瓦版2014.9.9第225号

週刊スローライフ瓦版 第225号(2014.9.9) ■■
週刊スローライフ瓦版 (2014.9.9 第225号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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9月13日の群馬・南牧村スローライフ・フォーラム「ちびっ子の遊ぶ里」へ、
には、東京だけでなく、宮城、長野、栃木、また奈良、和歌山、島根、長崎
などからも集い、村びとと語りあいます。詳しくは編集室便りを・・。
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コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授)
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小渕大臣に期待しつつ「十六夜の満月」をめでよう
前回、柳田國男先生の官僚生活を紹介した頃、霞ヶ関では、女性官僚たちが、
今のような残業ばかりでは生活が家族ともども犠牲になるから国会などが仕事
の進め方を改革すべしと声を上げたという。その通り!ドンドン問題提起した
らよい。よい家庭を築くのに絶対不可欠なのがスローでありうる時間なのだか
ら。
折しも小渕さんが経済産業相になった。元・少子化担当相。かねて「通常残
業省」と自慢&揶揄された役所(今は「経常残業省」か?)から仕事の仕方を変
えれば、霞ヶ関全体そして民間経済界に波及する。早大~TBSという経歴なら、
極めて有力な応援団が各界にいる。この機会を逃したら、やっぱり我が国では
……。
さて今日は「重陽」。ただし耶蘇教暦でのこと。旧暦「重陽」は、今回は官
暦10月2日だ。「重陽」の節句は、「桃」「端午」「七夕」と違って忘れられ
ている。無理もない。「陽」=「奇数」の極致たる9が重なるというだけで、
観菊の宴だの長寿を祝うだの理屈を付けて、オッサンが酒を飲む機会にしてき
ただけみたいだから。
今年の官暦「重陽」の場合、旧暦なら8月16日で、お月様が「十六夜」だ。
昨夜は「中秋の名月」だったから、月見でイッパイした方も多かろうが、手元
の情報をよく見ると、あの「十五夜」さんは月齢13.5で、ほんの少しだけ未成
熟だった。今夜の方が14.5で今回の「満月」なのだとか。よし!今晩も観月の
宴を催す理屈はある。ま、官暦でも、たまにはスローな暮らしに繋がることも
あるか・・・。
学会コラム<緑と絆の木陰>
神野直彦(東京大学名誉教授)トロイアの女

利賀村はそそり立つ緑の壁に囲まれた「山峡の村」である。私は妻と連れ立
ちて、利賀村にかかる小さき橋を渡った。すると美しき陽光が差し込みて、肌
の色の違う人々が和やかに集う光景を照らし出した。その人波が二つに割れた
かと思うと、スローライフの集い以来、親交を暖めている田中南砺市長が現れ、
私達を外連味のない笑顔で出迎えてくれた。その背後から「神野さん」との呼
び掛け声が聞こえ、世界で最も偉大な演出家鈴木忠志が凛凛しき姿で近づき、
劇場へと招じ入れてくれた。
鈴木忠志の舞台は、余りにも虚構的なるものと、余りにも現実的なるものと
を、見事な形式美のうちに二重写しにする。私達は山深き利賀村で、鈴木忠志
が演出するエウリピデス原作のギリシャ悲劇『トロイアの女』に魂を揺さぶら
れることになる。いうまでもなく『トロイアの女』は、世界中で絶賛された鈴
木忠志の代表作である。
ギリシャ悲劇の『トロイアの女』はトロイア陥落後に、夫や子供を眼前で惨
殺された女達が、ギリシャ軍に奴隷として連れ去られる情景を、王妃ヘカベを
主役に描いている。鈴木忠志はこれを第二次大戦後の日本の状況と重ね書きを
して演出する。舞台にはアメリカ文化を象徴するかのように、自動車が並べら
れている。戦争という絶望的状況が、残虐な戦闘行為の終了をもって幕を閉じ
るどころか、むしろ深まっていく現実が、いかなる反戦的言説よりも説得力を
もって語られる。
しかも、鈴木忠志の偉大さは、単なる戦争批判に終わることなく、人間存在
を問う演劇にまで高めているところにある。最後はアメリカン・ポップスの大
音響で幕が降りる。しかし、後で聞けば、それはアメリカン・ポップスならぬ
欧陽菲菲の「恋の十字路」という恨み歌だった。
「利賀山房」と名付けられた劇場を後にするためドアを開くと、そこに鈴木
忠志が立ち待ちていた。鍛えられた長身を深深と二つに折る鈴木忠志に、受け
た感動を伝えられないままに、「風の盆」の囃子に吸い寄せられるように、利
賀村を後にした。
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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej
福島県いわき市「ふくしまオーガニックコットン」。津波被災地で塩害に強い
綿を育て、製品に。生成りの手ぬぐいや、綿の実で作ったお人形なども。
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■街角から畦道から
野口喜久子(千葉市) 暑さの次は、蚊に用心
夏の間、草取りをしたくても熱中症が心配で、せいせいとできませんでした。
散歩も危ないと、エアコンの効いた室内暮らしでした。ようやく涼しくなって、
虫の音を聞きながら、庭をさっぱりと思っていましたのに、今度はデング熱と
いう聞きなれない言葉。「おばあちゃん蚊に刺されないでよ」と孫たちから電
話まであり、怯えています。昔はこんなことはなかったのに、勝手気ままにし
てきた人間たちへの天罰でしょうか?裏の畑に、熟れてきたイチジクを採りに
行くだけなのに、防虫スプレーをかける始末です。今年は、窓を閉め切って、
猫と一緒のお月見でしょうか。歳をとって、こういう不自由さを体験するとは。
自然とともに伸び伸び暮らしていた頃が懐かしいです。
■まち・むらニュース
・広島県福山市で第21回ゲタリンピックを開く
福山市松永地区の特産品である下駄を活用したまつりで、人と人との和を育て、
活力ある地域づくりを目指す。ゲタとばし、ゲタ将棋のほか、積み上げたゲタ
の高さを競うゲタタワーなど、さまざまな競技や催しがおこなわれる。
開催日時:9月21日(日)10:00~18:00
開催場所:JR山陽本線松永駅周辺・カランコロンパーク
主催・問合せ:ゲタリンピック実行委員会 TEL084-933-2151
http://getalympic.com/gaiyo
・茨城県石岡市 「常陸國總社宮例大祭」
関東三大祭の一つ。天下泰平、国家安穏、萬民豊楽、五穀豊穣を願うおまつり
で、市民が一致団結して行うことから「石岡のおまつり」と呼ばれ、期間中は
40万人の見物客でにぎわう。
開催日:9月13日~15日
場所:常陸國總社宮 (JR常磐線石岡駅下車、徒歩20分)
問合せ:常陸國總社宮0299-22-2233 http://www.sosyagu.jp/omatsuri.php
コラム<象さんの散歩> 「谷垣幹事長」に注目したい

安倍改造内閣が船出した。安倍人事は、世間へのアピールの点ではなかなか
の腕前と思っていたが、今回の布陣もうまい。世論調査の内閣支持率の上昇も
うなづける。「NHK会長」のような無謀きわまりない人事もあって、国の未
来にとって全面評価したくないが、安倍政治には上出来の一幕といえよう。
第一に、石破幹事長はずしがうまく運んだこと。統一地方選挙で最重点課題
となる「地方創生」担当は打ってつけだし、何より閣内取り込みで、党総裁の
対抗馬の動きを封じ、また「集団的自衛権」の国内法整備にフリーハンドを得
る、というおまけもついた。また、とにもかくにも女性閣僚を5人に。これも
師匠格の小泉政権の女性閣僚の最多数起用と肩を並べた。
何といっても、谷垣禎一氏の幹事長への登用。だれも想定していなかった。
だが、だれもが納得。絶妙というほかない。やはり小泉人事だが、2004年9月
の内閣改造で、まるで予想外の武部勤氏起用を思い出す。「サプライズ人事」
は、その年の流行語大賞にまでなったのであった。が、この武部起用が、驚愕
だけでなく、きわめて危ない橋であったのに比べて、むしろ「谷垣幹事長」は、
これ以上望めないまっとうな布陣といえそう。谷垣禎一氏の考えはともかく、
憲法、原発など党内のアンチ安倍の流れを動かす可能性までちらつく。
ハトかタカか、二分法は時代遅れだが、保守本流のすばらしい政治をも知る
ものとして、安部政権と別の注目、いや期待をかけたい・・ ∨ 川島正英 ∧
================= PR =====
「奈良県十津川村」から・・
10月10日(金)「十津川食いもん市 ~吉野と熊野を食おうらよ~」を開く。
ジビエバーガー・鮎・キノコなど美味しいものが盛りだくさん。村の公衆温泉
は無料になります。ご予定を! 問合せ:観光振興課 TEL0746-62-0004
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> この夏の贈り物
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印象深かったのは佐賀でいただいた「レモングラス」と、岩手県遠野から届い
た「夕顔」です。ススキのように元気なレモングラスはハーブティーとして味
わい、根元は植えると、今や再びススキのように育ちました。巨大な夕顔は皆
で分け、指示通りに調理すると素朴な一品となりました。いずれもプレゼント
してくださった方の心が伝わるもの、出来合いのお土産よりずっと素敵です。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=278
■編集室便り
□南牧村フォーラムへどうぞ!
