瓦版2010.12.14第34号

週刊スローライフ瓦版 (2010.12.14 第34号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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12月21日(火)は今年最後の「さんか・さろん」。「となみ野」をあらためて。
参加されなかった方ぜひどうぞ。そして早めに終了して、忘年会も。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=105
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このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ
ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信
される方も含めて、お気軽にお付き合いください。
コラム<火曜日の鐘> 丸岡 一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)
~~~ 新年へ、希望つなげて
「国の宝は山なり」「山の衰えは国の衰えなり」。木の国秋田に、ながく言
い伝えられている遺訓です。山-森林の恵みは、家造りを支える木材の産出に
とどまらず、空気や水を清め、ゆたかな土壌を作り、みどりの景観をもたらし、
毎年毎年山菜などの食べものを産み、人を和ませたり励ましたりの役割さえ担
い、今日的には温暖化防止の面でも重要な存在意義を示す。まさに「国の宝」
というほかありません。
しかし、それを維持し、支えてきた山村、山里(地域でそう呼ぶ人はいませ
んけど)が危うい。どころか、すでに各地で崩壊が始まり、「国の衰え」がど
んどん進行している。なのに、その認識は広がりませんね。政治的にも社会的
にも、ほとんどその自覚がない。
おそろしいことですが、そう意識する人たちが行動を開始すれば、なんとか
ぎりぎり食い止めることができるのではないか。ほのかにそう希望を抱けたの
も「となみ野フォーラム」の成果だったかと、いま思っています。新しい年へ、
つなげたい希望です。
■街角から畦道から ————————————————–
夙川の主婦ライフ ①毎朝の楽しみ (兵庫県西宮市 中谷美南子)
東京から、桜の名所「夙川」に引越してもうすぐ一年になる。夙川に沿って
南北に、主要な幹線沿いや住宅街にも数多くの桜の木が植えられ、この地の
人々がいかに桜を大切に愛でてきたか伺える。そんな桜を見ながら、子ども
の保育園に通うことが私の日課である。
春。花見客が溢れて、ステージにたつスターのように見事に開花した桜は、
どことなくお澄まし顔だった。でも人の目から解放されて以降はリラックス
タイム。猛暑に負けず枝葉をのびのびと繁らせ、秋には見事に紅葉した。
そして師走を迎えた今、名残惜しそうに最後の葉が落ち、枝のみぴんとした
姿となった。緊張感を漂わせながら、静かに力を蓄えている姿がまた美しい。
来春はまた違った表情を見せてくれるのでは。そんな想いをめぐらせながら
桜の横を歩く毎朝の時間が、今の生活をとても豊かにしてくれている。
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学会コラム<緑と絆の木陰>
~~~~~
増田 寛也(野村総合研究所 顧問) 東北新幹線全線開業
12月4日に東北新幹線が青森まで延伸され、着工から39年で全線開業した。
盛岡から八戸まで延伸されたのは、私が岩手の知事在職当時であった。これま
で、恐らく一千回以上は乗車していると思うが、八戸から新しく新青森となっ
た列車の行先表示に慣れるには、しばらく時間がかかりそうである。
昔、まだ盛岡が新幹線の終着駅だった時代には、乗り換えの列車待ちのお客
さんは、時間つぶしによく蕎麦を食べたと聞いた。盛岡はわんこそばが名物で、
お腹もちょうど空いたのであろう。ふるさとに戻る儀式かもしれない。
わんこそばに相当する地元の名物は、八戸ではせんべい汁となり、青森では
陸奥湾で獲れるマダラを使ったじゃっぱ汁となる。後者は冬場に限られるが、
その味は絶品である。これらには、いずれもふるさとの味がしみわたる。
大昔、欧米と日本の直行便が無かった時代、出張帰りに給油のために立ち寄
るアンカレッジの空港で食べる日本の「立ち食いそば」が私にはとてもおいし
