週刊スローライフ瓦版 (2014.3.11 第199号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★3月18日の「さんか・さろん」は、“逸村逸品がテーマ。地域の産品や商品開発に興味のある方へおすすめの内容です。わが会の逸村逸品運動担当・野口智子と丸山薫が「逸品物語」を語ります。詳しくは「編集室便り」をどうぞ。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 早野透(桜美林大学教授) ~~~ いのちをもらって生きる 山形県小国町に行ってきた。私のゼミ生だったミホちゃんが「緑のふるさと協力隊」の1年間の任期が終わり、地元の人たちとのお別れ会が開かれるからである。横浜の都会っ子だった彼女、雪深い農村に入ってなじめたのかな? お別れ会は地元の公民館の畳の部屋。みんなで料理と酒を持ち寄る。「先生、このお菓子のかご、わたしがアケビのつるでつくったんですよ。名人のおじいちゃんに教わったの」「わたしの穿いてるモンペ、わたしが縫ったんです」とミホちゃん。へえ、そんなことできるようになったのか。 「民謡の会」で一緒だったおばちゃんたち、農作業を教わったおじさんたち、未来を語り合った若者たち。昼の1時半から夜10時まで、入れ替わり立ち替わり飲んでは語った。外は2メートルの雪が積もっている。 ミホちゃんの思い出話。トモコさんの家で飼っていた豚をつぶして1年分の食料にしたときのこと。「名前をつけてかわいがっていた家族だからね。お寺で豚のあたまを供養してお経をあげてもらったんだよ。それからみんなで食べた。わたしたち、そんなふうにいのちをもらって生きるんですね」 筑紫哲也さんの「スローライフ」を学んだゼミから、こんな女性が巣立った。学会コラム<緑と絆の木陰> 中村桂子 (JT生命誌研究館館長) 地道に続けることです 3月1日に生命誌研究館の20周年の催しをしました。川島さんも来て下さいました。生命誌研究館の基本は、人間は生きものなのだから小さな生きものたちをよく見つめることで生きているってどういうことだろうと考え、そこから生きることの大切さを思い、命を基本に置く社会をつくりたいという素朴なことです。 20年前に活動を始めた時は、理解して下さる方は決して多くはありませんでした。とくに専門仲間は「君、何を始めるの」という顔をしたのでした。嬉しいことに、今度の会はその仲間たちが皆んな100%の理解を示し、共感してくれる場になりました。感無量でした。 スローライフの活動も、地道に続けることで本質をわかっていただけるようになるという性質のものです。長い道のりでしょうが、それを歩くほかないと思うのです。▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej静岡県掛川市「沖ちゃん塩」。遠州地方沖の須は、終戦直後まで盛んに塩が作られた地。それを住民の方々が復活させました。塩づくりの体験もできます。△△△△△△△△△△△■街角から畦道から 吉田俊実(東京工科大学教授) 私の「北のまほろば」・・2 「方言禁止」と「外国語禁止」と 戦前の子どもたちは、学校でうっかり口から出た方言を叱られて家に帰る。家では、おばあちゃんやおじいちゃん、お父さん、お母さんたちが方言で話しかける。子どもたちは混乱しなかったか。「禁止」。学校では「使用する価値のない言語」としてみなされていたわけである。 この「禁止」は明治政府の方針だったらしい。東北のみならず、共通語教育推進のため学校は方言禁止。お仕置きの「方言札」も。戦後の小学校指導要領からは「禁止」の表現はさすがに消えたらしいけれど、共通語習得を第一義的に置くことは強調され続けた。伊奈かっぺいさんの小学校時代には「禁止」が続く。この方針、多少弱まりはすれども、実は現在も続いている。 ということは、文科省は謝罪も訂正もしていないということ。 このような教育政策のもとで、地域のことば、自分のことばが好きになれるだろうか。その人の自尊心や存在そのものと結びついたことば・・方言。使うたびに何かがささやく。「使わない方がいいよ」。 ああそうだ、どこかで聞いたような話だと思ったら、私の小学校時代の記憶に辿り着く。小学校に入ると同時に私から消えた朝鮮語の断片。