週刊スローライフ瓦版 (2011.5.17 第56号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会=======★★★★★東日本大震災でいっそう意味をもったスローライフ学会。新しい会員を募ってほしいのです。きょうは「さんか・さろん」の日。ぜひ、その人もご一緒に。http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=117★★★★★コラム<火曜日の鐘> 斉藤 睦(地域総合研究所所長)~~~ ジェイン・ジェイコブスなら、どういうか 5年前に亡くなったアメリカの都市思想家、ジェイン・ジェイコブス。彼女の本の読書会をしましょうよ…と、誘われたのは3.11の前。本は新訳が出た『アメリカ 大都市の死と再生』。最初は気乗りしなかったのですが、東日本の被災地の復興プランの議論を聞くにつけ、20世紀の偉大な書物の一つである本書を書いた彼女が生きていれば、いったい、どういうだろうかと思いました。 彼女は「計画された都市」を嫌いました。住宅地、商業用地、工場、公園が合理的に分割され、その間を高速道路が結ぶ再開発は最悪だと、その味気なさを徹底的に糾弾。街は機能が重なり、歴史が重なり、道路は曲がっているほうが魅力的だと主張し、市民はそれを支持し、ついにはニューヨークの高速道路は取りやめ。主婦が都市計画のプロに勝ち、それ以降、「きれいな再開発」にはいつも疑問符がつくようになりました。 東北の被災地は何もなくなってしまったのですから、なんらか「計画的」に対処しなければなりません。でも、そこに人のぬくもりをもたせるにはどうしたらいいか。いつも「計画的」にことを運ぼうとする男性たちに、女性たちがどうやってノーをいうか。大先輩ジェイコブスを読みこなそうと思います。 学会コラム<緑と絆の木陰> ~~~~~ 坪井ゆづる(朝日新聞論説副主幹) ああ、減税王 震災復興のための増税がささやかれるなか、減税を訴えていた彼は、さぞや意気消沈しているだろうと思いきや、ちっとも変わっていなかった。「減税日本」を率いる河村たかし名古屋市と先週、都内でのパネル討論でご一緒した。 減税日本は3月の名古屋市議選で第1党に躍り出て、4月の統一地方選でも愛知県議選の名古屋市の14選挙区で13人が当選した。しかし東京や静岡などでは軒並み不信で、「減税支持は名古屋市限定」だった。 どう見ても、震災と減税は「遠い関係」だ。それでも河村氏は「減税せんで何が政治よ」「復興増税なんて絶対にダメ」と繰り返した。 ざっと200人の聴衆は、ほとんどが各地の地方議員。「自民党議員は世襲のぼんぼん。民主党は某組織ばっかり」といった河村節には喝采を送ったが、減税論には乾いた拍手がちらほらだった。 河村氏は「圧倒的な支持を受けた私の減税策を議会が否定してええんですか。これでは議会が王様ではないですか」とも言った。だが、市長をチェックする市議会を、市長が親分の政党が制すれば、市長が王様になってしまうのも明らかだ。減税の行方も気になるが、この「首長vs議会」の関係が気になる。■街角から畦道から ————————————————–酢まんじゅう<上> 石上すが子(管理栄養士 さいたま市) 私は、ふるさとの酒まんじゅうが好きだった。ふっくらと蒸されて微かに麹の匂いがして、素朴な味。他ではあまりお目にかかれないが、秩父では作り続けられている事は聞いていた。先日、秩父で「まんじゅう」の看板が目に入ったので、立ち寄ってみた。店には80才代のおばあちゃんが一人。 私の探していた酒まんじゅうは、「酢まんじゅう」の名で売られていた。 他の客がいないのを良いことに、テーブルに座り込み、お茶や漬物まで頂きながら、少し厚かましいと思いつつ「作り方を教えて欲しい」と頼んでみた。「勉強したい人には、いつでも教えますよ、必要ならレシピも送りますよ」と言ってくれた。 後日、レシピが送られてきた。さあ、麹の勉強からはじめないと・・。生活の中の楽しみとして、人々が丹精込めて作り続けてきた「酢まんじゅう」。私も、早く、麹の匂いのする酒まん(酢まんじゅう)を膨らませてみたい。築106年の木造3階・下宿の危機 こいけりか(赤煉瓦ネットワーク 川崎市) 明治38年に建てられた木造3階建ての下宿建築が、存亡の危機にあります。東京・本郷の東大近くに立地し、76部屋がある巨大な「本郷館」は、建設当時は賄い付きの高級下宿(東大に通う地方出身のお坊ちゃまがメインターゲット)でしたが、終戦直後は被災した家族が大勢住み、その後は学生向けのアパートとして今日に至っています。 それが、所有者のマンション建設計画で取り壊しの危機に。計画が出た5年前から居住者は、所有者の感情を刺激しないように働きかけてきた。下宿の建物が好きだから住みたいという店子たちは、最高裁まで争ったが、建物の歴史的な価値や居住者と地域の人の愛着は、所有者の気持ちを動かすには至らなかった。 先月末で強制退去となった店子たちは、多くの人に本郷館の価値を知ってもらい、所有者へ働きかけることを目的に署名活動を始めています。 本郷館を考える会のURL(http://www.hongo-kan.com/)■東日本大震災におもう佐藤武光監督「原発レポート」を・・ 武重邦夫(映画プロデューサー) ポータルサイト「でじたま」にアクセスが殺到しています。