


瓦版 2023.5.23 第672号 坪井ゆづるさんのコラム掲載

瓦版 2023.5.16 第671号 中村桂子さんのコラム掲載

「瓦版」が250号に。その記念はともかく、北陸新幹線の特集。「編集室便り」
に同志・同人四氏から期待や決意を。また「逸村逸品」「まち・むらニュース」
「スローライフ曼荼羅」でも北陸の話題を。諸兄姉の“北陸談義”もどうぞ。
コラム<火曜日の鐘> 丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)
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統一地方選、もうすぐですが
雪の多い冬でしたが2月下旬から雪どけが一気に進み、庭先の福寿草も膨ら
み始めました。と同時に動き始めているのが統一地方選挙です。
といっても、過去の辞任劇や合併などで「統一」は名ばかり。私の地元では
県議選があるだけですが、どうも様子がおかしい。告示まで1カ月を切ったと
いうのに立候補予定者が少ない。県内14選挙区のうち半分の7選挙区で無投票
がささやかれています。人口減社会の現実を目の当たりにして、いまこそ活発
な議論を望みたいのですが、このありさまをどう考えたらいいでしょう。
秋田県だけの特殊性か、全国的にも同じことが起きているのか。
そういえば、飲み屋の店先で泡を飛ばし、政治を論じる若者の姿は見かけな
くなりました。政治に魅力がない。自分のことで精一杯だ。わからなくもない
のですが、「あなた任せ」で望ましい社会に近づいていけるのか。大いに気に
なっています。
学会コラム<緑と絆の木陰> 増田寛也(野村総合研究所顧問)
「地域協働」が学部になった
早咲きの河津桜が見ごろを迎えた。間もなくソメイヨシノの開花便りも各地
から届くだろう。一足早く春本番を感じさせるポカポカ陽気の一日、高知大学
での「地の(知)の拠点整備事業全国シンポジウム」に参加した。
深刻化する地域課題に対して、地元自治体と連携して地域を志向した教育・
研究・社会貢献を進め、地(知)の拠点の役割を果たそうとする大学が増えて
いる。同事業には全国82の大学が参加している。
なかでも、高知大学には、全国で初めて、この4月に地域協働学部が誕生す
る。「地域協働」が、ついに学部の名前となる時代がきたことに、深い感慨を
覚える。同学部の売りは「産直教育」。つくり手の顔が見える教育で、イキが
よく栄養たっぷりの人材を育てるとしている。同学部のパンフには県全体を丸
ごとキャンパスとした「放し飼い教育」、「もどりガツオ教育」など魅力的な
言葉が並ぶ。新入生には島留学で有名な島根県海士町の隠岐島前高校の卒業生
もいる。
ソメイヨシノは成長が早く花つきがよいという。同学部から満開の桜の巨木
が巣立つことを願っている。
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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej
富山県高岡市「てのりん」。北陸新幹線・新高岡駅では発車音に使われる高岡
特産、“おりん”のミニ製品。手にのるかわいい、癒しグッズです。
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■街角から畦道から
竹内義昭(東京都杉並区) カズコさん――老々介護の現実 (15)
カズコさんの朝は、体温と血圧の測定で始まる。体温計を脇に挟んで2、3分
後に見ると温度が上がっていないことが多い。体温計があることを忘れて手を
動かしたり、再び寝入ったりしてしまうからだ。
無事計測を終えると、今度はベッドから起き出させる戦い。時々「腕が痛い」
「腰が痛い」と訴えるのは、起きたくないというサイン。初めのうちは、真に
受けて救急車を呼ぼうか、車で病院に担ぎ込もうか、などと迷ったものだが、
30分ほど放っておいて声をかけると素直に起き上がる。「どこか痛くないの」
と聞いてみると「何ともない。大丈夫」という。
「痛い」は言い訳だったのが救いだ。
■まち・むらニュース
・石川県金沢市 おもてなし大茶会
茶道が盛んな土地としても知られる金沢。北陸新幹線の開業に際し、金沢駅に
到着したお客にお茶と和菓子が振るまわれる。14日は裏千家、15日は表千家が
