瓦版2011.5.24第57号

週刊スローライフ瓦版 (2011.5.24 第57号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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東日本大震災で、いっそう意味をもったスローライフ学会。この機会に新しい
会員を募ることにしました。楽しい仲間、頼もしい仲間を求む、です。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=117
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コラム<火曜日の鐘> 山下茂(明治大学公共政策大学院教授)
~~~ アナログとデジタル-どちらが「スロー」か?-
大震災以来、「緊急地震速報」のために、小型ラジオを携行しイヤフォンで
NHKなどを聴く癖がついた。それで気付いたが、ラジオでは「時報」がまだ
健在だ。今時のテレビは時報がない。デジタルだと少し遅れるためか?
気になるのが地震速報だ。デジタル放送を通じて届く「緊急」速報は、アナ
ログの場合より遅れはしないか?例えば野球の実況中継をラジオで聞きながら
TV観戦すると、画面より先に結果が分かるため、著しく興味がそがれる。
音楽や野球ならいいが、もしも地震速報が遅れるとすれば、その一瞬の差が
致命的になりうる。いろいろな災害時通信用機器は大丈夫なのだろうか?
実際にデジタル放送だと地震速報も遅れるのか筆者は確認できていない。情
報通信技術の素人の勘違いであることを願うが、本当はどうなのだろうか?

学会コラム<緑と絆の木陰>
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神野直彦(東京大学名誉教授) 歴史的責任(下)

福島原発事故を眼前にして、ヨーロッパの多くの国がライフ・スタイルをチ
ェンジしなければならないと決意した。ドイツでは原発を廃止すべきだという
国民が7割に達し、統一地方選挙では緑の党が大躍進をした。
ところが唯一の被爆国である日本国民は、福島原発事故の前と後とで、原発
に対するスタンスを変えていない。原発事故後のいずれの調査でも、ほぼ一割
が原発を廃止すべきで、五割が現状維持で、三割が縮小すべきで、一割が増設
すべきで、原発を廃止すべきだはほぼ一割にすぎないという。
しかし、日本国民が従来の道を「頑張ろう」と掛け声を掛けあって突き進む
としても、人類にとって掛け替えのない自然を不可逆に放射能で汚した歴史的
責任は引き受けなければなるまい。この歴史的責任を考えると、シンガポール
の刑務所で戦犯刑死した学徒の「きけわだつみ」の声を想い起こした。
そこには自分は、「全世界の憤怒と非難との真只中」で死んでいくけれども、
日本のこれまで犯した「数限りない無理非道を考える時」、それは当然のこと
だと指摘した上で、「これで世界人類の気持が少しでも静まればよい。それは
将来の日本に幸福の種を遺すことなのである」と書き残されていた。
日本国民の歴史的責任を、自己の死をもって賄った学徒に、私達は報いるこ
とをしてきたのか。しかも、この原発事故の歴史に責任を、この学徒に恥じる
ことなく取るにはどうしたらよいのだろうか。
そう思いながら、この雑文を処刑前夜の二首でしめたい。
おののきも悲しみもなく絞首台母の笑顔をいだきてゆかむ
風も凪ぎ雨もやみたりさはやかに朝日をあびて明日は出でまし
■街角から畦道から ————————————————–
酢まんじゅう<下> 石上すが子(管理栄養士 埼玉県さいたま市)
私は、ふるさとの酒まんじゅうが好き。先日、秩父で「まんじゅう」の看板
を見て立ち寄った店に、80才代のおばあちゃんが一人、小さなカウンターの中
に笑顔で立っていた。私は、その笑顔の美しさにに惹かれた。
酒まんじゅうは「酢まんじゅう」の名で売られていた。「昔は家庭で作って、
食していた。それでも、麹を発酵させるため、何日もかけ子供を育てるように
作ります。今でも毎日工夫を重ねていますよ」と話をしてくれました。そんな
仕事を、退職した校長先生の会が見学に見えたり、大学生が実習にも来ますが、
なかなか、思うようには出来上がらないと、淡々と語っていました。
話し込むうちに、専業農家に嫁ぎ、昭和という激動の時代を生きてきたいろ
いろな話をしてくれた。そうだ、彼女のすばらしいこの笑顔は、これまで自分
の人生を一生懸命生き抜いてきた人の輝きではないかと・・・
私も、早く、麹の匂いのする酒まん(酢まんじゅう)を膨らませてみたい。
■東日本大震災におもう
きれいな空気、水、土とスローライフ 田嶋義介(島根県立大学名誉教授)
初夏のさわやかな風を受けてジャガイモの薄紫の花が揺れ、ソラマメの収穫
真っ最中―瀬戸内海を望む地に構えた住まいに昨春定住してから、初めて野菜
づくりをしている。トマト、キュウリ、ナス、サラダホウレンソウ、シュンギ
ク、ルッコラ、ラディシュ。昨秋に種豆を植えたソラマメが幼苗で厳冬を乗り
越え、実をつけた生命力にはびっくり。
青い海には、中国電力の上関原発新設に29年間も反対運動を続ける祝島が見
える。原発ができると、ここは20キロ圏内。福島原発事故で農作物作付け禁止
に思いをはせると、きれいな空気、水、土をかけがいのないものに感じる。
地震大国日本では、スローライフと原発は相容れないのではなかろうか。
■まち・むらニュース ————————————————
・佐賀県小城市 「小城」ホタルの里ウォーク
秀峰の天山に抱かれた小城町は、鍋島藩が館を築き、藩政の中心として発達
した7万3千石の歴史ある古都。美しい町並みは、歴史的景観、天山山系の
名水が育んできた自然など心を癒してくれる場所がなお多く残ってい ます。
小城市を舞台に、歴史や自然に満ちたコースを歩く。新緑が芽吹き、祇園川
のホタルが乱舞する季節の「小城」ホタルの里ウォーク。
6月4日 集合は10:00~12:00で解散は16:30。JR小城駅で。
問い合わせ:小城市商工観光課(0952-73-8813)
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「たかおか屋」から・・・
「高岡スローライフ逸品研究会」の平成22年度の活動報告会が行われました。
一年間の数々の成果、並びに商品開発の発表の模様をどうぞ。
http://www.takaokaya.jp/news/2011/05/23-104954.php
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「日光『食』の研究所」から・・・
日光市で「地域おこし協力隊」の募集が始まりました。都市部の人材を地方で
受け入れることで、地域を都市住民の目線で活性化しようという事業です。
