週刊スローライフ瓦版 (2012.8.21 第121号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会=======★★★★★NPOスローライフ・ジャパンの「Facebook」は、10月に開く高岡フォーラムでの「スローライフ逸品大集合」に参加していただく作品の募集に懸命です。「編集室便り」を参考に、たくさんの情報をお寄せください。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 早野 透(桜美林大学教授)~~~ ロンドンと甲子園 ロンドン五輪は、よかった。「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」と、北島選手をおもいやった400mメドレーリレーの仲間の言葉がよかった。ついにメダルに手が届いた卓球の福原愛ちゃんの涙もよかった。なでしこジャパンの宮間あやさんのリーダーシップは見るべきものがある。 そして、甲子園もよかった。炎暑に負けず、熱球が飛び、熱戦が続く。 だが、その間の政治といえば、消費税増税法案の成立の密室談合に続いて、竹島、尖閣諸島をめぐる領土争いである。 「わたしは新聞を開くとまずスポーツ面を見る。なぜなら、そこには人間が達成したことが書いてある。そのあと一面を読む。そこには人間がしでかしたことが載っている」。そんな誰かの言葉が身にしみる夏である。 学会コラム<緑と絆の木陰> ~~~~~ 神野直彦(東京大学名誉教授) 黄蓮華升麻 「二人だけの夏休み」と妻が呼ぶ、私と妻の夏の小旅行は、花を愛でる旅路でもある。昨年は私が依頼されている富山夏期大学と絡めて、砺波、南砺、立山を、今年は木崎夏期大学と絡めて、小布施、栂池、安曇野と、花を愛でながら二人して巡った。旅も花の生命も、愛と別れに抱かれた人生と二重写しとなる。 黄蓮華升麻は夏のほんの一瞬、それも四国の霊峰剣山にしか咲かない幻の花である。宮尾登美子は清純な心の少女珠子の愛と別れの人生を、この黄蓮華升麻と二重写しにして小説『天涯の花』を描いている。 「二人だけの夏休み」から戻った日に、私のもとに「瓦版」が配信されてきた。その「瓦版」に川島宏子さんが寄せた「日光のキレンゲショウマ」に、私は言い知れぬ感動を覚えた。私の話に真摯に耳を傾け、わざわざ東京大学の日光植物園を訪ねた人は、川島さん以外にはいまい。 花を愛でる女性には、清澄で無垢な魂が宿っている。それだからこそ川島さんは、キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)に出会えたに違いない。黄蓮華升麻は「天涯の花」つまり空の果てに咲く花である。その花との愛でる出会いを求めて、剣山を目指した宮尾登美子でさえ、眼にしたことがない。私も東京大学の矢田部良吉教授が発見して名付けた黄蓮華升麻を、日光植物園が育てていたことを知ってはいるものの、出会いの機会に恵まれていない。 人も花も「愛でる出会い」を求めて、この世に生を受けている。黄蓮華升麻を眼にした珠子は、「私はこの花に会うために、お山さんに来たのではないか」と心打たれる。人は誰でも、「私はこの人に会うために、この世に生まれて来たのではないか」という出会いを求めて生きている。スローライフとは花を愛でる出会い、人を愛でる出会いに、生命を燃やすことなのではないかと思えてならない。■街角から畦道から絆が輝いたオリンピック 土屋道男(東京都練馬区 経営支援NPOクラブ)ロンドンでのオリンピックが終わった。開会式では、すべての参加国の花びらに聖火が灯り、その輪が一つに束ねられるという演出は、洗練された美しさとともに、世界が一つになる平和への願いが込められているように感じられ、魅了された。そして、今回のオリンピックで、最も私の心に残ったのは、団体競技でのメダル獲得の多さであった。女子卓球、男子体操、女子サッカー、男子競泳リレー、女子競泳リレー、女子アーチェリー、男子フェンシング、そして女子バレー。個々の強さの集結を超えて、厳しい練習や訓練に耐え、ともに戦ってきた選手同士の固い絆が、チームをさらに強くして、勝利を導いているように思えた。すべての頂点に立つ孤高のアスリートも素晴らしい。けれども、チームの絆から生まれたメダルの輝きは、さらに美しく、誇らしい。“メダル選手の20日の銀座パレードをTVで見て、市民との絆の太さもすばらしいと感じた。東日本大震災を経験した日本で、今も続く復興への道の原動力となっている人と人との絆。その絆が、確かな力を生み出すことを再認識させられたオリンピックだった。がんばれニッポン。輝け、絆。千年もの祝島の神舞開く 田嶋義介( 山口県光市 島根県立大学名誉教授) 千年以上前から続く山口県上関町祝島の4年に1度の伝統行事、神舞(かんまい)が16日から始まった。大分県の国東半島、国東市の伊美別宮社から宮司らが乗った御座船が49キロの海路で祝島を往復する。20人の男たちが掛け声をかけながら漕ぎ、船首と船尾で踊り子が勇壮な舞を見せる櫂伝馬船や大漁旗で飾った奉迎船が出迎える入船神事の後、御座船の神様が上陸。 カヤや竹で作られた古式の仮神殿に鎮座され、20日の出船神事まで神楽が奉納された。神舞は伝承によると、886年に豊後国伊美郷の神職たちが遭難、祝島に漂着した。祝島の人々がもてなしたところ、麦の栽培方法などを教わり、暮らしが豊かになったお礼に神職らを招くようになった。 