じていたのが、いわゆる「終活」への支援だ。
地域住民の高齢化は進み、終活の必要性は住民自身もNPOメンバーも日々感じている。しかしやたらに踏み込めむには微妙なテーマでもある。数年前からメンバーで考えた独自の終活ノートを作成し、活動参加者に記入を進めていたが、もうひとつ広がらない。そこで思いついたのが、終活ボードゲームである。
人生の終末に出会う節目をすごろく形式にデザインし、参加者がさいころを振りながら、人生を仕舞うにあたって、それぞれ何が気になるか、何を忘れていたか、何が必要か、また必要でないかを、語り合っていくゲームを考えだした。
昨年夏ごろからさまざまな会合に出かけて行って、テスト版でゲームの改良を重ねている。専門家がいると参加者の満足度が深まるので、成年後見の専門家や地域包括支援センターからもアドバイザーで参加してもらっている。
参加者の反応は「楽しく学べた」が多く、ボードゲームというツールは終活のマイナスイメージを取り払い、取り組みのハードルを下げてくれることを確信したという。
今年度中に完成版を作り、ゲームの貸し出し、指導員の派遣に加え、マイスター育成の体系化で人材基盤の強化をはかりたいという。
取りつきにくいテーマでも「ゲーム」化することで参加のハードルを下げられる。これからの展開に注目している。
<あっちこっちで多事争論>
議会からの逃走と民主主義の自殺
高橋征吾 (東京都 スローライフの会会員)
これを書いている時点では衆院選はまだ投開票日を迎えていませんが、おそらく新聞各社の情勢調査の通りになるのではと思っています。
首相自らが「国論を二分する」と言う政策について、まともな感覚であれば議会で議論を尽くした末に世論の判断を仰ぐはずですが、国会冒頭での不意打ち解散。戦前の不敬罪を想起させる国旗損壊罪も、治安維持法との類似点が指摘されるスパイ防止法も、そして何より権力者が欲してやまない憲法の緊急事態条項や9条改変も、まずは議論が必要なのに、テレビの討論番組も欠席して選挙応援に行く。こんなやり口で、フリーハンドの絶大な権力を与えることになれば、それは熟議に熟議を重ねてさまざまな立場の一致点を見出していく議会制民主主義が死んだに等しいと思います。
およそ80年ごとに歴史は大変動を繰り返す「80年周期説」があります。80年で人が入れ替わるからとも言われますが、確かに先の大戦を記憶する人は本当に少なくなり、世間には飢えや殺し合いの記憶が今やほとんどない。食料自給率が4割にも満たない国が最大の貿易相手国といったん事を構えれば、どうなるのかという想像力も働かない。戦前・戦中の世論は松岡洋右全権による国際連盟脱退に拍手喝采し、「暴支膺懲(ぼうしようちょう)」を唱えましたが、とりわけ若年層で高止まりしているという圧倒的な高市人気を見るとき、私にはどうしてもこの故事が思い起こされてなりません。
雲仙の思い出動画が完成しました
前原信也 (東京都 「アトリエ 風と土」プロデューサー)
昨年10月に開催されたスローライフの会の雲仙市視察とシンポジウムを記録した動画を、ようやく公開できるようになりました。出会った人々の言葉や生き様に心打たれて、なかなか切り刻むことも出来ず、45分にも及ぶ長大な動画になってしまいました。あくまで記録性を重視したということで、ご理解のほど。少しでも皆さんに見ていただければ幸いです。
スローライフの会YouTubeをご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=8LNasmLxXno
ラオス「よさこい」報告
川竹大輔 (高知大学次世代地域創造センター)
東南アジアのラオス、タイ、シンガポール、インドネシアといった国々で「よさこい鳴子踊り」に取り組む方々を訪ねる旅を、1月31日から2月12日の間で進めています。
ラオスでは、2019年に初めて「よさこい」に触れた20代の女性が、国際協力団体の仕事で2024年からラオスに駐在したことをきっかけに、現地の人々に呼びかけて、「楽舞(ラープ)」というチームを立ち上げました。
30名ほどが月2回の練習に参加しています。2月1日午後の2時間ほどの練習を見学しました。近々、在ラオス日本大使館の行事で踊る予定があるそうで、鳴子の振り方などをおさらいしたあと、昨秋に新しくできた曲と振り付けに沿った練習をしていました。
チームは日本人とラオス人が半分ずつの構成で、青年海外協力隊の日本人と、日本語を学ぶ10代・20代の現地の方々が参加していました。今春から埼玉県で介護のアルバイトをしながら日本語を学ぶというラオス人女性も踊り練習の輪に入っていました。
ラオスでは手を優雅にくねらせる踊りが盛んで、よさこい鳴子踊りとラオスの伝統的な踊りをミックスさせた振付が魅力的なチームです。5月23日から2日間、東京・代々木公園でのラオスフェスティバルで楽舞(ラープ)の演舞を披露したいと聞いていますので、ぜひ多くの方に応援いただければと願っています。