く感じられた。これを食べると間もなく日本に戻るという心の準備にもなった。
乗り換えや給油の手間が無くなるのは時代の流れであるが、どこかに、ふる
さとに戻る心の準備をする場が欲しい気もする。
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東京・原宿の「Kスタ」では、「恋人たちのクリスマス」をテーマに恋人たちを
光が祝福してくれるクリスマスツリーが登場。ファミリーでも楽しめます。
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富山県地方では、全国無比の盛況を見る「天神信仰」。長男が生まれると母親
の実家から天神様を贈り、正月の間、祭り祝う風習が根強く残っています。
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■まち・むらニュース ————————————————
・札幌市 「さっぽろホワイトイルミネーション」だんだん佳境に
初冬の札幌を彩る風物詩として定着、30回の節目を迎えた。昭和56年、大通
公園2丁目広場から1千個の電球で始まったイルミネーションは、国内を代
表するイベントに成長した。先月26日に開幕、大通公園は、宇宙やクリスマ
スをイメ-ジしたシンボルオブジェなどがきらめく。札幌発「光の芸術」を
どうぞ。・場所・開催期間【大通会場】23年1月2日(日)まで【駅前通り
会場・南一条通り会場】2月13日(日)まで。
http://www.white-illumination.jp/
問い合わせ:さっぽろホワイトイルミネーション実行委員会(011)211-3341
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コラム<象さんの散歩> 表参道に“野菜カフェ開店
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東京の表参道。また一つ、しゃれた店ができた。「アース アート カフェ
アオヤマ」。野菜カフェとでも呼ぼうか。レストランと料理教室と食品売場と、
それぞれにスペースを占めながらも、ひとまとめにした感じ。
自然の恵みと健康な食を考え、産地直送の野菜を仕入れ、料理を工夫する。
「マクロビオティック」で著名な平田優さんが総料理長をつとめる。
新しい試みも多いが、オーナーの浦聖治さんが、IT先端企業・クオリティ
KK社長というのも珍しい。彼は「日本農業を救う」の使命感に燃える。わが
NPOスローライフ・ジャパンの理事でもある。先週、お招きに与った。
帰りに表参道の“復活Xmasイルミネーションも傍観できた。まさしく店
のキーワード「いのちのごちそう」を頂戴した一夕・・ ∧ 川島正英 ∧
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日光産のカブを農産物直売所で大量ゲットして来ました。さて、買ったのはい
いけど、どうしよう…「かぶら寿司」を作ってみることにしました♪
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コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと> その31
~~~ 天地創造も太陰暦でだった!

現行官暦に疑問を持つ筆者であっても、歳末ともなると、この1年のあれこ
れを思い出し、「新年は…」と、新しい態勢に入っていこうとする。
さて、そこで、今回の暦談義の主題は何にするか…、この時期は何があった
かなア―…と、旧暦カレンダーを眺めたら、昨13日は「上弦」の月だった。
そこを出発点に、お月さまの姿の変化がタテ1列に目に入る。「上弦」の真
上(6日)は「新月」で、旧暦の霜月1日。真下が「十五夜」だが、「満月」
は翌21日。その真下の28日が「下弦」で、そして、新月に戻っていく。
それで、我に返って、改めて思う。「1週間」の区切りは、誰がどう言おう
と、お月さまの動きに沿って設定したもので、ユダヤ教の神様が「天地創造」
したときには、すでに太陰暦が確立されていたに違いない…と。

コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 「米粉かふぇ」をやりました。
~~~
新潟県胎内市の「米粉のまちおこし」。夏からワークショップを重ね、ついに
実験「米粉かふぇ」を開きました。単に小麦粉代わり使うのではなく、新しい