http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-105.html
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クオリティライフから・・・
私たちはこの4月に「たまな食堂」を中心とした3つのコンセプトショップを
開きました。食堂・教室・商店がともにナチュラルな“食を目指します。
http://qualitylife.co.jp/
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コラム<象さんの散歩> 今週も盟友の「先見の明」を・・
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「大震災」についての論文の中、孫正義氏の「ソーラーベルト地帯」の提唱
がいい、と先週号に紹介したが、さらに盟友の先見の明を顕す例二つ・・。
まず「京都エコエネルギー学院」。ピークオイルと地球温暖化もあって、太陽
エネルギー社会への転換は必須だが、太陽光発電を支える「太陽光設計士」を
育成する学校だ。昨年、開いたばかり。創設者はIT企業で先駆してきた日本
テレネット社長・瀧栄冶郎氏。わがNPOをつくって以来の仲間で、さすがに
スローライフへの社会貢献といえる。大震災が起き、まさに慧眼をおもう。
もう一つ自治体の「疎開保険」。加入者は年1万円を拠出し、地震、津波など
災害救助法の被災者となったときは7日間の宿泊と食事の世話を受ける。災害
のない通常の年は土地の野菜など特産品が届く。鳥取県智頭町が2月に始めた。
全国で初。わがスローライフ学会は、3年前に鳥取県で環境をテーマに3日間
の催しを開いた。智頭町でも分科会を。名物町長の寺谷誠一郎氏とは以前から
意気投合する仲だ。独特の“疎開論は稿をあらためたい。 ∧ 川島正英 ∧
コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その52
~~~ 大成功だった「花誉め」の先駆的実践
先週話題にした「花誉め」だが、人々が誉めたい花には地域によって差異が
ある。まずは自地域の特産物を生み出す花が第1優先だ。探検隊などを組織し、
子供たちを中心に老若男女連れ立って、ふるさとの特産物や風景を自分たち
自身で再発見していくことがおススメだ。
筆者は、その昔、言い出しっぺとしての責任を果たすべく、花誉めを実践し
たことがある。前世紀末近くのこと、和歌山の有田ミカンの産地で、熊野古道
を辿って峠越えに歩いてのち、ミカン畠地帯のド真ん中に陣取り、持参した弁
当と地酒で、眼下に流れる有田川の輝きをめでながら、花の香りに包まれた。
ミカンは花よりも葉っぱが目立つが、酒飲みにはそれで全く問題ない。楽し
い仲間と賑やかに談笑して大いに盛り上がり、先駆的試みは大成功を収めた。
コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> タメイキ道ワクワク道
~~~
北海道阿寒湖に行ってきました。震災後、観光地はどこも大変です。もともと
さびれていた街となると、さらにさみしい景色。人影のない土産物通りからは
タメイキが聞こえるようです。その先に自然散策道がありました。急に世界が
変わります。春の花と新芽、鳥の声、勢いがあふれています。久々の深呼吸、
身体に精気があふれました。今、心踊るのは、土産物よりも自然です。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=106
■編集室だより
△講演会・研修会を承ります!
「スローライフとは何か?話をしてほしい」
「価値観やライフスタイルを変えるワークショップをお願いできますか」
大震災後、こんな問い合せが増えています。新しい暮らし方や仲間を見つけ
てみたい、ということかもしれません。
私たちも考えたい、学びたい。どんな内容の会合にするか、も含めてご予算
にあわせて対応いたします。
まずは、お気軽にご一報ください。
△今こそスローライフ学会へ!!!
ゆっくり、ゆったり、ゆたかに、を目指すとき。私たちは、これまでどおり
緩急自在な生き方、スローライフなまちづくりをすすめていきますが、この
メールマガジンをお読みの皆さまには、ぜひともスローライフ学会の仲間に
入って私たちNPOの活動を支えていただきたく思います。
年会費5000円。会員は、この「瓦版」で思いを語ったり「さんか・さろん」
で学び合い、楽しみながら交流できます。
お誘い合わせのうえ、ぜひともお申し込みください。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=117
こちらの入力フォームからもお申し込みできます。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/liaise/index.php?form_id=5
△ボランティアスタッフ募集!
NPOスローライフ・ジャパンの事務作業をお手伝いしていただける方を探
しています。アルバイト料をお支払いできないお願いなので、とても虫のい
い話ではあるのですが‥。データ入力や資料の発送など簡単な仕事ですが、
お手伝いしていただければとても助かります。
たまには四ツ谷(坂町)に行ってもいいという方、ぜひご一報ください。

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
鹿児島県
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岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
鳥取市
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1196922905996/index.html
佐賀県小城市
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日本テレネット株式会社
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クオリティ株式会社
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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
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株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/
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