「浮世絵おじさん」 発想は地方から
太田民夫 (神奈川県 スローライフの会会員)
久しぶりに表参道を歩く。目当ては浮世絵のなかの「おじさん」を見るためだ。歌川広重の「東海道五十三次」は富士山や江戸の町々を描いた浮世絵というのが常識だった。今回の企画は何とこれらの浮世絵に描かれている「おじさん」を主役としている。いままで気づかなかった視点だ。
会場は太田記念美術館。企画した渡邉晃学芸員は「(東海道五十三次は)風景が主役ですが、実はたくさんのおじさんがいるのです。それぞれの浮世絵でおじさんを探す。そしておじさんたちはそれぞれ味わい深いのです」。実際に見てみると、だいたいのおじさんは何をしているのか、どんな表情かは分かるものの、「あなたは何者」というおじさんもいる。
そもそもの発端は岐阜県恵那市にある中山道広重美術館の発案だった。早速、同美術館に電話をかけた。「私たち学芸員の間では広重の浮世絵を語るとき、『あのおじさんが登場する浮世絵は』とおじさんを目印として普通に会話していました。そこで浮世絵おじさんそのものの展示会をやることになった」という。
最初は「ゆる旅おじさん図譜」(2018年)、そして「ゆる旅おじさん リターンズ」(2021年)、さらに「浮世絵おじさんフェスティバル」(2024年)と続けた。この人気企画展に太田記念美術館が「うちでもやらせて」と依頼した。はっとする新たな発想が生まれたのが地方のなにげない会話からだったことに驚いた。

グラレコの力
坂田啓子 (佐賀市 スローライフの会会員)
昨年の10月、「リレー・フォー・ライフ・ジャパン 2025佐賀大会」で、がんサバイバーの方のお話をグラフィックレコーディングの手法で記録するというボランティア活動をしました。
お話される一言一言を丁寧に聴き取り、模造紙に言葉だけでなくイラストを交えて書いていきます。
できあがりは、もちろんお話された方もご覧になるのですが、後日その方がご本人のブログに「これまでブログに綴ってきたことの総まとめみたいな感じで、額縁に入れて飾りたいくらい嬉しかった」と書いてくださいました。
嬉しかったなんて言ってもらい、こちらの方が嬉しかったのです。
思い出したくないこと、口に出すのも辛いことも発せられていたと思います。そんなこぼれ落ちていく言葉を拾い上げ、上手ではないのですが、書いたことで喜んでもらえるなんて!
書くということは承認すること。
グラレコとして「書く」時には、何を伝えたいと思っているのか、何を受け止めてほしいのかを意識していますが、びっくりした元気な字や、悲しみのこもった小さな字など変幻自在の手書きの良さも感情を伝える力になりますよね。
これからもまだまだ上手に聴き書けるようにチャレンジしていきたいところです。

竹へのこだわり
大原興太郎 (三重県松阪市 スローライフの会会員)
今、楽しいのは竹遊倶楽部である。2004年から2023年まで活動していた三重スローライフ協会の精神を受け継いでいる仲間たちだ。毎週1、2回集まって、松阪農業公園ベルファームの竹林整備をしたり、思い思いに竹細工をしたりしている。
常連メンバーは7、8人で、平均年齢は80歳前後か。各自持ち出しも多いのだが、不思議と続いている。昨年はベルファームの土産物屋「松阪商会」での竹製品の販売が引き続き好調で、月3,000~5,000円ほど売れ、それを活動費にあてた。地元の銘菓「柳屋奉善」への羊羹竹の提供は500本を超えた。
もともと素敵な燻竹(いぶしたけ)を作られていた重鎮Sさんの燻竹素材に魅せられて集まった仲間たち。私が以前にベルファームの管理運営に携わっていたことから、園内の「こもれび広場」を使わせてもらうことになり、関係会社から2つのログハウスも提供してもらっている。
最近の主な活動としては、ベルファームが唱える緑育の一環として、竹や自然に触れる体験講座などを行っている。筍掘り体験、竹林整備、水鉄砲作り、竹炭焼と竹炭かご作り、竹筆作りなど。竹飯盒(はんごう)、竹箸、竹馬・竹ポッコリ、竹とんぼづくりもしている。夢の手作り市、ベルファーム手作り市、柳屋奉善月晦日市、三重環境フェア・松阪環境フェアへも参加している。

