週刊スローライフ瓦版 (2012.3.27 第100号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会=======★★★★★ついに100号に到着です。学会の執筆陣も、もちろん編集室でも一つの目標を越えて感無量。バンザイです。そして、ありがとうございました。さらに頑張ります。紙面に新しい試みも。編集室だよりの「お知らせ」でご覧ください。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)~~~ 白鳥が飛ぶ空 送り彼岸の墓参りに行くと、墓の上も周りもうずたかい雪。墓参の手始めはその片付けでした。とはいえ、さしもの大雪も勢いはとうに失って、北の野にも春は来ました。甲高い鳴き声に振り向くと、空には白鳥の群れ。いくつものV字編隊が飛び交っています。 戻ると、三陸で被災者支援を続けている青年の来訪を受けました。陸前高田を訪ねたことのお礼と、これからどう行動していくか。その打ち合わせのためですが、白鳥があまりにぎやかなので、その話題が先行してしまいました。 白鳥が飛ぶ空は、わたしたちにはいつもの早春の光景ですが、被災地で見上げる人々の心情はどうでしょうか。年々歳々、悠久の時を刻むかのように北へ飛び立つ鳥たちの姿は、きっと被災者への励ましにもなっている。そう言い残して、青年は三陸へ帰っていきました。 というわけで、初登場の写真も、空を飛ぶ白鳥を。せっかくの機会をいただきましたが、ことしは撮りに行けてませんので、おそれながら去年のものです。撮影は2011年3月15日、二ツ井町の米代川畔です。(※写真を2枚送っていただきました。)学会コラム<緑と絆の木陰> ~~~~~ 坪井ゆづる (朝日新聞論説副主幹) 震災復興の「そんなバカな」 大震災の被災地は多くが過疎地だ。人口は減り、高齢化がすすむ。だから、復興事業での街づくりは、縮みゆく日本社会のモデルになるような、福祉に目配りがきいた、老人が暮らしやすい空間にしよう。 こう言われ続けてきたのに、被災地にできる復興住宅は中高層のアパートが増えそうだ。スピードを優先させると、どうしても効率重視の集合住宅になりがちだという。30年後、住人のほとんどいない廃墟となるのは避けられないと分かっていても、計画は止まらない。 津波にさらわれた市街地の区画整理事業にも疑問の声があがる。金をかけて整えた土地と空間から利益が上がる前提で、事業計画は立てられる。しかし、確実に人口が減る地域で、土地にそれほどの需要が見込めるのか。 復興住宅も区画整理も、経済成長と人口増を前提とした制度で、後年度の負担は何とかなるという発想でつくられている。 被災地では、道路や防波堤などの国直轄の大型公共事業の槌音が響く。「土建国家ニッポン復活」のような光景もまた、旧来型の制度がフル回転している証しだ。こんな、いまの時代に合わない手法で復興事業を続けて、後生に莫大な借金を残していくのか。そんな、バカな。■街角から畦道から武重邦夫(映画プロデューサー)被災地をちぎって叩きつけた作品 ドキュメンタリー映画「立ち入り禁止区域・双葉~されど我が故郷~」を見て来ました。日本映画学校のゼミ担任だった佐藤武光さんの労作であり怪作です。武光さんの故郷は福島県双葉町で、去年の5月ごろ、武光さんから「双葉町にカメラを持ち込む」と電話を戴いた。「頑張れや!」とエールを送った。今回の作品は、昨年から今日までの膨大な映像を2時間にまとめた。しかし、これは映画というより、被災地そのものを佐藤武光監督がちぎってスクリーンに叩きつけたような作品。被爆した風土、家を追われた住民たち、餓死寸前でよろよろ歩く家畜やペット・・。この黙示録の光景がスクリーンにぶつかり、跳ね返って観る者の肉体に突き刺さってきます。「これは映画なのか?」。そのド迫力は映画作法などとは無関係。前半は切腹した侍がはらわたを投げつける怒りの塊そのものです。後半は被災したミュージシャンの青年が軸に進められるので、徐々にドラマが見えてきます。この映画で誰もが感じるのは、「原発はもうあかん・・」という実感。反原発の言葉でなく、情報映像でもなく、見るものの肉体が自然にそう反応する。「映画とは何か」 僕は戸惑いながら、しかし、映画の新たな可能性に触れたように思いました。皆さんに是非、見て戴きたい作品です。■瓦版100号におもう おめでとうございます 亀山康江(新潟県長岡市 フリーライター)毎週火曜日に届く「生の声」が楽しいのです。堅苦しくなく、でも個人的なつぶやきに終わらない。その「あんばい」が楽しく読める理由かなと思います。特に、多彩な方たちからメッセージが集まる「街角から畦道から」が好きです。たまにNPOスローライフ・ジャパンのHP内にあるアーカイブで瓦版をじっくり読み直すのも面白いです。ともするとサラサラ流れてゆく日常に、ピリッと心地よい刺激を与えてくれる。瓦版はそんな存在。さらに200号、300号と、続くことを願っています。 続けるって大変ですよね。 村井康人(新潟市 食育研究所 代表) 良江( イラストレーター) はじめて川島さんと野口さんにお会いしたのは2005年の新潟スローライフ展。その日は、憧れの筑紫哲也さんの講演があり「じょんのび」をテーマに語ってくださった。そのあと展示会場に筑紫さんがいらして、肩が触れそうなくらい近くに居ながら、臆病で声がかけれなかった。「また会える」という想いは叶わず。瓦版に夫婦での投稿。筑紫さんは笑ってくださっているだろうか。よくぞここまで‥ 篠原伊佐武(瓦版編集・送信担当)「週刊なんて無理ですよ」「いや、週刊じゃなきゃ意味がないんだ!」そんなやりとりから2年、よくぞここまで‥と感じますが、これも読者の方々に支持されてこそ。ありがたいかぎりです。私も、瓦版の送信作業を忘れないようにと、月曜日は「今日は瓦版!」と書いたメモを置いて寝るようになりました。100号は大きな節目ですが、長い目で見れば通過点ともいえます。読者の皆さまとともに作るメルマガになっていけば‥と願うばかりです。■まち・むらニュース・北海道函館市 スマホを持って“まちあるき”をどうぞ 函館・みなみ北海道の観光スポットを紹介するスマートフォン向けの観光動画配信サイト「はこだて観光動画ガイド」がオープン。スマートフォンのGPSに連動して現在地周辺の観光動画を表示する“まちあるき”にピッタリの動画サイトです。いま、動画53本を配信中。ナビゲーターは第32代「ミスはこだて」の3人。問い合わせは(社)函館国際観光コンベンション協会(0138)27-3535利用方法などは http://www.hakodate-kankou.com/sightseeing-guide/special・東京都世田谷区 北林尚子さんの 「フランスシターコンサート」世田谷の隠れ家・松本記念音楽迎賓館で、北林尚子さんがコンサートを開き、「フランスシター」という楽器で心を癒す清らかな音色を奏でます。日時:4月14日(土)14時開演 (13時半開場) 場所:「松本記念音楽迎賓館」