瓦版2016.3.29 第304号

吹けば飛ぶような事務所ながら、やはり人並みの「多忙な年度末」を味わって

います。フォーラムなど自治体向け活動の最終作業とか新年度の手続きなどの

あれこれ。あと、会員諸兄姉へ「新年度のお願い」の便りも続くのですが・・。

・・・・



コラム<火曜日の鐘> 丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)

~~~

最高裁の逆転判決


今月1日にあった最高裁の判決は、久々に胸のつかえがおりるニュースでし

た。91歳の認知症高齢者がはねられた列車事故。その損失をJRが高齢の妻と

遠くに暮らす長男に求め、一・二審は家族の責任だとしたのを破棄する逆転判

決だったからです。

施設から在宅へ。「介護はできるだけ家で」というのが国の方針です。でも、

ひとたび外出して何らかの事故を起こすと家族が責任を問われる。それでは徘

徊の可能性のある高齢者は家に縛り付けておくしかないではないかと、家族の

不安が高まっていました。ひとまず、安どできたのです。

とはいえ、事故で他に損失を与えればだれかが責任を負うべきは当然です。

今回の賠償請求も、根拠は民法の監督義務でした。しかし、古い民法が今日の

高齢社会や徘徊の問題を想定していたとは思えません。「在宅」を叫ぶなら、

想定される損失の負担方法を含めて、適切な法整備が必要だったことでしょう。

逆転判決が照らし出したのは国の対応の遅れ、不作為だったかもしれません。



学会コラム<緑と絆の木陰>



坪井ゆづる(朝日新聞東北復興取材センター長・仙台総局長)


被災地の幽霊


震災から5年が過ぎたことを、いろんなところで実感する。防潮堤の威容や

集団移転での新築ラッシュといった目に見えるものだけではない。被災者の気

持ちも、徐々に変化している。幽霊の話は、その一例ではないか。

東北学院大の学生たちが今春の卒論でまとめた。たとえば、宮城県石巻市で

タクシー運転手に聞いた話。初夏、季節外れのコート姿の女性が乗り、「南浜

まで」と告げる。「ほとんど更地ですが構いませんか」と尋ねると、「私は死

んだのですか」と震える声で答えた。驚いて振り向くと、誰もいない……。

こういう話は以前から、ささやかれてきた。行方不明の家族を見たと知らせ

てきた男がいた。喜んでいたら、彼はすでに遺体が確認された人だった。青信

号なのに前の車が動かないので注意したら、「こんなに多くの人が横断歩道を

渡っているんじゃ無理だろ」と真顔で言い返された、などなど。

2万人近くが亡くなったのだから、幽霊もいるだろう。そう思っていても、

人前で話題にすることははばかられる雰囲気があった。それだけ、被災地では

肉親や知人の「死」が身近にあり、軽々には語れなかったのだろう。あのころ

に比べれば、5年の歳月が、被災地での「死」との向き合い方を少し変えたの

だと思う。


 

▽▽▽▽▽▽▽▽

 














【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

和歌山県田辺市「美柑のハンドクリーム」。柑橘の魅力を新たに「和のコスメ」

として発信。甘酸っぱくスッキリとした、なつかしい香りのクリームです。

△△△△△△△△△△△



■街角から畦道から


  竹内 義昭 カズコさん(55)


サクラの便りが届いたことで、カズコさんは懸念された風邪をひくこともなく

無事冬を乗り切った。自宅にいた時は私たち夫婦が気をつけていればよかった

のだが、施設では職員や入所者らが多数いる。


インフルエンザの予防接種もし、施設側も最大の注意を払っている。食事の介

助で訪れる家族も消毒、手洗いとマスク着用が義務付けられている。万全と思

っていた。


ところが、最近入所したばかりの人が結核で入院したとの知らせ。しかも食事

時、同じテーブルでカズコさんの正面に座っていたらしい。入所から入院まで

1週間だったが、感染の可能性ありだ。カズコさんだけでなく、私たち夫婦も

危機に直面している。



■まち・むらニュース


・岐阜市 中将姫誓願桜 観桜会


樹齢1200年とされる中将姫誓願桜は、花弁が20?30枚のヤマザクラの変種で、

国の天然記念物に指定されている。虫害で枯れる寸前に、地域住民の保存活動

でみごと蘇った。今年は桜の保存会設立から30年をむかえる。

開催日:4月3日(日)11時?

場所:願成寺(JR岐阜駅からバス「光輪公園口」下車)

問合せ:成願寺TEL058-243-2154 http://ganjouji.wix.com/chujouhime



・宮崎県西米良村 春の山菜バイキング


村の春夏秋冬を体験してもらう「四季まつり」。春のイベントは、面積の96%

