瓦版2014.12.16 第239号

週刊スローライフ瓦版  

総選挙は終わりましたが、街は、まさに師走のざわめき、にぎわいにあふれて

います。きょう16日の「さんか・さろん」は忘年会も兼ねて開くことに。会員

諸兄姉の話も存分に聞かせてください。来る年への希望や注文も遠慮なく・・。

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コラム<火曜日の鐘> 長谷川八重(NPOスローライフ掛川)

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アートの力


先日夕方、散歩していると自転車で通り越した男子高校生が「違うかなぁ…

スギタニさん?」と声を掛けてきた。彼は、幼少期に私の商店へよく遊びに来

ていたタクミ君。随分歳月が経つのに「僕はスギタニでいつも絵を描いていた

ね。何故かその時の光景をはっきりと憶えている」と懐かしそうに話す。私も

「象の鼻はこれくらい長い?猫の耳はここ?」と言って過ごした楽しい時間を

忘れていない。今日は馴染み薄いミュージカル鑑賞だ、と言うタクミ君に「触

れておく事が大切。この田園風景の綺麗なのも、比較することが無いと気づか

ないもんね」と言うと、素直な目を向けて大きく頷いてくれた。

実は地方でのアートマネジメントの必要性の講演を聞いたばかり。その話は

…都会では、子供の教育に一流の音楽・美術・演劇・文学などの“文化資本”

を養う機会は多いが、地方の田舎町ではなかなか触れる機会が少ない。一方で

少子高齢化や人口減少は進み、強固なコミュニティーは疎ましがられ、郷土の

芸能・文化は失われてゆく。無駄や余裕が共有できず市場原理に犯されていく。

これからの地方都市には判断能力や自己決定能力が最も求められ、“文化資本”

によって培われてゆく。“社会包摂”の面からも、アートに集う緩やかなつな

がりの中で、じっくりと郷土の文化を育てて行くことが大切なのだ…と。

講演とタクミ君。これからのスローライフにヒントをもらえた気がします。


11月のさんか・さろんにご参加の皆様ありがとうございました。

おかげさまで今年の栗焼酎『自ら』は二週間で完売致しました。



学会コラム<緑と絆の木陰> 中村桂子(JT生命誌研究館館長)


元気が出ません


本当にガッカリしました。投票率の低さです。選挙は必ず行く。あたりまえ

のことですがこうしてきました。けれど、今度の選挙ほど足が重かったことは

ありません。小選挙区制とやらで、私の選挙区には、是非国会に出ていただき

たいと思う方がいない(これはいつもかもしれません)だけでなく、党もこの

党ではいくらなんでもと思うものしかないという状況でした。

選挙というものはbestなど望むべくもないbetterを選ぶと思ってもいけない

と教えられました。worstを避けるしかないと。まさにそれを実感しました。

それでも行く・・・そういうものだと思いますのに投票率が史上最低という

形で終ったのは気になります。ここでしか意志を伝えることはできないのに。

その結果、安倍さんが思うままに憲法改正ができる数になってしまった恐さ

・・・ノー天気な私も考え込みます。



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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

大阪府大阪市「旧暦カレンダー」。旧暦は「太陰太陽暦」と呼ばれ、月と太陽

の運行を取り入れた暦。季節の知恵が満載で見ているだけで楽しいです。

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■街角から畦道から


渡辺 均(長野県小海町) ことしも飯舘村と凍み餅づくり交流会


寒波に見舞われ、各地で孤立集落の被災が報じられておりますが、寒波で時機

到来が凍み餅づくりです。今年も20日より2泊3日で飯舘村一行をお迎えし、

伝統の保存食づくりに取り組みます。今年は町の方々との交流会で、飯舘村の

状況や丸3年を迎える避難生活の実情、そして補償の進捗状況などなど、生の

声をお聞きする会を催します。並行して父母さんから子供達にも聞かせたい、

と申し出があり、校長先生にもご快諾いただき、5年生と6年生を対象に授業

時間を割いて交流する運びとなりました。新聞やテレビが伝えきれないこと、

生の声が言外に訴えること、そんな交流ができれば、と思っております。

「信州千曲川スローライフ協会」の設立を準備中の小海町の渡辺均です。



竹内義昭(東京都杉並区) カズコさん――老々介護の現実 (4)


カズコさんが、またやってくれました。トイレに連れていっていつものように

ズボンとパンツを下げたら、すさまじい匂いと便が尿取りパッドにべったり。

この1年ほど排泄の感覚を失ってきているのです。尿意や便意を感知できない

ので、本人が気づかないうちに失禁してしまうらしい。この日は便と大量の尿

がまざって、ズボンの外まで滲み出ていた。トイレに誘導するタイミングには

気をつけているのだが、つい時間を忘れることがある。そんなときはかなりの

確率で悲惨なことに。介護する私たちに油断があった、と反省することしきり。

生きるためには食わねばならず、食えば出るものは出るのだから。



■まち・むらニュース


・静岡県松崎町 石部の灯り?棚田のウィンターイルミネーション


富士山、南アルプスを一望し、眼下には相模湾がひろがる美しい石部の棚田。

荒廃していた棚田は地域住民が地域の宝として復活させ、オーナー制度をとり

入れて、都市住民との交流を図っている。畦にLEDイルミネーションの灯りが

ともる心いやす棚田の風景。

日程:?平成27年2月15日(日)

場所:松崎町石部棚田(賀茂郡松崎町石部地区 伊豆急下田駅から東海バス)

主催:石部地区棚田保全推進委員会 共催:松崎町・地域おこし協力隊

問合せ:松崎町役場企画観光課TEL0558-42-3964

http://ishibu-tanada.com/blog/information/2024/



・熊本県菊池市 稗方嫁とり祭り


地域の五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄を祈願して「仮」の結婚式をおこなう

お祭り。その年の座元の門前に筵が敷かれ、適当な青年男女が選ばれて仮の

結婚式の盃作法をおこなう。菅原道真がこの地に立ち寄った際に結婚式を祝

った、という故事に因む。

日時:12月20日(土)11:00?

