


瓦版2025.4.8第732号室崎千重さんほか、7人のコラム掲載。

瓦版2025.3.25第731号 川島英樹さんらのコラムほか、続「ふるさと納税」廃止論など

わが学会は、新宿への想いを「新宿ルネッサンス」にこめてきました。文化、
民俗、暮らしと多彩な顔をもつ新宿。来週17日「さんか・さろん」は中山弘子
前区長から、さまざまに新宿を聞かせていただく。(詳細は「便り」に)
・・・・・・・
コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授)
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あれから「400年」その4・・「江戸・東京」では火災復興も「お手伝い」で
当初「お手伝い普請」で整えられた江戸のまちは、のちに大火があるたびに、
「お手伝い普請」と各藩の自力救済で復興された。その火災復興事業で、材木
の供給を請け負った紀文(紀伊国屋文左衛門)や奈良茂(奈良屋茂左衛門)は
大儲けする。
そういう資金を、例えば紀文が、地元の和歌山や、燃えた藩邸の復興工事を
発注した藩の地域に還元投資していれば、各地の経済活動は活性化し、今日に
至っても、地方の社会資本や地域経済はもっと充実したレベルになったはずだ。
それが、儲けた彼らが商人だったためか、農業や工業の発展をもたらすよう
な投資をせず、いや、あの時代にはさせてもらえず、結局は日夜、遊郭で散財
をするしかなかった。それで消費都市たる江戸の経済活性化には寄与したが・・。
賑やかな歌舞音曲の巷を支えた原資は地方各藩の負担だ。お大尽たちが出身
地で遊べば地方経済も潤ったのに、華のお江戸で遊蕩三昧。そのお相手は地方
出身の美人たち。地方でスローに遊べば、もっと楽しめた・・。(さらにつづく)
学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦 (東京大学名誉教授)
想い出の写真
私には想い出の写真がほとんどない。写真を撮るのも撮られるのも嫌いだか
らである。人間は意識の存在する一瞬にしか実存しない。次の瞬間には意識が
存在しないような、はかない存在であるにもかかわらず、想い出の写真を残す
ことに虚しさを感じてしまうからである。想い出は自己の意識に刻み込むだけ
で十分だと思ってしまう。
私の妻にも私と結婚する前の想い出の写真がない。アルバムには私と結婚し
てからの写真が貼られているだけである。最近になって私はその理由を妻に尋
ねた。
妻の応えによると、自分の人生は、私と結婚してから始まると考えていると
いう。そう決意したので、結婚前の写真を捨ててしまったと妻はいう。優しく
微笑みながら柔和に応える妻の眼には、うっすらと涙がにじんでいた。
「生」は「共」にするものだ。「共」にしない「生」なぞ、「死」に等しい。
私の意識には妻の意識が統合されているように、妻の意識にも私の意識が統合
されているに違いない。
軽井沢の11月は、もはや冬の月である。11月の最初の週末に妻と二人で、軽
井沢の別荘を閉めに行くことを、毎年の恒例としている。私の別荘はみすぼら
しいけれども、野鳥達が清めてくれる庭の森は深い。その深き森を散策する楽
しみは、私と妻の二人だけの秘密の宝物である。
その庭に10年ほど前に、妻と二人で植えたもみじが今年は太陽の恵みを受け
て見事に紅葉した。写真嫌いの私は、旅行の時とてカメラを携帯することはな
い。冬の青空を背景にした紅葉の美しさに、妻は見惚れ、今日だけはカメラを
持ってきて、想い出の写真を撮ればよかったと、私に優しく微笑んだのである。
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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej
佐賀県金立町「麦芽糖練り飴(唐芋)」。佐賀の伝統菓子「あめがた」(もち
米を主原料に麦芽の甘味)の老舗が、唐芋を麦芽とともに丹念に練りあげました。
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■街角から畦道から
田嶋義介(神奈川県秦野市 島根県立大学名誉教授)
未来を育む 小浜温泉エネルギー
雲仙市地方創生フォーラムの際、(社)小浜温泉エネルギーを訪ねた。市が
面する橘湾の海底にマグマ溜りがあり、一番近い小浜温泉に湧く約100度の高温
泉で水を蒸気にし、それでタービンを回す発電所を2年前に建設、今年9月か
ら電気会社に売電を開始、約20軒の旅館やホテルが使っている。来年4月から
の電力自由化で家庭も買えるようになる。
