


瓦版2025.2.25第729号 増田寛也さんら、10人のコラム掲載。

瓦版2025.2.11第728号 室崎千重さんら、9人のコラム掲載。

日本学術会議の会員任命をめぐって、いまあらためて「学問の自由」が話題に
なり、私たちに問われている。それだけに、今回の「学会コラム<緑と絆の木
陰>」神野先生の「氷雨」の内容にも、深く考えさせられますね。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コラム<火曜日の鐘> 斉藤睦(地域総合研究所所長)
最良のワクチン
ノーベル平和賞を「国連世界食糧計画」(WFP)が受賞すると聞いて、今年
後半のテーマは「食」だと思いました。「食」はいつだって人類最大の関心事
で、美味しさに出会う喜びがある中、地球のどこかが飢餓に苦しめられてきま
した。
今年8月、習近平が「食べ残し根絶」の大号令を出し、監視社会の14億人が
一挙に食習慣を変えるようです。食べきれない料理で歓待する中国の食文化が
急速に変化することを思うと、良いことだと思う反面複雑な気持ちになります。
そしてコロナ禍。家族や仲間と一緒に好きな食べ物をつつき、飲み物を分け
合い、あれこれと談笑しながら“食べるスタイル”が、危険な行為とみなされ
る事態が来るとは。シールドで隔たれて食べる方が、より安全と思う世界にな
るとは。
WFPは、食べ物は「混乱に対する最良のワクチン」と声明を出しています。
人と一緒においしいご飯を食べることが、私をつくってくれたのではないか。
もう一度、食べ物とそれを食べる行為を考えたいと思います。
学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(日本社会事業大学学長)
氷雨
冬の到来を予感させる氷雨に打たれながら、私は日比谷公園にある市政会館
に足を運んだ。市政会館には地方公共団体金融機構があり、私はそこの代表委
員を務めているからである。10月に市政会館を訪れると、不思議な感情に襲わ
れる。それは1937年(昭和12年)の10月1日に、市政会館で東京帝国大学経済
学部の矢内原忠雄教授が「神の国」と題する講演を行ったからである。
矢内原教授はこの講演の2カ月後の12月1日に、東京帝国大学教授の職を辞
することになる。矢内原教授は日中戦争の火蓋を切ることで日本が理想を失っ
たとして「一先づ此の国を葬って下さい」との言葉で講演を結んだからである。
しかし、この矢内原事件は「学問の自由」が奪われる冬の時代の到来を告げ
る氷雨にすぎなかった。翌年の1938年(昭和13年)には、私が講座を引き継ぐ
ことになる大内兵衛教授を初め、有沢広巳助教授、脇村義太郎助教授が治安維
持法違反で検挙されてしまうからである。
しかも、さらに翌々年の1939年(昭和14年)には平賀譲総長による「平賀粛
学」が断行され、東京帝国大学経済学部の13名におよぶ教授・助教授が辞職へ
と追い込まれていく。「学問の自由」が奪われ、政府の政策に異議を唱えられ
なくなった日本は、戦争への道を突き進んでしまう。
市政会館の窓に降り注ぐ氷雨は、激しさを増していく。この氷雨は私に暗黒
の冬の時代の到来を告げているに違いないと思いながら、温もりを求めるかの
ように、脱いだ上着をまた身に羽織った。
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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej
宮城県気仙沼市「気仙沼旨味帆立とコラーゲンのXO醤」。気仙沼湾の旨味たっ
ぷりの帆立貝柱にいくつもの原材料、ラー油を加えた深みある調味料です。
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■街角から畦道から
ニセコが! 高橋葉子(北海道ニセコ町商工観光課参事)
「Sustainable Top 100 Destinations(持続可能な観光地「トップ100」)」は、
持続可能な観光に関するストーリーとデスティネーションの優れた実績を、ツ
アーオペレーター、旅行者やその他関係者と共有するために開催され、今年は
10月6日、日本時間21時から、オンラインでの国際カンファレンスでした。
そして、この度ニセコ町は、持続可能なデスティネーションであることへの取
り組みが評価されトップ100に選ばれました。国内では、ニセコ町以外に、釜石
市、京都市、三浦半島、沖縄県、白川村の6つの地域が選ばれました。
TOP100はエントリークラス。これから持続可能な観光に取り組むための、スタ
ート地点に立ったところです。まずは、できることから、一歩ずつです。
※写真は10月10日のニセコの風景です。
三重からの便り[3] 大原興太郎(NPO法人三重スローライフ協会理事長)