上関原発計画に30年も反対闘争を続ける祝島島民にとって、平穏な海を早く取り戻したいところだ。※写真は田嶋さんから送られた神舞(かんまい)の写真。■まち・むらニュース・佐賀県 夏にぴったりの「佐賀の怪談伝説」 佐賀県には佐賀城下を舞台に語り継がれた有名な怪談話「化け猫騒動」がある。江戸初期、鍋島藩二代目藩主・鍋島光茂が、家臣・龍造寺又七郎と碁を打っていて、ささいなことから又七郎を手討ちにした。これを見ていた又七郎の飼い猫が、息子を待つ母親のもとに。母親は我が子を殺された恨みを猫に語りながら自害。その血をなめた猫が化け猫になり、佐賀城では怪現象が相次ぐ。化け猫のたたりをおそれ、槍で退治した千布一族の菩提寺の秀林寺(白石町)に「猫塚」を建て、石の祠に「猫大明神」としてまつられている。同じ白石町に、「幽霊の掛け軸」伝説を語り継ぐ福泉禅寺がある。江戸時代、住職が修行に出て泊めてもらった家に幽霊の掛け軸があった。「継母に反発し悪行を重ねる子に、亡くなった生みの母が幽霊になって現れ、育ての母上に逆らってはいけないと諭す姿」。住職が「地元の同じ境遇の家庭に伝えたい」と譲り受けた。ゾッとする怖さはあるが、子を思う母親の愛の深さの表現、と。伝説の世界に心をひきつけられるのは、佐賀の地に魅力的な歴史や文化財が残されているから。「ゆかりの地を巡ってみるのはいかが・・」。 ◆「鍋島の化け猫騒動」と秀林寺(白石町HP)http://www.town.shiroishi.lg.jp/view.php?pageId=2450 ◆福泉禅寺と和泉式部伝説(白石町HP)http://www.town.shiroishi.lg.jp/view.php?pageId=2461<問い合わせ先>佐賀県危機管理・広報課 0952(25)7219 e-mail:kouhou-mailmaga@pref.saga.lg.jp・北海道稚内市 「最北端・食マルシェ2012」を開く 食・賑わい・歴史をテーマに、宗谷黒牛やホタテなど、地元の食材の海産物や農畜産物の販売を行う。ステージと広場では地元食材のPRタイム、ほたて貝早むき大会、大だこ重量当てゲーム大会のほか、ほたて貝むきなどの魚介類のさばき方体験ができる食育体験コーナーなどイベントが行われる。稚内の漁業の歴史を伝える「旧瀬戸邸」など市内4カ所で開催する歴史展、これらを巡るスタンプラリーも開く。実行委員会事務局(稚内市観光交流課)0162-23-6468・日時:8月25日(土)10:00~20:00 26日(日)10:00~16:00・場所:北防波堤ドーム公園(稚内市開運町1丁目) (25日13:00から3年に1度開く南中ソーラン全国交流祭in稚内も同時開催)詳しくは、こちらのホームページからhttp://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/kanko/event/shokumarushe.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━米粉のまち・胎内市から・・・9月1日(土)10時~12時、「米粉スクール」開催です。親子で作る米粉パンケーキ、詳しくはこちらを。↓http://tainai-komeko.blogto.jp/archives/14214170.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「日光『食』の研究所」から・・・8月31日(金)開催の「ささらガーデン」のお知らせ。宇都宮市中心部のオリオンスクウェアで栃木の銘酒が勢揃い!入場無料、1ドリンク100円です。http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-191.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━クオリティライフから・・・食に情熱的で個性豊かな仲間が集まった「たまな食堂」。みなさまの応援とサポートをよろしくお願いします。スタッフ紹介ページができました。https://qweb.quality.co.jp/mm.cfm?mm=1049&url=5382━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━スローライフ逸品フォーラムin高岡から高岡市と各地の「スローライフ逸品」を紹介するフェイスブックページです。↓ ご覧になって、「いいね」ボタンを押してくださいね。http://www.facebook.com/slowlifej━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━コラム<象さんの散歩> 政治家を独断寸描・・菅 直人(続)~~~ 菅氏を語るキーワードは「原点」がいい。日本記者クラブでの菅講演の二大政党制と原発見直し論議に、新聞・テレビは関心を示さなかったが・・。 そう、菅政権登場の施政方針演説を想起しよう。菅演説は「市川房枝さんの市民運動から政治へ。原点は松下圭一先生の『市民自治の思想』だ。官僚内閣制でなく政党内閣制を」と。が、新聞・テレビは市民運動という出自に触れず、小沢問題、普天間問題をどう片付けるのか問い続けた。それも必要だとしても市民運動の視角からの菅政治へのアプローチをどう評価しようというのか。 