同エネルギー事務局長の佐々木裕氏(32)がフォーラム分科会座長という縁
だった。市全体で年50億円の電力料金を支出しているが、市内の温泉・地熱発
電だけで電力を賄えるポテンシャルがあるそうで、そうなれば50億円が市内で
回る。佐々木氏は仙台市出身、長崎大大学院修了、市内の女性と最近結婚した。
「島原半島をエネルギーと食の自給自足ができる地域にし、持続可能で安心・
安全な生活が送れるようにする」のが夢だそうだ。(写真:小浜温泉エネルギー)
竹内 義昭 カズコさん(36)
特養入所の日、妻と2人で付き添って施設まで送って行った。当面の着替え
と薬や身の回り品を大型トランクに詰めて持ち込んだ。あてがわれたのは2人
部屋だが、1人あたり6畳ほどのスペースにベッドとクローゼットが備え付け
てある。廊下も幅2間ほどあって思いのほかゆったりしている。
さっそく看護師とリハビリ担当の機能訓練士がやってきて体調の検査を受け
た。次から次へと繰り出される質問に無難に答えていたが、時折不安げな表情
を見せるカズコさん。それでも年齢を聞かれると例によって「70くらいかしら」
とにっこり応じている。
特養での新生活はこうして始まった。馴染んでくれるといいのだが。
■まち・むらニュース
・石川県加賀市 食い初めカニまつり
北陸の冬の味覚の代表格「ズワイガニ」。その解禁を祝っての「食い初め」。
新鮮でとれたてのズワイガニやコウバコガニの他、地元の特産品販売や、海鮮
カニ鍋(一杯300円)もある。
日時:11月15日 10時?13時頃まで(カニがなくなり次第終了)
会場:加賀市山代温泉 湯の曲輪
問合せ:山代温泉観光協会TEL0761-77-1144
http://tabimati.net/event/detail.php?p=491&
・東京都新宿区 モノクロフィルム撮影の教室
デジタル時代に逆行するように、最近フィルムで撮影した白黒写真がじわじわ
と人気。初心者向けの「モノクロフィルム撮影」専門の教室が開かれる。12月
から全6回で。
主催・問合せ:現代写真研究所(新宿区四谷)TEL03- 3359-7611
http://www.genken.ac/course/monochrome2.php
コラム<象さんの散歩> 筑紫哲也の命日に
11月7日。筑紫哲也の命日であった。彼は、朝日新聞政治部時代の同僚であ
るが、さらにわがNPO・学会の創設にあたってともに苦労した仲間であった。
この日、スローライフ仲間としての思い出を積み重ねる出来ごとが・・。
夕方、急用で新宿の伊勢丹デパートへ出かけた。店内を歩くうち、フロアー
の一角に「おりん」作品の特設展示場を見かけた。私はリン、リン、リン、と
ためし打ちしながら、妻・宏子は係りの人と雑談して「高岡市のお店だわね」
「この音は聞いたことがある」と話しながらのひとときがあって、「九乗おり
ん」のドアにとりつけて音を楽しむものを買い求めた。
富山県高岡市の「山口九乗」の作品。思い出した。わが学会が「逸品」をテ
ーマにスローライフ・フォーラムを開いた高岡市で訪ねた。
しかも、そのフォーラムに先立つワーク・ショップでのおつきあいがあった。
だから筑紫哲也が亡くなって偲ぶ会を開いたとき、この「おりん」を吊るし並
べた楽器をお借りして、その音とともに、彼を偲んだのであった。
この夜、長男・英樹が久しぶりに訪ねてきた。偶然にも、筑紫哲也を偲ぶ会
で「おりん」の音を奏でる役割をつとめたのが彼である。
筑紫の命日に欠かさない私の献杯ビール。ことしは川島家そろって、しかも
凛としながらも柔らかい「九乗おりん」の音を聴きながら・・∨ 川島正英 ∧
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「奈良県十津川村」から・・
今年の9月にアクセス道路が復旧した「笹の滝」、紅葉が見ごろになりました。
紅葉を楽しんだあとは、源泉かけ流しの村内立ち寄り湯へどうぞ。
問合せ:十津川村観光協会 http://totsukawa.jugem.jp/?eid=946
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 市民力のプレ・フルーツ博覧会
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“フルーツのまち”づくりを進めている和歌山県紀の川市。「フルーツ博覧会」
を来年度計画中ですが、このほど模擬実験的に「プレ・フルーツ博」が開かれ
ました。市民手作りの、文化祭的な催し。市民が開発した「いちじくカレー」
や、フルーツ寿司、フルーツ串揚げが売られたり。市民運営のフルーツ茶会や
カルチャースクールも。いずれも完売・満員御礼。フルーツ市民力に万歳です!
