瓦版2011.4.12第51号

週刊スローライフ瓦版 (2011.4.12 第51号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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今月の「さんか・さろん」は、高坂勝氏の「田舎に散ろうぜ」の提唱
です。東日本大震災の被災地に出かけての思い、また震災復興にこそ
考えるべき「減速」の哲学を語っていただく。ご期待を・・。
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このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ
ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信
される方も含めて、お気軽にお付き合いください。
コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授)
~~~ 平等国際交流の百年記念行事を!
あれから、ひと月が経ちました。遅くなりましたが、被災された方々に心よ
りお見舞い申し上げます。一日も早く落ち着いた生活が戻るよう祈念します。
今回も条約改正の話。我国は、あの弱肉強食の時代に、米欧列強と交渉して
対等の立場を獲得したのです。交渉の全過程を後世に継承すべきです。
また、我国側で艱難辛苦を乗り越えた陸奥・小村など歴代外相に加えて、米
欧列強側で、我国の主張、憲法ほか法令整備などの進展ぶり、そして国際的な
「正義」を理解し、帝国主義的な既得権維持を主張する国民の意見に従わず、
我国を対等な相手として認めることに尽力した人々も、ぜひ一緒に顕彰したい。
国内外の偉大な関係者の子孫が集まって、ご先祖様がいかに偉かったかを語
り合う。そういう「平等国際交流」の百年記念行事などいかがでしょうか。
■街角から畦道から ————————————————–
北に住む農民から 村山恵美子(北海道名寄市 農業)
白鳥が空を渡る季節を迎えました。白い大きな羽が綺麗です。人間が空を飛
べたら、とか、瞬間的移動できたら、とか、あり得ない空想をするのはどう
も苦手な私ですが、さすがに、今度ばかりは、なにか飛ばせる手段はないも
のかと真剣に思いました。毛布や布団なんか押入れに沢山余っている。米だ
って野菜だっていっぱいある。
苦しんでいる被災地の皆さんに届けてあげたい。
羽をつけて飛ばせるものなら「さあ行け。早く行け」と飛ばしたい。
しかし、私には魔法使いの能力もないので、そんなことはできません。
北に住む一農民の私にできること。それは、被災者も含め日本国民全員が食
料に困ることがないよう、とにかく懸命に作ること。食料基地と呼ばれる北
海道で農業を営む者としての役目と思っています。
零細な我が家の産物でいったい何人の胃袋を満たせるのか。
大した力にはなれないのでしょう。でも微力であっても出来る限りやります。
日本中の生産者がきっと同じ思いでいるはずです。
全国一の規模を誇るもち米生産地名寄は、まだ雪も消えませんが、あと半月
ほどで水稲の種まきが始まります。
福島産、買いたくても 村井良江(新潟市 イラストレーター)
先月の27日に主人と福島の親戚の家へ食料、灯油、ガソリンを持って行って
きた。福島県須賀川市。津波も原発も被害はあまり報道されていない地域だ。
でも、親戚からは、家が傾き、後ろの崖がくずれた。と連絡がきていた。
高速道路は混んでいると思いきや、福島方面はガラガラ。車中のラジオから
聞こえる「今日の福島の放射線濃度は…」と地域別にアナウンスする声に、
映画で見た“未来に来たような気持ちになった。
その翌々日の朝日新聞に、須賀川市の有機農家の男性が自殺をした。という
記事がでていた。原発事故による摂取制限を苦にしたらしい。
私の住んでいる新潟市でも百貨店の食品売り場に福島産の野菜は1つもない。
その、きっぱりとした対応に、被災地を応援している風潮とは間逆の冷たさ
を感じて、買い物をしながら涙が出た。
日本映画大学の第1期生入学式 武重邦夫(映画プロデューサー)
本日、1975年の横浜放送映画専門学校、86年の日本映画学校に続き、武重に
とっては、3回目の「1期生の誕生」立会いの日でした。・・・みなさんが
入学生に向けて熱いメッセージを贈られました。中でも印象的だったのは、
高橋世織学部長の学生への言葉です。
「いま、日本映画大学が始まるが、ここには36年に至る専門学校と先輩たち
の苦難の歴史と実績がある事を諸君は知らなくてはいけない!」と先生は新
入生達に激しく叫ばれました。
これは祝辞というより檄文です。波乱の時代に入学してきた学生たちに、
「道なき荒野へ」立向かった先輩達の存在を明らかにし、「OBたちに続け!」
と叫んだのです。武重は、今村さんの創立の言葉を思い浮かべ感無量でした。
各種学校、専門学校、大学校、名称は異なれど創作の魂は同じです。36年目
の新たな後輩たちの誕生に乾杯!
