週刊スローライフ瓦版 (2012.2.28 第96号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会=======★★★★★3月の「さんか・さろん」は、初の映画会。「幸せの経済学」を観ましょう。神野直彦・わが学会学長が特別スピーチを申し出てくださって、期待は高まるばかり。「日光」の熱気を冷ましつつ「編集室だより」の詳細をどうぞ・・。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 川島英樹(せたがや文化財団)~~~ 今年の桜は東大びいき 桜のご登場が、ずいぶん遅いらしい。この陽気では無理もないが、桜の奴、きっと秋入学に賛成なのだろう。入学式の後に開花ということになると、四月入学派にとってはずいぶん痛手だ。もっとも、桜の入学式という美しい光景は、そもそも日本列島の真ん中辺りに住む人限定の想いであろう。 飲み屋レベルでの議論で、秋入学はけっこう優勢だった。ゆとりを失くした学校の授業だから、カリキュラムそのままに半年延ばしちゃえ、という暴論も意外に説得力がある。 東北の地酒が進むと、18歳成人にして、選挙権のほかに、東北周遊券と東北地域通貨でも贈れば、景気対策にもよかろうなんて話に至る。 明日は、4年に1度のなぜか得した気がする一日。ちょっとのんびり構えて、飲み屋で、カフェで、お茶の間で、天下国家の話、論じてみましょう。学会コラム<緑と絆の木陰> ~~~~~ 坪井ゆづる (朝日新聞論説副主幹)原発をなくしたい 「原発のコスト」(岩波新書)の著者、大島堅一・立命館大学教授(環境経済学)と話す機会があった。建設費や燃料代といった「発電コスト」だけでなく、研究開発や立地対策などの「政策コスト」も含めると、水力はもちろん、火力や風力よりも原発は高くつく。そんな研究成果を主張してきた人だ。 「3・11」の半年ほど前に、政府の審議会で「原発は高い」という持論を開陳したら、ボコボコに批判された。それが「3・11」後には、政府のコスト等検証委員会に呼ばれ、委員として発電コストの再計算に携わり、原発の割高さを実証した。政府も「原発の高コスト」を認めたのだ。 だが、大島さんは浮かぬ顔だ。理由は「政府が7月に決めるエネルギー政策を議論する基本問題小委員会に参加しているが、まったく議論がかみ合っていないから」。委員長は新日鉄の会長で、電力大量消費の発想が抜けない。喫緊の課題の「原発再稼働」問題には目もくれず、将来も多くの原発を残す前提での協議が続く。未だに「原発は割安」と言わんばかりなのだという。 反原発、脱原発の世論は、まだ政府中枢を動かすには至っていないのだ。この現実を変えなければ、原発はなくせない。さあ、何とかしなくちゃ■街角から畦道から田嶋義介(島根県立大学名誉教授) 上関原発建設予定地海域は「奇跡の海」 「3.11」一周年に、国内で唯一の新設立地計画、中国電力の上関原発中止を求める「さようなら原発1000万人アクションinやない」市民集会が3月10日に山口県上関町の隣の柳井市で開かれる。「海を殺すな」と、30年間建設を阻止してきた祝島の人々が語る。問題は安全性だけではない。予定地の上関町長島・田ノ浦海域は、絶滅寸前のカサシャミセンやナメクジウオ、国の天然記念物、カンムリウミスズメが確認され、日本生態学会などが「奇跡の海」と名付けた本を刊行したほど瀬戸内海の原風景が残る。その希少な生態系を、原発が埋立てと温排水で破壊する。加藤真京大大学院教授は、この本の序章で「内海に原発を建設する非を強く訴える」と結ぶ。賛同者には、加藤登紀子、飯田哲也、田島征三(絵本作家)、佐藤栄佐久・元福島県知事らが名を連ねている。集会では賛同者を募集中。http://ameblo.jp/1000mannin-yanai/entry-11146984041.htmlへ。宮田隆(長崎県・雲仙国立公園) 島原半島の小浜温泉から初便りみなさんのスローライフに感動です。特に夕張の村上さん、聖路加の生きざま、実践はいいですね。新しい時代の意欲ある新老人の生きがい、いいですね。今朝もいつものように温泉街の海岸沿いのゴミ拾い散歩を楽しんできました。自称「日本一きれいな小浜温泉ジャカランダ通り」となりました。湯けむりの小雨に、早春の息吹を感じます。