使っちゃいけない「ことば」。植民地支配にあっては、人々に最大の屈辱をあたえる政策が「自分のことばの禁止」であり、それによって刻まれる、いわれのない「劣等意識」。傷ついた自尊心が回復するためには明確な謝罪と長い時間が必要だ。「方言禁止」とどこかでつながっているような気がする。 田嶋義介(島根県立大学名誉教授) 上関原発反対で山口県最大の7千人 「3.11から3年」を前に、原水爆禁止山口県民会議と原水爆禁止山口県協議会が初めて共闘するなど50を超える脱原発市民団体が大同団結、8日に「上関原発を建てさせない山口県民大集会」を山口市内の維新百年記念公園で開いた。 主催者発表で県内の脱原発運動史上最高の7千人が結集した。ルポ作家の鎌田慧さん、脱原発詩人のアーサー・ビナードさんがスピーチ。ビナードさんは、「今日は本当の意味で中国電力を愛する集会。経済的に破綻している原発を止め、悔い改めてまともな企業になってもらおう」とユーモアたっぷり。「安倍さん 山口に原発はいらない」の横断幕を「NON」カードで囲んで声を上げた。集会は、安倍政権が原発回帰方針を示し、山口県知事も追随姿勢を見せ、準備工事が中断している国内唯一つの新規立地である中国電力の上関原発建設計画が息を吹き返しかねない危機感から開かれた。(添付写真は集会の様子) ================= PR =====米粉のまち・胎内市から・・・表参道・新潟館ネスパスで米粉をPR! 胎内市の物産展が開催され、米粉で作った「べえべえ」もご紹介。皆さん興味を持ってくれました。http://tainai-komeko.blogto.jp/archives/37445632.html=======■まち・むらニュース・秋田県大仙市 「大曲新作花火コレクション」毎年8月に開く大仙市の「全国花火競技会」は日本一といわれるほどに盛大。その「花火のまち大仙」のイメージアップを図り、地域の活性化させるために花火シーズンを先取りして、その年の新作花火の競技会を行う。全国の若手の花火作家の技術向上にもつながっている。日時:3月22日(土)18:20~会場:大曲ファミリースキー場(大仙市内小友)主催:新作花火コレクション2014実行委員会(NPO法人大曲花火倶楽部)後援:大仙市、大曲商工会議所、大仙市大曲観光物産協会などhttp://www.geocities.jp/omagarihanabiclub/shinsakuhanabi/about.html・徳島県徳島市 人形浄瑠璃フォーラム「あなたに会える郷の舞台」集落に残る農村舞台で、人形浄瑠璃芝居を守り続ける人たち。今回、重要無形民俗文化財である「阿波人形浄瑠璃」の里を会場に、「芝居小屋、人形浄瑠璃による地域づくり」をテーマに、伝統芸能・地域行事の継承がもたらす役割を考えるフォーラムが開かれる。日時:3月15日(土)14:00~の定期公演終了後から会場:徳島県立阿波十郎兵衛屋敷(入場料:一般400円、高・大学生300円、小・中学生200円)主催:関西広域連合「文化の道」実行委員会後援:人形浄瑠璃街道連絡協議会問合せ:とくしま文化振興課 電話088-621-2249http://awajurobeyashiki.blogspot.jp/2014/03/26315.html コラム<象さんの散歩> ますます悲しい「3・11」です~~~ また巡りきた「3・11」。新聞、雑誌、テレビなど「3・11」記事にあふれている。三つに注目しておきたい。一つは『世界』4月号の特集「復興はなされたのか」。とくに被災地で復興活動の中心で頑張る若手3人の鼎談が、高台移転、防潮堤、産業再生という核心の三課題を採りあげて読ませる。 また、NHKスペシャル「無人の町の“じじい部隊”」を観た。福島原発に隣接した福島県大熊町は帰還困難区域。だが、町役場を退職したばかりの最高幹部6人が「きっと」の思い強く、日中だけ町に戻って可能な除染と整理に取り組み、帰還時のあれこれも計画に描く。汚染土の中間貯蔵施設、汚染水貯蔵タンクのなお続く水漏れなども採りあげていいドキュメンタリーだった。 また文春新書『原発敗戦』。著者は朝日新聞の後輩で、敬愛する舟橋洋一氏。民間事故調をつくって、福島原発を検証、その著作『カウントダウン・メルトダウン』は高い評価を得たが、さらに、今回は福島事故を日本の「第二の敗戦」と断じた。