が山林の村で採れる山菜のバイキング。地採れの山菜での天ぷらやカレーなど、

春を感じながら数々の山菜が楽しめる。

開催日時:4月中の毎週日曜日 11時?14時

場所・問合せ:西米良温泉ゆた?と(児湯郡西米良村村所)TEL0983-41-4126

料金:山菜料理食べ放題 大人1600円、小学生以下1000円

http://www.yutato.com/



コラム<象さんの散歩> 情報弱者、情報古典派の独り言


先週に続き、情報弱者、情報古典派の独り言となるが、きょうは、まったく

別の話題で。囲碁について。囲碁の人工知能「AI」君が、囲碁で世界最強の

韓国棋士を4勝1敗で破って話題を呼んだニュースからの連想であった。

脈絡もなく、何人かの“碁敵”を思い起こした。故安江良介さん(岩波書店

社長)。彼が美濃部東京都知事の特別秘書、雑誌『世界』編集長時代から盃を

交わしつつ盤を囲むこと多く、また囲碁界超有名人の藤沢秀行、白江治彦さん

と顔合わせの機会をつくってくれた。足立一郎さん(元関西電力取締役)。彼

が上京する、逆に私が大阪へ行けば必ず連絡、宿で数局を打つ。広瀬道貞さん

(元民放連会長)。テレビ朝日社長室で密かに碁盤を囲むことも何度か。

朝日新聞の岐阜支局時代、週一度の宿直日は、相棒の先輩から碁もたっぷり

教わった。朝日新聞の大恩人・信夫韓一郎さんが吉川英治家に伝わった碁盤を

もらい受けていて、その中の碁笥を結婚祝いとしていただいた、などなど。

すばらしい思い出いろいろ。碁の実力は未熟で、初段の免状しか持たないが、

対局の前後に会話を、また盃や杯を交わして楽しむ派である。

いかにインターネット囲碁の時代が進もうとも、「情報弱者」「情報古典派」

として肩身が狭かろうとも、“象さん”が、人工知能「AI」君の仲間と手合

わせする場面だけは、全くあり得ないのは確かだろう・・ ∨ 川島正英 ∧



================= PR =====

「奈良県十津川村」から・・

十津川村の風景を集めた切手10枚が、オリジナルミニポスターのフレームに収

まって1″230円で販売中。五條郵便局から、十津川村方面の郵便局で。綺麗で

軽い、お土産におすすめですね。期間限定なのでお早めにどうぞ。

=======



コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 新美ちゃん

~~~

大学生と地域が連携し、各地で地域おこしの動きが起きています。これは大学

と地域双方に大変プラスになります。そんな好例を見ました。奈良女子大学大

学院生として十津川村谷瀬に通っていた“新美ちゃん”、彼女の笑顔は集落を

元気にし、むらの自然と人々の情けが彼女を大人に育てました。むらおこしに

目覚めた彼女は、この春「地域おこし協力隊」という社会人になります。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=356



■編集室便り


◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは

こちらまでお願いします。↓



==== PR ====

クオリティライフから・・・

春野菜がどんどん美味しくなってきています。クズ野菜や干しシイタケ・昆布

などで作る「基本の野菜だし」はいかがでしょう。「たまな食堂」のHPから

ヘルシーレシピが学べます。http://tamana-shokudo.jp/365/?p=270

=======



■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



=======


最後までお読みくださって、ありがとうございました。

このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへ


このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとの

ご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、

お気軽にお付き合いください。


今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメール

アドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。


=======


Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会



〒160-0002

東京都新宿区四谷坂町9?4 リカビル301

TEL 03-5312-4141  FAX 03-5312-4554

http://www.slowlife-japan.jp/