瓦版2015.12.22 第291号

師走も押し詰まり、あと9日を残すだけとなりました。わがNPO、学会は

 この「瓦版」をお届けして店じまいとさせていただきます。読者の皆さま、

 ことしも感謝あるのみです。新年は1月5日号からです。よいお正月を・・。



・・・



コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授)

~~~

あれから「400年」その5

            ・・・「見えざる手」ならぬ「地方人の足」で国土軸を整備



「お手伝い普請」に加え、地方諸藩に大きな負担を強いたのが「参勤交代」

であることは周知の通り。諸大名は、毎年または数年置きに、地元と江戸の間

を大勢のお供を連れて行列した。これも紀州藩の例だが、和歌山から江戸まで

片道で17泊18日。徒歩での大名行列を組む大勢の人員が17もの宿場で泊った。

紀州藩のお供の数は、天保4年(西洋グ暦1833年)の枚方(ひらかた)宿での

データでは総勢3千人規模だったという(和歌山県立博物館・前田正明学芸員

資料「徳川斉順御帰国御行列之図について」)。半分くらいは沿道の人たちに

よる荷物運搬の助っ人だろうが、それでも宿泊者は大変な数であるし、宿舎を

連日次々に確保するのは、大変な苦心惨憺+経費負担だ。

当時、300くらいの藩があり江戸との間を行き来した。東海道や山陽道など

主要な交通軸が、地方の人々の足で踏み固められた。沿道の宿場町では、予測

可能性が高く、相互にかち合わないように客側で調整した安定的な集客が実現

した。

つまり今日に至る主要国土軸の形成は、アダム・スミス大先生の言う自由経

済のルールすなわち何処ぞやの神様の「見えざる手」によるのではなく、幕府

の政治権力の目に見える統御作用の結果なのだ。

今日、主要国土軸の恩恵に浴している人々、とくに中心地たる江戸・東京の

皆さんは、参勤交代を強制した徳川幕府だけでなく、平和裡に従った地方諸藩

とくに何日もかけて往来した遠隔地の人々の労苦の積み重ねを思い遣り、深く

感謝しなければならない。 (さらに続く)



学会コラム<緑と絆の木陰> 中村桂子(JT生命誌研究館館長)


役立たずをお詫びしつつ



今年最後になりました。12月に入って夏日があるなど、四季を感じながら

暮らすという日本列島ならではの生き方が難しくなってきましたね。「風の音

にぞおどろかれぬる」に象徴されるような小さな変化が連なって気がついたら

こんなに寒くなっていたというのが日本だと思っていましたのに、気温もガタ

ガタしています。

自然が荒っぽくなっている・・・その原因が何であるかはわからないという

のが正直なところです。でも、私たちの暮らし方が荒っぽくなっていることが

一つの原因であることは確かでしょう。原因が明確になるかならないかは別と

して、「荒い暮らし方を止める」ことが大事という答は出してもよいと思いま

す。その答がスローライフなのだろうとも。

スローという言葉に甘えて、なんとも頼りない活動でお役に立たずにおりま

すことをお詫びしながら、皆さまよいお年をお迎え下さいとご挨拶いたします。



▽▽▽▽▽▽▽▽

 


【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

静岡県三島市「現代版・三嶋暦」。かな文字の暦として最古といわれる三嶋暦。

ボランティアにより現代風にアレンジされ、カレンダーとして復活しました。

△△△△△△△△△△△



■街角から畦道から


竹内 義昭 カズコさん(42)


特養での生活ぶりがどうなっているのか気になっていたら、施設から1か月

間の記録が送られてきた。日々の体温、血圧のほか、食事の摂取量、体調の観

察結果などがかなり細かく記載されている。

入所初日は環境の変化のためか、血圧がいつもより高めだった。その後は安

定しているので、新しい施設での生活にすぐに慣れたことがうかがえる。週1

回の音楽療法とカラオケには必ず参加しているところをみると結構楽しんでい

るようだ。

夜間は2時間ごとに体位を変えてくれているのだが、いつも「良眠」と記さ

れている。どうやら体を動かされても目を覚まさないらしい。自宅にいた時と

同じなので、ひとまず安心だ。



■まち・むらニュース


・京都市 終い天神


毎月25日の縁日で植木や雑貨の露店が連なる天神さま。終い市の年末この日は

特別。普段の露天に加え、正月に欠かせない注連飾り、荒巻鮭などの正月用品

が並び、社頭では屠蘇や祝箸を授かる。

日時:12月25日(金)9時?21時(ライトアップは日没?21時)

場所・問合せ:北野天満宮TEL075-461-0005(京都市上京区馬喰町、JR京都駅

からバス30分) http://www.kitanotenmangu.or.jp/annual_events.php



・鹿児島市 冬季光の回廊


市を代表する冬の観光スポット。ライトアップされた電車通り、みなと大通り

公園をイルミネーションでつなぎ、光の回廊がつくられる。さまざまに変わる

噴水の演出やイルカ型イルミネーションが楽しめる。クリスマスイブと大晦日

は、翌0時15分まで点灯。

開催日時:?2016年1月31日(日) 18時?22時

会場:鹿児島市内(みなと大通り公園、ドルフィンポート、マイアミ通り)

問合せ先:鹿児島市観光振興課TEL099-216-1327

http://www.kagoshima-yokanavi.jp/data?page-id=2029



コラム<象さんの散歩> 三つの映画を見て・・


師走。3本の映画を見た。日本トルコ合作映画『海難1890』、アイスランド

映画『ひつじ村の兄弟』、そして山田洋次監督の『母と暮せば』である。怪獣

とか最新兵器、宇宙は現れない。あふれる強烈な人間愛で共通している。

『海難1890』は、わがNPO理事・浦聖治さんが映画製作に協力、その話を

「さんか・さろん」でうかがった。トルコ船「エルトゥ―ルル号」が紀伊半島

沖で遭難、乗組員を漁村民が救う。それから1世紀近く、イラン・イラク戦争

の渦中、トルコ機のテヘランからの最終便が日本人を優先して運んだ。

『ひつじ村の兄弟』は、辺境で羊を育てる老兄弟の物語。40年、口もきかな

い。村に疫病が襲い羊すべて殺処分の事態に。兄弟は処分に反発、猛吹雪の中

を助け合いながら羊を連れて決死行へ。朦朧としつつ雪の中をどこまでも。

『母と暮せば』は、「長崎原爆」に息子を奪われた一人暮らしの母が、彼と

うつつで語り合う場面の中で、戦争を、愛を問いかけてこころ揺さぶる。

映画三つを一緒に見た妻・宏子も「うわべだけの愛を求める世の中で、根底

にある愛をそれぞれに・・」との感想だったが、互いに涙とどまらず。

『母と暮せば』を雑誌『世界』1月号が採り上げた。山田洋次監督、母親役

の吉永さゆり、わがNPO理事・早野透さんが語り合う。山田監督は「愛する

人を突然失う、その悲しみがすべての悲しみの原点。母親が感じたのは、原爆

を含めて広く戦争の被害を受けた世界中の遺族たちが抱いてきた思いにもつな

がっていく」と。早野さんは「戦後70年間のさまざまな思いの一つの結晶を見

せてもらった。心に残る映画である」と締めくくっていた。

ことし最後に見た映画『母と暮せば』から、私のことしの年間テーマだった

といえる「戦後70年」をぐさり問いかけられたようだ・・ ∨ 川島正英 ∧



================= PR =====

「奈良県十津川村」から・・

このほど、十津川の温泉が、心身再生の湯であると医学的に実証されました。

これを記念し「温泉療養体験キャンぺーン」がスタート。特典いろいろです。

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/contents/1450243974089/index.html

=======



コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 住民との交流力

