瓦版2011.11.8第81号

週刊スローライフ瓦版 (2011.11.8 第81号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
=======
★★★★★
11月15日(火)の「さんか・さろん」は初めての昼間のさろんです。14時に、
東京・世田谷線三軒茶屋駅集合。「世田谷線沿線で秋をゆったり」をテーマに、
時速20キロの路面電車を乗り降りしながらの世田谷探訪です。
詳しくはこちらを。http://www.slowlife-japan.jp/
★★★★★
コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授)
~~~ 我々も東北産の麦酒でがんばりたい!
先日、遠野市での学会に参加した折、市心の蕎麦屋さんに入った。まずは、
麦酒。地元産は前日に3種を賞味できたから、大手産の壜入りを注文したら、
取手工場の製品だった。「仙台に工場があるのに、復旧はまだなのかー・・・」
と、案じていたら、先週の本瓦版「まち・むらニュース」で、遠野産ホップ
使用の麦酒が9日から売り出しという情報発見!キリン仙台工場の製造再開第
1号「一番搾り」だ。同社は以前から遠野産ホップ使用の品を出してきたが、
今秋、その意義深さは格別だ。東北人のガンバリにこたえ、我々、他所の者が
大いに呑んで、沿岸被災地の支援センターたる遠野を応援しよう!
と、思ったら、工場から2日に出荷されたことを報じた3日の大手新聞記事
によれば、同銘柄は東北(+北海道の一部)にのみ出回るのだとか。例年通り
東京にも回してほしい・・・。ま、遠野産ホップの量に限りがあろう。ここは再度
出向いて頑張って呑み、料金の一切合財を東北に吸収してもらうとしよう。
学会コラム<緑と絆の木陰>
~~~~~
神野直彦(東京大学名誉教授)浜美枝とカステラ

艶やかな光の回廊を眺めるような函館の夜景と相違して、長崎の夜景には哀
調が漂う。漁り火を思わせる船の灯が悲しげに浮かぶ暗闇の海を、人間の生活を
象徴する、ほのぼのとした明かりが、心を癒すにように包んでいるからである。
その長崎を旅の宿として、対馬や五島列島を巡る旅路を楽しんだ。長崎を訪
れると、私は必ず松翁軒のカステラを買い求める。そのカステラを味わうと、
女優浜美枝と話しているように、心が和むからである。
多感な学生時代に、通院していた病院の待合室で、ふと目にした雑誌に綴ら
れたバスの車掌から女優になるまでの彼女の半生記を読んで、その誠実な「生」
に心を動かされた。それ以来、私は彼女の綴る文章を追い求め、ラジオから流
れる彼女の美しき言葉に耳を傾けた。
古民家を箱根に移築して住まう浜美枝の語る思想は、スローライフである。
私はすっかり彼女の思想の虜になっていた。彼女の思想を導き星に、私はスロ
ーライフの思想を育んでいくことになる。
その彼女から、私の著作を読み感動したので、自分のラジオ番組に出演して
欲しいと依頼された。心を躍らせ、ラジオのスタジオに入ると、彼女が手にし
ていた私の著作には、数多くの付箋がつけられていた。
このラジオ番組の出演の際に、付添ってくれた女性から、松翁軒の発行する
雑誌に「長崎の想い出」というテーマで、随筆を書くように頼まれた。それが
縁で、西欧的な美と日本的な美を、見事に融合した松翁軒の素晴らしき伝統の
「食」の文化、つまりスローフードに出会うことになったのである。
番組が終っても、夢見るような語らいの時を設けてくれたにもかかわらず、
私は彼女に畏敬の念すら伝えることができなかった。哀調漂う夜景を思い浮かべ
ながら、長崎で求めたカステラの最後の一切れを口に含むと、甘く切ない味わ
いが口一杯に広がる。ラジオのスタジオの出口まで、優しく柔和な笑顔を湛え
て、私を見送ってくれ、振り向けば、深々とお辞儀をしていた女優浜美枝との
別離の時の甘さと切なさが口一杯に広がった錯覚を覚えてしまう。
■街角から畦道から ————————————————
癒しの旅-美瑛- 牛嶋敦子(名古屋市)

旭川空港に着き、美瑛にある前田真三写真ギャラリー「拓真館」に向かう。
