瓦版2017.7.25 第372号

 この『瓦版』の読者諸兄姉の随想欄「街角から畦道から」が、賑わってきま

 した。すばらしい。ありがとうございます。「カズコさん」に加え、今週号

 から3回、雲仙市のスローライフ応援団・松下隆さんからの寄稿です。




コラム<火曜日の鐘> 川島英樹(せたがや文化財団)   

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         はじめて鳥取を訪れた


砂丘とセットで行ってみたかったのが、「すなば珈琲」。スターバックスが

ない県が鳥取だけになったとき、知事の「スタバはなくても、日本一の砂場が

ある」という発言から生まれた喫茶店。そう、カフェじゃなく、喫茶店である。

「お得なモーニング・セット」の時間は、中高年サラリーマンでいっぱい。

ト―スト、ゆで卵、ハム、サラダ、フルーツ、Lサイズのコーヒーで、486円。

おにぎりや朝粥のセットもあり、オヤジ心を掴むメニュー構成がにくい。関心

したのが、ジャムとマーガリン。一体化したパックは曲げるだけで、両方混ざ

りながら出てくる仕組み。好みにこだわる若者には向かないが、スポーツ新聞

片手に朝めしを掻き込む、手先の不器用な人種にはうってつけであろう。

鳥取では、こういうことが自然体というのか、商売というより、気遣いと思

わせる、土地柄のようなものを感じた。ガランとした倉吉の白壁の街で、冷や

かしたクラフト・ショップ「cocorostore」。若いご主人が「こんなに暑いのは、

ここと東京くらいでしょう…」。苦笑と冷たいお茶をふるまってくれた。

お喋りの最後、聞きもしないのに、「電車1時間に1本だけど」と言いなが

ら、隣町のカフェを教えてくれた。名所見物を諦めても、行ってみようという

気にさせる風土だ。そして、実際、スタバより、砂場より、素敵な場だった。



学会コラム<緑と絆の木陰> 坪井ゆづる(朝日新聞論説委員)


あれから6年4カ月後の未来



7月中旬の連休に、東日本大震災の被災地を車でめぐった。あれから6年4カ月後の未来を、この目で確かめ、写真に撮るために。岩手県宮古市にそびえ立つ防潮堤の階段は60段を超える(写真1)。


陸前高田市では、盛り土の上に待望のスーパーが開業している。いずれは繁華街になるはずだが、駐車場の周りにはまだ何もない。

宮城県気仙沼市では、座礁した共徳丸の跡地近くに復興公営住宅が並び始めた(2)。


女川町では立派な公営住宅が建つと同時に「人口100人の島に100億円の橋を架ける」と指摘された工事も着工されている。南三陸町の「さんさん商店街」のお昼時は、車が渋滞するほど賑わっていた。

裁判が続く石巻市の大川小学校は以前と変わらぬ佇まいだ。山を切り開いた東松島市野蒜地区では、JRの新駅前に予定通り新築家屋が次々に登場している(3)。


名取市閖上でも盛り土の上に復興公営住宅ができていた。

防潮堤や三陸自動車道の延伸(4)、架橋などの巨大工事に比べれば、暮らしの再興はまだ始まったばかりだが、住まいはそろいつつあるようだ。

それが福島県内の帰還困難区域に入ると、風景が一変する。大熊町では国道6号沿いの家々が侵入者防止用の鉄柵に覆われ(5)、道路脇には汚染土を詰めた黒い袋が、びっしりと並んでいた。復興のスタートラインがまだ遠い。



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奈良市「麻ふきん」。吸水性、発散性に優れた麻布のふきん。清楚で涼やかな

麻本来の素朴な色合いも魅力です。伝統に根付いた生活雑貨の逸品です。

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■街角から畦道から


松下 隆(長崎県雲仙市役所) 雲仙・・元気便り ?生活の質を高める


平成27年の本市での「スローライフ・フォーラム」は、多くの市民の方に反響

をいただきました。行政職として「何ができる?」と、今も頭の中で大運動会

を展開していますが、役所という暖簾を外せば、無力な自分に気付きます。

家業の百姓の時間確保、子ども視点による遊び、仲間と取組みなどの充実感に

満足。百姓は、本当に素晴らしい。農作物の成長の過程を見ていくことで、虫

の発生状況や草花の生育環境も感じられる。子ども視点でカエル、スッポン、

ホタル、星など、自然を満喫できる。仲間とは農業やイベントなど、自分達の

力でできることを実行していく。

雲仙市の自然を再発見し、改めて魅了されている。これからも田舎にドップリ

浸かって、時間をかけ、生活の質を高めて生きたい。

10月開催の出雲市・雲南市・奥出雲市・飯南町での「スローライフ・フォーラ

ム」で、新たな発見を心待ちにしながら・・。



竹内義昭 カズコさん(122)