担当。正式なお点前の立礼席は一日500人、フリー茶席1500人分が用意される。
日時:3月14日(土)・15日(日)9:00?予定数量終了まで
場所:金沢駅兼六園口「もてなしドーム地下イベント広場」
主催・問合せ:金沢商工会議所・金沢市TEL076-263-1151
http://www.kanazawa-cci.or.jp/food/tea_party/index.html
・新潟県上越市 上越妙高駅開業記念?「越五の国」
「上越妙高駅」を玄関口とする上越市、妙高市、柏崎市、十日町市、佐渡市の
五市が力を集結、志をひとつにして、旅、食、歴史、文化、人をキーワードに
「越五の国」を発足させた。駅開業を祝い、食のイベント、雪行燈や伝統芸能
が繰り広げられる。
日時:3月14日(土)10:00?20:00・15日(日)10:00?17:00
会場:上越妙高駅構内と駅周辺
主催・問合せ:新幹線まちづくり推進上越広域連携会議事務局
TEL025-526-5111 http://www.echi5.jp/start.echi5/
コラム<象さんの散歩> 「政治とカネ」の暗雲はいつ晴れるのか・・続
国会の「政治とカネ」論議は、企業・団体への献金について、さすがに政治
資金規正法の見直しに動くようであるが、昨年末の国会から続き、閣僚の答弁
や責任の取り方を見るにつけ、これでいいのか、と思わざるを得ない。
もはや、選挙の仕組みを変えるしかない。こんな複雑になった社会での政治
に対する民意の表わし方がいまや単純過ぎる。かねてから考えてきた。
一つは「推薦候補」の仕組み。総選挙前の段階で予備選挙を行う。「候補者」
を選ぶ選挙。だれでもいい、「候補者」にしたい人を書く。自薦も他薦もあり、
運動も自由だ。投票の結果、20%以上とか、予め定めた票を集めた人を、本番
の総選挙の「候補者」名簿に従来並み立候補者と並べて載せるのだ。
いま、選挙で「投票に行こう」「棄権しないように」と呼びかけ、さらには
投票したい候補がいなくても“次善の人を”と説く。が、この複雑な社会では
それは無理な注文というべきで、補う制度をつくろう、と考えるのだ。
もう一つ。投票で「どうしても信任できない候補者」を意思表示する仕組み。
最高裁判所裁判官の国民審査で「罷免を可とする票」が過半数になれば5年間
は職を離れる。国会議員も同じ審査を受けるべきではないだろうか。総選挙を
「政治とカネ」の“みそぎ”の場にも見立てて一石二鳥・・ ∨ 川島正英 ∧
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「奈良県十津川村」から・・
今、書店に並ぶ、都市と田舎を繋ぐ雑誌『TURNS』4月号に、十津川村、そして
谷瀬集落の村おこしの記事が載りました。更谷村長とJT生命誌研究館・中村館
長の対談は、興味深い内容。のどかな谷瀬の日常もよくわかります。
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 「特急はくたか」ありがとう
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富山県高岡市と、長いお付き合いがあります。そのため今回、北陸新幹線開通
で消える「特急はくたか」には、ずっとお世話になりました。越後湯沢からの
ほくほく線の車窓から豪雪地帯の暮らしを間近に眺め、日本海側を走るときは、
海原に向き合う漁師小屋に何度もカメラを向けたものです。台風や吹雪で大幅
に遅れ、てんてこ舞いしたことも。車内販売の「餡ころ」は夫の好物でした。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=303
■編集室便り
□ 今週14日、北陸新幹線が開通します・・・
わが学会、NPOは、看板の一つに「ゆっくり」を掲げてきました。自然の
移ろい、季節の流れ、動物や人の動き。いずれにも、ふさわしくゆっくり、と
おつきあいしています。
鉄道という乗り物の速さについても。理事の中村桂子さんは、東海道新幹線
では「ひかり」までね、「のぞみ」は好ましいとはいえません、と。
そう、私も、「ひかり」派です。
「のぞみ」は望まず、「ひかり」を愛用している。もちろん「かがやき」
「はくたか」「つるぎ」「あさま」も大歓迎したい、活用したい。
