瓦版2011.5.17第56号

週刊スローライフ瓦版 (2011.5.17 第56号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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東日本大震災でいっそう意味をもったスローライフ学会。新しい会員を募って
ほしいのです。きょうは「さんか・さろん」の日。ぜひ、その人もご一緒に。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=117
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コラム<火曜日の鐘> 斉藤 睦(地域総合研究所所長)
~~~ ジェイン・ジェイコブスなら、どういうか
5年前に亡くなったアメリカの都市思想家、ジェイン・ジェイコブス。彼女
の本の読書会をしましょうよ…と、誘われたのは3.11の前。本は新訳が出た
『アメリカ 大都市の死と再生』。最初は気乗りしなかったのですが、東日本
の被災地の復興プランの議論を聞くにつけ、20世紀の偉大な書物の一つである
本書を書いた彼女が生きていれば、いったい、どういうだろうかと思いました。
彼女は「計画された都市」を嫌いました。住宅地、商業用地、工場、公園が
合理的に分割され、その間を高速道路が結ぶ再開発は最悪だと、その味気なさ
を徹底的に糾弾。街は機能が重なり、歴史が重なり、道路は曲がっているほう
が魅力的だと主張し、市民はそれを支持し、ついにはニューヨークの高速道路
は取りやめ。主婦が都市計画のプロに勝ち、それ以降、「きれいな再開発」に
はいつも疑問符がつくようになりました。
東北の被災地は何もなくなってしまったのですから、なんらか「計画的」に
対処しなければなりません。でも、そこに人のぬくもりをもたせるにはどうし
たらいいか。いつも「計画的」にことを運ぼうとする男性たちに、女性たちが
どうやってノーをいうか。大先輩ジェイコブスを読みこなそうと思います。

学会コラム<緑と絆の木陰>
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坪井ゆづる(朝日新聞論説副主幹) ああ、減税王
震災復興のための増税がささやかれるなか、減税を訴えていた彼は、さぞや
意気消沈しているだろうと思いきや、ちっとも変わっていなかった。「減税日
本」を率いる河村たかし名古屋市と先週、都内でのパネル討論でご一緒した。
減税日本は3月の名古屋市議選で第1党に躍り出て、4月の統一地方選でも
愛知県議選の名古屋市の14選挙区で13人が当選した。しかし東京や静岡など
では軒並み不信で、「減税支持は名古屋市限定」だった。
どう見ても、震災と減税は「遠い関係」だ。それでも河村氏は「減税せんで
何が政治よ」「復興増税なんて絶対にダメ」と繰り返した。
ざっと200人の聴衆は、ほとんどが各地の地方議員。「自民党議員は世襲の
ぼんぼん。民主党は某組織ばっかり」といった河村節には喝采を送ったが、
減税論には乾いた拍手がちらほらだった。
河村氏は「圧倒的な支持を受けた私の減税策を議会が否定してええんですか。
これでは議会が王様ではないですか」とも言った。だが、市長をチェックする
市議会を、市長が親分の政党が制すれば、市長が王様になってしまうのも明ら
かだ。減税の行方も気になるが、この「首長vs議会」の関係が気になる。
■街角から畦道から ————————————————–
酢まんじゅう<上> 石上すが子(管理栄養士 さいたま市)
私は、ふるさとの酒まんじゅうが好きだった。ふっくらと蒸されて微かに麹
の匂いがして、素朴な味。他ではあまりお目にかかれないが、秩父では作り続
けられている事は聞いていた。先日、秩父で「まんじゅう」の看板が目に入っ
たので、立ち寄ってみた。店には80才代のおばあちゃんが一人。
私の探していた酒まんじゅうは、「酢まんじゅう」の名で売られていた。
他の客がいないのを良いことに、テーブルに座り込み、お茶や漬物まで頂き
ながら、少し厚かましいと思いつつ「作り方を教えて欲しい」と頼んでみた。
「勉強したい人には、いつでも教えますよ、必要ならレシピも送りますよ」と
言ってくれた。
後日、レシピが送られてきた。さあ、麹の勉強からはじめないと・・。
生活の中の楽しみとして、人々が丹精込めて作り続けてきた「酢まんじゅう」。
私も、早く、麹の匂いのする酒まん(酢まんじゅう)を膨らませてみたい。
築106年の木造3階・下宿の危機 こいけりか(赤煉瓦ネットワーク 川崎市)
明治38年に建てられた木造3階建ての下宿建築が、存亡の危機にあります。
東京・本郷の東大近くに立地し、76部屋がある巨大な「本郷館」は、建設当時
は賄い付きの高級下宿(東大に通う地方出身のお坊ちゃまがメインターゲット)
でしたが、終戦直後は被災した家族が大勢住み、その後は学生向けのアパート
として今日に至っています。
それが、所有者のマンション建設計画で取り壊しの危機に。計画が出た5年
前から居住者は、所有者の感情を刺激しないように働きかけてきた。下宿の建
物が好きだから住みたいという店子たちは、最高裁まで争ったが、建物の歴史
的な価値や居住者と地域の人の愛着は、所有者の気持ちを動かすには至らなか
った。
先月末で強制退去となった店子たちは、多くの人に本郷館の価値を知っても
