週刊スローライフ瓦版 (2014.10.7 第229号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★台風一過。南牧村の緑も洗われて、さわやかな秋がいっそう素敵だろうと思わせる。「ちびっ子の遊ぶ里へ」南牧フォーラムの余韻を楽しみ・学ぶ10月21日の「さんか・さろん」へぜひお出かけください。詳しくは編集室だよりで。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 早野透 (桜美林大学教授) ~~~ むかし御嶽に登った思い出 過日、わたしの中学生時代の山岳部の友だち、男子6人女子3人が飲み会をした。孫のいる年齢なのに、集まるとすぐ、もとの中学生に戻るのが不思議である。1年に1度ぐらい集まる。 メンバーの男子のひとりが東大の天文学の先生で、20年ほど前、木曽の観測所を案内してくれたことがあって、その折にみんなで木曽御嶽に登った。確か「二の池」という湖から急登すると、そこが山頂で神社がある。むかしは白装束の行者がのぼった信仰の山である。 メンバーの女子のひとりがそのときのスナップ写真を、その飲み会に持ってきてくれた。ぼくたち、まだ若かったね。しかし、こんなのどかな風情の山が突然噴火し、噴石が多くの人たちを直撃し、死に至らしめたのである。 ぼくたちはいつのまにか、大自然への懼れを失っていたのかもしれない。こんどの悲劇は「火山活動の予知」などという技術の問題ではない、「人間と自然」の深い相克を感じさせてくれた。学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授) 慚愧懺悔 私の眼の前に、色褪せた青いファイルがある。私の役立たずの眼から零れ落ちる涙が、そのファイルの表紙に広がっていく。涙は慙愧懺悔の涙だ。口が裂けても悲しみの涙だなぞとは、おこがましくていうことはできない。 ファイルには宇沢弘文先生からの頂いた手紙や草稿が収められている。私は宇沢先生から二人で、『国家の指針(Agenda for the Nation)』を編集しようと声を掛けられていた。仕事の早い宇沢先生は、編集方針や構成の指示にとどまらず、既に「はじめに」の草稿まで送られてきた。そうした宇沢先生からの指示や草稿が、この青いファイルにはとじられている。 しかし、仕事の遅い私はすっかり宇沢先生の足手纏いとなってしまった。出版社の編集者から、この仕事は私が動かぬ限り、日の目をみないと何度、叱咤激励されたことだかわからない。天は私の無能さを科罰するように、私の眼病を加速させた。しかも、東日本大震災に襲われると時を同じくして、宇沢先生は倒れられ、帰らぬ人となってしまい、私からすべての望みを、天は奪い去ったのである。 私は11月と12月に入院をして、二度にわたり眼の手術を受けることになっている。光を取り戻せたとしても、「社会の医者」を志した宇沢先生の望みを担える自信はない。ただひたすら「死せる宇沢弘文」が若者達を、人間の解放へと走らせることを願うばかりである。▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej熊本県阿蘇市「手漉き野草紙」。阿蘇の草原を守るための、野草を使うプロジェクトから誕生したススキの紙。地元の子どもたちが参画しています。△△△△△△△△△△△■街角から畦道から 佐藤義孝(スローライフ学会員・東京都杉並区))「ひみつの村 南牧」地元の方々に誠に失礼ながら、今回のフォーラムに参加するまで「南牧村」の名前すら全く知りませんでした! 家内共々、午後のフォーラムには楽々間に合う時間に東京を出ましたが、案の定、土曜日の関越道は事故大渋滞で、遅刻しての到着!会場の活性化センターに着いてまずビックリ!駐車場が満杯で、下の道路に止めるハメに。何という盛況!受け入れ側の熱意が伺われた!五つの分科会はいずれも定員オーバーでその熱気に再びビックリ!私は長谷川村長が最も力を入れているという『空き家活用』に参加。御宿、大洋村、道志村等東京周辺にはリタイア世代を対象とした菜園付きセカンドハウスが販売されているが、北関東には無い。前からどこかでやらないか、と思っていたのでそのことを提案した。私の故郷も新潟の山間地であり、かつては外からの移住者と軋轢もあったが、深刻な過疎化でそれどこではなくなっている。会場を後にし、南牧川の清流にまたまたビックリ!人家の間にこんな清流が残っているなんて奇跡だ!道の駅オアシスで南牧産の『下仁田こんにゃく』、ナスにキノコ等、沢山買い、当日の宿軽井沢に向かいましたが、インターからは30分ちょっとで着きました!こんなところにこんな良いところが有るなんて!まわりには暫く内緒にしたくなりました!■まち・むらニュース・富山県砺波市 「となみ夢の平コスモスウォッチング」スキー場のゲレンデ一面が100万本のコスモス畑に。リフトに乗って秋風にゆれるコスモスを眺め、山頂からは散居村風景を一望することができる。期間中の日曜・祝日は駅から無料シャトルバスが運行される。