まさに、「3・11」のすべては、その眼で捉えたい。 安倍首相は、東京五輪の誘致合戦で「福島原発はコントロールできている」と発言した。だが、街並みを猪や猿が走りまわる映像、汚染水タンクがなおも立ち並んでいく。福島では、肉体、精神の疲労、苦痛が原因だとか自殺に追い込まれたりの「震災関連死」が1660人、津波、地震の「直接死」を上回った。現実の生活も、住宅も産業も、そして何より政治がコントロールできていない。 復旧予算は6兆円が積み増しされたが、巨大公共事業が優先と伝えられ、一方ですでに乱用、悪用が何度か報じられた。負け戦は続く。 ∨ 川島正英 ∧==== PR ====「日光『食』の研究所」から・・・3月になっても、まだまだ寒さは続きますが、路肩に積み上げられている雪の背も、少しずつ低くなっている今日この頃。春先取りのお料理の紹介です。http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-276.html=======コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> ~~~ 牛窓撮影ウォーク岡山県瀬戸内市牛窓(うしまど)、朝鮮通信使が寄港した歴史をもつ古い港町。ここの「わくわくまち歩き@牛窓ウォーク」というワークショップに行ってきました。歩くだけではなく、気になった風景を写真に撮りながらのお散歩。撮影のために、普段より丁寧に町を観察します。撮ってきた写真をもとにみんながおしゃべりします。写真は、地域おこしのいい手段と思いました。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=251■編集室便り □来週18日の「さんか・さろん」は『逸村逸品』をテーマに http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=203 2014年、わがNPO・学会の課題の一つは、逸村逸品への思いをいかに整理 していくのか、「逸村逸品展」をいかに育てていくか、です。 昨年11月の奈良県川上村、ことし1月の青森市でのスローライフ逸品の展示 会は、47の都道府県すべてから募って、100アイテムの作品を揃えたことが 注目を集めました。また、逸品を手に入れたい、一方で販売したい、といっ た声も耳にします。 東京には、自治体のアンテナショップがあり、各地の産物が容易に手に入り ます。しかし、地方では各地域のものを手に取るチャンスがなかなかありま せん。また、お店やネットで買い物はできても、その品物が生まれるまでの 地域でのストーリーや物が地域に与える影響までは、汲み取れないものです。 今回は実際の逸品、あるいは写真をお見せしながら「逸品のストーリー」を ご紹介します。(話し手・野口智子) <内容例> 岩手県遠野市の積木の絵本“だれがどすた?” 栃木県那須町“おいしい那須暦”、長野県大鹿村“山塩 三重県鳥羽市菅島“伊勢海老の干物 奈良県野迫川村“高野マキ”、和歌山県海南市“やさしいたわし 徳島県上勝町の木製椅子型レゴ“てるぺん”……など。 これらの逸品物語を題材にしながら、スローライフ逸品を見出し、育ててい く意味合い、喜びときびしさ、楽しみ、など・・皆さまからのご意見、お知 恵をいただきたく、さんか・さろんへのご参加をお待ちしております。 <編集部:丸山 薫>□スローライフ版・IT塾 ——————————————–Q:フォルダやファイルを開けるときダブルクリックしていますが、いつの間にか1回で作動するようになってしまいました。この敏感な反応についていけず困っています。使いやすくできないものでしょうか。<編集部:野口智子> ▼A:ここを確かめてみましょう。スタート→コントロールパネル→デスクトップのカスタマイズ→フォルダオプション、ここの「シングルクリックまたはダブルクリックの指定」の「クリック方法」を見てください。もし「シングルクリックで開く」にチェックが入っていたら「ダブルクリックで開く」に変えてください。あとはダブルクリックの間隔の調整ですね。これもコントロールパネル→「簡単操作センター」にある「マウス設定」で自分に合った間隔に変えることができます。お好みに合わせて試してください。