瓦版2016.9.13 第328号

今月の「さんか・さろん」は、わが学会とおなじみの尾田栄章さんの登壇です。

“水の権威”に、かつて「奈良シリーズ」で吉野川を語っていただきました。

今回は「飯山シリーズ」。日本の水・千曲川の水を・・(詳細は「編集室便り」)

・・・



コラム<火曜日の鐘> 丸岡 一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)

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むのたけじさんの足跡


学校を終えて帰郷したころですからもう40年以上になりますか。生意気盛り

の若者が談論し、町の文化祭を根こそぎ変えてやろうと話がまとまりました。

趣味やおけいこごとの発表会ではなく、地域、社会を考える催しにしようと。

「生きて、愛して、働いて」。いま思えばこそばゆい、それがテーマでした。

第1回の講師に招いたのがむの・たけじ氏です。小学校の教室を会場にした

講演は、まさに口角泡が飛び、机をたたき揺らす。底知れないマグマがものを

言っている。そう感じられ、胸が震えました。100歳を超えてなお反戦と平和

を叫び続け、8月21日、死去。先週のコラム<象さんの散歩>で川島さんもふ

れていましたが、101歳の現役ジャーナリストでした。

折しも「2度と戦争をしてはならない」と叫び続けたむのさんが大きな危機

を抱いた歴史の転換期。今度はキミたちの番だよ、と重いバトンを渡された気

がしています。故郷の秋田県横手市で、市立図書館が急きょ「追悼コーナー」

を設け、主要な著作を集めて閲覧を呼びかけています。



学会コラム<緑と絆の木陰> 坪井ゆづる(朝日新聞論説委員)


大震災から5年半


裏庭の木々の間から、いつもは空が見える。でも、あの日、あの時は木立の

向こうに海があった。5年半前の「3.11」。迫り来た津波から危機一髪で生

き残った男性(56)の話を先日、宮城県石巻市で聞いた。「がんばろう!石巻」

の看板の隣にある「南浜つなぐ館」。震災前の町並の立体模型を前に、被災者

がみずからの体験を語る「公開かたりべ」の催しがあった。

彼は避難所から車で、海岸近くの自宅まで防寒具や食料を取りに戻って津波

に出くわした。自宅前の角を曲がろうとした瞬間、海の壁が見えた。猛スピー

ドでバックした。道路沿いの家々が次々に爆発していく。家屋は押し流される

のではなく、破裂して木っ端みじんになった。轟音と土煙は覚えているが、不

思議と水の記憶はない。途中で車を捨てて走った。表通りで渋滞する車の窓を

たたき、「降りて逃げろ」と叫んだが、人々の反応は驚くほど緩慢だった。う

るさいな、という顔をする人さえいた。「仕方ないです。自分も津波は来て30

?くらいだろう、寒いし、車の中なら安全だろうと思っていたから」

あれから2010日余りが過ぎた。いま石巻市をはじめ被災地では戸建てや公営

住宅の新築ラッシュが続く。それでもまだ、被災者全体では9万人近くが避難

生活を強いられ、うち約4万5千人はプレハブ仮設から出られていない。



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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

富山県高岡市「高岡ラムネ」。和菓子の技と木型で手づくりされた大人のラム

ネ。行事に合わせた様々な形で、地元の素材を使った柔らかな口どけです。

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■街角から畦道から


竹内 義昭 カズコさん(79)


両手の指で銀色のキラキラが光っている。カズコさんだけでなく、同席の98歳

ミヨコさんの爪も同じだ。若い人にはおなじみのネイルアートである。専門の

アーティストがボランティアで施設にやってきたらしい。


「きれいだね。いいね」と声をかけると、ミヨコさんは両手の甲をテーブルの

上に広げて「他の人もしたの」と嬉しそうに笑顔を見せた。カズコさんはとい

うと「けがをしたから塗ってもらったの」と言って爪を隠してしまった。


かつて、お出かけ前には必ず鏡台の前に座って化粧を欠かさなかったカズコさ

んもここ数年、化粧する姿を見たことがない。当然、ネイルアートは初体験で、

戸惑っているのだろう。



■まち・むらニュース


・島根県出雲市 湖上の月 観月会


宍道湖、斐川平野を見渡せる丘の上に建つ倉留寺で、十五夜の「お月見の会」

が催される。秋の虫が集く境内にロウソクが灯るなか、眼下の湖面に浮かぶ

中秋の名月が幻想的だ。

日時:9月16日(金)、17日(土)18:30?20:30

場所:倉留寺(出雲市園町136) 参加料:2300円(月見御膳、お抹茶つき)

