瓦版2012.3.27第100号

週刊スローライフ瓦版 (2012.3.27 第100号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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ついに100号に到着です。学会の執筆陣も、もちろん編集室でも一つの目標を
越えて感無量。バンザイです。そして、ありがとうございました。さらに頑張
ります。紙面に新しい試みも。編集室だよりの「お知らせ」でご覧ください。
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コラム<火曜日の鐘> 丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)
~~~ 白鳥が飛ぶ空
送り彼岸の墓参りに行くと、墓の上も周りもうずたかい雪。墓参の手始めは
その片付けでした。とはいえ、さしもの大雪も勢いはとうに失って、北の野に
も春は来ました。甲高い鳴き声に振り向くと、空には白鳥の群れ。いくつもの
V字編隊が飛び交っています。
戻ると、三陸で被災者支援を続けている青年の来訪を受けました。陸前高田
を訪ねたことのお礼と、これからどう行動していくか。その打ち合わせのため
ですが、白鳥があまりにぎやかなので、その話題が先行してしまいました。
白鳥が飛ぶ空は、わたしたちにはいつもの早春の光景ですが、被災地で見上
げる人々の心情はどうでしょうか。年々歳々、悠久の時を刻むかのように北へ
飛び立つ鳥たちの姿は、きっと被災者への励ましにもなっている。そう言い残
して、青年は三陸へ帰っていきました。
というわけで、初登場の写真も、空を飛ぶ白鳥を。せっかくの機会をいただ
きましたが、ことしは撮りに行けてませんので、おそれながら去年のものです。
撮影は2011年3月15日、二ツ井町の米代川畔です。
(※写真を2枚送っていただきました。)

学会コラム<緑と絆の木陰>
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坪井ゆづる (朝日新聞論説副主幹) 震災復興の「そんなバカな」
大震災の被災地は多くが過疎地だ。人口は減り、高齢化がすすむ。だから、
復興事業での街づくりは、縮みゆく日本社会のモデルになるような、福祉に目
配りがきいた、老人が暮らしやすい空間にしよう。
こう言われ続けてきたのに、被災地にできる復興住宅は中高層のアパートが
増えそうだ。スピードを優先させると、どうしても効率重視の集合住宅になり
がちだという。30年後、住人のほとんどいない廃墟となるのは避けられないと
分かっていても、計画は止まらない。
津波にさらわれた市街地の区画整理事業にも疑問の声があがる。金をかけて
整えた土地と空間から利益が上がる前提で、事業計画は立てられる。しかし、
確実に人口が減る地域で、土地にそれほどの需要が見込めるのか。
復興住宅も区画整理も、経済成長と人口増を前提とした制度で、後年度の負
担は何とかなるという発想でつくられている。
被災地では、道路や防波堤などの国直轄の大型公共事業の槌音が響く。「土
建国家ニッポン復活」のような光景もまた、旧来型の制度がフル回転している
証しだ。こんな、いまの時代に合わない手法で復興事業を続けて、後生に莫大
な借金を残していくのか。そんな、バカな。
■街角から畦道から
武重邦夫(映画プロデューサー)被災地をちぎって叩きつけた作品
ドキュメンタリー映画「立ち入り禁止区域・双葉~されど我が故郷~」を見て
来ました。日本映画学校のゼミ担任だった佐藤武光さんの労作であり怪作です。
武光さんの故郷は福島県双葉町で、去年の5月ごろ、武光さんから「双葉町に
カメラを持ち込む」と電話を戴いた。「頑張れや!」とエールを送った。
今回の作品は、昨年から今日までの膨大な映像を2時間にまとめた。しかし、
これは映画というより、被災地そのものを佐藤武光監督がちぎってスクリーン
に叩きつけたような作品。被爆した風土、家を追われた住民たち、餓死寸前で
よろよろ歩く家畜やペット・・。この黙示録の光景がスクリーンにぶつかり、
跳ね返って観る者の肉体に突き刺さってきます。
「これは映画なのか?」。そのド迫力は映画作法などとは無関係。前半は切腹
した侍がはらわたを投げつける怒りの塊そのものです。後半は被災したミュー
ジシャンの青年が軸に進められるので、徐々にドラマが見えてきます。
この映画で誰もが感じるのは、「原発はもうあかん・・」という実感。反原発
の言葉でなく、情報映像でもなく、見るものの肉体が自然にそう反応する。
「映画とは何か」 僕は戸惑いながら、しかし、映画の新たな可能性に触れた
ように思いました。皆さんに是非、見て戴きたい作品です。
■瓦版100号におもう

おめでとうございます 亀山康江(新潟県長岡市 フリーライター)
毎週火曜日に届く「生の声」が楽しいのです。堅苦しくなく、でも個人的なつ