京都から、奈良から、福岡からの観光客とも笑顔での挨拶交流です。ラジオ体操50年、朝のゴミ拾い20年。家族、継続、変化をモットに“さりげなく時間を楽しみ、行動は心の思うままに、されど矩を超えずで、我がスローライフを楽しんでいます。遠北剛(広島市 可部夢街道まちづくりの会) 桃の節句 「お雛様は桃の節句に飾ってあげないと、暗い箱の中であと一年、泣いて暮らすんだよ」。という言い伝えがある。「ひな祭りが終わったら、早く人形を仕舞わないと娘が嫁に行きそびれる」ともいわれる。みな迷信だ。大人の何かの都合で言い出したものだから、効くはずもなかろう。ながい戦国が終わって、気持ちが和み、素朴な人形遊びが始まり、江戸時代に人形飾りに発展して、次第に精巧・華美なものが現れ、今日の姿になったのは、江戸後期から明治初期頃かららしい。桃は、中国では邪気を祓う仙木とされている。果実は不老長寿をもたらすものとされており、性と豊鐃の象徴でもある。平和な理想の里を桃源郷という。桃はそういう有り難い木である。 明治6年、太陽暦に変えた時、人様の行事と自然がずれた。3月3日を中心に、町おこし運動を進めているいずれの町に行っても、ひな人形を飾ったイベントがお客を待っている。「桃の節句」は桃の花が咲いている方がいい、お雛様も俗信に惑わされることもなく、旧暦の3月3日まで、ゆっくりしていただき、桃の花とお雛様を眺め、白酒を飲んで、チラシ寿司をいただき、長くゆっくりと楽しみたい。■「日光フォーラム」におもうフォーラムに参加して・下 <渋い日本人の美意識> 川井徳子(奈良市) フォーラムの基調講演にて、神野先生が渋い sibui という形容詞は海外にはな い、と説明された。茶の文化をもつ英国やワイン文化のフランスでは、タンニンが作用する渋さを表現 する単語 astringency はあるが、それが「渋い男」といった「いい男」を表す言 葉とはなっていない。 どうやら「渋い」とは日本人固有の美のようだ。おそらく、茶道文化が影響しているのだろう。茶会でだされる濃茶や薄茶は初心者には、苦くて渋いものである。子供達にはたまった物ではないだろう。 しかし、その 独特のもてなしは、日本文化に一つの美の体系をもたらした。茶室、茶庭、茶道具、茶器、茶花、設え、礼儀作法。茶の世界の大御所、利休の名を取った「利休鼠」という色が、日本の伝統色に残っている。緑色を帯びた灰色で、いかにも渋い色合いである。くすんだ色と言ってもよいかもしれない。その色に「利休」の名をつけているのは、それが極上の色合いである、と規定している、と言ってもよいだろう。 わびさびの「錆びる」と同じく、時間がたっていること、時を重ねることに大きな 価値を見いだす日本文化の原点を意識できる「渋い」お話だった。 唐木大生(富山県高岡市) 日光のフォーラムは、なんと贅沢な時間・・。まさしく、人と人とが交流し、スローライフな時間が流れていました。「ちゃんぽん」であったり、様々な「世代間格差」も。「格差」と「差異」の違いなど、ポンポンと「キーワード」が飛び出し、まさに、目から鱗、口から山椒魚の世界でした。■まち・むらニュース ————————————————・兵庫県 「清盛・源平ゆかりの物語を訪ねる」キャンペーンを展開NHK大河ドラマ「平清盛」の放送に合わせ、「清盛・源平」をテーマにして県内の「清盛・源平」ゆかりの地を紹介、またドラマ館、歴史館などを開く。さらに清盛ゆかりの地にある能福寺、真光寺、薬仙寺、和田神社で「清盛茶屋」を開設。休憩スペースやお茶の提供、清盛関連特産品の販売を行う。3月末までの土日祝日に開設している。兵庫県広報課(078)362-3017あいたい兵庫キャンペー2011 http://www.hyogo-tourism.jp/aitaihyogo_2011/ひょうごツーリズムガイド http://www.hyogo-tourism.jp/兵庫県メールマガジン「ひょうごさわやか通信」 http://web.pref.hyogo.lg.jp/mailmaga/index.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「たかおか屋」から・・・ 地元の人は「なーんもないちゃ」といいます。ある事があたりまえ、いつもの景色すぎて・・。