瓦版 2022.12.6 第648号 坪井ゆづるさんのコラム掲載

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今週は、「看取り」の話題が二つ。いずれも「ひと」を敬いつつ、いかに「さ

ようなら」すべきか、発想の転換を示唆してくれます。一方、12月の「さろん」

のスピーカーは奈良女子大学の学生さん、フレッシュな話題にご期待ください。

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コラム<火曜日の鐘>   丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)

 

看取り文化~最期はどこで、だれと、どのように

 

前ぶれもなく部厚い本が送られてきました。『現代日本の「看取り文化」を

構想する』と重々しいタイトル。帯には「現代の日本社会で、人はどこで、だ

れと、どのように最期を迎えるのか」「人類学、社会学、民俗学の立場から人

の死と看取りについて追求する」と、さらに難しそう。版元はというと、東京

大学出版会。なんと、あの東大の出版物です。

一体、なぜ?の疑問は間もなく解けました。この4、5年、盛岡から足繁く

通ってくる若い研究者がいました。私たちの取り組みに興味を持ち、それを文

化人類学の視点で研究したいというのです。その熱意に打たれ、お好きなよう

にとあらゆる現場を開放し、見守っているうち、現代社会における看取りのあ

り方に焦点を据え、視線が私たちの実践に向けられていることがわかりました。

その成果が「介護と看取りをめぐる集合的記憶と開かれた記録」―二ツ井ふ

くし会の「ホームカミング」と「あんしんノート」を事例として―と、これま

た難解な標題の報告書にまとまり、同書の1章を割いて紹介されていたのでし

た。人の最期がいまどうなっていて、本来どうあるべきか。それは文化人類学

にとっても重要な課題なのでしょう。そこに一石を投ずることができたとすれ

ば、もって瞑すべしですね。本体5,600円。ご購入をおすすめするわけにはい

きませんが、最期をどこで、だれと、どうするか。お考えのきっかけになれば

幸いです。http://www.utp.or.jp/book/b606380.html

 

 

 

学会コラム<緑と絆の木陰>   坪井ゆづる(朝日新聞論説委員)

 

何が何でも原発なのね

 

岸田政権の原発回帰の計画にあきれる。経産省が何が何でも原発を延命した

い思いは伝わるが説得力はゼロだ。何より、内々の議論で拙速に進めようとい

う姿勢に旧態依然の原発至上主義を見る。

まず「建て替えの推進」だという。「3.11」以降は封印してきた新増設を認

める大転換である。だが、新たな候補地はもうあり得ないから、「建て替え」

としか言えない。造るのは「次世代革新炉」。これまた、眉つばものだ。同僚

記者によれば、新型炉の候補は30年以上も前から民間ベースでは採算がとれな

いものばかり。「失敗すれば多額の賠償責任を伴う原発の一覧とも言える」と

いう。さらにお粗末なのは、頓挫した核燃料サイクルへの固執だ。そのテコ入

れのための事業に協力する自治体に交付金を配るという。地方にお金をまけば

技術が開発できるとでもいうのか。

「核のごみの最終処分」については何の具体策もない。北海道の寿都町と神

恵内村が手を挙げてから2年になるが、まだ見通しは何も立っていないという

のに。要するに、この計画は既存の原発の稼働期間を60年より延ばすことが目

的なのだ。さすがに、それだけの計画では猛反発されるのは必至なので、新型

炉などの話をまぶしている。悲しく、おろかで情けない話である。

 

 

 

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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej

静岡県御前崎市「しらすチップス」。新鮮な生しらすの加工品「たたみいわし」

を、炙ることなく手軽にそのまま食べられるように作られたチップスです。

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■街角から畦道から

 

一読者より   太田 昇(岡山県真庭市 市長)

 

