週刊スローライフ瓦版 (2014.8.5 第220号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★わが「瓦版」で、諸兄姉から原稿を書いていただく欄が「街角から畦道から」です。炎夏のエッセイでも、世界情勢の寸評でも。見聞、メモ、随想、意見、論評・・。さまざまな記事を投稿ください。(文字数は300字ぐらいです)★★★★★コラム<火曜日の鐘> 丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)~~~ 人口減少社会の先端から なじみの商店が店をたたみました。歯を食いしばったけれども成り立たない。万策尽きた。そんな感じです。同じ業種の店はもうありませんから、近くの小都市まで車を30分走らせなければなりません。 小学校ひとつ、中学校ひとつの町では、小学校卒業生約20人のほぼ3分の1が町を出るようになりました。地元の中学では野球やバスケットボールができないので、隣町へ転出するのです。 車でわずか10分ほどでも、隣町は隣町。子どもの転出届を届ける親の心境はいかばかりでしょう。 以上は、北の野で起こっている人口減少社会の一端です。全国の農山村で同じことが起こっているでしょうし、やがて都市に及んでいく。いよいよ抜き差しならない事態に来ました。 新しい社会像を打ち立てる。それが急務と思えますが、それにしては、国も地域も社会全般も、のんきなものではありませんか。学会コラム<緑と絆の木陰> 坪井ゆづる (朝日新聞東北復興取材センター長・仙台総局長) 「3年過ぎて、『仮設』って言わんだろーっ」 何をいまごろ言っているのかと呆れるが、これでも霞が関の感覚では半歩前進と言いたいのだろう。災害時の仮設住宅について、「自治体が用意して無償で提供するだけでなく、家賃補助も認めよう」という提言を内閣府の有識者会議がまとめた。災害救助法の「現物給付」の原則を見直すというわけだ。 当たり前すぎる話だ。いま仙台市には民間賃貸住宅で被災者が暮らす、いわゆる「みなし仮設」が6300戸ある。市内のプレハブ仮設の4倍である。現物給付の現行制度では、「みなし仮設」の借り主は仙台市でなければならないので、家主との契約更新や県への申請手続きなどを市職員が担わされている。膨大な無駄だ。会計検査院がこの非効率さに対し、「家賃の金銭支給を」と指摘したのは、もう2年も前のことだ。奥山恵美子市長もずっと同様の主張をしてきた。防潮堤や道路、港湾の再建には、税金がじゃぶじゃぶつぎ込まれるのに、こうした省庁間の調整がいる現場の話は放ったらかされているのだ。 先日、被災地であった「お笑い」の催しで不覚にも泣けてきた。「心の声」を叫んで、ちゃぶ台をひっくり返す「世界大会」だった。そこで、仙台市の女性が絶叫した。「3年過ぎて『仮設』って言わんだろーっ」▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej福井県坂井市「越前竹人形・恐竜組立キット」。良質の竹を使った竹人形は、ここの特産品。その技術を活かしてもう一つの福井のシンボル“恐竜を。 △△△△△△△△△△△■街角から畦道から 舘山 公(青森市役所) 「ねぶた」へ来てけへ今年1月、スローライフ・フォーラムin青森では、前夜祭で、テーマのひとつである「祭り」を感じていただこうと、雪降る連絡船の中で、参加者の皆様に、田酒をたっぷり飲んでいただいた後、「跳ねて」もらいました。(感謝)あれから半年・・北国青森も夏となり、ほんとうの『青森ねぶた祭り』が開幕しました。今年制作されたばかりの22台の大型ねぶたが夜の街を焦がし、国道を占拠して練り歩きます。 祭り期間は8月7日までですので、まだ間に合います。 「待っちゅうはんで来てけへ!へば!」■まち・むらニュース ・奈良県川上村 第5回全国源流サミットを開く全国の源流に位置する町村が、河川でつながる仲間と集い、真の流域連携とは何かを語り合う。