ぶやきに終わらない。その「あんばい」が楽しく読める理由かなと思います。
特に、多彩な方たちからメッセージが集まる「街角から畦道から」が好きです。
たまにNPOスローライフ・ジャパンのHP内にあるアーカイブで瓦版をじっくり
読み直すのも面白いです。ともするとサラサラ流れてゆく日常に、ピリッと心
地よい刺激を与えてくれる。瓦版はそんな存在。さらに200号、300号と、続く
ことを願っています。

続けるって大変ですよね。 村井康人(新潟市 食育研究所 代表)
良江( イラストレーター)

はじめて川島さんと野口さんにお会いしたのは2005年の新潟スローライフ展。
その日は、憧れの筑紫哲也さんの講演があり「じょんのび」をテーマに語って
くださった。そのあと展示会場に筑紫さんがいらして、肩が触れそうなくらい
近くに居ながら、臆病で声がかけれなかった。「また会える」という想いは叶
わず。瓦版に夫婦での投稿。筑紫さんは笑ってくださっているだろうか。
よくぞここまで‥ 篠原伊佐武(瓦版編集・送信担当)
「週刊なんて無理ですよ」「いや、週刊じゃなきゃ意味がないんだ!」そんな
やりとりから2年、よくぞここまで‥と感じますが、これも読者の方々に支持
されてこそ。ありがたいかぎりです。私も、瓦版の送信作業を忘れないように
と、月曜日は「今日は瓦版!」と書いたメモを置いて寝るようになりました。
100号は大きな節目ですが、長い目で見れば通過点ともいえます。読者の皆さま
とともに作るメルマガになっていけば‥と願うばかりです。
■まち・むらニュース
・北海道函館市 スマホを持って“まちあるき”をどうぞ
函館・みなみ北海道の観光スポットを紹介するスマートフォン向けの観光動画
配信サイト「はこだて観光動画ガイド」がオープン。スマートフォンのGPS
に連動して現在地周辺の観光動画を表示する“まちあるき”にピッタリの動画
サイトです。いま、動画53本を配信中。ナビゲーターは第32代「ミスはこだて」
の3人。問い合わせは(社)函館国際観光コンベンション協会(0138)27-3535
利用方法などは http://www.hakodate-kankou.com/sightseeing-guide/special
・東京都世田谷区 北林尚子さんの 「フランスシターコンサート」
世田谷の隠れ家・松本記念音楽迎賓館で、北林尚子さんがコンサートを開き、
「フランスシター」という楽器で心を癒す清らかな音色を奏でます。
日時:4月14日(土)14時開演 (13時半開場)
場所:「松本記念音楽迎賓館」
申込み:03-3709-5951 入場料:3000円
※フランスシター:旧約聖書にも登場する古い楽器で、教会の祈りの伴奏と
して使う。40年ほど前にフランスで復活。カタルーニア民謡「鳥の歌」
など演奏。 http://www.youtube.com/watch?v=kaiIELRtx64
※松本記念音楽迎賓館:パイオニア株式会社創業者で、音楽鑑賞振興財団」
を創設した松本望夫妻の居宅として建築された。パイプオルガン、チェ
ンバロ、チェレスタなど、希少な楽器をそろえ利用を一般に開放。庭園
は約1000坪の敷地内にあり、ソメイヨシノやしだれ梅、世田谷区保存樹
木のクロマツなど森林散策、また京都の旧西園寺公別邸から移築の茶室
を楽しむことができる。
お問い合わせは、 板垣 欣也 まで。
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「日光『食』の研究所」から・・・
先日第23回日光『食』の研究所会議を開催しました。日光産そば粉を使ったプ
チサイズのおやき「そばこやき」試食会の報告がありました
http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-164.html
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クオリティライフから・・・
「たべもの商店」には「チャイ用」「ピクルス用」「カレー用」といった使い
きりサイズのブレンドスパイスをご用意しております。一度、お手にとって
ご覧ください。http://nfs.tamana-shokudo.jp/
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コラム<象さんの散歩> 東京に桜が訪れるのは・・・
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週が明け、やっと春が来た。寒さ異変で、桜の北上はかなりの遅れ。だが、
我が家は桜のお花見には恵まれて、一足早く拝観の栄に。伊豆・河津の田舎家
へ出かけて河津桜を。例年より半月遅れの満開を先々週に堪能できた。菜の花
はもちろん、蜜柑の実、ミモザの花が重なって桜色と黄色の彩りあざやか。
また、中野坂上の我が家の庭向こうの稲荷神社の桜。小さなお社だが、5本