私たちは協会の目指すところを、「未来への5つの種まき」として表しました。
カッコ内は、苦心して名付けた日本語・造語です。「スロースタイル」(平凡
人生)、「スローインダストリー」(農村産業)、「スローエネルギー」(天然
活用)、「スローフード」(地産地食)、「スローエデュケーション」(天習地学)
です。なかでも力を入れている食育については、さまざまな取組をしてきまし
た。栄養士の先生方、野菜ソムリエやパティシエ、小学校の校長先生や栄養教
諭の方々との連携を図りながら、講演会、体験教室などを進めてきました。
「食育連続講座」は、7年目となります。加工用トマト、じゃがいも、松阪赤
菜、さつまいも、大豆、大根、ピーマンなどを取り上げてきました。子どもた
ちとともに、苗植えから収穫を経て、調理体験までの経験では、嫌いだったピ
ーマンが食べられるようになったりの子どもたちの食への変化があり、楽しみ
です。
■まち・むらニュース
・長野県飯山市 釜炊きの絶品ごはん食べ放題
薪をつかっての釜炊きごはんは年間を通じて体験できるが、今の時期は獲れた
ての新米が味わえる。場所は地域の農家民宿で、炊きあがったごはんは収穫さ
れた旬の食材の郷土料理とともにいただける。
開催日時:通年 10時集合 11時30分頃昼食
会場:近隣の農家民宿
予約:https://www.tabi-tabi.com/plans/2009/subscriptions/new
企画・実施・問合せ:(一社)信州いいやま観光局 TEL0269-62-3133
https://www.tabi-tabi.com/plan/kamadaki_t_2009.php
・福岡県糸島市 ドライブインシアター フォレストナイトドライブ
映画鑑賞の会場は自然豊かな糸島の山間部、近くには白糸の滝もある森の星降
る幻想的な空間だ。山海の食材にも恵まれた糸島ならではの料理が、上演作品
ごとに変わるお弁当で楽しめる。(要事前予約)
開催期間:12月27日までの毎週土・日・祝日
開演時間:19時(10月)、18時15分(11月)、18時(12月)
会場:白糸の森(糸島市白糸561)
料金:1台(2名まで)3,800円、3名以上1名大人800円、小学生~高校生500円
申込み・問合せ:https://www.forest-night-drive.com
コラム<象さんの散歩>
グルメ交遊禄 ②政治家
グルメ交遊は、取材先のお相手とも。私の政治部記者時代は当然ながら、政
治家先生と食事機会が多かった。私の担当した人はグルメばかり。
藤山愛一郎さん。財界の大御所から日米安保交渉で乞われて外相に、総裁を
目指す。回想録『政治わが道』は、朝日新聞が出版した。私が企画、取材班の
キャップをつとめた。そもそも藤山派の担当。夜の取材は絶対にお断り、の主
義を尊重、だから毎朝早く門前に待機を。ときに「朝のパンを一緒に」のお誘
いも。描きかけの絵や山積みの書類の中での朝食。至極の時間だった。
大派閥を抱え、活動を野放し。膨大な財産をすべて注ぎ込むことに。白金の
大邸宅も手放し、シェラトン都ホテルへ。だが、素晴らしい庭園はそのままに
残されていて、私はときにホテルを訪ね、庭を歩いて懐かしむ。
石井光次郎さん。石井派を率い最後は衆院議長。ゴルフ場とか明治神宮近く
のレストランなどで、また自宅での久子夫人、シャンソン歌手の石井好子さん
も一緒の即席ワイン会など楽しかった。軽井沢の別荘へもお供した。
河本敏夫さん。三木派を継いだ。党政調会長や経企庁長官を。財政・経済の
知識、感覚はすばらしい。囲碁とかゴルフも政治家の中では格段に上手の人。
判断が速い。私もときに教わったが、囲碁もゴルフも速く速く、と急がされる。
食事も速い。かつての大酒豪が完全に断酒してお付き合いいただく。
こういう親分政治家とのお付き合いでは、当時はご馳走に預かるのが常だっ
た。何とか「お返し」の方法はないものか。わが政治部では「呼び出し太郎」
さんにお願いしての「ちゃんこ鍋」を考案した。両国の相撲部屋の雰囲気。土
間。七輪に炭。もやしをたっぷりの鍋。これで、「お返し」とさせてもらった。
いまやこんな政治家はいない。それより「コロナ事態に不謹慎」と妻・宏子
からクレームなのだが、なぜか古き良き時代が偲ばれて・・ <川島正英>
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「奈良県十津川村」から・・
先日、玉置神社への奉納大しめ縄づくりがありました。毎年、本殿・神木にか
ける6本を村民から寄進されたワラで作ります。今年は村外からのお手伝いを
お呼びせずに村民だけの作業、延べ50人が参加して立派なしめ縄ができました。
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 図書館で