田中角栄氏が総理として登場したときには、「初の庶民政治家」「今太閤」などはやしたてたマスコミなのだが、市民とか分権とかには弱かった。 私が菅さんと語り会ったのは3回ほど。30年も昔に。長洲一二氏の「地方の時代」などがテーマで、座談会パネラーや雑誌の対談相手としてだった。 菅氏が師にあげた松下圭一さんと、今春の一夕、たまたま旧交を温める機を得た。菅評はさて置こう。マスコミ評で「政治の原点を探ろうとせず、政局にしか眼を向けず、世を誤らせている」という見方で一致した。∧ 川島正英 ∧コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 学んだ日光~~~足尾から中禅寺湖、東照宮と日光を遊びました。おなじみの物見遊山かと思われるでしょうが、「ほほう!」「なるほど」の連発。小さなことでも積み重なると大きな観光資源よりも、ずっと印象深い感動を与えてくれるものです。いずれにしても、それには良い導き人が必要、そして、学徒の旺盛なる意欲が必要。両者がピタリと合ったとき、その土地は本当に光り輝くのでした。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=173■編集室だより □Facebookの活動開始 NPOスローライフ・ジャパンの出来立てほやほやフェイスブックページでは 10月の富山県高岡市「スローライフ逸品フォーラム」へ向けて、いま懸命に 全国と高岡の「スローライフ逸品」を紹介し、参加を呼びかけています。 フェイスブックをご利用の方、ぜひここから開き、「いいね」のボタンを 押してください。今後、記事をお送りいたします。 ↓ http://www.facebook.com/slowlifej また、まだフェイスブックをされていない方、ぜひ、この機会にご参加を。 このページの管理は、NPOスローライフ・ジャパン理事の川島正英・長谷川 八重・野口智子が担当します。 □「スローライフ逸品」の自薦・他薦をよろしく この10月13日(土)・14日(日)開催の「スローライフ逸品フォーラムin高岡」 では、会場に全国から集めた「スローライフ逸品」を展示します。あわせて、 開催日までの間、NPOスローライフ・ジャパンのフェイスブックページの中で 紹介していきます。「一村一品」から「逸村逸品」の時代へ――。 わが町のスローライフ時代の逸品を、事務局まで教えてください。 担当・野口 □10月の高岡での学会フォーラム スローライフ逸品の時代へ ・・まちを見る、こころを知る・・ 毎年開くスローライフのイベント・・学会フォーラムは、ことしも10月に。 高岡で。ことしは、逸品をテーマに、スローライフの考え方を「まちづくり」 や「ものづくり」に活かす新しい道を探る。歴史と文化のまち・高岡、また 逸品をつくりだし大切に育ててきた高岡でこそ、の期待をかけて。 <開催> 10月13日(土)~14日(日) <内容>1)市内見学1【13日 13:15~16:00】 2)分科会 【13日 16:30~18:30】 ①まちづくり分科会 ◆会 場 土蔵造りの町並み資料館 ◆テーマ「歴史と暮らしを活かしたまちづくり」 ②ものづくり分科会 ◆会 場 瑞龍寺大茶堂 ◆テーマ「こころと技を伝えるものづくり」 3)夜なべ談義&交流会【13日19:00~21:00】 4)市内見学2 【14日 10:00~12:00】 5)全体会 【14日 13:30~16:00】 ◆会 場:ウイングウイング高岡 4階大ホール ◆テーマ:逸品を育てるーまち・技・こころ ◆キイノートスピーチとシンポジウム ◆全国のスローライフ逸品展示(全体会場) ◆宣言 「スローライフ逸品宣言」 <主 催>スローライフ逸品フォーラムin高岡 実行委員会 ※高岡市についてはこちら → http://www.city.takaoka.toyama.jp/. □きょう21日の「8月さんか・さろん」は夏休み □今年度の会費をお願いします。新会員も募集中。 スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・ 神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)です。 スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、全国で スローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。 年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」 などで交流したり。会費は下記の口座へお振り込みください。【振込先】ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会※4月~3月の年会費のため、昨年度中途のお支払いの方も、新年度は新たに お振込いただきたく、よろしくお願いいたします。※個人名以外の口座でお振込の場合、確認できませんのでご一報ください。新しく入会ご希望の方は、こちらからお申し込みください。【入会フォーム】 http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=6■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/——————————————————————————–“