でも、こうして見ると、高岡は宝物がいっぱいですね。http://www.takaokaya.jp/news/2012/02/24-181717.php━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━「日光『食』の研究所」から・・・開催された「スローライフ・フォーラムin日光」。栗山分科会のテーマは『山里のおもてなし~「食」と「まつり」~』。栗山の食を紹介します。http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-157.html━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━━クオリティライフから・・・麹の力、塩でも醤油でも実感を!「たべごと教室」の塩麹レシピがELLE Onlineに掲載されていますが、新たに「醤油麹」のレシピも載りました。こちらをご覧ください。 ELLE Online 醤油麹特集 http://bit.ly/xsH9RI━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━コラム<象さんの散歩> 榛村純一さん・・ who?、why?~~~ 先号のこの欄で、元掛川市長の榛村純一さんから「日光フォーラムへ行けずに残念」の電話が二度も、と書いた。なぜ?。そこを補っておきたい。 who?、についてももう少しつけ加える。榛村さんは、いま日本茶業中央会会長。だが、やはり市長28年の印象が強烈だ。市を先進的でひたむきな思想の都市につくりあげた。全国の地方政治のリーダー役としても知られた。 どんな思想か。パソコンのウイキペディアで「掛川市」をひくと。「三つの思想をもつ市」と出る。まず「生涯学習」の理念。これは、市民の意識を高揚させ、全国の市町村のまちづくりと教育のあり方に新しい波を起こした。 二つ目。「二宮尊徳」精神。大日本報徳社が掛川市にあり、榛村さんが社長をつとめる。三つ目。「スローライフ」の思想と記されているのだ。 why?は、生涯学習の核心の「とはなにか学舎」で長期間講師が野口智子さん、その愛弟子が日光フォーラム全行程の司会・長谷川八重さんであること。再会願望。さらに、日光市今市に尊徳翁の墓碑が建つ二宮神社と、葬儀が行われた如来寺があること。二宮尊徳つながりでもあった。 ∧ 川島正英 ∧コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その91~~~ 旧暦と新暦とが「還暦」するには何年かかるか? 本欄では性懲りもなく長々と素人暦談義をしている。折々の話題を取り上げてきたが、一応は一貫しているのは、現行官暦の歳首の置き方が耶蘇教追随で気に入らないから、春分の日あたりを元日とし、24節気を参考にしながら、お互いに自分たちの地域の季節感に合う地域暦を創ろうという主張だ。 その場合でも、我々人間さま、海のサンゴや森の狼など動物たちの生命活動を考慮すると、お月様との関係を無視するのは得策ではない。ところが、長年、太陽暦に馴らされて来たためか、太陰暦に順化するのは、なかなか難しい。 太陽と太陰と両方の暦法を活用するには、そもそも両者は何年経ったら同じズレ具合に戻るのか?を知っておく必要がある。「十干十二支」なら最小公倍数の60で「還暦」なのだが・・・、閏月の置き方なども知らないし・・・。コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 人間寒ざらし~~~栃木県那須町で「寒ざらし」体験をしてきました。寒中に水や風、雪に布や食べものなどをさらし、アクを抜き、旨みを増す、昔からの暮らしの知恵。主な催しは「寒ざらし蕎麦」をいただくことですが、その前に“寒を楽しもうというわけです。雪が積もり寒風の吹く冬の牧場へ出向き、雪原に大の字に寝てわが身をさらす気持ちよさ!年に一度は人間寒ざらしクセになりそうです。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=146■編集室だより映画「幸せの経済学」を見よう! 3月の「さんか・さろん」は、昨年の上映開始以来、日本各地で話題を呼んだドキュメンタリー映画「幸せの経済学」(ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ監督)を上映します。