北陸新幹線の開通、大歓迎。当然です。そこを、わが学会同志、瓦版同人、
の四人に、書いていただいた。 (川島正英)
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<飯山> ●木村宏(一般社団法人信州いいやま観光局飯山駅観光案内所)
祈願の北陸新幹線・・「飯山」にも停まります
この北陸新幹線、正式な名称は北陸新幹線(長野経由)となったはずなのに、
どこにも括弧付き記載はみあたらない。「飯山」にも停車すると知っている人
はどれくらいだろうか。アンケートの新幹線開業で行きたいところに「飯山」
は出てこない。まあ、悔しさ半分、納得半分。でも、少なくとも今まで以上に
乗降客が増えるのは確かなことだし、二次交通の便もよくなる。
何より、この地の武器は、ゆったりと時間が過ぎゆく里山文化を色濃く残す
風情だ。金沢のきらびやかさや富山の海の幸三昧などはないけれど、静かに、
ゆっくり、人と自然が織りなす心地よい自然環境はどこにも負けない。
じいちゃんばあちゃんが温かく迎えてくれる民宿や、都会を脱して自然の中
での暮らしに興味を持つオーナー夫妻のペンション。高原のスタイリッシュな
リゾートホテル。近隣には老舗温泉旅館と多彩かつ多くのニーズに応えられる
宿泊施設も多い。まさにそれぞれのライフスタイルにあった心地よい滞在空間
が提供され、山里に暮らす人々が伝えてきた郷土食も楽しめる。
人が良い、空気が良い、水が良い。米や酒もうまい。都会にない景色がある。
新幹線で一時間半あまり。さっと来てゆっくりする田舎こそ「飯山」の魅力。
金沢や富山みたいにたくさんの人がこぞって訪れる場所というよりは、飯山の
ことが気に入った人々が静かに気軽に家族のように通ってもらいたい。よかっ
たら、金沢の帰りにお立ち寄りください。のんびりお待ちしています。
<上越妙高> ●白倉徳一(新潟県妙高市役所妙高支所長)
千載一遇のダブル・チャンスを活かして
妙高市地内を通るルートはすべてトンネルですが、市境から直線で2kmほど
の所に新幹線の上越妙高駅が位置します。東京駅までは、最速で1時間46分で
行き来できます。妙高市は、観光が市の重要な産業の一つとなってきました。
豊富な雪にも恵まれ、外国人観光客が増えています。新幹線の利用で移動時間
が減れば、目的地での滞在時間が増え、妙高の魅力を堪能できる範囲も広がる
というものです。人口減少が進む中、新幹線の開通で観光客が増えてほしいと
期待することは、どこの沿線自治体も同じと思います。首都圏からの移住者や
企業進出の可能性が高まることへの期待感もあると思います。
そんな中、妙高市に強力な追い風が吹きはじめています。現在の上信越高原
国立公園から分離され、全国で32番目の「妙高戸隠連山国立公園」が誕生しま
す。このタイミングが新幹線の開通と重なることは、地域振興につながる千載
一隅のチャンスです。
市では「新幹線・国立公園を活かした交流人口の拡大」を重点プロジェクト
として、幅広い事業に取り組みはじめています。また、県内の5つの関係する
市(上越市・柏崎市・十日町市・佐渡市・妙高市)が連携し、“越五(えちご)
の国”と銘打って、四季を満喫できる景色や伝統の郷土料理、多彩なイベント
などのPRに努め、多くの皆さんから愛される地域を目指しています。
<高岡> ●上田耕一(高岡スローライフ逸品研究会)
次の夢を描きたい
待望の北陸新幹線が開業する。東京から大阪までの北回りルートとして発案
されたのが約50年前。半世紀の時代を経ての夢の実現は、言葉では表現ができ
ないくらいの喜びだ。
地方では、人口減少が急速に進んでおり、北陸新幹線の開業による交流人口
の増加や企業の地方進出などによる地域活性化への期待は大きい。沿線地域で
は、観光のPRや首都圏からの利便性の向上を前面に出しながらその受け入れ
態勢を築き、開業効果を最大限に引き出せるよう活動を続けてきた。多くの人
が北陸を訪れる姿が目に浮かぶ。
一方、新幹線はプラス効果だけでなくマイナス効果もあることは言うまでも
ない。あまり消極的な発言は避けたいところだが、決して新幹線開業がゴール
ではなく、新たなスタートと考えるべきだ。そのためにも次のゴール(夢)を
描き、実現を目指さなければならない。
<金沢> ●高峰博保(ぶなの森、日本エコツーリズム協会理事)
環境と健康のプログラムを提案しよう