「ご自由にご覧ください」の立て看板。明るいフローリングの床にここちよく
吸い寄せられるように靴を脱ぐ。ピアニスト中村由利子さんの曲が響いている。
美瑛の風景を撮影した美しい写真の数々。
鎌田實さんのメッセージ集「よくばらない」は前田真三さん・前田晃さんの
写真と共にある本。その日は、その本から鎌田さんの詩もところどころに展示
してあった。心がふわんとして、身体が軽くなる感じがした。
拓真館の前のバス停から無料スクールバスに乗る。普通の路線バスの大きさ
なのに、乗客は私1人。美瑛の駅で降り、宿である白金温泉までのバスを待つ
こと40分以上。美しい夕焼けをゆっくり眺めた。
■東日本大震災におもう ———————————————-
風化の防止と差別なき社会を 田嶋義介(島根県立大学名誉教授)

「今、飯舘村で起きていること」をテーマに、福島県飯舘村の酪農家、長谷
川健一さん(58)が10月29日に山口県光市で講演した。村は、福島第一原発事
故で計画的避難区域。友人の酪農家が6月に「原発さえなければ。私の限度を
こしました」と書き残して自殺したのをきっかけに、事故を風化させまいと全
国行脚を始めた。長谷川さんも50頭の乳牛を殺処分などで手放し、廃業。家族
はバラバラに避難生活。村の除染計画は宅地2年、農地5年、村の75%を占め
る森林は20年。「村内で以前よりも線量が高い所がある。風が吹くと山から放
射線が舞い下りてきていると思う。山の除染をしない限りだめだ。除染ができ
れば、私の年代以上の人は戻るでしょう。しかし、以下の人は子育てをする環
境でないので帰れない。私も子どもや孫は戻さない」とキッパリ。さらに、村
内の女子高校生が「私らは結婚なんてできねいべな」と話しているという。
「差別の起きない社会づくりをお願いしたい」と訴えた。
■まち・むらニュース ————————————————
・北海道 「もったいない」が原点の『3R推進北海道大会2011』
リサイクル、リデュース、リユースの3Rについての取組や普及啓発を推進し、
市民のライフスタイルを見直す機会を提供することを目的とする。女流講談士
神田紫さんの環境講談を始め、道内のNPO団体や企業・行政の取組の紹介、
体験コーナーなど、「もったいない」から生まれるライフスタイルを楽しんで
学べるイベント。・日時:11日(金)11:00~16:00・場所:札幌駅前通地下空間
北3条交差点広場・問い合わせ 環境省北海道地方環境事務所(011)299-1952
詳しくは http://hokkaido.env.go.jp/to_2011/1007a.html
・三重県 東京に期間限定で「パワーすぽっと三重カフェ」
伊勢神宮、世界遺産・熊野古道などパワースポットが点在して山海の食材に恵
まれ、古くから「美(うま)し国」と称される三重。その魅力あるカフェが、
11月16日~12月15日に都内2ヶ所(池袋と天之洲)で開催。三重の食材を使っ
たパワーフードやドリンクが提供されるほか、観光情報満載の映像の配信やパ
ンフレットの展示も行なう。
<メニュー例>ネバネバ丼(伊勢芋、めかぶ、納豆)四日市とんてき丼
詳しくはこちらで → http://www.pref.mie.lg.jp/tokyo/hp/event.htm#pawa
<問い合わせ> 三重県 観光・交流室 電話 059-224-2802
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━
「たかおか屋」から・・・
ちょっと寄っていかれま、いいもんあるがいね!!!
「たかおか未来web商店街」が始まりました。
http://event.rakuten.co.jp/area/toyama/takaoka/sale/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━
「日光『食』の研究所」から・・・
雑穀ごはん、かじきのきのこのソースがけ、小松菜とひじきの胡麻あえ、
野菜たっぷりみそ汁、1食なんとたった、475kcalです!!
