瓦版2013.10.1第177号

週刊スローライフ瓦版 (2013.10.1 第177号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★東京でも、秋の風を感じる季節に。今月の「さんか・さろん」は、すばらしい紅葉も間近い奈良県川上村からの便りです。栗山忠昭村長が、来月に川上村で開くスローライフ・フォーラムへぜひ、というお話。詳細は「編集室便り」を。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授)~~~ 「見えざる手」のお仕事は何をもたらすか?-8月20日の続き- 何処の誰のか分からない「手」に言葉の綾で「見えざる」という形容詞を付けただけで、A.スミス先生ご自身が用いてはいない laissez-faire=「自由放任」=までが世間で幅をきかせるようになった。それで「調和」がもたらされるなんて、落ち着いてスローに考えれば、とても信じられない。 この難しい人の世をマネジメントするのに、その「見えざる手」は一本しか使われない。慈悲深き唯一神であれば、ご自分に似せてアダムを造りたもうたのだから、もう一つ御手をお持ちのはず。たった一人のアダムをお造りになった折には両手をお使いになっただろうに、人の世を調和のとれた状態にするのに、単数の御手しかお使いにならないのだろうか? いくら万能でも、そんな「手」抜きをして、スピーディなお仕事しかなさらなかったから、楽園を追放されるほど出来の悪い人間が生まれ、その自由放任になってしまって世の中が落ち着かないのかもしれない・・・。学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授) 中札内の「枝豆」 飛行機が着陸態勢に入り、機窓から大地が見えてくると、不思議と心が和んでくる。私は帯広空港への着陸が殊の外、気に入っている。「母なる大地」への帰還ということが実感できるからである。この美しき大地の上では、どんな人々の暮らしが営まれているのかと想像が掻き立てられる。 帯広空港への着陸時に機窓から眺められる雄大で美しき大地の上には、自然の雄大さを征服するのではなく、自然に抱擁されようと溶け込んでいく中札内村の暮らしがある。訪れる度に徐徐に見えてくる中札内村の暮らしは、個人個人の営みとしてではなく、中札内村がサチナイ(乾いた川)と呼ばれる自然を「友人」として村民が優しさを与え合いながら築いてきたスローライフである。 NHKテレビで先日、中札内村の「枝豆」を紹介することになり、資料を送付してもらうために、終業後にもかかわらず村役場に厚かましくも電話を入れた。火山副村長に電話を入れたのだけれども、何せ優しさを与え合う村なので、電話を受けた高桑総務課長がすぐに対応してくれて、感激すること頻りである。 サチナイという土地柄なので、水田のように水を回して、自然の自己生産力を維持するのではなく、畑作と畜産を結びつける耕畜連携による有機農業を中札内村では実現している。「枝豆」とはジャガ芋、小麦、甜韋、豆類の四年輪作に、「枝豆」を導入して五年輪作にする環境保全型農業への取り組みを意味している。 中札内村を訪れると、人間に必要な知恵は、自然を克服するための知恵ではなく、自然に参加するための知恵だということを教えられる。乳製品なしでは生きられない私にとっては、中札内村は天国である。こんな農産物もアイスになるのかと感動するほど、多様なアイスがある。もちろん、「枝豆」アイスもある。▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej茨城県笠間市「納豆鉢」。笠間焼きで造られた納豆専用小鉢。凹凸のある渦巻きで混ぜやすく、片口部分も粘りのある納豆を扱いやすくできています。△△△△△△△△△△△■街角から畦道から 農村の社会的役割 梶 亨(観光文化創造研究所長) TTP交渉参加を契機に、日本の農業の将来が問われている。農業や農村の社会的役割を問い直すよい機会でもある。フランスでは「農村ジット」という農家民泊により、バカンス期に都会の家族を受け入れる制度がある。この時期になると農家のおじさん達は自然界の出来事やそこでの遊び方、動植物の生態系等を子ども達に教える教師になる。そのための短期学校も用意されている。おばさん達はその土地ならではの食材を使い、美味しい郷土料理でもてなす。農家の外観はそのままにして内部を改装する国の補助制度もある。残念ながら、今の日本では開発されたリゾート地で数日を過ごす夏休みが主流であり、フランスのように農村でひと月近くを過ごす低価なバカンスには程遠いが、大分県安心院町のグリーンツーリズムが近い例といえよう。