新幹線金沢開業の持続的効果を生み出すために必要なのは、連泊や長期滞在
したくなるプログラム、プランの提案です。そのテーマの柱は、環境、健康。
環境とは、地域の自然環境や景観、文化等を保全しながらそれを活かす楽しみ
のプログラム。環境教育などに活かす場合も、エコツーリズムの発想を基本に
据えるべきです。環境の保全と活用のバランスを追求すること、地域に経済的
成果を残すこと、地域振興に貢献すること、が基本で、かつ、再度訪れたいと
感じていただくためには対話型の構成が基本とならないといけません。
具体的には、一人のガイドが5?6名のお客様を案内し、すべてのお客様と
双方向で対話する。有償のプログラムで、ガイドが経済的自立を目指すことが
不可欠です。お客様から頂戴した参加費の一部を環境保全や文化伝承に活かす
ことも大事です。プロとしてのガイドが育ち、お客様の満足度が高く、地域人
と過ごす時間価値が高いことが理想です。そのようなガイド育成に、地域全体
で力を入れるべきです。
健康や美を追求するヘルスツーリズムのプログラムにおいても同じことです。
持続する関係づくりを念頭におき、メンテナンスされた明るい空間で、ゆるや
かな時間を共有しようとすることが、旅人と関わる全ての人々に期待されます。
地域内連携でお客様との関わりを深化できるようになりたいのです。
□スローライフ学会の「自治体会員」へどうぞ・・
道府県、市町村職員の諸兄姉へ
スローライフ学会・NPOは、これまで個人会員の活動に重きを置いてきまし
たが、昨年から自治体会員の募集に力を入れています。わが学会の会長でも
ある増田寛也さんの“増田警告”によって注目を集めつつある人口減少問題に
立ち向かう。それには、地域にスローライフのこころを広めていくことが大切
だと考えるからです。「まち・むらをちびっ子の遊ぶ里へ」をスローガンに、
連携を深めたい。人口問題の具体策をたてるお手伝いをさせてください。
私たちは、人口減少に直面して、将来に向けた対策を考え、また行動していく
「まち・むら」を全力で応援します。ぜひとも、地域ごとにご検討ください。
この考えに賛同いただく自治体からのご一報をお待ちします。
◇年会費:50000円。
◇自治体会員になると
(1) 参加費割引があります。
(2) ホームページにバナーをつけられます。
(3) メルマガ「スローライフ瓦版」に記事を掲載できます。
(4) 記録を見られます。
(5) 特別セミナーに参加できます。
(6) 年に1回、事務局が講師としてがうかがいます。
(7) さらなる展開のご相談に応じます。
詳しくはこちらから
http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3
□スローライフ版・IT塾 ——————————————–
Q:パソコンの中身を整理していて、ファイルをあるフォルダから別のフォル
ダに移すと、元のフォルダにファイルが残っているときがあります。元のフォ
ルダのものは必要ないのでその都度ゴミ箱に入れています。面倒なので簡単に
操作できる方法があれば教えていただけませんか。<編集室:篠原伊佐武>
▼
A:操作するとき、マウスの左ボタンを押したままファイルを動かしていたの
ではないかと思いますが、これだとコピーの動作となり、元の場所と新しい場
所それぞれにファイルが作られます。そこで、マウスの左ボタンではなく、右
ボタンでやってみてください。移動先に持って行って手を離すといくつか選択
する画面が出てきますが、その中に「移動する」があります。この「移動する」
を選択すると、元の場所からは消えて新しい場所に移動します。意外と便利な
ので、コピーと移動を使い分けてはいかがでしょう。
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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
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最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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