らい、所有者へ働きかけることを目的に署名活動を始めています。
本郷館を考える会のURL(http://www.hongo-kan.com/)
■東日本大震災におもう
佐藤武光監督「原発レポート」を・・ 武重邦夫(映画プロデューサー)
ポータルサイト「でじたま」にアクセスが殺到しています。それは、原発の
まち・双葉町に映画学校講師の佐藤武光さんがOBカメラマンを連れて突入した
映像レポートが掲載されたからです。
佐藤さんは県立双葉高校の野球部にいたことがあり、双葉町は、いわば第2
の故郷です。しかし、町は、放射能に覆われ立ち入り禁止、テレビも実態を伝
えようとしていません。
それが報道の在るべき姿か!そうした疑問と怒りから、自ら防護服をつけて
立ち入り禁止区域に入り、「3月12日、突然、人が消えた町」の実態を我々
に伝えてくれました。映像は8回に分けられています。
『佐藤武光監督、原発レポート』を是非、ご覧下さい。
http://www.tamajin.jp/modules/think_japan/content0009.html
「新潟にて・・・」 村井良江(イラストレーター 新潟市)
街を歩くと、福島ナンバーが目立つ。スタバでコーヒーを買うために並ぶと、
両隣、福島の人だとわかる。
いい感じ。困った時はお互いさまです。気軽にいらしてください。
3年前にブラジルに行ったとき、日本は、狭い。そう思えた。帰国してから
スローライフフォーラムin鳥取の参加を決めた。ずっと遠いと感じていた鳥取
に、主人と車で出かけた。鳥取はとても魅力的だった。
震災後、東北を知る機会が増え、東北弁に微笑んでしまう。いまさらながら
宮沢賢治を読んでみた。「日本全国がふるさと」、そう思うと心が温かい。今
晩は、東北のお酒を飲んでみましょうか。
■まち・むらニュース ————————————————
・北海道 「愛食フェア2011」を道内各地で延べ75日間開く
道産食品の対面販売を通じて生産者と消費者とが触れ合い、安全・安心で地域
の個性豊かな道産品を味わう生産者直売市「北のめぐみ愛食フェア2011」。
札幌市、旭川市など道内各地で、12月まで延べ75日の開催を予定。
オープニングセレモニー・・5月25日(水)10時50分から。
<道庁赤れんが庁舎前庭会場> 道警音楽隊の演奏も。
問い合わせ:北海道農政部食の安全推進局食品政策課 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/shs/
各地の開催状況は「北のめぐみ愛食フェア」HPで。http://aisyoku.jp/
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「たかおか屋」から・・・
高岡市の北、日本海に面した港町・伏木。先日、勇壮なお祭りが行われました。
山車同士がぶつかり合う、別名「 けんか山 」。熱い、熱い祭りです。
http://www.takaokaya.jp/news/2011/05/16-135422.php
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「日光『食』の研究所」から・・・
くせがなく、何にでも合う万能な山菜で、さっと湯がいて胡麻和えやドレッシ
ングをかけるだけでも美味しい「コゴミ」が旬です。
http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-104.html
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クオリティライフから・・・
私たちの店ナチュラルフードレストラン「たまな食堂」は「たべもの商店」を
を併設しています。安全で新鮮な野菜やオーガニック食材のお買い物をどうぞ。
http://tamana-shokudo.jp/
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コラム<象さんの散歩> ソフトバンク・孫が「ソーラーベルト・孫」へ
~~~
「大震災」の論文があふれている。自らを棚に上げた批判や排撃が目立って
不愉快な中で、雑誌「世界」6月号の原子力特集に出た孫正義氏の「東日本に
ソーラーベルト地帯を」はさわやか。論旨明快で、秀逸である。
何より自省からの書き始めがいい。原子力発電を安易に肯定してきたと恥じ、
電気事情がひどい、原発がCO2 を減らす、自然エネルギーはコスト高、など
思い込みを数字と図も使いながらただす。福島の被災現場へと出かけていて、
反省という意味では、携帯電話の欠陥についても具体的に論じている。
菅政権の原発政策に対しても、クリーンエネルギーへの積極的な取り組みを
評価。その上で、津波と塩害の土地を農地に戻す考えに対しては「太陽の港・
風の港のソーラーベルト地帯に」を提唱した。「自然エネルギー財団」を創立
したのも、その実現への積極的取り組みのあかしだとして説得力をもつ。
わが意を得たり。“塩田を耕作地に戻すのは無策の証明。一方で、減反が
進み休耕田がふえていく。空き地空き家の「限界集落」が問題化。二地域居住
政策などともからめたスローライフの未来像を描きたい。 ∧ 川島正英 ∧
コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その51
~~~ 「花誉め」をしよう!