食べ方を提案しようという試みです。米粉をクレープのように焼いて、ご飯の
おかずをくるりと巻いて食べる食べ方。「べえべえ」と名付けました。新しい
米食です。人の輪も、米粉の力でもっちり強くつくれました。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=83
■事務局からのお知らせ
▽12月21日(火)は「さんか・さろん」――“あらためて「となみ野」
年末の「さんか・さろん」は今年の〆として、「スローライフ・フォーラム
inとなみ野」の報告です。学んだこと、楽しんだことあれこれ談義ですが、
「行きたかったけれど、都合が合わなかったから・・」「富山までが遠くて
無理だった」など、参加されなかった方へは臨場感あるスライドショーをご
用意しました。早めに終了して、忘年会も・・・でしょうか。
○時間…19時~20時30分
「スローライフ・フォーラムinとなみ野」の報告。
その後、忘年会
○スピーチ…坪井ゆづるさん(朝日新聞論説委員・編集委員、
「スローライフ・フォーラムinとなみ野」では井波分科会コーディ
ネーターを担当)ほか。
詳しくはこちらを↓
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=105
△事務局から
「となみ野フォーラム」の思い出メモの最終回は、まさに私ひとりの思いを
書き残す形ですが、ご寛容のほどを。そしてご意見をいただければ・・。
<ねらいはどこに・・>
テーマは「富山新時代―“住まうを考える」。すべて壊れつつある日本と
いえようが、とりわけ「住まい」は、市民生活だけではなく、国土、文化の
根幹にかかわる問題。それを「となみ野」の舞台で、論じ合う。
なぜ、となみ野で。そこは植生自然度が本州一、風景がすぐれ、水が良質だ。
厳しい自然と戦い、農耕に知恵と工夫を重ねてきた。美しい景観と技・芸・
祭・味を育てて楽しく、住と暮らしへの好感度は高い。合掌づくりや散居村
といった住まう文化を結晶させ、風格ある国土の象徴例だから。
ここが壊れそうだ。このままでいいのか。あれこれ実態を掴み、苦悩を聞き、
論点をさぐる。過疎と農業の未来像を根底に置きつつ、スローライフの視角
から「住まう」について問題提起したい、発信したい、と願った。
<「となみ野」讃歌は高く>
三日間の強行日程。三つの分科会で山と町・村を訪ねてスローライフどころ
を見学、地元側と外来側とが論じ合った。夜なべ談義も地のご馳走を味わい
ながら風発・・。となみ野の「住まう」の農村・農業、美しい景観とともに、
それを培った歴史、文化、また取り組む姿勢が評価された。
三分科会とも地元側パネラーは、まちづくり、地域活動のリーダー的存在。
発言は説得力をもち、中谷信一、岩倉雅美、杉森桂子さんのお宅や仕事場を
訪れて、その感をいっそう深めた。
外来側パネラーからも外来参加者からもすばらしい、学ぶべきだ、といった
声が多かった。コーディネーター・増田寛也さんが、そこを総括的に語り、
コミュニティのつながりが深いと強調した。
<もっと知らしむべし>
だから、であるが、むしろ「世に知られていない」「外へ向けてもっと発信
すべきだ」という意見が出ていた。となみ野の魅力、実力、努力をきちんと
評価しアピールすることも、フォーラムのねらいの一つではあった。
パネラーの早野透さんも、とくに散居村を採り上げて「これほど個性的で、
貴重な存在を、もっと情報発信すべきでないか」と述べ、共感を得た。
<外からの期待のいくつか>
そのほか、外来側パネラーのとなみ野についての見方は、田嶋義介さんが
“観光、環境、健康、介護という新需要の4Kが大切となって「田舎の
価値があがっていますよ」と、藤田穣さんは過疎地域の現況を話しながら
「ここでは、世代間の絆が強い」など期待を。その上で、丸岡一直さんは
「次から次へ、から一度立ち止まって」と、長谷川八重さんは「いったん、
足踏みして冷静に」と意味深長なアドバイス。斎藤睦さんが、砺波分科会
のまとめの中で「若い人たちの意見を・・」と提言していた。
<地元サイドの気持ちは>
こうした外からの期待とか提言などを受けて、地元サイドからもさまざま
な意見がうかがえた。謙虚にうけとめた発言の中で、これからの地域活動、
まちづくりに有用なものも多かったが、とくに尾田武雄さんの「住民自身
の再評価」、また砂田龍次さんの「価値再発見の勉強」といった言葉が強
く響いた。これは、外からの「もっと発信を」の声に対応するともいえる
もの。自分たちの宝物を大切に、というのが結論としておきたい。
<私の印象に残ったこと>