~~~

協働の時代、行政・住民ともに、うまく心を通わせる交流力が不可欠です。

先日、あるまちの行政職員に地域住民との交流研修をしました。「リラックス

した雰囲気を作れない」「高齢者の長い話をどうしたらいいのか」悩みはいろ

いろ。パソコンに向き合う時間が増えるほど、生身の人扱いの技は身につきま

せん。大真面目に研修を受ける行政マンの姿が、心に残りました。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=343



■編集室便り


◇新年最初の「さんか・さろん」は 増田寛也さん。

「2016年 地方創生、いよいよ真髄へ」



1月19日の「さろん」は、

スローライフ学会会長・増田寛也さん(野村総合研究所顧問)の

毎年恒例の年始のお話です。


人口減少問題、地方創生、高齢者移住、世の中に次々とメッセージを送る

増田さんが新年始めに、どのような方向付けや提案をされるのか?


お聞き逃しのないように、早めにお申し込みください。

どなたでも参加できます。お誘い合わせてどうぞ。



●日 時: 2016年1月19日(火)19時?21時

●会 場: クオリティKK・会議室マーキュリールーム

(千代田区麹町3―3KDX麹町ビル6F・地下鉄麹町駅からすぐ)

http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html


●講 師:増田寛也さん(野村総合研究所顧問)

東京都生まれ、東京大学法学部卒業。

岩手県知事(3期)元総務大臣、東京大学公共政策大学院客員教授

スローライフ学会会長、NPOスローライフ・ジャパン理事


●テーマ:「2016年 地方創生、いよいよ真髄へ」


●参加費:会員1000円、一般2000円(学生500円)どなたでも参加できます。

●申込み:1月18日までに下記へ。

メールTEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554



◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは

こちらまでお願いします。↓



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:年末の大掃除の季節、普段、なにも手入れしていないパソコンも掃除して

みようと思います。どうすればいいのでしょうか? <編集室:篠原伊佐武>



A:デスクトップパソコンは、メモリなどの部品を交換することができるよう、

簡単に蓋を開けられます。パソコン本体に接続されているケーブルを外したあ

と、蓋を開けて中の埃をエアダスターなどで吹き飛ばしてください。ノートパ

ソコンの場合は固く絞った布でキーボードや画面を拭いてみてください。見た

目も綺麗になって気分も変わると思いますよ。



==== PR ====

クオリティライフから・・・

たまな食堂麹町店では、焼き立て日替わりマフィンも始めました。安心・安全

でヘルシーな、テイクアウト用日替わり弁当やカレー弁当も好評です。

詳しくはこちら >>> http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=4yrjRt2TetMZ

=======



■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



=======


最後までお読みくださって、ありがとうございました。

このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへ


このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとの

ご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、

お気軽にお付き合いください。


今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメール

アドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。


=======


Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会



〒160-0002

東京都新宿区四谷坂町9?4 リカビル301

TEL 03-5312-4141  FAX 03-5312-4554

http://www.slowlife-japan.jp/