週刊スローライフ瓦版 (2011.4.5 第50号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会=======★★★★★ 先月の「さんか・さろん」は、東日本大震災の勃発で突然のお休みと させていただきましたが、4月は開きます。予定どおり第3火曜日に。 テーマも震災復興にこそ考えるべき「減速」の哲学について、です。★★★★★ このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信 される方も含めて、お気軽にお付き合いください。コラム<火曜日の鐘> 斉藤 睦(地域総合研究所所長)~~~ ソウイフモノニ 東北のまちの計画づくりに携わったときに、東北の歴史はたびたびの災害をどう乗り越えたかの歴史であることを知りました。津波や冷害で家族や田畑を失ってきた地域の悲劇をとつとつと語る郷土史家の声がよみがえります。賢治の「雨ニモマケズ…」は、賢治だけのつぶやきではなく、サムサノナツハオロオロアルくなかでしぼりだした東北人の祈りであることがわかります。世界を驚かせた被災者の謙虚・礼節は、災厄を何度もくぐり抜けて「ソウイフモノニ」ならざるを得なかった結果であり、東北魂に敬意をいだきつつ、私たち災害を免れたものの支援はどうあるべきかを問うています。 しかも大震災に端を発した原発事故は、東北に危険を押し付け利益を享受してきた「東電管内に住む私」という“加害者の構図をもあぶり出しました。この現実は重く、義捐金や頑張れコールでは返せません。災害を乗り越えるまちづくりを東北人のけなげさのみに負わせずに、新しい社会のイメージをどう描くか、3・11が投げた問いの重さにオロオロとよろめき歩きつつ考え惑う日々です。■街角から畦道から ————————————————–反原発候補に初の選挙応援 田嶋義介(島根県立大学名誉教授) 私は初めて選挙応援に入りました。私の山口県光市の住まいは20キロ圏内の 上関町で、中国電力が日本で唯一といっていい新設の上関原発の建設工事に かかろうとしています。もし福島原発のような事故が起これば、瀬戸内海の 環境に大打撃を与えます。私が取り組んでいる瀬戸内海環境保全にとっても 大きな問題です。上関原発をめぐる関係8漁協のうち、祝島漁協だけが、約 10億円の補償金の受け取りを拒否、29年間にわたって、反対運動を続けて きました。その祝島出身で光市在住の市民活動家が、上関原発中止を掲げて、 1日に告示の山口県議選に立候補しました。自民、民主両党の現職と争いま す。ここでの仲間とともに、反原発候補を支援することにしました。私なり の東日本大震災救援活動です。学会コラム<緑と絆の木陰> ~~~~~ 増田寛也(野村総合研究所顧問) 「前を向いて進もう」 3月11日から世の中の景色がすっかり変わった。これほど多くの東北人の涙を見るのは初めてだ。それは悲しみの涙であったり、感謝の涙であったり…。被災地では今なお多くの人々が、春は名のみの寒さにふるえながら、お互いに支えあい励まし合って日々を送っている。先日は避難所となっている小学校や中学校の体育館から、皆に見守られながら卒業生が巣立っていった。 現地は、今なお混乱しているが、少しずつがれきの処理や仮設住宅の建設が始まり、ようやく復旧に向けて動き始めた。今後は復興の議論も行われることになろう。 懐が広く深くそして何よりも優しい東北の人々の心も、さすがに折れてしまった。その中でも、なお、被災者達は自分たちの不幸を嘆くよりも他の被災者への心遣いを忘れず、その苦しみを案じている。 これこそが寡黙ではあるが不言実行の東北人の魂である。巨大津波によりコミュニティーそのものが完全に流失してしまった所も多い。三陸の美しいたたずまいは悲しみの淵に沈んでいる。しかし、あの人々がいる限り、東北の地を東北人の手で必ず復興させなければならない。■まち・むらニュース ————————————————・三重県 「県政だよりみえ 4月号」を発行 今月号の表紙は「まちかど博物館」を紹介した。この博物館では、こだわり のコレクションや伝統の技、手仕事などの見学、館長さんの熱い語りなどが 楽しめる。特集は「三重の地域資源」。県内各地でさまざまなに進められて いる地域資源の活用事例を紹介している。 問い合わせは三重県政策部広聴広報室(電話 059-224-2788) 詳細はこちらへ http://www.pref.mie.lg.jp/dayori/index.htm・佐賀県 ギネスブックの記録認定を目指すハーモニカ演奏会 九州ハーモニカ連盟の定期演奏会に、愛好家約1000人が集まり、日本の名曲 「ふるさと」を吹く。一般参加者が主旋律、連盟の会員がバスパートなどを 受け持ち、四部合奏する。ハーモニカの大人数演奏で、これまで同じ旋律の 演奏例はあるもののアンサンブルは初の試みという。 日時:4月10日(日) 11時開場 13時30分本番開始 場所:佐賀市文化会館 大ホール 問い合わせ先:佐賀県ハーモニカ協会 080-1715-0851━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「たかおか屋」から・・・ 5月1日は高岡御車山祭です。この山車は、豊臣秀吉が京都聚楽第で天皇をお迎えした際に使用されたもの。この山車をあなたも作って身近にどうぞ。http://www.takaokaya.jp/news/2011/03/01-172320.php━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━コラム<象さんの散歩> お好み焼きは「てっぱん」あってこそ~~~ テレビ番組の衣がえの季節であり、NHK朝の連続テレビ小説「てっぱん」も先週で終わった。視聴率はよかったと聞くが、私もかなりよく見た。 物語は、父親がなく、生後すぐ母親を亡くしたヒロイン・あかりが、広島県尾道で小さな鉄工所をもつ家族に育てられ、大阪の祖母のもとお好み焼き屋をやって二十歳までの人生を描く。尾道の実家にも祖母の持つ下宿にも、お好み焼き用の鉄板があって、家族、下宿人が鉄板を囲んで楽しく暮らす。 この尾道「てっぱん」家族と、近所の善人たち「てっぱん」集落の空気こそわがNPOで提唱してきた「安産の里」に通じる。