それは、原発のまち・双葉町に映画学校講師の佐藤武光さんがOBカメラマンを連れて突入した映像レポートが掲載されたからです。 佐藤さんは県立双葉高校の野球部にいたことがあり、双葉町は、いわば第2の故郷です。しかし、町は、放射能に覆われ立ち入り禁止、テレビも実態を伝えようとしていません。 それが報道の在るべき姿か!そうした疑問と怒りから、自ら防護服をつけて立ち入り禁止区域に入り、「3月12日、突然、人が消えた町」の実態を我々に伝えてくれました。映像は8回に分けられています。『佐藤武光監督、原発レポート』を是非、ご覧下さい。http://www.tamajin.jp/modules/think_japan/content0009.html「新潟にて・・・」 村井良江(イラストレーター 新潟市) 街を歩くと、福島ナンバーが目立つ。スタバでコーヒーを買うために並ぶと、両隣、福島の人だとわかる。 いい感じ。困った時はお互いさまです。気軽にいらしてください。 3年前にブラジルに行ったとき、日本は、狭い。そう思えた。帰国してからスローライフフォーラムin鳥取の参加を決めた。ずっと遠いと感じていた鳥取に、主人と車で出かけた。鳥取はとても魅力的だった。 震災後、東北を知る機会が増え、東北弁に微笑んでしまう。いまさらながら宮沢賢治を読んでみた。「日本全国がふるさと」、そう思うと心が温かい。今晩は、東北のお酒を飲んでみましょうか。■まち・むらニュース ————————————————・北海道 「愛食フェア2011」を道内各地で延べ75日間開く道産食品の対面販売を通じて生産者と消費者とが触れ合い、安全・安心で地域の個性豊かな道産品を味わう生産者直売市「北のめぐみ愛食フェア2011」。札幌市、旭川市など道内各地で、12月まで延べ75日の開催を予定。オープニングセレモニー・・5月25日(水)10時50分から。<道庁赤れんが庁舎前庭会場> 道警音楽隊の演奏も。 問い合わせ:北海道農政部食の安全推進局食品政策課 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/shs/各地の開催状況は「北のめぐみ愛食フェア」HPで。http://aisyoku.jp/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「たかおか屋」から・・・ 高岡市の北、日本海に面した港町・伏木。先日、勇壮なお祭りが行われました。山車同士がぶつかり合う、別名「 けんか山 」。熱い、熱い祭りです。http://www.takaokaya.jp/news/2011/05/16-135422.php━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「日光『食』の研究所」から・・・くせがなく、何にでも合う万能な山菜で、さっと湯がいて胡麻和えやドレッシングをかけるだけでも美味しい「コゴミ」が旬です。http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-104.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━クオリティライフから・・・私たちの店ナチュラルフードレストラン「たまな食堂」は「たべもの商店」をを併設しています。安全で新鮮な野菜やオーガニック食材のお買い物をどうぞ。http://tamana-shokudo.jp/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━コラム<象さんの散歩> ソフトバンク・孫が「ソーラーベルト・孫」へ~~~ 「大震災」の論文があふれている。自らを棚に上げた批判や排撃が目立って不愉快な中で、雑誌「世界」6月号の原子力特集に出た孫正義氏の「東日本にソーラーベルト地帯を」はさわやか。論旨明快で、秀逸である。 何より自省からの書き始めがいい。原子力発電を安易に肯定してきたと恥じ、電気事情がひどい、原発がCO2 を減らす、自然エネルギーはコスト高、など思い込みを数字と図も使いながらただす。福島の被災現場へと出かけていて、反省という意味では、携帯電話の欠陥についても具体的に論じている。 菅政権の原発政策に対しても、クリーンエネルギーへの積極的な取り組みを評価。その上で、津波と塩害の土地を農地に戻す考えに対しては「太陽の港・風の港のソーラーベルト地帯に」を提唱した。「自然エネルギー財団」を創立したのも、その実現への積極的取り組みのあかしだとして説得力をもつ。 わが意を得たり。“塩田を耕作地に戻すのは無策の証明。一方で、減反が進み休耕田がふえていく。空き地空き家の「限界集落」が問題化。二地域居住政策などともからめたスローライフの未来像を描きたい。 ∧ 川島正英 ∧コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その51~~~ 「花誉め」をしよう! 先週「花祭り」の話をしたが、今頃の季節は、いろいろな花が咲いて我々の眼を楽しませてくれる。