・大都市からスローライフどころに出かけて、ゆっくり住まう、滞在する形は、
Uターン、Iターンはじめ二地域居住、スローステイ、中長期滞在、観光旅行
まで含めていろいろ。が、このフォーラムで「二地域居住」の言葉が含蓄深い
と知った。パネラー・渋谷和久さんの解説のおかげである。利賀村のパネラー
畠山芳子さんのIターンもその変型の一つと捉えられよう。人口減少、空き家
対策をはじめ「住まう」を考える鍵が「二地域居住」にありそうだ。
・利賀分科会でパネラー・大和田順子さんが、若い都会の女性の目が「農山村
の無口な男性に向きはじめた」と発言、翌日の砺波分科会から登場した桜美林
大学の女子学生の一人が「卒業後の勤務地として散居村を考えたい」と語った。
なぜか、直木賞作品「女たちのジハード」を思い浮かべた。
・緑。絆。今回のフォーラムで、となみ野の魅力と特性を表すキーワードだが、
私にとっては、パネラー・坪井ゆづるさんの「コミュニティ・バス」の提案が
面白く、さらに石井隆一知事の「土徳」、神野直彦教授の「ミダスの呪い」な
どの言葉に凝縮された世直し願望が強く印象づけられた。
<筑紫哲也を偲びつつ・・>
全体会で、私もひとこと発言の機会があって、「住まう」フォーラムへの経緯
とか、ねらいを述べたが、さらにスローライフ学会会長だった筑紫哲也を偲ぶ
想いを付け加えた。彼の著作・岩波新書「スローライフ」の一章にウィーンの
画家・建築家フンデルトヴァッサーとのやりとりがあるのを引用した。
家について「人間の第三の皮膚である」「人間を映し出す鏡である」と捉え、
その視角から、日本はパラダイスであり、これからどう暮らすべきか「過去に
すでに示していた」と語るフンデルトヴァッサー。これは、筑紫哲也と認識を
共有しているが、まさしく今回のフォーラムの認識でもあった。
フォーラム全体会のちょうど一週間前の11月7日が筑紫哲也の命日であった。
ことしは三回忌。「私は、このイベントが三回忌の供養のつもり」としめた。
フォーラムから一ヶ月・14日 スローライフ・ジャパン 川島正英
△筑紫哲也賞「作文コンクール/神話・民話を読み継ぐ」の入賞作品集をネッ
ト上(e-book)で公開中!
◆「上巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol1/flipviewerxpress.html
◆「下巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol2/flipviewerxpress.html
△スローライフ学会へのお誘い
スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・
神野直彦、会長・増田寛也)です。
楽しくスローライフについて多くの分野から学び語り合います。また、全国
でスローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。
年会費5000円。会員は自動的にNPOのサポート会員となります。会員に
なっていただけれんば、この「瓦版」に記事を出したり、「さんか・さろん」
などで交流したりできます。「学会便り」や、各種ご案内もお届けします。
また、学会申し込みはこちらから↓
http://www.slowlife-japan.jp/modules/liaise/index.php?form_id=5
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■いつも応援していただき、ありがとうございます。
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
KDDI株式会社
http://www.kddi.com/
株式会社ダイイチ
http://www.co-daiichi.co.jp/boring.html
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
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最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。
まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。
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