前回に続いて、杉並区が南伊豆に開設する特養について。待機老人の解消策と

しての一案ではある。しかし、カズコさんをこの施設に送り込むかというと、

ためらうに違いない。


特養に入るのは要介護3以上の高齢者で、認知症の人が多い。自分がどこに居

るのかも理解できないから、当人にとっては都内でも過疎地でも変わらない。

自然環境が素晴らしいとは言っても、徘徊防止のため施設の外へは自由に出ら

れない。長時間の移送に耐えられるかといった問題もある。


家族にとっては施設が近ければ近いほど面会に行き易く便利だ。それでも介護

の苦労から解放されるなら遠くてもいい、との考え方もあるだろう。悩ましい

ところである。



■まち・むらニュース


・奈良市 ライトアッププロムナード・なら2017


春日大社一の鳥居、興福寺五重塔、東大寺大仏殿など世界遺産や歴史的建造物

10箇所がライトアップ。奈良1300年の歴史が幻想的な灯りの中に浮かび上り、

古都の宵の散策が楽しめる。

開催期間:?9月24日(日)19時?22時 場所:奈良公園一帯

主催・問合せ:ライトアッププロムナード・なら実行委員会 0742-27-8677

http://www.lightup-nara.jp/



・福島県相馬市 相馬野馬追


戦国絵巻の再現といわれる荒々しく熱気に満ちた神事。500騎以上の甲冑に身

を固めた騎馬武者の行列、甲冑競馬、神旗争奪戦、裸馬を素手で捕らえる野馬

懸など千年以上の伝統を誇り、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。

開催日:29日(土)?31日(月) 会場:相馬市、南相馬市

http://soma-nomaoi.jp/



コラム<象さんの散歩> ラジオ体操は楽しく


近くの町内会が、地下鉄の駅上の小公園で、子どもたちに「朝の体操」の

時間をつくった。加えてもらった。小学校の集団疎開先での「ラジオ体操」

を懐かしみつつ、きょうも・・。実は、この春から、毎朝6時25分のNHK

の「テレビ体操」を始めてはいた。そのあと10分ほど散歩。事務所への往復

しか体を動かさない象さんには、いずれにしろ嘆かわしい運動量だが。

私のスポーツ歴・・太平洋戦争の翌年、旧制・和歌山県立耐久中学へ入り、

相撲部へ引っ張られた。体が大きいから、だった。先輩の鉄拳が飛ぶ時代で

あり、全国の中学で五指に入る名門相撲部が故の猛稽古に泣いた。

学制改革で、中学3年生は村の新制中学校へ。2学級男女60人。憧れの

野球部へ。やっと1チームで、おふくろ手製の布グローブでの練習だった。

高校は大阪府立北野高。ラグビーの名門で8学級のクラス対抗もあった。

大学では「早稲田大学新聞」に懸命。えんじ色のワセダが、ラグビーも野球

も全盛を誇った時代だったが、実は、もっぱら観戦にエネルギーを費やした。

社会に出てからは、なおさら。自ら体を動かすことといえば、流行に踊ら

されてゴルフ場でクラブを振り回す。貴重な休日とボーナスを犠牲に。

老化現象はみんなと同じく進む。が、体重に変化なし。現在は80±2?。

実は、高校生時代から、ずーっと変わらず。・・<川島正英>



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「奈良県十津川村」から・・

8月19日(土)は十津川村の夏祭り「第19回昴の郷ふれあい物語」開かれます。

フラダンスやコンサート、餅まき、18時30分からは国の重要無形民俗文化財の

盆踊り大会です。詳しくは→ http://totsukawa.jugem.jp/?eid=1023

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 桃づくし


この時期の紀の川市は桃一色です。桃を買いに来るお客様で桃渋滞が起きる。

桃直売所には開店前から行列ができる。ならば市民主催の催しも桃一色にと、

「桃づくし体験」が行われました。低農薬農園の桃をもぎ取り、桃農家のお話

を伺い、桃の剥き方を教わり、桃100パーセントの氷蜜を使ったかき氷作りを

体験し、桃バーガーをほおばる。こんな贅沢、産地ならではですね。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=424



■編集室便り


▽平成29年度の会費をお願いします。 新会員も募集中。


スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会

  です。(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)

  スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、

  全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。


  年会費5000円(自治体会員は50000円)、

  この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したり。

  会費は下記の口座へお振り込みください。


【振込先】

  ゆうちょ銀行 振替口座 00190?4?595293 スローライフ学会

  三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会


詳しくはこちらをご覧ください。

  http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3



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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

飯山市 

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出雲市

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日本テレネット株式会社

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クオリティ株式会社

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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

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