瓦版2015.7.21 第269号

東京では、几帳面に風と水を届けてきた梅雨が明けると、こんどは一気に猛暑

の夏へ。きょう21日、本来は「さんか・さろん」の日ですが、夏休みとさせて

もらっていたのがよかったのかどうか。8月は暑くとも決行です・・念のため。

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コラム<火曜日の鐘> 長谷川八重 (NPOスローライフ掛川)

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論じあってほしいものがまだまだ



先週、国民の関心事二つが大きく動きました。一つは、安全保障関連法案が

衆議院を通過したことです。憲法学者から憲法違反だと指摘され、国民の理解

が進んでいないにもかかわらず強行採決。まだまだ論を尽くしましょうという

のが国民の声です。国会前の抗議運動に若者の姿を多く見受けて、やりきれな

い思いでニュースの映像を見ています。

もう一つは、総工費2520億円に膨れ上がっての批判が続いた新国立競技場の

建設計画撤廃。4年後のラグビーW杯に間に合わないが、負の遺産を造らない

という勇断は評価されています。これを政権支持率を稼ぐためとの説もあるが、

私は、もう少し論じあっていい方向を見つけてほしいと思っています。

私の関心の一つは、いま、『リニア中央新幹線』にも向かっています。東京

大阪間を最速1時間でつなぐ。9兆円もの建設費用で自然豊かな南アルプスに

トンネルを突き刺して走らせる。昨年秋に国の許可が下り、2027年開業予定。

便利にはなるがそれが国民の必要を満たす事なのだろうか?と、むしろ疑問を

抱えています。その技術と予算をODAなどに活かせないのだろうか。

国会、地方議会でも、国民の間でも、議論が少ない。論じあってほしい。



学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授)


老いたる父母


思わず吹き出してしまうような出来事も、最悪事態と隣合わせであることを

しばしば経験する。

老いたる父が庭で溺れているという摩訶不思議な連絡が妻から届いた。確か

に、私の家には祖父が贅を尽くした池のある日本庭園がある。とはいえ、池の

深さは15センチメートルほどである。しかも、現在では水を入れずに、枯山

水となっている。そんな池では溺れようもなく、ただ面喰いながら家路を急い

だ。

家に着くと唖然とした。庭の植木に水をやっていた父が、水無き池で足を滑

らし、池の置石の間に体が挟まれて動けなくなってしまった。ところが、手に

していたホースから流れ出た水が、池を満たし、水死直前の状態にまでなって

しまったのである。

妻と母とで力を合わせ、ようやく父を引き上げることができた。父は衰弱し

ていたものの、どうやら擦り傷程度の被害ですんだ。

父は97才で、母は90才である。二人とも日に日に子供のようになってい

くので、眼が離せない。小さくなってしまった母の頭を撫でると、母は子供の

ように喜ぶ。それは遠い昔、母に頭を撫でられると、ただそれだけで喜びで心

が満たされた追憶を呼び起こす。

父と母と共に生きることは、私にとってこの上もない幸せだ。というよりも、

幼き頃に包んでくれた父と母の愛を、再び味わうことが出来るような気がする。



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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

岩手県久慈市「三陸海鮮お茶漬」。三陸で水揚げされた海藻「アカモク」を

秘伝の味で乾燥させた新しい感覚。鮭、帆立、いさだの三種の味があります。

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■街角から畦道から


嶋崎靖(千葉県習志野市) その日に「ヒロシマ」の再演です


戦後70年の節目。習志野で『ヒロシマ』を再演いたします。

父から「孫たちに読ませてくれ!」と言って『最後の初年兵』と題した戦争

体験記を手渡されたのは、戦後60年の時でした。時期を同じくして「朗読劇・

ヒロシマ」の依頼が舞い込みます。

『最後の初年兵』は、父の「ヒロシマ」記憶で始まっており、その偶然に断

ることはできませんでした。当時チンチン電車を運行していた16歳の女学生。

「被爆電車」を擬人化して、被爆した少女たちを思い出す台本が出来ました。

2007年初演。翌2008年、芸術高校で教えていた16歳の子供たちに、昭和20年

の16歳と時代状況を想像させながら再演。本番翌日、習志野市役所で出あった

のは、台本の中で使わせて頂いた方の「被爆学生服」でした。

8月6日15:30?、市の「平和祈念式典」の後に上演されます。

市民の皆さんと一緒に、静かに70年前を想像し、戦争と平和を考えたいと思

います。 是非、ご参加のほど宜しくお願いいたします。

(新習志野公民館:http://www.sinnara-kominkan.net/)