場所:稗方菅原神社(菊池市稗方729)(阿蘇熊本空港、JR熊本駅よりバス)

問合せ:菊池市役所教育委員会生涯学習課TEL0968-25-7232

http://www.kikuchikanko.ne.jp/modules/page/index.php?lid=157



コラム<象さんの散歩> 師走選挙??さらに絶望へ


師走総選挙は、予想されたとおりの安倍政権の完全勝利に終わった。当然の

結果である。安倍政権にもっとも有利なタイミングを図った。2年前の総選挙

で絶対安定多数を占め、「特定秘密保護法」「集団的自衛権」などで明らかな

ように野党、国民そこのけの国会運営を見せてきた。だが安倍首相は、安定し

て政権維持できる残る2年間をあえて捨てて解散ー選挙に出た。

統一地方選挙と重なる来年を避け、何よりも野党の虚を突く。いま、政権を

とれば、自民党総裁選をそのまま通過できる可能性は高く、6年間の長期安定

が保証される、ということであろう。安倍政治のうまさ。ずるさでもある。

私は、2年前の総選挙の開票直後、この欄で「師走選挙?絶望はまだ早い、

だろうか」と書いた。現れた民意は深刻で、不安はつのる、と。不安を三つ上

げた。自民党への圧倒的支持。原発へ反、脱、卒、など否が退けられ「続」の

政策へ。さらに戦後最低の投票率。民意の逃避の現われだった。

今回、自民党圧勝が、そして安倍長期政権への可能性が、特定秘密保護法、

集団的自衛権の延長上で「憲法改正」へとつながっていく。安倍首相も早くも

改正の必要性を語った。投票率が最悪で、棄権が50%に近づいた。

わが学兄の佐々木毅・元東大総長は、選挙最中に出た雑誌『文藝春秋』新年

号で論じた。「延命しかない解散は、日本政治史の禍根となる。安倍総理よ、

驕るなかれ」と断じたのだ。まさに、わが意を得たり。 ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

村のキャラクター「郷士(ごうし)くん」をご存知ですか?かわいいだけでな

く村の歴史の中で重要な「十津川郷士」の存在を伝えてくれます。詳しくは↓

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/contents/1278635562772/index.html

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> フードツーリズム

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最近よく聞くことばです。地域の伝統的な味の生産現場を訪ねたり、産物の

収穫・料理体験をしたり、街の名物料理を食べ歩いたり。その範囲は広く内

容も様々ですが、“口”を運ぶ観光には変わりありません。宮崎県都城市で

も雇用機会の拡大を目指し“みやこんじょ(都城)”らしいフードツーリズ

ムを目指しています。ここへ、ワークショップの仕事でうかがいました。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=292




■編集室便り


□きょう16日の「さんか・さろん」は“忘年会”気分で・・


ことし開いた青森フォーラム、南牧フォーラムを、写真とともにあらためて

思い返したり、「逸村逸品」その後を話しあったり、野口智子チューターから

吊り橋のむら・十津川でのわが学会の3年間のワークショップのあれこれを聞

いたり・・。その回顧と、来る年への期待とか提案もよろしく。


忘年会を兼ねた形で、盃も回します。事務局に、青森の田酒、掛川の栗焼酎

「自ら」が残っているのを持参します。おつまみに十津川村の「ゆうべし」や

「たかな」などが出てくるかもしれない。“持ち込みおつまみ”も・・という

次第です。


もちろん、飛び入り大歓迎。お待ちしています。



□FM「スローライフふくしま」に出演のお知らせ


ふくしまFMの番組「スローライフふくしま」に、スローライフ・ジャパン事務

局長、野口智子が出演、スローライフのライフスタイルを語ります。

放送は12月20日と27日の土曜日、午前11時?11時25分。

下記のふくしまFMのホームページから番組名「スローライフふくしま」を選び

音声をダウンロードしてお聴きいただけます。http://www.fmf.co.jp



□スローライフ学会の「自治体会員」へどうぞ・・


道府県、市町村職員の諸兄姉へ


スローライフ学会・NPOは、これまで個人会員の活動に重きを置いてきまし

たが、この秋から自治体会員の募集に力を入れています。わが学会の会長でも

ある増田寛也さんの”増田警告”によって注目を集めつつある人口減少問題に

立ち向かう。それには、地域にスローライフのこころを広めていくことが大切

だと考えるからです。「まち・むらをちびっ子の遊ぶ里へ」をスローガンに、

連携を深めたい。人口問題の具体策をたてるお手伝いをさせてください。


この考えに賛同いただく自治体からのご一報をお待ちします。


◇年会費:50000円。

◇自治体会員になると

(1) 参加費割引があります。

(2) ホームページにバナーをつけられます。

(3) メルマガ「スローライフ瓦版」に記事を掲載できます。

(4) 記録・動画を見られます。

(5) 特別セミナーに参加できます。

(6) 年に1回、事務局が講師としてがうかがいます。

(7) さらなる展開のご相談に応じます。


詳しくはこちらから

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=222


私たちは、人口減少に直面して、将来に向けた対策を考え、また行動していく

「まち・むら」を全力で応援します。ぜひとも、地域ごとにご検討ください。



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クオリティライフから・・・

お歳暮・お年賀に使っていただける消費税・送料込みの特別価格のご案内。

12/25までの期間限定、「オリーブオイルと玄米」の贈り物ラインナップ。

詳しくは >>> http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=N254RtdfGEkZ

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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