今年の開催地は、吉野川・紀の川源流の川上村。源流の魅力と役割を再認識するとともに、全国に向けて発信。「源流×流域パネルトーク」、「水源地の森ツアー」なども。開催日:9月5日~7日 会場:川上村総合センターやまぶきホール(近鉄「大和上市駅」からバス)他主催:第5回全国源流サミット実行委員会問合せ:川上村役場水源地の村づくり課内実行委員会事務局 TEL 0746-52-0111http://www.vill.kawakami.nara.jp/n/news/m-news308.html ・福井県永平寺町 永平寺の大燈籠ながし曹洞宗大本山永平寺の僧侶120名による読経の後、先人たちへの感謝、供養の思いを込めた約一万基の燈籠が流される。河川で行われる燈籠流しでは日本一。川面に瞬く幻想的な光の帯と、夜空を染める花火の競演は荘厳のうちに心を和ませてくれる。開催日:8月24日(日)場所:永平寺河川公園(永平寺町、えちぜん鉄道「下志比駅」から徒歩)主催・問合せ:九頭竜フェスティバル実行委員会事務局 (永平寺町商工観光課内)TEL 0776-61-3921http://kankou.town.eiheiji.lg.jp/guide/index.php?pathinfo=fuxesutexibaruコラム<象さんの散歩> 白鵬さん、正念場が続きますね 大相撲名古屋場所は、白鵬の逃げ切りに終わった。そもそも、大相撲記録の視点から、ことし三つの場所は、白鵬から眼を離せないはずだった。 第一が、この名古屋場所。白鵬の優勝回数が30の大台に乗るかどうかが注目された。これは達成できた。だが、辛うじて、だった。これまでの白鵬の優勝街道での駆けっぷりと明らかに違った。11日目の豪栄道戦では浴びせ倒し、13日目稀勢の里戦では小手投げで敗れたのだが、白鵬らしくない戦い、というほかない。この2敗が、千秋楽での優勝の行方を混沌とさせ、あわやと思わせる局面をもつくったが、やはり、30の大台を意識した要素が大きくなかったか。 この白鵬の記録を問われて、北の湖理事長は「30回の大台に乗せたということでも、一代年寄の地位は授けない」「32回の優勝を果たしてもだめだ。国技なのだから日本の国籍を持たねば・・」と語った。この話は大きく報じられていないが、広く意見を聞くべききわめて重要な意味をもつと考える。 ことしの大相撲が眼を離せない第二は、次の東京場所。千代の富士の31回に並ぶかどうか。そして第三は、福岡場所、大鵬の32回、最多優勝の大記録に肩を並べることが叶うか、の挑戦となる。難関だろう。もちろん、体力でも問題を抱える時期であろうが、こころの問題を重く見たい。来年の場所こそが正念場。大鵬を超える未踏の道に挑む。 ∨ 川島正英 ∧================= PR =====「奈良県十津川村」から・・8月23・24日はプロカメラマンと巡る魅力発見旅。谷瀬の吊り橋や世界遺産などで撮影会や、撮影レクチャーも。23日(土)宿泊できる方、先着10組限定。予約は、十津川村役場観光振興課 TEL0746-62-0004で受付中です。=======コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> エビじゃこ~~~ 和歌山県海南市下津町大崎の夏の味です。トロール船のある大崎で、この時期、海底から沢山の芝エビが泥とともに揚るそうです。これを船の上で選別、港に水揚げされると奪い合うようにして地元の人が買い占めます。「エビじゃこ」と呼ぶこのエビは、みんな大好き。山ほどボイルして上手に殻を外して食べる。さらに玉ねぎと一緒に煮てソーメン汁にする。この味を体験してきました。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=273■編集室便り□日本記者クラブ「人口減少問題」研究会で、第3回は「田園回帰」の論点から。