災害で「お花見」は抑制気味としたが、大勢で楽しめる行事は末永く大切にしたい。ただ、我々はどうしてサクラの花ばかりを愛でるのか?ソメイヨシノは美しいが、パッと散ったら、後には何も残らない。 いつかも(昨年8月31日と9月7日)話したように、稲や葡萄など地味でも大切な役割を果たす花々のことを気にかけたいものだ。ソバやウメ、モモなど見ごたえのある花は知られているが、麦やミカン、カキはどうだろうか?スイカやカンピョウなども花見はされていない。目立たないながら我々の暮しの質を豊かにしてくれる花々を讃えるような花見、いわば「花誉め」の祭りを盛んにして、苦労をかける植物に感謝する機会を作ろうではないか!コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> ジモティの味~~~よその土地から見たら実に珍しいのだけれど、その土地の人たちにはあたり前、そして愛してやまない味というのがあります。よそ者は知らない、観光客などには教えたくない、あの店のあの味。そんな地元民の味を教えていただきました。新潟県胎内市のジンギスカンの店「志まつ」。味噌ダレをまぶしたマトンを煙に燻されながら食べると、仲間にしてもらえた感じ。力漲るものです。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=105■編集室だより△きょうの「さんか・さろん」は・・「フットパスでまちづくり」 ゲストは神谷由紀子さん。「日本の里山100選」に東京で唯一選ばれた町田市 小野路地区。ここで自然を愛し、保全活動と取り組んできた神谷さんたちは、 散策コースをつくり、スローフードの提供農家をつのり、小野路宿復元などで “まちづくり型フットパス(快適な歩く道)観光のモデルを創り出した。 日本フットパス協会をつくり、“人間の歩く速度にあった観光に取り組む。 17日(火)19時~20時30分(18時40分受付開始)・場 所……平河町Mercury Room (千代田区平河町1-4-5 平和第一ビル6階 クオリティ㈱ 会議室) ・主 催……スローライフ学会・参加費……会員1000円、一般2000円。(学生500円、講師の紹介者1000円) 終了後、希望者で簡単な懇親会を行います。会場は、当日お知らせします。・ゲスト……神谷由紀子(かみや ゆきこ)NPO法人「みどりのゆび」事務局長 http://www.midorinoyubi-footpath.jp/index.htmlもちろん当日参加も大歓迎。(当日の申し込みは090-7433-1741野口へ)△筑紫哲也賞「作文コンクール/神話・民話を読み継ぐ」の入賞作品集をネット 上(e-book)で公開中!◆「上巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol1/flipviewerxpress.html◆「下巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol2/flipviewerxpress.html△今こそスローライフ学会へ!!! 東日本大震災から1ヶ月が経ち、復興への道がさまざまなに模索されていま すが、こういう時代だからこそ、ゆっくり、ゆったり、ゆたかに、を目指す 生き方を広げていくときだと感じています。 私たちは、これまでどおり緩急自在な生き方、スローライフなまちづくりを すすめていきます。 このメールマガジンをお読みの皆さまには、ぜひともスローライフ学会の仲 間に入って私たちNPOの活動を支えていただきたく思います。 年会費5000円。会員は、この「瓦版」で思いを語ったり「さんか・さろん」 で学び合い、楽しみながら交流できます。役立つ案内もお届けします。 スローライフな生き方に関心のある方でしたらどなたでも結構です。お知り 合いの方も大歓迎。お誘い合わせのうえ、ぜひともお申し込みください。 http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=117 こちらの入力フォームからもお申し込みできます。 http://www.slowlife-japan.jp/modules/liaise/index.php?form_id=5△ボランティアスタッフ募集! NPOスローライフ・ジャパンでは、事務作業をこなしていただける方を探 しています。ただ、アルバイト料をお支払いすることができないお願いなの で、とても虫のいい話ではあるのですが‥。データ入力や資料の発送など簡 単な仕事のお手伝いをしていただけるととても助かります。 時間に余裕があって、たまには四ツ谷(坂町)に行ってもいいという方、ぜひ ご一報ください。=======■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/鳥取市 http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1196922905996/index.html佐賀県小城市 http://www.city.ogi.lg.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/