瓦版2013.12.24第189号

週刊スローライフ瓦版 (2013.12.24 第189号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★12月の「さんか・さろん」は恒例の「回顧と展望」。スローライフ学会の増田寛也会長のスピーチのあと、奈良フォーラムの実り、青森フォーラムへの期待など語り合った。「瓦版」は今号がことし最終便。新年は1月7日からです。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授)~~~ スローノミックスは沢山の手や眼で -11月12日の続き- 巡り合わせで、グレゴリオ暦の12月24日に出番となったが、お月さま&お天道さま標準の暦を大切にしている筆者ゆえ、至極通常の話を繰り返す。 前回、尊徳先生のように「経済」と「道徳」とをともに尊重し、たくさんの神仏の御手と御眼とに支援頂いて経世済民の社会運営を進めようと議論した。となると、市場に関与するのは、唯一神どころではなく、ヤオヨロズの神々とガンジス川の砂の数もの仏さまたちとなる。 我が国の神々の場合は、長ーい間、毎年、ひと月もの間、出雲の地に集まられて、世の中諸々の案件について「熟議」なさってきた。「スピード感」だけに支配されることはない。今時の経済学で珍重されるゲーム理論でも、神様は登場しないようだが、相互間に情報を遮断された囚人たちの話ばかりではなく、何回も繰り返す参加者間のやりとりが行き着く先を探るゲームの話だってあるらしい。 複雑怪奇な人の世に適切な「均衡」を生むには、どなたのかも分からない片手だけで見えないところで仕切るという、いい加減な喩え話で思考停止してしまわずに、さまざまな情報といろいろな知恵をオープンな共通の場に持ち寄って、ゆっくりじっくり相談し合うことが必要なのは至極当然と思うのだが・・。学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授) 出藍の誉れ 私が東京大学を定年退職し、赴任した関西学院大学に初めて出勤した日のことである。私の研究室の前に、春の麗らな日に照らし出されるように、少女の可憐さを湛えた若き女性が立っていた。それが川井真由である。 彼女は若者の特権であるかのような輝く瞳で私に話し掛けてきた。彼女は何か満たされない思いで、東京の大学に通っていたけれども、私の著作を読み、生きる目的を見い出したような気がしたという。私が関西学院大学に赴任することを知った彼女は、意を決して東京の大学を中途退学し、関西学院大学を受験して、合格を果したのである。 彼女の願いは、三年生にならなければ私のゼミには参加できないので、一年生には受けられない私の授業を、受講させて欲しいということだった。私は心が熱くなるとともに、言葉を失い、絶望した。というのも、私は国会同意人事で、地方財政審議会会長に選任され、一年間だけ関西学院大学で、週に二回の授業を許されているだけだったからである。 もちろん、彼女も落胆した。しかし、それからの彼女の行動に、私は畏敬した。私の授業はもとより、私の大学院のゼミにも、彼女は参加した。私が教え子の研究者達と催している研究会にもすべて参加した。しかも、私の出席する学会にもすべて同行したのである。 沖縄で開催された学会で、私は西尾勝先生に彼女を讃美しながら紹介したことがある。その時、彼女が嗚咽した姿の神神しさを、今でも忘れることができない。 彼女から高校教員として採用され、来年度から教壇に立つと連絡を受けた時に、今度は私が嗚咽した。中途退学しているために、年令を重ねて大学を卒業することには、不安があったに違いない。しかし、そうした不安を微塵も見せずに、彼女は学んだ。彼女は私に生きることは学ぶこと、それ自体だと、身をもって教えてくれた。明日の私の研究会に来る彼女のために、祝いの会を催さなければと思っている。▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej岐阜県大垣市「カラー枡」。1000年以上形を変えずに作られている「ます」。もっとおしゃれにと、カラーシリーズが登場。お正月にいかがでしょう。△△△△△△△△△△△■街角から畦道から あずましいフォーラムを 工藤義雄((株)まちむら 取締役企画部長)来年の1月25日(土)・26日(日)に「スローライフ・フォーラムin青森」が開催されます。青森市出身者として大変ありがたく思っております。太宰治の「津軽」の前付けに、津軽の雪として・・こな雪、つぶ雪、わた雪、みず雪、かた雪、ざらめ雪、こほり雪・・の7つの雪が挙げられています。津軽の冬はことのほか寒い。幼少の頃、父に連れられて銭湯に行く道すがら近所の人との会話が「どさ」(どこへ行きますか)「湯さ」(銭湯に行きます)と言葉を短縮して答えていたのを記憶しています。「あまり、口を大きく開けると奥歯にしもやけができるから?」津軽弁:「あずましい」(気持ち良い)「けやぐ」(友達、契約のなまり?) 「まいね」(だめ)「んだっきゃ」(そうだよね。)等々。================= PR =====米粉のまち・胎内市から・・・胎内は「べにはるか」という名の甘みの強いサツマイモの産地です。このお芋を使った餡パンをご紹介です。もちろん米粉パンですからヘルシー、お土産にも好評です。 http://tainai-komeko.blogto.jp/archives/35735491.html=======■まち・むらニュース・茨城県日立市 「アイスチューリップ」が満開ひたち海浜公園の冬フェア。球根を特殊な方法で冷蔵処理し、開花時期を調整したチューリップが見ごろです。気温が低い今の季節は花持ちがよく、15種類1万5000本の色とりどりの春の花が、冬の澄んだ空気の中で楽しめます。松ぼっくりと一緒に飾られた一味違ったクリスマスツリーも。