学会コラム<緑と絆の木陰>
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中村 桂子(JT生命誌研究館館長) 人間サイズの暮らし方
「生命誌」では、人間は自然の一部であるとし、自然は美しいと同時に恐い
ものであると言いながら仕事をしてきましたのに、正直、これほどの力を見せ
つけられるとは思っていませんでした。反省しています。
でも、被災や事故を語る時に、「想定外」とか「100年に一度のこと」などと
言ってはいけませんよね。建造物や機械は、「確率」を基にした「想定」がな
ければつくれません。けれども自然は人間の想定に合わせてはくれないのです。
確率がどれほど低くてもそれに出会った人にとっては100%。一人一人の人間の
大切さを確率で語ることはできません。
まず、想定外と言ってしまう感覚を変えていかなければならないと実感し、
そうすると恐らく、人間サイズの社会になるのだろうと思っています。
■まち・むらニュース ————————————————
・釧路市 阿寒・湖水開き2011~阿寒湖の春は「鍵」で開かれる!
阿寒シーズンの幕開けを告げるイベント・阿寒湖水開きは、阿寒湖中の生徒
によるブラスバンド演奏、安全祈願祭を行い、湖を開く鍵を投下する。
無料優待乗船券などが当たる抽選会や、阿寒湖名産のワカサギ試食会も行う。
・日時:4月29日11:00~・場所:阿寒観光汽船前(阿寒町阿寒湖温泉1)
問い合わせは、NPO法人阿寒観光協会(0154)67-3200
http://www.lake-akan.com/event/index.html
・長野県飯山市 「蛍の宿を守る会」で八十八人の会員募集!
小山邦武主幹(元飯山市長)を中心に、農村の景観再生、遊休耕作地の解消
を目指して、会員みんなで稲作を行なっている集い。わずか3反歩の稲作だ
が里山の自然環境に年々変化を与えている。昔、星が降るようにホタルが舞
っていたと言われるこの田んぼでの活動に会員88口を募集中。一口15000円
詳しくはhttp://www.iiyama-catv.ne.jp/~morinoie/hotaru2010top.html
お問い合わせは森の家まで (飯山市なべくら高原・柄山)
tel 0269-69-2888 fax 69-2288 e-mail morinoie@iiyama-catv.ne.jp
・静岡県 「静岡新茶」の季節近づく
全国のお茶の約4割を生産する日本一の茶どころ・静岡県では、日本最大の
「茶園」である牧之原台地をはじめ、富士山麓、安倍川、大井川、天竜川流域
など、それぞれ場の力を活かしつつ、テレビ番組で話題の、蒸す時間を長く
まろやかな味わいに仕上げた「深蒸し茶」や、旨み・渋みが調和した喉ごし
のいい「普通煎茶」、とろりとした口当たりとふくよかな甘みを持つ「玉露」
など、多種多様な特色あるお茶がつくられている。
唱歌「茶摘み」で「夏も近付く八十八夜…」と歌われるように、5月2日の
八十八夜の頃がお茶の旬。おいしく健康にもよい静岡新茶をぜひ・・・。
お問い合わせ先 静岡県経済産業部茶業農産課(054)221-2684
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/cha/index.html
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「たかおか屋」から・・・
さくらの便り、皆様のところではどうですか?
物凄い雪だったのに、着実に春はやって来たのです。
http://www.takaokaya.jp/news/2011/04/11-131624.php
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コラム<象さんの散歩> 石原慎太郎氏に「天罰」はくだらず
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東京都知事選は大差に終わった。石原慎太郎氏の当選。信じられない。まず
前回選挙のときの「四選なし」の公約は、どうなったのか。都民の意見を二分
してきた「新銀行東京」破綻、築地市場の移転、オリンピック誘致などが争点
として燃え上がらなかった。そして「天罰」発言のとがめはないままに。
この発言は、行政を預かる政治家にあるまじき感覚、意識というほかない。
私も文学者・慎太郎氏には敬意を払ってきた。芥川賞審査委員。今回受賞の
朝吹真理子、西村賢太への審査評を読み、とくに後者を「現代のピカレスク」
という視点から強く推した文が印象に残っている。もちろん文学者だから許さ
れる筋合いの発言ではないが、とにかく“野に措くべきだといいたい。
そもそもこの選挙は、候補者が名乗りをためらう、「後出しジャンケン」の
勝負といわれた。まさに、一刀両断でファストな石原流はまったく影をひそめ
ていた。立候補を否定、ぎりぎり最後に立った。氏自ら選挙演説で「東京は、
日本のダイナモ」と昂揚してみせても何をかいわんや・・。 ∧ 川島正英 ∧
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「日光『食』の研究所」から・・・
日光産のゆずがまだ残っておりました。無農薬なので皮を捨てるのはもったい
ない。・・・ということで、今回はマーマレードを作ってみました。
http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-99.html
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クオリティライフから・・・
4月16日(土)の料理教室は「手作り豆腐体験」。貴重な在来種の大豆を使っ
て手作りのお豆腐作り♪途中でできたおからは食物繊維がたっぷりです。
http://www.nfst.jp/p/cookingnfs1104.html
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コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その46
~~~ ありふれた自然の恵みを大切に
