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先日の「さろん」では、この運動の始めから8年間、全国を回りスローライフ
を説いた筑紫哲也さんを偲びました。そして、当NPOの理事であったジャーナ
リスト・早野透さんの思い出話も。きょうの瓦版にはその続きの話題が・・。
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コラム<火曜日の鐘> 吉田俊実(東京工科大学名誉教授)
マトリョーシカ
「年を取るということは、自分が変化していくのではなく、マトリョーシカ
になること」と言った人がいる。年を重ねた自分が若い自分に被さっていくの
であって、17歳の自分はいくつかのマトリョーシカの下に、確かにいるはずだ
というのである。17歳を抱えながら大人になるとしたら、その17歳の自分にも
う一度出会う機会はあるのだろうか。
例えば、小説や映画の中のぎこちない若者たち、その切なさに胸が締め付け
られるようになるとき、17歳の自分が反応しているのかもしれない。紅茶に浸
したマドレーヌによってかつての記憶が蘇る。いや、記憶が蘇るのではなく、
かつてのマトリョーシカが立ち現れる瞬間かもしれない。社会に合わせようと
押し込めたマトリョーシカもいたはずだ。そうだ、マトリョーシカが夢見たマ
トリョーシカはどこに隠れたかしら。忘れているマトリョーシカ、忘れたふり
をしているマトリョーシカ、少し怖い気もするけど、見つけてあげたいな。
学会コラム<緑と絆の木陰> 増田寛也(日本郵政社長)
早野透さんを偲ぶ
悲しいニュースが飛び込んできた。早野透さんが旅立たれた。当学会の理事
としてもお世話になったが、本職の朝日新聞政治部記者としては「ポリティカ
にっぽん」を長期に亘り連載され、私はその熱心な読者だった。また、著書の
『田中角栄』(中公新書)は、田中角栄研究のみならず、日本の戦後政治を辿る
上でとても役立つ。日本記者クラブで早野さんが執筆の背景を語ったユーチュ
ーブを見たこともあるが、一度じっくりお話しを伺いたかった。その機会は、
残念ながら永遠に失われてしまった。
先週、瓦版とともに「2017年スローライフ・フォーラムin出雲の國」での、
早野さんのありし日の姿が送られてきた。私は今月の初めに出雲や雲南市に出
張してフォーラムの際に様々な便宜を図っていただいた佐藤満さん(市役所OB)
にもお会いし、ちょうど当時の話をしたばかりだったので、突然の訃報になお
さら驚いた。心よりご冥福をお祈りいたします。
うれしい知らせも伝わってきた。前回の当欄で取り上げた、国内各地に伝わ
る民俗芸能としての「風流踊」41件がユネスコの無形文化遺産に登録される見
通しとなった。祭りの担い手確保が困難となっていく中で、今回の登録が少し
でも関係者の励みになることを切に願っている。
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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej
広島県瀬戸田町「瀬戸田浜子鍋せんべい」。地元の塩田で働く人「浜子」が食
べていたといわれる魚介類の鍋。その鍋をモチーフにした巨大なおせんべい。
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■街角から畦道から
「筑紫哲也を語ろう」⑤ 「別れ」とそれから
高橋征吾(東京都板橋区 スローライフ学会会員)
テレビで毎日、筑紫さんを観るのはもうすっかり当たり前のことでしたが、
それでも2008年11月7日がやって来ました。訃報に接したとき、まさに落雷の
ような衝撃だったのを今でもよく覚えています。
筑紫さんは丸山眞男のことを「先生」と呼び、金平茂紀さんも筑紫さんのこ
とを「恩師」と呼びましたが、私にとって筑紫さんは単なる憧れの有名人では
なく、先生、兄貴分、先輩、“悪友”などの全てを合わせた存在だったような
気がします。
亡くなった後、より一層著書を買い求めるようになりましたが、そこには受
け継がれるべき「松明」が示されているだけでなく、筑紫さんのコクとキレ、
そしてユーモアのある文章を今もなお楽しむことができます。それは幸福なこ
とだと、この連作を書きながら改めて思いました。ありがとう、筑紫さん。そ
してこれからもよろしく。写真はスローライフ事務局提供。(番組で病
気を公にした直後のスローライフ学会欠席の手紙)
「筑紫哲也を語ろう」の「さろん」に参加して
大原興太郎(三重県津市在住 三重大学名誉教授)
私は比較的最近からの参加でしたので、スローライフ・ジャパンの最初の頃
の全国的な拡大活動に、筑紫さんがずいぶんと関わられていたのだということ
が、野口さんの説明でよくわかりました。筑紫さんはスローライフ的知性のよ
うなものに、日本の今後の可能性を見ておられたのではないかという気もしま
した。「自然は曲線」とか「もっと論を」とか、筑紫さんがこだわられた言葉
の意味を時々反芻してみることの大事さも感じました。
それにしても、日本を代表する当初からのメンバーが20年あまり継続されて
いることに、改めて感動いたしました。事務局スタッフの世話役的な活躍があ
ってのスローライフの活動ともいえますね。
■まち・むらニュース
・島根県出雲市 出雲そば旅
専用のガイドブックを見ながら、神々の国である出雲のそばを味わう“美味し
いを巡る旅”。市内中心地区のほか、出雲大社周辺、出雲縁結び空港周辺など
のたくさんの参加店舗で楽しめる。11月27日には、手打ちそば屋台村や特産品
販売もある「出雲新そばまつり」も行われる。
