瓦版2015.4.14第255号

新年度になりました。「スローライフ学会」会員の方々は、今年度分の会費を

お願いします。今年からの入会も大歓迎です。個人会員と自治体会員がありま

す。詳しくはこのメルマガの末尾、「編集室便り」をご覧ください。



コラム<火曜日の鐘> 山下茂(明治大学公共政策大学院教授)

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実るほど頭を・・・


テレビの「マッサン」が終わった。小生、若い頃はスコッチ・ウィスキーの

ファンだった。勉学に疲れたら気付け薬に、眠られぬ夜には寝酒に、と常に頼

りにしていた。あのせいで思い出し、もういい歳だ、「生命の水」が生む喜びを

抑圧してまで長生きすることもない、あの頃に戻ろう・・・。いや、心を鬼に

して麦酒に踏み止まろう・・・。今なお、心は揺れている。NHKも罪なことを

してくれた。

あのイントロ部分では、主人公たちよりも背景の方が目に入った。黄金色の

麦の穂が一面に広がる光景だ。ミクロに見ると、実った麦の穂は、真っ直ぐ天

空に向かって伸びている。それまで気にしていなかったが、「実るほど頭を垂

れる稲穂」とは正反対。麦の穂は「実るほど頭をもたげる」のだ。

それで思う。ああいう穀物を食べる人たちと、お米を食べる我々とでは、生

き方に違いが生まれやせんか?世間では、一対の概念を使う二分法で、異なる

文化の差異を説明したりする。「タテ」vs「ヨコ」社会、「恥」vs「罪」の文

化という程度の二分法でも昔は流行ったのだから、「米」vs「麦」社会と二分

し、「実るほど・・・」の差で説明するなんて言うのでも、案外あたるやもし

れぬ。

問題は、そこから我々の方がスローライフ向きだとコジツケられるか?だ。

というところで、今週は一区切りとしよう。多くの方々から賛否両論の知恵を

頂きたいので、わざと時間をかけてスローに考察する・・・、また、この次に。



学会コラム<緑と絆の木陰> 中村桂子(JT生命誌研究館館長)


地面は緑や黄や白や紫で



庭にニリンソウが咲きました。以前は武蔵野にたくさん生えていた野草です

が、消えつつあるようで、あまり見なくなりました。幸い我が家の庭の一隅は

気に入られているようで、毎年小さな白い花をつけてくれます。

ちょっとした気候の変化が影響するのでしょう。年によって数が変わるので

すが、今年はとても御機嫌がよく、幸いです。一つの茎に二輪、でも一緒に同

じように咲くのではなく、一方が少し先に咲きもう一方は蕾ということがよく

あります。もう暫くの間楽しめます。

その近くを探してみると、春の七草のセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、

ホトケノザのどれもが地面近くにやさしく葉を開き花をつけています。スズナ、

スズシロは八百屋さんに行くとして。一月七日の七草がゆの時はスーパーマー

ケットにお世話になるほかありませんが、今なら皆身近にあります。

日本の春と言えば桜です。電車に乗っていても歩いていても、木を覆いつく

すような薄いピンクの花は眼の保養になり、幸せな季節です。でもそれと共に、

足元の小さな花も懸命に生きており、一つ一つの花を見ると本当に可愛く美し

い姿をしていることを忘れないでいたいものです。野草たちはたくましく都会

の隅にもいますから。



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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

宮崎県都城市「いぶし味噌だま」。築100年以上の古民家で「地場産品」の

食文化を提案している「もちなが邸」の味噌だまです。日本の知恵の保存食。

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■街角から畦道から


竹内義昭(東京都杉並区) カズコさん――老々介護の現実(20)


認知症も要介護3クラスになると、同居家族の負担がかなり重くなる。カズコ

さんは、食卓の上にあるものは何でも口に入れようとする。化粧水を飲みそう

になったり、ティッシュを丸めて食べたりするので一時も目を離せない。

トイレも一人では用を足せないので、2、3時間おきに誘導する必要がある。

私72歳、妻63歳の老夫婦が2人がかりでようやく見守りを果たしている格好だ。

私たちの人生設計も狂った。仕事から解放される定年後は旅行やゴルフでのん

びり過ごそうと目論んでいたのに、すっかりあてがはずれた。いつになったら

自分たち本来の老後を取り戻せるのか、予測できないのがやっかいだ。



■まち・むらニュース


・青森県十和田市 桜流鏑馬


桜並木の美しい「駒街道」が桜満開の時期に開催される流鏑馬。馬を駆るのは

すべて女流騎士、馬はすべて和種(日本の馬)というのは日本唯一ここだけだ。

華麗な衣装とともに、南部駒末裔の馬たちの登場も見どころ。

日時:4月25日(土)?26日(日)10:00?14:00

会場:十和田市中央公園(十和田市西三番町3、十和田市官庁街中心)

問合せ:桜流鏑馬実行委員会 TEL0176-26-2945

http://denmira.jp/?p=6495



・長崎県長崎市 長崎帆船まつり


日蘭交流400年を記念して始まり、15回目を迎える。世界各地から帆船が集まり、

春の華やかな国際都市長崎を堪能できる。クルーズや帆船の内部見学をはじめ、

さまざまな催し。夜にはライトアップされた帆船の上空に花火も・・。

開催日:4月25日(土)?29日(水)