問合せ:倉留寺 TEL 0853-69-1513

http://www.izumo-kankou.gr.jp/4584



・山形市 日本一の芋煮会


秋の風物詩「芋煮会」。日本一のスケールで・・直径6mの大鍋に里芋3トン、

牛肉12トン、その他コンニャク、ネギ。水6トンに醤油700リットル、砂糖

200kg、隠し味に日本酒50升が6トンのナラ材の薪で煮炊きされる。

日時:9月18日(日)10時配食?無くなり次第終了(整理券配布は8時半)

会場:馬見ヶ崎河川敷(双月橋付近)

主催:芋煮会フェスティバル協議会、山形市、など

問合せ:日本一の芋煮会フェスティバル協議会事務局 TEL 023-622-0141

http://www.y-yeg.jp/imoni/



コラム<象さんの散歩> 加藤紘一さん逝く


先週、大橋巨泉を偲ぶ会に出た。弔辞と献花でおくる式と、歌い話す舞台を

設けたパーティと。4時間を超えた。800人が壽々子夫人のお望み通り楽しみ、

すばらしい会に。私も歓談いくつか、献杯の音頭をとった菅直人さん、弔辞を

述べた河野洋平さんともゆっくり対で語り合えた。「戦争はNO、憲法は護る、

絶対に」と迷いなく。巨泉と同じ口調の安倍政権への危惧も聞いた。

「偲ぶ会」が続く。7月、朝日新聞政治部時代の後輩で朝日の主筆になった

若宮啓文くん、8月、先輩で朝日の社長になった一柳東一郎さん、9月、巨泉。

そこへ、加藤紘一さんの訃報。保守本流の水が消え去った淋しさ・・。

戦後の保守は、本流の吉田茂、池田勇人、宮沢喜一の、いわば宏池会の流れ

に対し、岸信介、佐藤栄作、中曽根康弘、田中角栄が対抗する時期があった。

保守の王道を歩み、才能ゆたかな紘一さんが本流の期待を背負いつつあったが、

いわば「加藤の乱」でつまずいて政治の世界から去っていく。いまや安倍晋三

政治が最悪の形で国を牛耳る。保守本流の影は薄くなってはいた。

紘一さん。外務官僚畑だが、朝日新聞入社試験にも合格という親近感があり、

何より政治への考えで共鳴する点が多かった。政務に忙しくて東京では時間が

とれない、と旅先で会う段取りをつけてくれた。気ごころの知れた記者仲間も

誘って出かけて宿で語り明かす。翌日にゴルフ、という思い出も。

紘一さんは、NPOへ理解が深く、辻元清美さんのNPO法づくりも助けた。

わが会のさろんも独自のNPO論を聞かせてもらった・・ ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

10月8日(土)?12日(水)大阪「天王寺公園」に期間限定の「十津川村公園」

が開園します。十津川村の木製遊具で遊んだり、物産を販売したり。

詳しくはこちらから https://www.facebook.com/totsukawavillapark/

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 一本杖スキー

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飯山の寺町通り、小道に咲き乱れる萩の花を愛でながらふと訪ねた「妙専寺」。

普通、お寺の境内に仏像がつきものですが、ここには一本杖を持った軍服姿で

スキーをはく男性の像が。明治45年、長野県で初めてスキーをしたのがこのお

寺の住職で、滑ったのがお寺の前の坂道だそうです。スキーの盛んな飯山です

が、何にも始まりがあるわけで、意外なところで心打たれたのでした。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=380



■編集室便り


?9月20日は「水のお話」です。?


「さんか・さろん」は、5月から、“日本のふるさと・飯山”シリーズを企画

しています。今年11月23日に長野県飯山市でスローライフ・フォーラムが開催

されるためです。


今回は日本の“川と水”の権威、尾田栄章さんの話。

わかりやすいユーモアあふれるお話しをご期待ください。

詳しくはこちらから↓

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=310


・日 時:2016年9月20日(火)19時?21時

・会 場:クオリティKK・会議室マーキュリールーム

(千代田区麹町3?3KDX麹町ビル6F・地下鉄「麹町駅」からすぐ)

  http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html

・テーマ:「日本の水、飯山の水」

・講 師:NPO法人渋谷川ルネッサンス代表 尾田栄章さん

(元建設省河川局長・第3回世界水フォーラムの事務局長)

・参加費:会員1000円、一般2000円(学生500円)どなたでも参加できます。

・申込み:9月19日までに下記へ。

  メールTEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554



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奈良県

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出雲市

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