先週「花祭り」の話をしたが、今頃の季節は、いろいろな花が咲いて我々の
眼を楽しませてくれる。災害で「お花見」は抑制気味としたが、大勢で楽しめ
る行事は末永く大切にしたい。ただ、我々はどうしてサクラの花ばかりを愛で
るのか?ソメイヨシノは美しいが、パッと散ったら、後には何も残らない。
いつかも(昨年8月31日と9月7日)話したように、稲や葡萄など地味でも
大切な役割を果たす花々のことを気にかけたいものだ。ソバやウメ、モモなど
見ごたえのある花は知られているが、麦やミカン、カキはどうだろうか?スイ
カやカンピョウなども花見はされていない。目立たないながら我々の暮しの質
を豊かにしてくれる花々を讃えるような花見、いわば「花誉め」の祭りを盛ん
にして、苦労をかける植物に感謝する機会を作ろうではないか!
コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> ジモティの味
~~~
よその土地から見たら実に珍しいのだけれど、その土地の人たちにはあたり前、
そして愛してやまない味というのがあります。よそ者は知らない、観光客など
には教えたくない、あの店のあの味。そんな地元民の味を教えていただきまし
た。新潟県胎内市のジンギスカンの店「志まつ」。味噌ダレをまぶしたマトン
を煙に燻されながら食べると、仲間にしてもらえた感じ。力漲るものです。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=105
■編集室だより
△きょうの「さんか・さろん」は・・「フットパスでまちづくり」

ゲストは神谷由紀子さん。「日本の里山100選」に東京で唯一選ばれた町田市
小野路地区。ここで自然を愛し、保全活動と取り組んできた神谷さんたちは、
散策コースをつくり、スローフードの提供農家をつのり、小野路宿復元などで
“まちづくり型フットパス(快適な歩く道)観光のモデルを創り出した。
日本フットパス協会をつくり、“人間の歩く速度にあった観光に取り組む。
17日(火)19時~20時30分(18時40分受付開始)
・場 所……平河町Mercury Room (千代田区平河町1-4-5 平和第一ビル6階
クオリティ㈱ 会議室) ・主 催……スローライフ学会
・参加費……会員1000円、一般2000円。(学生500円、講師の紹介者1000円)
終了後、希望者で簡単な懇親会を行います。会場は、当日お知らせします。
・ゲスト……神谷由紀子(かみや ゆきこ)NPO法人「みどりのゆび」事務局長
http://www.midorinoyubi-footpath.jp/index.html
もちろん当日参加も大歓迎。(当日の申し込みは090-7433-1741野口へ)
△筑紫哲也賞「作文コンクール/神話・民話を読み継ぐ」の入賞作品集をネット
上(e-book)で公開中!
◆「上巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol1/flipviewerxpress.html
◆「下巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol2/flipviewerxpress.html
△今こそスローライフ学会へ!!!
東日本大震災から1ヶ月が経ち、復興への道がさまざまなに模索されていま
すが、こういう時代だからこそ、ゆっくり、ゆったり、ゆたかに、を目指す
生き方を広げていくときだと感じています。
私たちは、これまでどおり緩急自在な生き方、スローライフなまちづくりを
すすめていきます。
このメールマガジンをお読みの皆さまには、ぜひともスローライフ学会の仲
間に入って私たちNPOの活動を支えていただきたく思います。
年会費5000円。会員は、この「瓦版」で思いを語ったり「さんか・さろん」
で学び合い、楽しみながら交流できます。役立つ案内もお届けします。
スローライフな生き方に関心のある方でしたらどなたでも結構です。お知り
合いの方も大歓迎。お誘い合わせのうえ、ぜひともお申し込みください。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=117
こちらの入力フォームからもお申し込みできます。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/liaise/index.php?form_id=5
△ボランティアスタッフ募集!
NPOスローライフ・ジャパンでは、事務作業をこなしていただける方を探
しています。ただ、アルバイト料をお支払いすることができないお願いなの
で、とても虫のいい話ではあるのですが‥。データ入力や資料の発送など簡
単な仕事のお手伝いをしていただけるととても助かります。
時間に余裕があって、たまには四ツ谷(坂町)に行ってもいいという方、ぜひ
ご一報ください。
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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
鹿児島県
http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html
岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
鳥取市
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1196922905996/index.html
佐賀県小城市
http://www.city.ogi.lg.jp/
日本テレネット株式会社
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クオリティ株式会社
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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
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株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/
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