わが意を得たり、なのだ。安産の里づくりの提唱は、筑紫哲也が岩手県遠野市でやった(この欄45号に)。また早野透・桜美林大教授が、鳥取県智頭町版―寺谷誠一郎町長の「安産の里にとどめず、大都市から疎開を」の呼びかけを朝日新聞のコラムに書いた。 「疎開」、ひいては「安産の里」づくりのすすめは、この大震災の復興を考える上でも、大変に貴重なキーワードでないかとおもう。 ∧ 川島正英 ∧━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「日光『食』の研究所」から・・・地震発生以降、スーパーやコンビニの店頭から納豆の姿が消えました。たとえ入荷しても品薄で。・・・ということで、納豆、作っちゃいました♪http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-98.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━クオリティライフから・・・4月13日(水)の料理教室は「ヘルシーなスイーツ!」。懐かしい素材にひと工夫、春先のヘルシーなスイーツ作り♪ 色々アレンジできるヒント満載です。http://www.nfst.jp/p/cookingnfs1104.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その45 ~~~ 元気を取り戻したい! 今日は旧暦3月3日、24節気で「清明」、そして「桃の節句」です。1ヶ月前(その43)にお話した通り、万物に気が満ちる。今春はまだ寒さが続いていますから、清明も節句もあまり実感が湧きません。災害に起因した暗い気持ちを拭い去れませんが、一歩ずつ少しずつでも元気を取り戻したいものです。 来る8日はお釈迦様の生誕日。本当は陰暦ですが、今年は新暦でもいいです。一日でも早くお釈迦様におすがりしたいから。子供の頃、空瓶を持って近所のお寺に行き、小さなお釈迦さまの立像に柄杓でアマチャをかけ、帰って自宅でいただきましたが、正直言って美味しくありませんでした。何でこんな飲み物を?と、子供心に疑問を持ったものです。同じお誕生日なのに、イエス様の場合と違って、なぜ、昔から子供たちに人気がないのでしょうか?※先週のスローライフ瓦版で、<暦と季節と暮らしと>の号数を「その43」と 記載しましたが、「その44」の誤りでした。お詫びいたします。(編集部)コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> なすとらん会議~~~栃木県那須町で「観光と食と農、地域連携フォーラム“なすとらん会議」がありました。観光地・那須は、野菜と酪農のまちでもあります。まち全体をレストランと捉え、町民が“なすとらん倶楽部の名でまちづくり活動をしています。その倶楽部主催のシンポジウムで、パネリストの酪農家の女性が強調した言葉は「信頼そして自信と誇り」でした。地震の前、3月8日のことです。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=99■事務局からのお知らせ△4月の「さんか・さろん」は19日です。半農半Ⅹの哲人・ 高坂勝さんの「減速して生きる」考えをうかがう。高坂さんは『減速して生きる ダウンシフターズ』(幻冬舎刊)の著者であり、手作りのオーガニック・バーの経営者でもある。多くの休暇とか客との対話を大切に、という経営哲学、また半農半Ⅹの人生哲学を推奨。「さろん」会場を提供してもらっているクオリティ(株)浦聖治社長から推薦いただいた。東日本大震災から立ち上がらねばならないいま、まさに「減速」の思想を学びたい。高坂さんも、ただちに山形・宮城へ被災者支援に駆けつけたという。○日 時……4月19日(火)19時~20時30分(18時40分受付開始)○場 所……平河町Mercury Room (千代田区平河町1-4-5 平和第一ビル6階 クオリティ(株)会議室) ○主 催……スローライフ学会○参加費……学会会員1000円、一般2000円。(学生500円)※終了後、希望者で簡単な懇親会を行います。会場は、当日お知らせします。△筑紫哲也賞「作文コンクール/神話・民話を読み継ぐ」の入賞作品集をネット 上(e-book)で公開中!◆「上巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol1/flipviewerxpress.html◆「下巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol2/flipviewerxpress.html△スローライフ学会へのお誘い スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・神野直彦、会長・増田寛也)です。 スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、全国でスローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。 年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したりできます。「学会便り」や、各種ご案内もお届けします。 また、学会申し込みはこちらから↓http://www.slowlife-japan.jp/modules/liaise/index.php?form_id=5=======■いつも応援していただき、ありがとうございます。日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/KDDI株式会社 http://www.kddi.com/株式会社ダイイチ http://www.co-daiichi.co.jp/boring.htmlアース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへまた、今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/