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=337
■編集室便り
◇今月の「さんか・さろん」は
とっておきのスローライフ企画・・
新宿区の前区長・中山弘子さんを囲んで語り合う
「なおも新宿ルネッサンスをー」
わがNPOは今世紀に活動を始めたが、新宿区とのつながりは深い。
何より設立総会は、新宿区にかまえる早稲田大学大隈講堂で開いた。
第一回のスローライフ学会フォーラムのテーマは「新宿・歌舞伎町
からスローライフの風を」であった。また、最初のワークショップ
は「スローライフスクール新宿」だったのだ。
これは、初代のスローライフ学会会長の筑紫哲也と川島とが、仲間
と語らいつつ企画したものだが、新宿大好き男の筑紫と川島の好み
が反映していたことは否めない。
そして、これら企画での筑紫哲也の役割は大きかった。設立総会で
筑紫哲也がNPOスローライフ・ジャパン創立記念講演をやった。
またワークショップ6回のあと筑紫哲也の特別講演会を。
そして、スローライフ学会フォーラムも筑紫哲也が登壇する手はず
だったが、体調が悪く急に欠席の余儀なくなって・・。
これらの会合―大隈講堂での設立総会、ワークショップ、学会フォ
ーラムに参加いただいたのが、実は中山弘子新宿区長さんであった。
この学会フォーラムで欠席した筑紫の代わりに登壇した、増田寛也
さんとの対談のお相手というのも中山弘子さんであった。
そういったもろもろを、さらに新宿今昔を、11月17日の「さんか・
さろん」でお話しいただく。<川島>
○日 時:平成27年11月17日(火)19:00?21:00
○会 場:クオリティKK・会議室マーキュリールーム
(千代田区麹町3―3KDX麹町ビル6F・最寄り駅―地下鉄麹町駅)
http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html
○講師:中山弘子さん(前・新宿区区長)
○タイトル:「なおも新宿ルネッサンスをー」
○主 催:スローライフ学会・スローライフ・ジャパン
○参加費:会員1000円、一般2000円(学生500円)
どなたでも参加できます。
○申込み:11月16日までに下記へ。
メール TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
詳しくはこちら↓
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=289
◇大石芳野さん写真展
NPOスローライフ・ジャパンの理事である写真家・大石芳野さんの写真展です。
長年各地を回り、人々を撮り続けてきた大石さんの作品から「戦争ほど悲惨な
ものはない」というメッセージが伝わります。
■大石芳野写真展「戦争は終わっても終わらない」
・期日/11月6日(金)?11月14日(土) 10:00?18:30 (最終日は13:00終了)
・会場/立教大学池袋キャンパス チャペル会館1階
・連絡先/立教大学 総合研究センター内キリスト教教育研究所
E-mail jice@rikkyo.ac.jp
・展示作品数/写真集『戦争は終わっても終わらない』より35点。長崎、広島、
大久野島、東京大空襲、ハルピン「731」、中国残留女性、従軍慰安婦、沖縄。
・入場料/無料
◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。
このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい
ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。
スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは
こちらまでお願いします。↓
□スローライフ版・IT塾 ——————————————–
Q:インターネットを使って買い物をすると必要のないメールなどが届くよう
になります。これを減らすことはできませんか。<編集室:野口智子>
▼
A:インターネットで買い物をすると、そのお店からのメールが届くことがあ
ります。不要な場合はメールの送り主に「配信停止してください」とメールを
送るか、また送り主のサイトで「配信停止」手続きができる場合もありますの
で一度確かめてはいかがでしょう。ただ、配信停止の処理をすると、そのメー
ルアドレスが生きていると判断され、迷惑メール等がかえって増える恐れがあ
りますので、身に覚えのないメールはメールソフトで迷惑メールとして取り扱
うようにすることをおすすめします。
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奈良県吉野郡十津川村
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日本テレネット 株式会社
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株式会社サンクス・ツー
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