増田寛也さんの文に、ユネスコの無形文化遺産「風流踊」が取り上げられて

いましたが、真庭市蒜山地域に伝わる「大宮踊り」もその一つで、ユネスコの

選定は間違いないという段階に至り、喜んでいます。これを契機に地元の貴重

な文化遺産を次代にしっかり伝える仕組みを考えたいと思います。

現在も、一つ仕組みを作っています。ある地域の大宮踊り保存青年会に、市

から年間約10万円を出しています。その財源はと申しますと、真庭市が地域の

農業用水に小水力発電機を設置し、その管理を大宮踊り青年会に委託し委託料

を支払っていますが、委託料は発電収入全額です。地元に汗をかいてもらいま

すが、環境にやさしい行為が代価となり、それが伝統的民族芸能、文化の保存

に役立つという仕組みは、我ながらよい仕組みと自負しています。

これは一例ですが、環境に貢献しつつ、伝統的な文化支援にも役立つという

ことも可能です。それぞれの自治体、地域で知恵を絞りたいものです。

 

 

拝啓、筑紫哲也殿 ② 「緩急自在」でいいのですね

新澤公康  (奈良県高取町在住 僧侶)

 

筑紫さん、スローライフは一服の清涼剤であり、意味のある生活様式の見直

しではあるものの、ファストな生活を完全否定できない私たちに罪悪感が無い

わけでもありませんでした。しかし、スローライフの考えに、あなたが「緩急

自在」という言葉を用いられることで、たくさんの皆さんが、「スローが勝ち

でも、ファストが負けでもない」ことに気づかされたようで、私もなんだか救

われたような気がしています。

省エネに例えると、電気、燃料を使うことを「目の敵」にするのではなく、

必要の無い電気や燃料を使わないことこそが大切なんだと気がついた瞬間、省

エネに取り組む肩の力が抜け、勇気が湧いてきたものでした。スローとファス

トを、善悪、白黒で考えるのではなく、ファストの有効性、有能性を受け容れ

認めながらも、そこに流されない、その流れに一石を投じる考えを培うことが

大切なんですよね。

 

 

 

■まち・むらニュース

 

・兵庫県丹波篠山市 かまどでクリスマスクッキー

 

かまどで焼く、家族皆で食べられそうなほど大きなツリー型のクッキー(A4

サイズ程)。焼きあがったらお菓子のクリスマスオーナメントの飾りつけ。地

域活動、親子活動の多彩なイベント、ワークショップを展開しているミュージ

アムのクリスマスのひとコマ。

開催日時:12月17日(土)11:30~・14:00~ 参加費:2,000円

場所・問合せ:篠山チルドレンズミュージアム TEL079-557-6000

https://reserva.be/chirumyu554sasayama554/reserve?mode=service_staff&search_evt_no=f5eJyzNDI3NQIAAysBCg

 

 

・青森市 あおもり灯りと紙のページェント

 

ベイエリアなど各所を彩るのは、ねぶたの技法でつくられた市民手作りの和紙

のオブジェのイルミネーション「雪だるま~る」の数々。雪景色の中、紙と光

が織りなす鮮やかな色彩が楽しく幻想的な世界を見せてくれる。

開催日時:12月9日(金)~2023年2月12日(日) 16時~21時

場所:青森駅前公園、JR青森駅前、ねぶたの家ワ・ラッセ、その他

問合せ:青森観光コンベンション協会 TEL017-723-7211

https://aomori-tourism.com/event/detail_6836.html

 

 

 

コラム<象さんの散歩>

 

久しぶりの歌舞伎座

 

歌舞伎座も、他のイベントと同じ、コロナ被害に苦しめられた。その憂さを

晴らすかのような11月の舞台であった。これまでと同じく、歌舞伎は、宏子と

英樹に解説・コーチをもらっての観劇だが、感激・・・。

先月の歌舞伎は、13代目市川團十郎白猿の襲名披露、8代目市川新之助の初

舞台。普通には生涯かけてもお目にかかれるかどうかの幕である。

襲名前の、市川海老蔵のはなやかな舞台については、さすがに象さんもよく

知っている。

岸田首相、小泉元首相も祝辞を送っていたが、おざなりのものではない。活

躍ぶりを承知の言葉であり、気持ちいい。政局についても、このように飾らず、

まっすぐのやりとりであってほしいものだと思いつつ・・・<川島正英>

 

