紅葉 百人一首の秋の歌

紅葉 百人一首の秋の歌

 

紅葉真っ盛り、紅葉狩りの頃です。紅葉を散らした手づくりの屏風前に置いたのは、私の師匠の手による画と書の百人一首。百人一首には秋の歌が20首あるといわれています。その中からの五首。

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ(天智天皇)

ちはやぶる神代もきかず竜田川 からくれないに水くくるとは(在原業平)

心あてに折らばやおらむ初霜の おきまどはせる白菊の花(凡河内躬恒)

あらし吹くみ室の山のもみぢばは 竜田の川の錦なりけり(能因法師)

さびしさに宿を立ち出でてながむれば いづくもおなじ秋の夕ぐれ(良選法師)

文・室礼写真:丸山薫(「心葉」主宰)