開催日:~10月19日(日)午前9時~午後5時会場:となみ夢の平スキー場(JR城端線砺波駅から車で25分)問合せ:砺波市商工観光課TEL0763-33-1111主催:となみ夢の平 コスモスウォッチング実行委員会http://www.info-toyama.com/event/40032/・三重県伊賀市 第68回の「芭蕉祭」開く俳聖、松尾芭蕉生誕の地で翁の偉業を広く発信するため、市民が一体となって行われる芭蕉祭。今年は芭蕉生誕370年の記念の年であり、全国俳句大会のほか前夜祭では俳句をつけた風船1000個が大空に放たれる。開催日:10月11日(土)~13日(祝)会場:俳聖殿前広場(伊賀上野公園)・ハイトピア伊賀(伊賀鉄道上野市駅前)主催・問合せ:芭蕉翁生誕370年記念事業実行委員会TEL0595-22-9621http://www.basyo370.com/?p=1111コラム<象さんの散歩> 有吉玉青さん、こんにちわ 先週、「紀友会」の例会があった。和歌山県に縁もつ人の集い。私は、大阪生まれだが、両親が和歌山県有田人ということで、「紀州二世」を自称、この会に参加している。この日、有吉玉青さんの「有吉佐和子を作家にした『祖母』そして母・有吉佐和子と和歌山」の話を聞き、懇親する会だった。 ことしは佐和子没後30年。その催しも多い。玉青さんは、佐和子の母・秋津を描いた『ソボちゃん』を出版した。「ソボ」は、粗品粗茶と同じく謙遜語で、「粗母」と書くと思っていたとか。『紀ノ川』のモデルである秋津さん。明治の女性を彷彿させてくれる人だった。この『ソボちゃん』でも、あの佐和子さんとのきりりとしたやりとりがいくつかあって、興味深かった。 一方、玉青さん。紀友会で祖母と母を語り、その後の懇親でのはずんだ話も陽性でくったくなく、こだわらない。「平成の女性」を感じとった。 そして、佐和子さん。「昭和の女性」だろう。『複合汚染』『恍惚の人』の理知と感受性と。いや、考えも語りも生きざまも鋭く、奔放だった。 私が自信ありげなのは、佐和子さんと語り合い、お酒を飲み、また喧嘩したから。数年の絶交、彼女が逝く。30年前の東京カテドラル関口教会の葬儀には参列した。次週は「おさわさん」を書かざるを得まい・・ ∨ 川島正英 ∧================= PR =====「奈良県十津川村」から・・十津川村武蔵地区の、古民家の宿「大森の郷(さと)」。明治45年に建てられた住宅を改修し今春オープンしたもの。木の香りに包まれ、山里に「暮らすように過ごす場所」として好評です。 http://www.totsukawa-stay.com/=======コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> アセ早寿司作り~~~ 紀州にはサバなどをアセという植物で巻いた「なれ寿司」があリますが、これは匂いが強烈で時間もかかり、一般家庭ではだんだん作られなくなっています。ご飯の自然発酵を待たず、最初から酢飯にして押しをし、サッとつくる早寿司の方が今は一般的、売っているお店も多いもの。今回はこれを作る体験を和歌山県海南市の市民グループ「げんき大崎」の皆さんにご指導いただきました。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=282■編集室便り□10月21日は“もっと南牧村を語ろう!です。先日開催された群馬県南牧村での「スローライフ・フォーラム」の内容をさらに深める、次回の「さんか・さろん」です。増田寛也さんの基調講演などの動画記録、写真報告などを見ながら、南牧村の抱える普遍的な課題を考えます。テーブルトークという形で展開された「ちびっ子万歳」「さきがけ政策」「仕事おこし」「空き家活用」「東京とスクラム」というテーマは、さらに議論を深めなくてはならないもの。フォーラムのときにアドバイザーとして参加した方々の感想、そして各地からの参加者のご意見をもとに話し合いましょう。○日 時・・・10月21日(火)19時から。○会 場・・・クオリティKK・会議室マーキュリールーム (千代田区麹町3丁目3 KDX麹町ビル6階) http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html 地下鉄麹町駅の近く。 新宿通りに面して麹町4丁目交差点から半蔵門寄り徒歩1分。 ○主 催・・・スローライフ学会○参加費・・・会員1000円、一般2000円(学生500円)○当日の参加も受け付けます。参加ご希望の方はこちらまで。 TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554□スローライフ版・IT塾 ——————————————–Q:災害で停電になったり、避難したときにスマホやタブレットのバッテリーが切れて困ることがあるかも・・と、今回の御嶽山の噴火や台風で気になりました。なにかいい対策方法はありますか。<編集室:篠原伊佐武> ▼A:モバイルバッテリーがあります。これを持っていると、いざというときに便利です。大きさはスマホくらい。USBで充電して何度でも使えます。スマホだけではなく「タブレットも充電したい」方は、USB出力が1.5A以上のものを選ばないと出力不足で充電されないことがありますのでご注意ください。自宅でバッテリーを充電するのを忘れやすい方は、より容量の大きなモデルを選択するといいでしょう。