会場:長崎港周辺(JR長崎駅から路面電車で「出島電停」下車)

問合せ:長崎市コールセンターあじさいコール TEL095-822-8888

http://www.at-nagasaki.jp/festival/hansen/



コラム<象さんの散歩> 岐阜・根尾谷の淡墨桜を訪ねた


お花見が続く。先週末は、念願の岐阜県根尾谷の「淡墨桜」を拝顔できた。

家族三人で名古屋市の徳川美術館へ出向く機会に恵まれたからだ。美術館から

先週末の特別展示「尾張の茶道と香道」へどうぞ、とお誘いを受けた。

妻・宏子が、實父を亡くしたとき、父の愛蔵美術品のいくつかを美術館へ贈

った。今回の特別展に、そのうち掛け軸とお茶碗が展示され、久しぶりに会い

に出かけた。

その気持ちの流れで「淡墨桜はどうかな」と調べたところ・・ちょうど満開、

さらに小説「薄墨の桜」を書いた宇野千代が宿泊した旅館・住吉屋に空き室が

あって泊まれることもわかった。私は、朝日新聞での初任地が岐阜支局だった

せいもあり、その桜のすばらしさ、神々しさを聞かされて訪ねたいと思い続け

てきた。でも、岐阜方面に用務があって、しかもそのときに淡墨桜が開花して

いなければならないのだ。その条件、いや、夢が、50年ぶりに叶った。

国指定の天然記念物。樹齢1550年。高さ16?、枝の拡がりは27″6?×25?。

巨幹はつぎはぎだらけで、苔むし、添え木も40本近い。だが、淡い桜色の花が

その黒い樹いっぱい。夕暮れの林から浮きたつ。感動のほかなかった。

夕暮れが迫って、やや待ってライトアップされての淡い桜。古木の起死回生

の物語はすさまじい。この樹に咲く花の美しさの不思議・・ ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

十津川村の災害復興公営住宅の建設事業が、このほど独立行政法人建築研究所

の「建築研究所すまいづくり表彰地域住宅賞」を受賞しました。

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/contents/1426152855717/index.html

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> ゆっくり体験

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NPOスローライフ・ジャパンが応援する奈良県十津川村谷瀬で「ゆっくり体験」

が行われました。昨年春整備した「ゆっくり散歩道」を歩き、今年3月にでき

た水車を眺め、名産の高菜漬けで「めはり寿司」を作り、むらの行事「餅まき」

にも参加する1日。定員20名のところ30名が参加し、運営する集落の人たちは

うれしいやら、あわてるやら。でも、とってもいい体験ができたと思います。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=308



■編集室便り


◇4月21日(火)の「さんか・さろん」


話題の元気いっぱいの町、島根県海士町のお話



田嶋義介さん(島根県立大学名誉教授)から


まち・むらの人口減少時代に入って、国も、地方創生を新年度予算の最大課題

として取り組んでいます。スローライフ学会でも増田寛也会長が、だれよりも

早く「増田警告」を発し、以来、まち・むらへの呼びかけを強めてきました。

わがNPO理事・田嶋さんの今回のレポートもその一つです。


今回のさろんのタイトルは、「人口増に手が届く離島、隠岐・海士町の内側」。


押し寄せる過疎化と財政難の中で、2004年に「最後尾から最先端へ」を掲げ、

自立への道を歩み始めた約2400人の小さな町の成功物語にはいくつもの“秘密”

があって、その一つに自立資金を生み出すために始めた給与削減があります。

「自らの身を切らない改革は支持されない」との山内道雄町長の考えから。

2億円を生み出し、地場産業起こしにつなげた。そういった小さな町のサクセ

スストーリーを探る話です。


○日 時:平成27年4月21日(火)19:00?21:00

○会 場:クオリティKK・会議室マーキュリールーム

(千代田区麹町3―3KDX麹町ヒ゛ル6F・最寄り駅―地下鉄麹町駅)

http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html


○講 師:田嶋義介さん(島根県立大学名誉教授)


○タイトル:「人口増に手が届く離島、隠岐・海士町の内側」

○主 催:スローライフ学会・スローライフ・ジャパン

○参加費:会員1000円、一般2000円(学生500円)

どなたでも参加できます。

○申込み:4月20日までに下記へ。(定員になり次第締切)

メール

TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554



◇平成27年度の会費をお願いします。 新会員も募集中。


スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会

です。(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)

スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、

全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。



年会費5000円(自治体会員は50000円)、

この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したり。

会費は下記の口座へお振り込みください。


【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190?4?595293 スローライフ学会

三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会


詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3




□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:出張が多くて、その都度パソコンやケーブルを持ち歩いているんですが、

荷物がかさばったときは宅急便で送っています。クッションになるように洋服

でくるむようにしていますが、問題ないですか? <編集室:野口智子>

  ▼

A:その方法であれば問題ありません。気をつけた方がいいのは、キャリーケ

ースで運ぶときです。段差のあるところや点字ブロックを通過するときに振動

が伝わることがあります。荷物を詰める際、下の方にタオルや衣類などを入れ

てその上に置く方が無難です。カメラなども同様です。



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クオリティライフから・・・

五穀豊穣・生命力あふれる雑穀の世界、今回は「タカキビ」をクローズアップ。

「タカキビローフのハーブソース添え」を作ります。4月18日(土)11:00 ?

お申込はこちら >>> http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=oYAsudwA5QUZ

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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