瓦版2017.8.1 第373号

きょうから8月。真夏の太陽が強烈です。本格的な夏休みへ・・。「街角から
畦道から」には、東武鉄道にSLの“大樹”が走るお話、「編集室便り」には、
中村桂子さんの「夏休み・生命誌ウイーク」が開かれるお話が楽しく。

 

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コラム<火曜日の鐘> 早野 透(桜美林大学名誉教授)
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お茶の間のおばあちゃん、遠くへ

隣に住む95歳のおばあちゃんが、転んで手の骨を痛めて入院した。おじいち
ゃんは亡くなってもう10年になる。おばあちゃんの一大事、と近所の人たちが
何かとお世話してぶじに退院した。でも、もう一人暮らしはムリ、親戚のいる
小田原市の老人ホームに入ることになった。
わたしたちは、東京大空襲で焼けた跡に、戦後、バラックの家を建てて住み
ついた。おじいちゃんは彫刻家だった。わたしは子どものころ、よくアトリエ
に侵入して遊んだ。だって、周りに裸の女の人の彫刻がいっぱい立っているん
だもの、なんだかわくわくした。おばあちゃんは「こっちにいらっしゃい」と
お茶の間にぼくらを呼んでお菓子をごちそうしてくれた。
おばあちゃんとお別れすることになって、おじいちゃんの遺作「跪く裸婦像」
をひとついただいた。また、遊びに行くからね、おばあちゃん

学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(日本社会事業大学学長)

愛とは責任

「愛するということ」は、「責任を引き受ける」ということである。
別離にあたって狐が「星の王子さま」に諭す言葉は、私の人生の指針である。
もちろん、失明の危機に脅えてきた私にとって、「心で見なくちゃ、ものごと
はよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」と、狐
が「星の王子さま」に告げる言葉は、救いの言葉である。失明をしても、「か
んじんなこと」は見えるからである。
それとともに最後に「星の王子さま」に狐が教える次の言葉は、私の人生の
文字どおりの指針である。
「人間っていうものは、このたいせつなことを忘れてるんだよ。だけど、あ
んたは、このことを忘れちゃいけない。めんどうみたあいてには、いつまでも
責任があるんだ」。
ここで述べている「めんどうみたあいて」とは、「愛した相手」といってよ
い。つまり、「愛した相手」には責任があるということである。もっとも、
「愛された相手」にも責任が生じると考えられるので、「愛」とは「責任」で
あるといってよい。
地方分権に携わってきた私は、地方分権を通して、多くの方々と、愛し、愛
される関係を築くことができた。というよりも、多くの「恩」を受けてきたけ
れども、その「恩」を返すことができずにいる。スローライフの川島正英氏も
増田寛也会長も、そうである。
もちろん、最も深い恩義は、私の地方財政にかかわる研究を常に支援してい
ただいた多くの総務省の方々である。しかし、気がつけば、私は何の「責任」
も果たせぬままに、時は無情に流れてしまっている。
「愛」は「責任」だとして、私はどれだけの「責任」を果たせたのかどうか
疑わしい。妻にさえも、無責任だったと反省しながら、『星の王子さま』を読
み返すことにした。

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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej
広島県尾道市「因島のはっさくゼリー」。はっさく発祥の地でつくられたゼリ
ー。はっさくの実がゴロンと入っていて、独特の風味が生かされています。
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■街角から畦道から

松下隆(長崎県雲仙市役所) 雲仙・・元気便り ?百姓と父

子どもの時から父の背中を見て育ってきた。父は、兼業農家で、貧しいながら
も、朝早くから仕事に出かけ、夜遅くまで農業という生活を送ってきた。
しかし、短気で、何か気に入らないことがあったら茶碗が空を飛んでいた記憶
がある。ただ、とにかく父が好きだったため、休みの日で農業のときは一緒に
朝から夜まで働き、色んな事を学んだ。はずだった。そんな父も、傘寿を迎え、
百姓も昔ほど上手くは行かなくなった。私も農業を継続したく、百姓の一から
取り組むようにしているが、まだ学ぶことばかり。
いま、働き方改革について議論が進む。もちろん目の前の仕事を全うするの
が前提だが、将来の充実した生活のためにも自然の中で身近な発見を意識すべ
きかもしれない。規模縮小した家業の百姓。父との作業の中でふと思うこと・・。

舟越隆裕(日光まるかじり塾) 汽笛の響く夏が来る

8月10日から東武鉄道・下今市?鬼怒川温泉間にSL「大樹(たいじゅ)」が
運行を開始します。地元では、運行の開始をきっかけに、最高のおもてなしを
しようと「いっしょにロコモーション協議会」を設立し、受入準備に奔走して
います。「いっしょにロコモーション」という言葉には、SLが力強く走り出
すように、地元のみんなも動き出そうという思いが込められています。
そもそも、この路線の一部にかつてSLが走っていました。それが廃止された
のが、私の生まれる数か月前。そして、今年の日光は「熱い」夏です!