http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-139.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━
クオリティライフから・・・
深まる秋「たまな食堂」いちおしの日本酒の造り手、千葉の「寺田本家」さん。
お試し用に「寺田本家の3種飲み比べセット」(800円)をご用意しました。
http://nfs.tamana-shokudo.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コラム<象さんの散歩> 足尾銅山への植樹ツアーに・・
~~~
先週の土曜日、「どんぐり苗植樹ツアー」に加わった。NPOエコメッセの
催し。そこの理事長・重田益美さんに学会の6月さんか・さろんで循環型社会
づくりの話をうかがった、このスローライフ旅はぜひ応援参加を、とわが学会
から土屋道男・正子夫妻、わが妻・宏子も一緒の足尾ツアーとなった。
貸切バスはてんぷら油で走らせた。現地では、地元の人のガイドを受けた。
育てて持参した苗を決められた斜面に植え込む。「鉱毒」で緑を一切剥ぎ取ら
れた松木村の延々の山を甦らせようとの環境学習の一日だった。
足尾銅山を訪ねたのは初めて。やはり重かった。産業遺産として多彩に取り
組むべきなのは理解できるのだが、秋田県の小坂鉱山、島根県の石見銀山など
を訪ねたときとはやや違って、何だか割り切れない思いが残った。
だが、バスの車窓が気持ちを和らげてくれた。隣り合わせの中禅寺湖の紅葉
が絶好と聞いたが、渡良瀬渓谷の紅葉も感激の輝き・・。 ∧ 川島正英 ∧
コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その76
~~~ 小春日和りと聖人様の夏再考
いよいよ「立冬」。そう聞くだけで身も心も引き締まる。ただ、先週などは
温かい日が続いた。「小春日和り」の時節なのだから、スローな暮らしぶりも
楽しみたいものだ。それに「夏日」まであった。となれば、いまや、我国でも
仏国での「マルタン聖人の夏」流の表現を考えなければならないか?
東北の被災地などでは、少々好天であっても、とくに今年はそんな呑気なこ
とを言っていられない。旧暦の教えるとおり、もう「冬」として、諸般の備え
に忙しいことだろう。東京であっても呑気な話ばかりしているわけにいかない。
我国では各地各様に変動の著しい気候風土があるのだから、暮しを支えて下
さる聖人様も、地域ごとに分権的に居て頂くことが望ましい。
ただ、神頼みをするにしても、まずは読者諸兄姉自らくれぐれもご自愛を!
コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 「米粉フェスタ」で食べる
~~~
新潟県胎内市での「米粉フェスタinたいない」報告2回目。1日目は語り合い、
翌日はスキー場のロッジを巨大食堂に見立て、20の屋台が並ぶ「米粉れすと
らん」が開店しました。米粉を使った料理からお菓子まで何種類も食べられる
となると、やっぱり“食は強い、雨模様の中2200人が来場。去年から動いて
きた、米粉市民たちの「やったぜ!」という笑顔がよかったです。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=131
■編集室だより
今月の「さんか・さろん」は昼間の散策です
・・・世田谷線沿線で秋をゆったり・・・
都心の喧騒から離れたまち、時代の速さに捉われない電車、そして秋深し。
NPOスローライフ・ジャパンが毎月開いているスローライフ「さんか・さろん」
の11月特別お楽しみ会にぜひご参加を。
◆11月15日(火)・14:00~ 世田谷線三軒茶屋駅集合
ボランティアガイドの案内で世田谷線に乗って。松陰神社、ボロ市通り(代官
屋敷)、豪徳寺、など。散策マップ片手に。自由な散策も選べます。
・17:00~ 「たまでんカフェ」で“さろん
「たまでんカフェ」(山下駅ホーム)で、沿線のユニークなまちづくりを聞く。
電車&歩く楽しさなど感想も話し合う。コーヒーを飲みながら。
・18:00~ 世田谷線でちょっと一杯!
“さろんが終わった後、散策だけでものたりない希望者の方たちで2次会。
世田谷ならではの居酒屋で、世田谷線を話題に懇親を深められれば・・。
◆参加費
一般2000円、スローライフ学会会員1000円。(切符代を含む)
◆申込み 11月14日(月)までにNPOスローライフ・ジャパンへ。
◇世田谷線とは・・
時速20キロで、世田谷区の住宅地をコトコト走る路面電車。沿線には井伊家の
菩提寺「豪徳寺」や、吉田松陰を祀った「松陰神社」等があり、環状七号線と
交わるところでは電車のほうが“信号待ちするスローライフな電車です。
1日乗車券(世田谷線散策切符・320円)で、沿線の四季の美しい草花を楽しみ、
散策に訪れる人が多い路線でもあります。スローライフ時代にますます注目を
集める一方、周辺にまちづくりの動きも盛んになっています。
この日は沿線の、地域活性化に取り組む「特定非営利活動法人まちこらぼ」や
「世田谷線とせたがやを良くする会」などのご協力での開催です。
◇連絡先
NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301 TEL 03-5312-4141
FAX 03-5312-4554 (担当:野口智子)
=======
■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
鹿児島県
http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html
岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
鳥取市
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1196922905996/index.html
佐賀県小城市
http://www.city.ogi.lg.jp/
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/
=======
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへ

このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとの
ご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、
お気軽にお付き合いください。
今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメール
アドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。

この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。
まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2
=======
Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会
〒160-0002
東京都新宿区坂町21 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
http://www.slowlife-japan.jp/