15年目のフクシマ「浪江幼稚園」
金井紀光 (東京都新宿区 写真家)
倒れたままの門柱。成人した幼稚園生はいまどうしているのだろう。(2026年1月、福島県浪江町)

『スローライフ曼荼羅』
踊るおばあちゃんズ
野口智子 (ゆとり研究所 スローライフの会共同代表)
樋口恵子さんの本によると、「大おばあさん時代がやってきた」そうです。女性の方が長生きだから、おばあちゃんだらけになるのは当然です。先日、北海道池田町で「踊ると肩がこらないの」と語るおばあちゃんに会いました。高知市では「年々難しいダンスに挑戦」する高齢女性ダンスチームを拝見。女性たちがニコニコ踊るパワーは、地域を元気にすると思いました。https://noguchi-tomoko.com/post-11075/
■■つべ小部屋■■
ついに来た
つぼいゆづる (スローライフ瓦版編集長)
米国でトランプ大統領が再選されたときから、ずっと3つのことを考えてきた。
●その1 なぜ、米国民は民主主義のルールを好き勝手に壊し、分断をあおる人物を返り咲かせたのか。あれほど下品な嘘と暴力的言動を重ね、他国との協調を無視する男に何を期待したのか。選挙相手の民主党に魅力がなさ過ぎたのは確かだが、実は有権者の多くは既に民主主義はどうなってもいいと思っているようにしか見えない。それは米国だけの現象ではない。
●その2 米国の状況は、いずれ日本でも起きる。民主主義をないがしろにする姿勢は安倍政権時代から顕著だった。森友・加計・桜を見る会は結局、うやむや。その後の日本学術会議問題も裏金問題も旧統一教会との関係もしかり。そんな安倍政治をほめそやす高市氏が今回、圧勝した。「国論を二分する政策」の中身を説明することなく、ただただ自分を選べと訴える超短期決戦。熟議の政治をあざ笑うような展開だったが、それを有権者が幅広く支持した。米国と同様に野党のふがいなさには目を覆うばかりだったとはいえ、この結果、与党内に高市氏のブレーキ役はいなくなり、「高市氏のトランプ化」が始まる。
●その3 その2の実現を民主主義の危機だと思う筆者のような人間には住みにくい世の中になる。高市氏が勝った場合のシミュレーションは小欄前号(1月27日配信)に書いた通り。裏金も旧統一教会も、雲散霧消するのか。その挙句に、「戦前回帰」と見まがうキナ臭い事態が続出するのだろう。そして何より、そのときに負けた野党は黙って従えという愚論が声高に叫ばれ、それを世論が黙認することを強く危惧する。こんな気持ちが、今回のタイトル「ついに来た」である。
<編集室便り>
▽2月17日の「さろん」は「選挙結果をどう見るか」です。
2月の「さんか・さろん」は、講師に予定していた(株)スルシィ 関谷里美様が急逝されたため、皆で話し合う場にしたいと思います。話の出だしは瓦版編集長の坪井ゆづるさんにお願いしました。
皆様ご予定ください。
・日時:2月17日(火)19時からzoomで
・テーマ:「選挙結果をどう見るか」
・講師:坪井ゆづる(スローライフ瓦版編集長、地方自治総合研究所客員研究員)
・参加費:会員1000円(年間分3000円お支払いの方はそれで結構です)、一般2000円
・申込締切:2月14日(土)までにメールで slowlifej@nifty.com
どなたでも参加できます。お申込をお待ちしております。
▽雲仙フォーラムの記録動画をご覧ください。
会員の前原信也さんが、手作りボランティアで制作してくださいました。当会の和やかな雰囲気と、まちづくりの真剣な思いが伝わる秀作です。是非ごらんいただき、感想をお寄せください。
スローライフの会YouTubeをご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=8LNasmLxXno
(PR)クオリティソフトから・・・
【たまな商店】長崎・雲仙の竹田かたつむり農園さんから希少な固定種じゃがいも・グラウンドペチカ(別名:デストロイヤー)をお届けします。強烈な見た目とは裏腹の栗のような甘みと程よい粉質が魅力。https://x.gd/unzenyasai
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