ひさしぶりに、地元の図書館に行きました。コロナ対策で一時は閉まっていた
ところです。以前は相当混んでいて、座る席など取れなかった図書館ですが、
滞在時間制限や密にならない工夫のせいでしょうか空いています。本自体を不
特定多数の人と共有することに、まだ少し抵抗もあるのでしょう。消毒した手
でページをめくりながら、もっとおおらかに本が読めればと思うのでした。
https://noguchi-tomoko.com/post-7317/
■編集室便り
▽~秋の飯山~「蛍の宿を守る会」から見えるまちづくり
10月の「さんか・さろん」は秋深まった長野県飯山市と、東京の会場を繋ぎな
がら、飯山で続く「蛍の宿を守る会」の活動を見つめます。
米作りの作業を通じて都市と地方が交流した結果、
人生が大きく変わった人たちの声に耳を傾けながら、
自然と人の共生を目指す、飯山のまちづくりの魂について考えます。
〇日時:10月20日(火)19時~20時半
〇会場:東京/東京都千代田区麹町3-3-4 「KDX麹町ビル」6階
クオリティソフト株式会社東京本部・会議室マーキュリールーム
飯山/飯山市照岡 「なべくら高原・森の家」蛍の宿を守る会
〇スピーカー:
「蛍の宿を守る会」事務局 中谷美南子さん、
北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院観光学高等研究センター
教授 木村 宏さん、ほか「なべくら高原森の家」、飯山市の皆さん。
〇参加費:東京会場のみ有料
スローライフ学会会員1,000円、一般2,000円(学生500円)
zoom参加は無料(基本スローライフ学会会員のみ、飯山の方々の
ご参加は歓迎無料です)
〇申込み:メール slowlifej@nifty.com TEL 03-5312-4141
参加者名簿を作るため10月19日(月)までに。
▽会員になって「さんか・さろん」にzoom参加を!
スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会で、
会員はNPOの賛助会員となります。
スローライフを学び、語り合い、さまざまな交流をしています。
会員は、この「瓦版」に記事を出したり、催しの参加費が割引になります。
また、会員になると、毎月第3火曜日開催の「さんか・さろん」に、zoom参加
できます。
10月は長野県飯山市から「蛍の宿を守る会」の活動。
11月は静岡県掛川市からローカルライフスタイルの話題。
12月は兵庫県丹波篠山市のホットな取り組み。
1月は増田寛也会長の「年頭所感」と、オリジナルのプログラムが続きます。
年会費は一口5,000円(4月~3月)です。
ぜひともこの機会に会員になって、スローライフのさんか・さろんにご参加く
ださい。
【振込先】
ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会
三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.slowlife-japan.jp/%e5%85%a5%e4%bc%9a%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/
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【たまな商店】人気芸人さんがダイエットに成功したことで、第3のブームが
きた感のある寝かせ玄米。玄米と小豆・天然塩をセットした計量要らずで炊け
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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
奈良県吉野郡十津川村
https://www.vill.totsukawa.lg.jp/
奈良県
雲仙市
https://www.city.unzen.nagasaki.jp/
飯山市
http://www.city.iiyama.nagano.jp/
出雲市
http://www.city.izumo.shimane.jp/
丹波篠山市
https://www.city.sasayama.hyogo.jp/
日本テレネット株式会社
シン・エナジー株式会社
クオリティソフト株式会社
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
株式会社サンクス・ツー
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最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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