米の生産バランスや農業所得に主眼を置いた施策が優先する日本の農政にも、フランス農村の社会的役割や農業の持つ教育力を再認識するような新たな施策が求められる。日本の農業や農村を複眼的に捉えることにより、地方の活性化はもとより、休暇の仕組みや夏休みの過ごし方も変わってくるかもしれない。================= PR =====米粉のまち・胎内市から・・・胎内市東本町の「居酒屋鳥一番」では、米粉麺のやきそばや、米粉使用のご当地グルメ「べえべえ」、胎内高原のワインやチーズなども味わえます。http://tainai-komeko.blogto.jp/archives/33299782.html=======■まち・むらニュース・富山県高岡市 「逸村逸品交流会議in高岡」を開く昨年の「スローライフ逸品展」に続き、ことしは「郷土の食・食文化が地域を元気にする」をテーマに、シンポジウムを開く。地域を代表する品を開発した各地の事例も発表される。「食」はその土地の特色を反映する重要な観光資源のひとつ。2015年春の北陸新幹線開通記念イベントでもある。日時:10月12日(土) 13:30~17:00 会場:高岡商工ビル8階参加費:無料(参加申込必要) 主催:高岡スローライフ逸品研究会問合せ:TEL 0766-23-5000 (高岡商工会議所 観光振興課)・山口県山口市阿東 「GOGO!ATOスタンプラリー」を開催中7月末に大きな豪雨被害にみまわれた阿東。災害を乗り越えるために農家、飲食店が一丸となって先月からスタンプラリーを開催している。野菜、果物、お米も無事に収穫。観光に訪れる人々が阿東の旬を楽しみながら、地域の45ヵ所に設置されたスタンプをラリー用紙に押して応募すると抽選で豪華な特産品がプレゼントされる。期間:11月30日までスタンプ設置 応募締切:12月5日当日消印有効問合せ:TEL 083-956-2526(あとう観光協会)http://www.ato-kankou.org/コラム<象さんの散歩> テレビ雑感:「じぇじぇじぇ」と「倍返し」~~~ テレビの連続ドラマは、あまり見ないで過ごしてきた。NHKの大河ドラマ の時間も「日曜美術館」を観る。が、朝の連続テレビ小説だけは朝食に合わせ何となく観てきた。いや、今回は、何となくでなく、むしろ懸命に。 「あまちゃん」。タイトルが親しみやすい。宮藤官九郎の脚本テンポがよく、AKB48風の雰囲気も取り込んでいたりして、筋の運びはなかなか。宮本信子、薬師丸ひろ子はじめ俳優陣も、テーマ曲もいい。何よりも「3・11」の復興を三陸鉄道とか海女さんの意欲と合わせ採り上げたのが決定打だろう。 もう一つ、直近の連続ドラマでTBSの「半沢直樹」。バブル期に大手銀行に勤務、清濁併せ呑むヒーローなのだ。やられたらやり返す、倍返し、が喝采を呼ぶ。暴行体罰、いじめとか、大手企業の「追い出し部屋」などの社会現象が日常化、何かしらの直接行動に魅かれる気持ちが強まるのだろうか。最終回の瞬間視聴率は42.2%に上った。大人気に誘われて最後の2回を見た。 「流行語大賞」が早くも話題になっている。「アベノミクス」が当選確実といわれていたが、ここのところ「お・も・て・な・し」「今でしょ」とともに「じぇじぇじぇ」「倍返し」が最有力とか。じぇじぇ・・ ∨ 川島正英 ∧コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> きりたんぽの地で~~~ご飯をつぶし、杉の太い串の周りにつけ、軽く炙ったのは「たんぽ」。それを切って使うと「きりたんぽ」。きりたんぽ発祥の地・秋田県鹿角市に通うようになって、私はごく最近この違いを知りました。長いままで甘いお味噌を塗ったのは味噌つけたんぽ、比内地鶏やゴボウなどと切ったたんぽを煮る鍋はきりたんぽ鍋です。この地で、今、新しいきりたんぽの味が生まれつつあります。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=228==== PR ====「日光『食』の研究所」から・・・霧降高原キスゲ平園地から、女峰山へ登りました。レストハウスの「日光霧降珈琲」で、展望とともに味わう「霧降高原ブレンド」がおすすめです!http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-254.html=======■編集室便り□「逸村逸品展(スローライフ逸品展)」への出品を募集中。 11月23(土祝)・24(日)日に開催する「スローライフ・フォーラム」の 会場で、昨年と同様に「スローライフ逸品」を展示します。 皆さまご存知の「これこそスローライフ逸品!」