研究会の第1回目は『ストップ「人口急減社会」』と題して増田寛也さんが。第2回は上智大学教授・鬼頭 宏さんが歴史人口学の視点から。そして7月30日の第3回は、『「増田レポート」をめぐってー「農村たたみ」と田園回帰―』のタイトルで明治大学教授・小田切徳美さんがスピーチしました。“増田レポート”最近の政策提言では類のない大きな反響があった。(1)「市町村消滅」は必然として捉える。「将来消滅するものならば、撤退すべきでは」⇒「農村たたみ論」(2)「市町村消滅」諦観して捉える。「そうせ消滅するなら、もう諦める」⇒「あきらめ論」(3)「市町村消滅」を好機と捉える。従来制度・政策の急進的見直し⇒「制度リセット論」などの諸反応が起きて、混乱している。レポートをそのまま受け止めずに、もっと検討すべきだ。“消滅”の定義づけがない。また、推計の基準年は2010年で、2011年大震災以降の社会の動きが反映されていない。特に小規模自治体では小さな変化が大きな傾向の変動になる。今、もっと田園回帰の動きに注目すべきだ。田舎に移住を希望する若者が増えている。男性単身だけではなく、女性も多い。従来の専業的農業から、農業も含めた「多業化」の中で生活していこうとしている。農村にはその機会が溢れてる。推計を時代の流れとして諦めて受け入れ「農村たたみ」するのか、未来は変えられるものとして田園回帰に学び、知恵と努力で立ち向かい「農村再生」するのか。成長追及型都市社会の形成なのか、脱成長型都市農村共生社会の形成なのか。農村と日本社会の岐路にある。農村だけの問題ではない。要約すると、このようなお話でした。確かに今、若い人が農村に熱いまなざしを向けています。これをしっかりと受け止められる田舎でありたいし、後押しする都市でありたいとつくづく思いました。(事務局・野口智子)□富士の麓の会員が「富士山DVD」を作られました。山梨県富士吉田市の貸別荘「パインツリー」のオーナー・遠山喜一郎さん(スローライフ学会会員)は、今日も夜明け前に家を出て、富士山の撮影を続けています。ここ数年続けている習慣です。地元では“御山”と呼ばれる富士山は「毎日カメラを向けても同じ表情がない、毎日が新鮮な美しさ」と、かつて遠山さんは話されていました。これまで地元で写真展も開催されてきましたが、今回はDVDを作られたそうです。先日、その包みが届きました。膨大な量の作品中から写真を選び、春・夏・秋・冬・四季・山麓の陽の出、6つのタイトルで編集、6枚のDVDに。1000円(税込)希望者には「パインツリー」で分けてくださるそうです。この時期すがすがしい環境ビデオとして、また海外の方へのプレゼントにお勧めです。全館露天風呂付・一棟建ての貸別荘「パインツリー」 http://kashibesso.com/※先週の瓦版で、富士吉田市を静岡県としておりました。読者の方からのご指摘をいただきました。ごめんなさい。□「瓦版」の写真について先週号で、8月から「写真添付ができなくなります」とお知らせしましたが、9月からの間違いでした。失礼しました。今月は従来通り、写真がある場合は添付してお送りします。 <編集部:篠原伊佐武>□スローライフ版・IT塾 ——————————————–Q:旅行した時にデジカメで撮った写真をメールで送ろうとすると、容量が大きくて枚数も多いと、ついつい面倒になってしまいます。簡単に送れる方法はないんでしょうか。<編集部:篠原伊佐武> ▼A:メールで送る場合は容量の制限などがありますので、数枚ずつなどに分けて送ると手間がかかってしまいますね。1つのファイルに圧縮してfirestrageや宅ファイル便など、大きなファイルのやりとりを行うサービスを使ってみてはいかがでしょう。圧縮が面倒だという方は、Google+などで写真アルバムをつくり、それらの情報を共有して見てもらうこともできます。ご自分に合ったサービスを見つけて活用してください。