 

 

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「奈良県十津川村」から・・

12月から十津川村周遊観光バスの運行が始まりました。冬期は車でしか行けな

かった「玉置神社」へお連れします。3日前までに予約が必要、バス料金は一

律2,000円。宿泊者限定です。http://totsukawa.jugem.jp/?eid=1202

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>  スマホでさようなら

 

姉が亡くなりました。3年間の闘病の末、本人も家族も覚悟の旅立ちでした。

病の発見から看取るまで、活躍したのはスマホです。コロナ禍、入院時の会話。

在宅で緩和ケアになって、付き添いの調整や情報共有にLINEグループを活用。

最後も、即連絡が届き、皆が枕もとに集合。義兄のスマホから姉の好きな曲を

耳元で流して。スマホ利用で家族が繋がり、心のこもった送り方が出来ました。

https://noguchi-tomoko.com/post-9283/

 

 

■編集室便り

 

▽12月20日(火)さんか・さろんのご案内です。

 

・日 時:12月20日(火)19時~21時

・タイトル:「学生が語る十津川村谷瀬とむらづくりの魅力」

・講 師:室﨑千重さん(奈良女子大学准教授)と室﨑ゼミの皆さん

 

奈良女子大学准教授・室﨑千重さんと室﨑ゼミの学生さんのスピーチです。

室﨑ゼミは代々のゼミ生が十津川村“谷瀬のつり橋”で知られる谷瀬集落に10

年近く通い、地元の寄合に参加、「純米酒谷瀬」の酒米作りや「ゆっくり散歩

道」の整備に関わってきました。

 

昨年の「スローライフ・フォーラムin十津川」では、室﨑先生は分科会のア

ドバイザーを担当、学生さん有志がスタッフとして手伝ってくださいました。

 

ひとつの集落に丁寧に通い続ける学生さん達により、集落がどう変わったか。

学生さんが何を得たのか?関係人口が注目されるなかで、ぜひうかがいたい実

例のお話です。皆様のご参加をお待ちしております。

 

・申込み:12月17日(土)までに メールで→ slowlifej@nifty.com

・参加費:スローライフ学会会員1000円、一般2000円

写真はこの秋の酒米収穫の様子です。

 

 

▽10月以降に入会の場合、年会費が3000円です。

 

今年度の会費をまだお支払いでない方、または、これを機会にご入会の方、

来年3月までの年会費が3000円となります。(これまでは5000円)

 

会員になると「さんか・さろん」への参加が1回1000円(非会員は2000円)、

年会費以外に3000円で3月まで何回でも参加できます。

 

◆「さんか・さろん」のプログラムはこちらから

https://www.slowlife-japan.jp/2022/09/17/s-85/

 

◆お申込み支払いはこちらまで。

【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会

※他金融機関からのお振込みの場合は

店名:〇一九(ゼロイチキュウ)店、預金種目:当座、

口座番号:0595293、スローライフ学会 まで。

 

 

▽この瓦版のメールは送信専用です。

 

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会にご用の方は、この瓦版に返信せ

ずに、下記にお願いします。

↓↓↓

slowlifej@nifty.com

 

 

 

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クオリティソフトから・・・

【たまな商店】「神様のお米」イセヒカリの新米が入荷しました!台風により

ほぼ全滅の被害を受けた伊勢神宮の神田で倒れず残った2株の稲穂がルーツ。

丈夫で病気にも強くて美味しい奇跡のお米です。 https://tamana-shop.jp/isehikari/ ======================================================================

 

 

 

■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

 

奈良県吉野郡十津川村

https://www.vill.totsukawa.lg.jp/

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

飯山市

http://www.city.iiyama.nagano.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/

丹波篠山市

https://www.city.sasayama.hyogo.jp/

日本テレネット株式会社

http://www.nippon-tele.net/

シン・エナジー株式会社

https://www.symenergy.co.jp/

クオリティソフト株式会社

http://www.qualitysoft.com

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/

中島プレス工業有限会社

https://www.nakajimapress.jp/

 

 

 

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