開催期間:2014年1月中旬まで(9時30分~16時30分)場所:国営ひたち海浜公園・記念の森レストハウス(茨城県ひたちなか市)問合せ:電話029-265-9001 http://hitachikaihin.go.jp/・三重県鳥羽市 「ゲーター祭」を開く神島にある八代神社のお祭り。大晦日の夜から元旦の未明にかけ、グミの枝を束ねて太陽に見立てた大きな輪(「アワ」)を竹で突き上げる。このアワが高く上がるほど大漁になるという元旦のミステリアスな神事。起源は南北朝時代で天下の奇祭といわれる。県指定無形民俗文化財。開催日時:12月31日未明~元旦朝場所:鳥羽市神島町(鳥羽マリーンターミナルより定期船、島内では車は通行 できない)問合せ:鳥羽市観光課 電話0599-25-1157http://www.toba.gr.jp/200/post_413.htmlコラム<象さんの散歩> 年の瀬は淋しくなるばかり~~~ 年の瀬。はるばる、の思いは、年を経るごとになお強まる。当然でもあろうが、一層多くの友人知人を失うから。ことしも、世間にもよく知られた人では、天野祐吉、島森路子、江副浩正、また堤清二(辻井喬)さんが逝く。 もっとも思い出深いのは堤さん。スローライフの勉強会にスピーチをお願いしたり、今村昌平さんが「映画大学」をつくりたいという相談に乗ってもらったり。そして孫正義さんを交えて語り合った思い出も強く残っている。 孫さんがソフトバンクを興したばかりの頃、思いがけない縁で、新しい時代感覚をもつ人と孫さんとが対談する機会づくりを引き受けた。順不同で10人をあげれば、東大総長・加藤一郎、建築家・磯崎新、岩波書店社長・安江良介、経企庁長官・河本敏夫、鹿島建設社長・石川六郎、映画監督・今村昌平、漫画家・赤塚不二夫、岡山県知事・長野士郎、熊本県知事・細川護煕・・。 それにセゾングループ総帥・堤さんだった。未知数の孫青年。「面会時間は20分に・・」もやむを得ない。が、そのうちノートにメモをとりながら、次の客も断って、と。三国志の故事成語「英雄は英雄を知る」の光景である。 磯崎さん、細川さんを除き、みんな鬼籍に・・。淋しい。 ∨ 川島正英 ∧コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> ~~~ 大人・子供、女性・男性、住民・よそ者少し前、初冬の秋田県鹿角の田舎をブラブラ歩きました。少人数ですが、小学生からおじさん、おばさん、地元の人に私のようなよそ者も混じって。視点がいろいろなので、様々な発見がありました。子供の気づきに驚かされたり、住民には当たり前のことが、他所にはないことだったり。同じような人が集まるより、多様な集まりがおもしろい。と、よくいいますが実感しました。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=240==== PR ====「日光『食』の研究所」から・・・“日光お宝っぷという統一ブランド名で、地元食材を使った創作料理が販売されます!「包む・重ねる」をコンセプトに作られ、16店で商品化しました。http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-265.html=======■編集室便り□さあ、深雪の青森フォーラムへ 2014年1月25日(土)・26日(日) テーマ:「地域資源-雪・祭り・方言」 <25日>「オープニングセレモニー」14時00~15時00分 会場アウガ5F「男女共同参画プラザ」 オープニング・トーク:伊奈かっぺい 「分科会」15時30分~18時00分、 会場:ねぶたの家「ワ・ラッセ」 ・「雪」分科会 コーディネーター:坪井ゆづる(朝日新聞東北復興取材センター長) ・「祭り」分科会 コーディネーター:丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長) ・「方言」分科会 コーディネーター:篠田伸夫(認定NPO法人救急ヘリ病院 ネットワーク理事長) 「交流会」18時30分~20時30分、会場「八甲田丸」 <26日> 「全体会」9時00分~12時30分 歓迎のことば 実行委員長 鹿内 博(青森市長) ・ 基調講演 神野直彦 (東京大学名誉教授) 「スノーライフ・スローライフ」 ・ シンポジウム コーディネーター:増田寛也(野村総合研究所顧問) パネリスト:鹿内 博(青森市長) 神崎宣武(民俗学者・旅の文化研究所所長) 早野 透(桜美林大学教授) 野口智子(ゆとり研究所所長) 詳しくはこちらをご覧ください。 http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=195 □スローライフ版・IT塾 ———————————————「右クリック」使ってますか?今日はちょっと役に立つ操作について。マウスを使うとき、左のボタンを1回、または2回押していることが多いと思いますが、右ボタンを押すと(右クリック)、「今、その時点であなたはこれだけのことができます」というメニューが表示されます。言い換えれば、作業をしているとき「こんなことできないかなぁ」と悩んだら、とりあえず右クリックしてみてはいかがでしょう。慣れると結構便利ですよ。 <編集部・篠原伊佐武>==== PR ====クオリティライフから・・・福井の自然派味噌店「マルカワみそ」の河崎紘一郎先生によるお味噌講座があります。1月25日(土) 午前の回 10:00~12:00 / 午後の回 14:00~16:00早めのお申込みを http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=bHaEH7DjSjYZ=======■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/——————————————————————————–“