※竹内義昭さんの『カズコさん』は、今週、お休みといたします。

■まち・むらニュース

・島根県雲南市 映画「たたら侍」のオープンセットを公開

映画「たたら侍」のオープンセットが「出雲たたら村」としてそのままに公開。
さまざまな建物が地元の協力により再現されており、映画の世界観をリアルに
体験することができる。
期間:?10月1日(日) 10時?16時(火曜日休み)
場所:雲南市掛合町多根地内 入場料:大人1000円、小中校生500円
問合せ:出雲たたら村事務局 TEL0852-61-8101
http://izumo-tataramura.jp/

・福島県安達郡 森林文化公開体験「杉を知る」

杉の特徴、利用の歴史、新たな活用がテーマの展示のほかに、「杉材イス作り」
や「杉のアロマでディフーザー作り」「チェーンソーアートと加工体験」など、
杉に触れて、知って、加工して、杉の魅力を再認識できる。
開催日:8月1日(火)?27日(日)
場所・問合せ:ふくしま県民の森フォレストパークあだたら
TEL0243-48-2040 http://www.fpadatara.com/event/event.html#event10

コラム<象さんの散歩>

「安倍一強」の驕りと翳り・・誰が鈴をつけるのか

先週のこの欄で、安倍政権にとって、先週の国会審議がヤマ場だと書いた。
防衛省の「日報」問題は、稲田防衛相の辞任でひとまずは幕をひいた形だが、
森友・加計学園問題はまったく「知らぬ・存ぜぬ」のまま。安倍首相は、内閣
改造によって、目先の転換を図ろうとしていて、ヤマ場は続く。
日曜日の夕食、長男・英樹が久しぶりに訪ねてきた。妻・宏子が大はりきり
で料理して楽しく。でも、いつしか森友・加計学園問題の話に。
政権の「驕り」と、官僚のあるまじき「忖度」、また不誠実な公文書扱いに
歯ぎしりだ。安倍政権の内閣改造はもってのほか、として、その次は・・。
代わって政権を担うべき野党第一党の民進党は、安倍政権と歩調を合わせて
支持率を下げたばかりか、代表も幹事長も退いた。自民党。安倍首相と総裁の
座を争ってきた石破茂氏は、なかなか国民的人気を呼び戻せない。ナンバー2
だった谷垣禎一氏は姿を見せず。小泉進次郎氏は国民の支持を集めているのだ
が、いかにも若い、との声も。岸田文雄外相・防衛相は安倍政権に付き添い、
支えてきたところをどう評価されるか、などなど。次への談議はさまざまに。
わが国民性は、政権選択、政治方向など、家族で話し合うことに慣れていな
いが、わが家も変わりなし。それでも「翳り」論議・・ <川島正英>

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「奈良県十津川村」から・・
紀伊半島大水害で流された上湯温泉河原の露天風呂が、6年ぶりに再開です。
つるつる美肌の自慢の湯と、川のせせらぎを満喫できると人気。500円。
詳しくはこちら>> http://totsukawa.jugem.jp/?eid=1021
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 高校生頑張る

各地で高校生が、地域おこしに頑張る姿を見かけます。私が滞在する紀の川市
粉河、ここの「山崎邸」という築百年の住宅をのぞくと、粉河高校のグループ
が夏のイベントに取り組んでいました。地元特産のフルーツピザを焼いたり、
スイカと桃のスムージーを売ったり。館内各部屋に紀の川市クイズを仕込んだ
り。炎天下で経験したこの日のことは、郷土愛と自信に繋がるでしょう。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=425

■編集室便り

▽映画『中村桂子・生命誌を紡ぐ』の凱旋上映です

わが学会の中村副会長が描く『水と風と生きものと 中村桂子・生命誌を紡ぐ』
は、各地で好評、巡回記と映画の内容ががDVDブックにまとまった。それを
機に「夏休み生命誌ウイーク」が開かれる。会場は、わが学会の「さんか・さ
ろん」で、映画を観賞、中村さんのお話をうかがった東京・東中野のポレポレ座。
三つの企画が催される。「さんか・さろん」はお休みの月。ポレポレ座へぜひ・・・

「夏休み生命誌ウイーク」
詳しくはこちら>>http://tsumugu.brh.co.jp/imgs/theater/index/pdf02.pdf

1)『水と風と生きものと 中村桂子・生命誌を紡ぐ』の凱旋上映
8月26日、28日、29日、9月1日・・それぞれ13時50分開演

2)生命誌の世界を描く2作品上映
『生命誌版・セロ弾きのゴーシュ』『いのちの響きを』
8月27日、30日・・それぞれ13時50分開演

3)親子ワークショップ(38億年 いのちの旅へ)
8月27日・・13時?13時45分
中村桂子さんの絵本『いのちのひろがり』を読む会

8月26日、27日・・ペーパークラフト「立体・生命誌絵巻」

※入場料金については、割引などもあり、お問い合わせを。
会場は東京・東中野 ポレポレ座
(JR、地下鉄大江戸線「東中野」駅から1分)
TEL:03-3227-1405

<お問い合わせ>
JT生命誌研究館  表現を通して生きものを考えるセクター 担当:村田
TEL: 072-681-9796(平日の9時?16時) URL: http://tsumugu.brh.co.jp

▽平成29年度の会費をお願いします。 新会員も募集中。

スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会
です。(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)
スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、
全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。

年会費5000円(自治体会員は50000円)、
この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したり。
会費は下記の口座へお振り込みください。

【振込先】
ゆうちょ銀行 振替口座 00190?4?595293 スローライフ学会
三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会

詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3

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クオリティライフから・・・
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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
和歌山県紀の川市
http://www.city.kinokawa.lg.jp/
奈良県吉野郡十津川村
http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html
奈良県
http://www.pref.nara.jp/
雲仙市
https://www.city.unzen.nagasaki.jp/
飯山市
http://www.city.iiyama.nagano.jp/
出雲市
http://www.city.izumo.shimane.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/

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