と思われるものをご推薦 ください。自薦他薦は問いません。詳しくはこちらから。 http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=183□「スローライフ・フォーラムin奈良」お知らせ point18 なんゆう祭の中核イベントー 南部地域物産展 ==== 11月23・24日。フォーラム会場:奈良県川上村。 主催: 南部地域産業復興推進大会開催協議会 ====「なんゆう祭」を構成する催しについて、あれこれと採りあげてきましたが、あと三つ、おおきなイベントを残しています。「スローライフ・フォーラム」と「逸村逸品展」と、きょう紹介の「南部地域物産展」です。この物産展は、23・24両日にわたって、大滝ダムの堰堤にずらり40張のテントを並べて開くもので、吉野郡と五条市の13市町村から、野菜、食品、特産品、お菓子などが勢ぞろい。木工や紙すきの体験、杉葉染めなどもあり、盛りだくさんな内容になっています。ぜひ、源流の村でのイベントをお楽しみください。□10月の「さんか・さろん」は 奈良シリーズ<奈良の魅力・「むら」の魅力>の最終回いよいよ11月24日開催のフォーラムの会場となる村、奈良県吉野郡川上村から栗山村長をお迎えします。水源地としての暮らしの心構えは、むらの暮らしの柱となる「川上宣言」にあります。その清らかな暮らし、水とともに生きる村のあり方を語っていただきます。・日時 10月15日(火) 19時~(2時間程度)・テーマ 「さあ、源流の里へ~吉野川水源地のむら『川上村』~」 ・講師 栗山忠昭 川上村村長・会場 東京・日本橋(三越デパート前)の「奈良まほろば館」で。・参加者 スローライフ学会会員に一般参加も加え 60人・主催 奈良県・NPOスローライフ・ジャパン・資料代 1000円・参加お申込みは、スローライフ・ジャパンへ TEL:03-5312-4141 メール □スローライフ版・IT塾 ———————————————ワードやエクセルでデータを作って保存するとき、ついついデスクトップに残してしまい、いつの間にか画面がいっぱいになって、常に「神経衰弱ゲーム」状態になります。いい解決方法はありませんか‥。(編集部:篠原伊佐武) ▼「とりあえずデスクトップ。整理はあとで‥」と思ってもなかなかできません。ファイルを作った時に保存場所を決めていきましょう。おすすめの方法は、デスクトップに自分の名前などのフォルダを作り、必ずそこに保存する。それが慣れてきたら、その「名前フォルダ」の中に「仕事」とか「プライベート」といったフォルダを作ってそこに保存していきます。「2013年」と年号別に管理するのもいいと思います。「ゴミ箱」を一時保管場所として使っている方がいますが、ゴミ箱はその名のとおり「ゴミを入れるところ」なので、消去してもいいものだけを入れるようにしましょう。(EDI:藤井頼暁)———————————————————————-□平成25年度の会費のお振り込みがまだの方へ‥。 お手数ですが、お振り込みをお願いいたします。新会員も募集中です。 スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・ 神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)です。 スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、全国で スローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。 年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」 などで交流したり。会費は下記の口座へお振り込みください。 【振込先】 ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会 三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会 ==== PR ====クオリティライフから・・・「パティシエのとっておきナチュラルスイーツ」講座。秋らしいスイーツを学びましょう。10月6日(日)14:00~16:00 参加費4500円「たべごと教室」で。 http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=0K7jZoPSXLQZ=======■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/——————————————————————————–“