開催期間:2023年2月28日(火)まで 場所:出雲市内各所
主催・問合せ:神在月出雲そばまつり実行委員会 TEL0853-21-6588
・北海道札幌市 第42回さっぽろホワイトイルミネーション
1981年から始まった大通り広場のイルミネーション。当初シンボルオブジェに
付けられたのは1,048個の電球。今年は6会場で、合計74万個の電球が灯る。
各会場で独自のテーマの美しく幻想的なイルミネーションが展開し、楽しめる。
会期:11月22日(火)~2023年3月14日(火)まで(会場により違う)
会場:大通会場、駅前通り会場、札幌駅南口駅前広場、など全6会場
主催:札幌市、一社)札幌観光協会、札幌商工会議所
問合せ:さっぽろホワイトイルミネーション実行委員会 TEL011-281-6400 https://www.white-illumination.jp/
コラム<象さんの散歩>
足取り重く岸田首相の帰国
21の国・地域が参加したアジア経済協力会議の首脳会議を終えて、帰国した
岸田首相を待ち受けたのは、寺田総務相の更迭問題・・・。
今回の首脳会議は、明るい話題もいくつか。日中首脳会談での習近平主席と
のやりとりなども。だが、新聞・テレビは、とにかく国会に釘付け。
だから、であろう。岸田首相も真っ先に人事を片付けた、のだろうが・・。
翌日の世論調査で、内閣支持率=30.5%・・(テレ朝・21日)。
政権として、ぎりぎりの崖っぷちに来たことは、まぎれもない。「国葬」の
扱い、遠慮がち人事、何よりも「旧統一教会」での弱腰・・。いずれも、安倍
政権を意識しすぎである。脱・安倍元首相、が鍵だと考える。
象さんは、安倍政権に対しては、世論より厳しく見てきた。「森友」「加計」
など、恣意的、世論を欺く政治が許せなかったからだ。その意味では、岸田政
権には、やや甘いかもしれが、もう少しだけ、見守りたい・・・<川島正英>
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「奈良県十津川村」から・・
村の観光名所「谷瀬の吊り橋」が、橋梁補修工事のため11月28日(月)から12
月23日(金)の期間、平日通行止めになります。平日に観光でおいでの方、ご
注意ください。なお土曜、日曜日は通常通り渡ることが出来ます。
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> アンネのバラ
「もし神様が私を長生きさせてくださるなら、私は世界と人類のために働きま
す。戦争が何の役に立つのでしょう。なぜ人間は仲良く暮らせないのでしょう」
ナチスに捕らえられ、15歳で亡くなったアンネ・フランクの日記の一節だそう
です。そのアンネを悼み「アンネの形見のバラ」と命名されたバラ。先日、京
都府綾部市に行ったときにみました。黄にピンクの混ざった、可愛い花でした。
写真もご覧ください。 https://noguchi-tomoko.com/post-9233/
■編集室便り
▽筑紫さん、早野さんを偲ぶ「さんか・さろん」でした。
11月15日(火)の「さろん」は、「筑紫哲也を語ろう」ということで、20人
の方が集いました。予定していたスピーカー、会員・高橋征吾さんがご都合
悪くなり、急遽、事務局・野口智子が、筑紫さんのたどられた、スローライ
フ運動の軌跡を語りました。
「え?筑紫さんって、そんなにスローライフ・ジャパンに関わっていたの?」
とか「本当に各地に行かれて、スローライフのことを話していたんですね」
「あらためて筑紫さんの遺した言葉を大事にしたい」などご意見が出ました。
11月7日が彼の命日だからと催した企画でしたが、5日に筑紫さんの後輩に
あたる早野透さんが急逝され、早野さんを偲ぶ場ともなりました。筑紫さんや
早野さんの思いを継ぐために、これからもスローライフの輪を、と思います。
2010年4月20日のこの「スローライフ瓦版」創刊号に、早野さんの原稿があり
ます。筑紫さんにも触れられていますので、ここにご紹介いたします。
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コラム<火曜日の鐘> 早野 透(桜美林大学教授)
さよなら、ニュースに追われる生活?
新聞記者42年、そのうち政治記者36年、退く潮時ですね。権力の攻防のまっ
ただなかにいた害毒を洗い流すように、4月1日、賛美歌に迎えられ、東京都下、
桜美林大学教授に赴任した。
授業が始まって1週間、男女学生のつぶらなひとみに見つめられて教壇にた
つと、あだやおろそかにできない、教育の現場の厳粛さを感じる。メディアと
は。新聞とは。権力の監視…。ヒトラー、ルーズベルトから鳩山政権まで語っ
たら、さすがにくたびれた。
ゼミは「筑紫哲也研究」をテーマにしてみた。「筑紫さんは、スローライフ
を唱えて忙しがっていた人」と話すと、ゼミ生はへーっと目を丸くした。
これからの私、「さよならニュースに追われる生活、こんにちはスローライ
フ」となるといいのですが。
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▽10月以降に入会の場合、年会費が3000円です。
今年度の会費をまだお支払いでない方、または、これを機会にご入会の方、
来年3月までの年会費が3000円となります。(これまでは5000円)
会員になると「さんか・さろん」への参加が1回1000円(非会員は2000円)、
年会費以外に3000円で3月まで何回でも参加できます。
◆「さんか・さろん」のプログラムはこちらから
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