瓦版2017.10.31 第386号

わがNPO・学会のことし最大のイベント「出雲の國フォーラム」を、無事に

終えることができました。学会から30人の参加。バスの視察旅、夜なべ談議、

地元との交流、本番のパネル討論などなど・・おまつり特集の「瓦版」です。















コラム<火曜日の鐘> 斉藤 睦(地域総合研究所所長)


        「分かち合い」のフォーラム


  出雲市、雲南市、飯南町、奥出雲町の出雲4市町連合を舞台として開催され

ましたスローライフ・フォーラム。地元首長さんたちと東京から参加したアド

バイザーの皆さんの議論のキーワードはスローライフ学会学長の神野直彦先生

が基調講演で語った「分かち合い」でした。

日本では“すべてはあなたの自己責任”風潮が蔓延しています。でも、それ

でいいのか。わたしたちはあなたに起こる喜びも悲しみも、我が事として分か

ち合う優しい社会を、人口が減る今こそ求めているのではないか。

今月、出雲は神在月。会場ではあたかも神々も人間と分け隔てなく会場に集

い、議論に耳を傾け、地元に帰る道すがら、ここから日本各地、そして分断が

進みつつある世界に向かって、“ともに分かち合っていこう”の温かい心が広

まっていくことを心から祈る。そんな思いに浸ったフォーラムでした。
















学会コラム<緑と絆の木陰> 増田寛也 (野村総合研究所顧問)


スローライフ・フォーラム


「スローライフ・フォーラムIN出雲の国」を開催した。出雲は、「神話の

ふるさと」、縁結びの「出雲大社」などが有名だが、われわれは「たたら文化」

に注目した。砂鉄の採取、炭焼き、鋼の製造とその運搬という1000年続いた一

連の営みは、近代製鉄にとって代わられた。しかし、砂鉄の鉄穴流しの跡は棚

田としてよみがえり、仁多米などの良質な米の生産につながった。たたらで使

われる木炭生産は森林の維持、再生に寄与した。

スローライフの目指す自然資源の循環による地域の持続可能性の向上は、出

雲では1000年を超える歴史の中で、地域の文化や生活の仕組みとして根付いて

きたことを知ることができた。

神野直彦学長は、基調講演「結びあう 分かちあう」の中で自然に祈りを奉

げる「たたら文化」が森からの水を清らかにし、棚田を未来に向けて豊かにし

ていくことなどを話された。近代の工業化により見失ってしまった「古き良き

もの」を次の10年に向けて、どう甦らせ創り上げていくのか。一つのキーワー

ドは「コミュニティー」にありそうだ。地域自治組織のような草の根からの力

によって時代を切り開いていこうとしている二市二町に、今後とも注目したい。

今年も多くの人に支えられてのフォーラム開催だった。お世話いただいた皆

さんに心から感謝したい。本当にありがとうございました。



▽▽▽▽▽▽▽▽

 












【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

島根県雲南市「たなべのたまごぷりん」。斐伊川上流域の緑豊かな山あいの麓

で、のびのび飼育された鶏の卵。この卵の旨みがつまった贅沢なプリンです。

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■街角から畦道から


小松崎いずみ(中島プレス工業) お出かけサロンを終えて


長野県飯山でのフォーラムに続き、参加させていただきました。昨年も今年も

自然の中に身を預け、その土地の文化を知り、物を食し、いつもの現実と向き

あったとき本当にスローライフがしたい、という思いがこみ上げます。今回は

たたら製鉄の歴史と棚田の文化的景観を学び、人間の息づかいを感じました。

私は小さな町工場を経営しております。工場に入ると、冷暖房の中で、各工程

の手順を守ることによって、品質や生産量がコントロール出来ます。たたら製

鉄のように汗をかき大声をはり上げ、沢山の人の手で鋼をつくる。そして神々

へ祈りを捧げる。本当に感動しました。

私の工場では「後工程はお客様」と言い、こころのコミニュケーションを大切

にしています。たたら製鉄とともに生きた先人たちの知恵、砂鉄を採取した跡

地は棚田にする。自然の素材をエネルギーに変え、自分達の味方にし、最終的

には自然から答えをもらって生きている。ひとつひとつの行動に意味があり、

心が通い、立派な玉鋼が出来る。ものづくりの根底はここに宿っていると思い

ました。見学しているとき、自然災害の多さは「人間のおごりが自然を怒らせ

ているのでは?」と聞いてハッとしました。



川口 均(富士通ネットワーク・サービス) 出雲と和歌山


日本海側と太平洋側、正反対に位置するのに、非常に深いご縁がある不思議な

話・・。「稲葉の白兎」の中で白兎を助けたのが大国主の神様。この白兎、実

は稲葉のお姫様の使いの兎神で、お姫様は数ある神様の中から大国主の神様を

選ぶことに。この出来事がきっかけで他の神様達から妬まれ、命を何度も狙わ

れることになった。 見かねた母神様は、紀の国に住む大屋毘古(おおやびこ)