ヒマラヤ辺境の小さな村ラダックが、押し寄せるグローバリズムの波に、あっという間に伝統的な生活スタイルを一変、文化や誇りまで奪われる。世界の環境活動家が、人と人の絆を取り戻すローカリゼーションを提案する。監督はスェーデン出身の女性。3.11後の日本の行方に大きなヒントとなる映画。○日時…3月21日(水)19時~20時30分(18時40分受付開始) ※通常のさろんは第3火曜日ですが、今月は20日祝日のため21日の開催。○場所…都道府県会館(千代田区平河町2-6-3)3階会議室○主催…スローライフ学会○参加費…1000円○プログラム…19:00~20:30 映画(1時間)と神野直彦教授(スローライ フ学会学長)の小講演という素敵なイベントです。【申込み】3月19日(月)までに NPO スローライフ・ジャパンへ。電話 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554メールの場合は、下記にご記入の上、まで。==============3月21日(水)「さんか・さろん」に参加します。●氏 名 :●連絡先電話番号 :●所属 :【スローライフ学会員以外の方は下記もご記入ください】●住所 : ●メールアドレス :●あなたを紹介した学会会員名: ==============あなたは、「豊かさ」をどんなものさしではかりますか?お金を持っていることですか。それとも便利で快適な暮らしを送ることでしょうか。今まで国の豊かさを測る指標にGNP(国民総生産)やGDP(国内総生産)などが使用され、どれだけ経済成長したかで「豊かな国」を決めててきました。この考え方はグローバリゼーションの波に乗って世界中に広がり、世界の様々な地域に「開発」という名の「消費社会」が流れ込んだ。結果、便利で快適に生活できるなどの正の反面、負の側面ではコミュニティの伝統的な暮らしが崩壊し、かつてはそこにはなかったはずの「新たな貧困」が生まれるようになったことも事実です。本当の豊かさとはなにか? 今こそ考える時ではないでしょうか。<幸せの経済学> あらすじ急速なスピードで世界的に広がった近代化の波は、30年前まで外国人立入禁止地域だったヒマラヤの辺境ラダックにも押し寄せた。西欧の消費文化は、彼らの生活スタイルを一変させ、自然との関わりを切り離した。人との繋がりを希薄化させることにより、彼らのアイデンティティーや伝統文化の誇りまでも奪った。昔は目を輝かせて暮らしていたラダックの人びとが「私たちは何も持っていない、貧しいんだ。支援が必要だ」と訴えるようになったのです。映画はグローバリゼーションの負の側面を指摘、豊かさとは何か、を説く。-答えはローカリゼーションにある-監督のヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんは、その解決の糸口として「グローバリゼーション」と対極の「ローカリゼーション」を提案していく。地域の力を取り戻すローカリゼーションの促進が、人と人、人と自然とのつながりを取り戻し、地域社会の絆を強めていく、と。「本当の豊かさ」を求め、持続可能で自立した暮らしを目指すコミュニティの構築が世界的に広がりつつある。映画では、日本の小川町での取り組みや、キューバで起こったオイル・ピークについてのサステナブルソリューションも取り上げている。行き過ぎたグローバル経済から脱却し、持続可能で幸せな暮らしをどう作っていくべきなのか。そのヒントは日本の伝統文化の中にもあるのではないでしょうか。彼女はその気づきを我々に与えてくれるでしょう。=======■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/鳥取市 http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1196922905996/index.html佐賀県小城市 http://www.city.ogi.lg.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/”