あって、なぜか毎年早咲き。いくつかのビルを遠景に、別の味わいである。
みなさんに申し訳ないような早咲きを楽しんでいたのだが・・。
先週22日の朝日新聞「天声人語」に桜前線の話が出て、なかなかいい文章で
あったが、前日に開花した高知の桜を「全国で最も早い、待ちかねた便り」と
書いていたのはどうか、ちょっと注釈がほしいだろう。
いやいや、その翌日かテレビで「銀座に全国の桜」ということで、各地から
桜の大きな枝を集めて一つの壷に活けていた。妻も「もったいない。何てこと」
と。こっちは釈明がほしい。銀座を往く人たちに春を早く見せてあげたい、と
いっても筋違いだろう。スローライフとほど遠いお花見・・ ∧ 川島正英 ∧
コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その95
~~~ スローな暦は「インターナショナル」なのに・・・
グレゴリオ暦の欠点を修正する暦法は、随分昔からいろいろ提案され、1950
年代には「世界暦」と称して国連に持ち込まれたこともある。一年を7の倍数
である364日(余る日は「無曜日」)にすることで、日付と曜日との関係を毎年
固定することを主眼とし、歳首はグ暦と同じ時期なのだから、筆者の考えとは
隔たりが大きく、その暦法を真剣に検討する気はしない。
暦は政治的・宗教的な支配と不可分だから、中国、露国、仏教、イスラム教、
ユダヤ教、ヒンドゥー教などの世界各国・各地で、覇権勢力との付き合いでは
グ暦を使っても、年中行事には自分たちの暦法を使う。それが我国では、明治
新政府が欧米化一辺倒の方針を採ったため、とくに東京でグ暦万能となり、常
民のスローな暮らしには不都合な珍妙な暦法が長く持続してきたのだ。

コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> メルマガ作り隊
~~~
11年前スローライフ運動を始めてから、媒体がほしかった。とはいえ財力はな
く、印刷物は無理。少し前からようやくこのメルマガ発行となりました。毎週、
執筆者から原稿が届き、私の右隣に座る川島さんがデスクで編集、左隣の篠原
さんがレイアウトして送信します。私は広告や購読者のお世話。みんながボラ
ンティア。地味な媒体ですが、とにかく出したい、と。100号になりました。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=150

■編集室だより
「100号」バンザイ・・
このスローライフ瓦版が「100」号を刻みました。編集室では、野口智子が
今週号のコラム<スローライフ曼荼羅>と、HPにも採りあげている3人が
シュークリームとお茶で乾杯しつつ、今週号の編集に・・。
この「100号」から新しい試みが一つ。写真などのデータを添付して送ること
ができるようになりました。今週号では、<火曜日の鐘>に丸岡一直さんが
すばらしい写真を2枚おくってくれました。また、「日光フォーラム」が終
わって、坪井ゆづるさんが朝日新聞夕刊の論説委員の随筆欄「窓」に旧栗山
村の話を書いてくれていたのも添付しました。いかがでしょうか。
これからも楽しく頑張ります。みなさんも「街角から畦道から」へと楽しい
ペンをどんどんと。「さんか・さろん」交歓も「瓦版」交流もよろしく。
==== 4月「さんか・さろん」は、北海道副知事・多田健一郎さんから ====
『雪解けの北海道へどうぞ・・』の呼びかけです
北海道でも雪が消えてゆく。陽光と花園の季節を取り戻した北海道へどうぞ、
と多田健一郎・道副知事。でも北海道ガイドだけではもったいない。近年は
都市づくりだけではなく、環境、食べもの、文化、また観光などにも新しい
試みを感じさせる道行政についても語っていただく。詳しくは次号で。


■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
鹿児島県
http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html
岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
鳥取市
http://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1196922905996/index.html
佐賀県小城市
http://www.city.ogi.lg.jp/
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/
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最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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