の神様にお願いし、息子を匿って貰うことに。この大屋毘古という名の木の神

様を祀っているのが、生まれ故郷の和歌山県にある伊太祁曽(いたきそ)神社

である。 こんな不思議なご縁がある出雲の地で開催された今回のフォーラム。

この「不思議なご縁」を満喫するため一泊延長した。移動の途中、ふと見上げ

た夕刻の北西の空に、雨雲の中にポッカリ空いた楕円形を発見!たった今、神

様が通られたようだ。出雲には、不思議に出会える観光資源がある。



■まち・むらニュース


・島根県奥出雲町 たたらの灯


奥出雲の棚田が、「たたらの灯」としてライトアップされる。8000本の灯りが

日本の原風景を幻想的に包む。「日本遺産棚田の風景」のテーマでおこなわれ

る写真コンテストでは、米、包丁、仁多牛などの商品も。

期間:?11月18(土)ライトアップ17時?21時

会場:綿打公園周辺棚田、イベント会場は追谷地区

主催・問合せ:たたRart実行委員会 TEL0854-52-1100

https://go-okuizumo.org/event/75/



・島根県飯南町 第7回ふれあい神楽交流大会


県内には200を超える神楽の団体がある、といわれるほど神楽が盛んな島根。

伝統継承や地域振興のため、子ども神楽の活動も盛んだ。飯南町ほか全7カ所

の団体が集結して、各地域ごとに特色ある神楽の交流がおこなわれる。

日時:11月5日(日)10時開演

会場:谷笑楽校体育館(飯南町井戸谷393-1)

料金(前売券のみ):1000円(小・中学生無料)

















コラム<象さんの散歩>


実務役の泣き笑い


今回のフォーラムも、発案、企画、交渉、会場・・、遠い地へ出かけ、実務

を進めていくのに日常と違う苦楽があり、あれこれの泣き笑いがあった。

もっともうれしかったのは、内容濃いフォーラムとなったこと。「たたら文

化とふるさと創生、次の10年を考える」が活き活きと論じつくされた。

神話、民話の時代からの歴史と高い文化、恵まれた自然。その上に「たたら

文化」。棚田をはじめ生活、産業、まちづくりの文化まで徹底して考えてきた。

また「ふるさと創生」。竹下登首相が提唱した「地域が自ら考え自ら行なうま

ちづくり」を外に広く知らせたい。この提唱で、竹下首相の故郷・雲南市掛谷

町が「掛谷の里」を工夫、それが「道の駅」のモデルとなった経緯をもつから。

出雲・斐伊川地域こそ、全国に向け、すぐれた歴史と文化を発信する側だ。

その視点に立って、わいわい談義も、本番のフォーラムでの神野直彦先生の基

調講演、パネル討論でも論議された。次の10年の課題もほの見えた。

うれしいことはいっぱいだった。すばらしい自然、おいしい食べ物。お米、

お酒がいい。さらに現地のフォーラム担当のみなさんの友情・・。

そして、スローライフ学会から参加いただいた皆さん。東京、大阪、奈良、

和歌山、淡路島、広島、遠くは新潟、雲仙などから30人、ありがたい限り。地

元では、そばまつり、マラソンなど秋の大行事が重なり、そこへ台風22号がや

ってきて、出席が減る状況となっただけに、なお・・ <川島正英>



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「奈良県十津川村」から・・

「十津川見どころ寄りどころマップ」がダウンロードできます。観光基本情報

や交差点の詳しい案内もあり便利です。おいでになる際にはぜひご利用を。

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 出雲の國で味わった


打ち合わせや住民の方々との交流のために、何度も出雲の國にうかがってきま

したがフォーラム本番となると、その味わいは格別のものに。「夜なべ談義」

では、たたら製鉄の歴史文化の産物といえる棚田の「仁多米」おむすび、蕎麦

を中心に、煮しめやお豆腐など。ご馳走とともにホットな会話を味わいました。

ステージには斐伊川源流の山の樹々、花が。この味わいも秀逸なものでした。

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■編集室便り


▽「スローライフ・フォーラムin出雲の國」、無事終了


年一度の“お出かけ・さろん”?スローライフ・フォーラムが、10月29日、

島根県出雲市のビッグハート出雲(白のホール)で開催されました。


東京をはじめ、全国から集まったスローライフ学会の仲間たちは、前日に

出雲入り、神話の里、たたら文化の里をバスで巡って学び、夜なべ談義で

は郷土料理に舌鼓を打ちながら地元の方々と語り合っていました。


フォーラムは神野直彦スローライフ学会学長の基調講演から始まり、増田

寛也会長のコーディネートで地元4市町の市長町長、スローライフ学会の

論陣のパネル討論が行われ、この地域の「次の10年」をどう考えていくの

か、活発な意見交換が行われました。

(添付写真もご覧ください)


また、簡単ながら、ホームページにも速報を載せております。

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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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