日本の人口が減少していく・・わがスローライフ学会会長・増田寛也さん
の警告が注目を集めています。そこに焦点を定めたフォーラムをいくつか
企画したいと考え、その第一回を群馬県南牧村で開きます。
村の人々、村外からの参加者、みんなで語り合い、考えるフォーラムです。
学会のお出かけ「さんか・さろん」を兼ねたフォーラム。バスによる村内
視察を含む参加の申込みは締め切りましたが、直接会場にお越しいただき、
トークに参加いただける方はまだ大歓迎です。
●テーマ:~みんなで語り合う スローライフ・フォーラム~
南牧村を「ちびっ子の遊ぶ里」へ
●日 時:9月13日(土)13時30分~(13時受付開始)(17:10閉会予定)
●会 場:南牧村活性化センター
●参加費:無料
●主 催:南牧村、商工会新事業開発検討実行委員会、NPOスローライフ・
ジャパン、スローライフ学会、桜美林大学早野研究室
●内 容:1)基調講演:「むら・まちの未来を考える」
講師:増田寛也
2)テーブルトーク
5つのテーマに分かれたテーブルで話し合います。
3)まとめトーク
●参加申込:スローライフ・ジャパンまで 電話:03-5312-4141
メール:
テーブルトークのテーマなど、詳しくは↓
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=214
□日本記者クラブ「人口減少問題」研究会で、
第5回は「中山間地域」の論点から。
第1回『ストップ「人口急減社会」』増田寛也さん。
第2回『歴史人口学の視点から』上智大学教授・鬼頭 宏さん。
第3回『「増田レポート」をめぐってー「農村たたみ」と田園回帰―』
明治大学教授・小田切徳美さん。
第4回は『人口減少社会と地方自治』慶應義塾大学教授・片山善博さん。
第5回は8月28日「『市町村消滅』ではなく『田園回帰』へ」のテーマで、
島根県中山間地域研究センター研究統括監・藤山 浩さんが話されました。
―― 人口減少については、日本創成会議の予測と全く異なる未来シナリオが
ある。島根県・海士町の場合2040年に若い女性が53人になってしまうといわれ
たが、当センターの予測では2038年に145人になる。海士町では“島留学を
呼びかけ、高校のクラスを一クラス増やしている。
島根県全体を見ると、中山間地域218エリアの3分の1以上で4歳以下の子供が
増えている。“田舎の田舎”で次世代が定住している。地域ごとの人の動きを
丁寧に拾えば違う結果になる。何も大きな動きでなくとも、人口の1%を毎年
取り戻せばいい。
また所得も足元から取り戻そう。地域外から買うものが多い限り、地域は潤わ
ない。地元で買うだけでなく、地元のものを買うことが大事。例えば、子育て
世代に多い菓子の消費額の半分でも地産地消型にできたら、それだけでも地域
内にお金が回ることになる。そういう工夫が必要だ。そこで生み出されたお金
で定住者を迎える支度ができる。
今後は分散されている地域の拠点や、事業ごとに縦割りになっている交通など
も合わせ技で小さな拠点として集約したり、連携したりが大切だ。これを機会
に、田園回帰の動きを推し進めたい。
―― 沢山の細かなデータを基に、島根県をフィールドに積み上げた提案は説
得力のあるものでした。(事務局・野口智子)
□スローライフ版・IT塾 ——————————————–
Q:パソコンで印刷されて届く残暑見舞いを見ていると、たまに毛筆で書いた
ような文字が印刷されています。私の年賀状ソフトではこのような文字を選ぶ
ことができません。なにか方法はありますか? <編集部:篠原伊佐武>

A:資料をつくるとき、文字体(フォント)を指定している方も多いと思います。
標準では、ゴシック体や明朝体など基本的なものしかついていませんが、ネッ
トからダウンロードすれば、「毛筆体」などを使うこともできます。毛筆体に
かぎらず、いろいろなフォントがありますし、無料で提供しているものもあり
ます。一度、探してみてはいかがですか。
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