大災害からもう1ヶ月。少しでも早く被災者の皆さんの暮しが安定すること、
そしてニッポン全体が安心・安全を取り戻すことを祈念し続けています。
先週の「清明」からしばらくの間は、古くからの暦の中は、ツバメが来る、
雁が北へ帰る、虹が出始めるなど、季節の移り行きを感じる表現が一杯です。
日常の出来事を、銘々が気付くだけの事象に止めず、共同体の基盤である暦の
中に位置付けて、ふるさとの体験として共感し合えるようになっています。
そうした折々のありふれた事象でも、各個人がバラバラに遭遇するだけでな
く、仲間と共通の話題にすることで、私たちの心は癒され安定するのだと思い
ます。自然の猛威によって打ちのめされた私たちですが、ごくありふれた自然
の恵みを確認し合いながら、力を合せて立ち直って行きたいものです。
コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> スローライフマップ
~~~
あなたが住むエリア内で、同世代におすすめしたいスローライフポイントを教
えて。というワークショップをしたら、どんなことを書きますか。ゆっくりで
きる喫茶店、お安い上質ランチ、桜を愛でながら歩ける散歩道、個性的なギャ
ラリー、等等。10人いれば、あっというまに100の情報が集まります。それをま
とめてシニアのためのマップにしましょうと、目黒の仲間が動き始めました。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=100
■事務局から
△今週号では、三つの原稿について、編集室から「蛇足」をつけさせていただ
いた。ライターの方々に遅まきながらお許しを得たい。 川島
<火曜日の鐘>のテーマは、39号・45号に続いて明治44年の日米・日英通商
航海条約の改正について。山下教授は、不平等の最たるこの条約への取り組
みを「100年前の一大事」として採り上げ、三回にわたっての論陣。一挙に
掲載できればよかったのだが‥。すみません。
<街角から畦道から>の村山恵美子さんは、28号の「雪虫は好き 雪はもっ
と好き」が好評だったが、第一回筑紫哲也作文コンクール作品集のe-BOOK
上巻「スローライフは心の中に」でもお目にかかれる。
<街角から畦道から>の村井良江さんは、ご主人の村井康人さんともども、
はるばる学会フォーラムや「さんか・さろん」に参加いただく夫婦会員。
この欄も常連執筆の康人さんに続く投稿、めおとライター登場です。
<街角から畦道から>の武重邦夫さんが採り上げた日本映画大学の創立記念
の文章中にある「本日」は、4月5日でした。私も、今村昌平監督のお手伝い
で大学の校地探しをしたのを想い出して感無量。
△4月「さんか・さろん」の〔テーマ〕LOCALIZATION-田舎に散ろうぜ!
ゲストは、昨秋来から話題の『減速して生きる―ダウンシフターズ』著者・
高坂勝さん。1970年生まれ、大企業のトップセールスマンを30歳で退社、
現在は小さなオーガニック・バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を営み
ながら、田んぼで米を自給する「半農半X」人生を実践している。
最近の提唱は、テーマの「田舎に散ろうぜ!」。高度成長以来の向都離村
から“向村離都への主張。大震災の直後に訪ねた被災地の様子も含め、
人生哲学と実践法を語っていただく。
推薦者は、会場を提供してくださっているクオリティ㈱社長の浦聖治さん。

○日 時……19日(火)19時~20時30分(受付開始18時40分)
○場 所……平河町Mercury Room(千代田区平河町1-4-5平和第一ビル6階
クオリティ㈱ 会議室)
○主 催……スローライフ学会
○参加費……会員1000円、一般2000円。(学生500円)
※終了後、希望者で簡単な懇親会。会場は、当日お知らせ。
○ゲスト……高坂 勝(こうさか まさる)さん
オーガニック・バー経営の傍らさまざまなイベントの企画運営、実践。
【申込み】18日(月)までに下記へ。NPO スローライフ・ジャパン
電話 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
(当日連絡は090-7433-1741野口まで)
△筑紫哲也賞「作文コンクール/神話・民話を読み継ぐ」の入賞作品集をネット
上(e-book)で公開中!
◆「上巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol1/flipviewerxpress.html
◆「下巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol2/flipviewerxpress.html
△スローライフ学会へのお誘い
スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・
神野直彦、会長・増田寛也)です。
スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、全国で
スローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。
年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」
などで交流したりできます。「学会便り」や、各種ご案内もお届けします。
また、学会申し込みはこちらから↓
http://www.slowlife-japan.jp/modules/liaise/index.php?form_id=5
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■いつも応援していただき、ありがとうございます。
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
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最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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