■まち・むらニュース


・岩手県遠野市 復興支援コンサート「絵本と子守唄のつどい」


遠野少年少女合唱隊とゲストの歌手が「星めぐりの歌」「座敷わらしの子守唄」

などを歌う復興支援コンサート。ほかにも「雨ニモマケズ」の朗読や演奏会が

ある。共催に遠野市、教育委員会のほかに、NPO法人日本子守唄協会。

日時:8月1日(土)15:00? 入場無料

会場:遠野市めがね橋緑地広場(宮守町下宮守)*雨天の場合は宮守体育館

主催:国立青少年教育振興機構

問合せ・申込み:遠野文化センターTEL0198-60-2800

http://www.tonojikan.jp/events/detail/353



・愛媛県四国中央市 四国中央紙まつり


地場産業である「紙」への感謝と、ふれあいをテーマに今年38回を迎える。初

日夜に開催される、紙の手漉き工程をアレンジした紙おどりは必見。手漉き、

水引の体験、紙の衣装のファッションショー、書道パフォーマンスなど、さま

ざまなイベントがおこなわれる。

日時:7月25日(土)、26日(日)9:00?20:00

場所:川之江栄町商店街周辺(JR四国予讃線・川之江駅)、紙のまち資料館ほか

主催・問合せ:四国中央紙まつり実行委員会 TEL0896-28-6186

http://scc.shikokuchuo.jp/~kam/



コラム<象さんの散歩>   戦後70年・・かつてない危機 


15日。終戦記念日まで一ヶ月というとき、ついに、というか、やはり、という

のか、安倍政権は、衆院の特別委員会で安全保障関連法案の採決を強行した。

独りよがり政治、というほかない。


第一。論議をつきつめていない。逃げと

はぐらかし。時間の消費を待ち、多数で押し通す。議会制民主主義の王道はずし。

世論調査の結果(朝日新聞・20日)も、採決の進め方が<よくなかった>69%。

採決を強硬手段に頼ったというだけではない。審議時間が、戦後6番目に長い

116時間というが、こんなに重要な法案がまとめて11本とは信じがたい。

第二。憲法9条の解釈を内閣の恣意で変えていいのか。集団的自衛権の問題は

憲法学者のほとんども立ち上がってNOなのだ。世論調査の結果、集団的自衛権

を使えるような法律整備<適切でない>74%である。

第三。平和憲法を反古にしていいのか。最大の課題だが、国民の意識が高まっ

てきた。この日夕、国会横の憲政記念館で別のフォーラムに出かけ、国会を取り

巻く反対デモに出会った。私の知る60年安保と空気は違ったが、若者たちの「戦

争させない」「9条壊すな」の心情のひびきは変わらない。インターネットとい

う新しい動きも。世論調査の結果は、今国会での成立<必要はない>69%。

戦後70年、太平洋戦争を描く映画がたくさん封切られる。来月公開される松竹

「日本のいちばん長い日」を日本記者クラブの試写会で見た。終戦前日の天皇、

政府、陸海軍を映す。昭和天皇、また鈴木貫太郎首相の「未来をまもる」決断が

胸をうつ。安倍首相も、あらためて戦争を見つめてほしい・・∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

8月4日の“吊り橋の日”に、「谷瀬の吊り橋」の橋上で和太鼓演奏が行われ

ます。名付けて「揺れ太鼓」、スリルのある勇壮な音をお楽しみください。

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/contents/1436752027656/index.html

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 走って食べて

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「第3回紀の川市よくばりサイクリング」に参加しました。台風一過の日差し

のもと、地元の女性たちが企画した“美味しくRide”する催しです。ちょうど

名産の桃の季節、桃尽くしのサイクリングとなりました。次々待っている美味

しいものに惹かれたこともありますが、なんといってもお世話してくださった

皆さんの熱意とさわやかな風が、初心者の私を23キロ走らせてくれました。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=321



■編集室便り


◇おすすめの著作二つ


スローライフ人の出版の分野での活躍ぶりを、なかなか紹介

しきれないが、いま、二つの作品が話題に。

応援をよろしく。



・『地方消滅と東京老化』―日本を再生する8つの提言―


スローライフ学会会長、増田寛也さんのベストセラー『地方消滅』(中公新書)。

その問題提起の段階から具体策へと進めた。地方消滅の裏側で起きた超高齢化に

よる「東京老化」の加速。地方消滅の危機に備え、打ち勝つための提言である。

少子高齢問題の第一人者、河合雅司氏との共著。

出版社:ビジネス社 1″296 http://www.business-sha.co.jp/books/



・『戦争は終わっても終わらない』―日本の戦争の傷痕を超えて―


戦後70年、スローライフ学会理事の写真家、大石芳野さんの新刊写真集。国内外

で戦争・災害に直面した人々の姿を、正面から撮影し続けた大石さんの40年にわ

たる活動の中で、日本の戦争が残した傷痕と、苦しみながらも不屈に生きる人々

に焦点をあてた作品192点を集成している。

出版社:藤原書店 3″888 http://www.fujiwara-shoten.co.jp/main/



◇平成27年度の会費をお願いします。 新会員も募集中。


スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会

です。(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)

スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、

全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。



年会費5000円(自治体会員は50000円)、

この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したり。

会費は下記の口座へお振り込みください。


【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190?4?595293 スローライフ学会

三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会


詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:パソコンが熱くなると熱暴走することがあると聞きました。これから暑く

なるし、車の中に置くことも多くなるのでちょっと心配しています。どうなっ

てしまうんですか。また対応策はあるんでしょうか。<編集室:篠原伊佐武>



A:暑い部屋にずっと置いていたり、長時間にわたって面倒な計算処理をして

いると、パソコンが熱くなり、動作が不安定になるときがあります。そして、

その状態が長く続くとパソコンが止まることもあります。少し冷まして、再度

電源を入れると復活することがほとんどですが、中には電源が入らなかったり、

データが消えたり、最悪はハードディスクなどが壊れてしまうこともあります。

暑い時期は、涼しい場所で使う、熱くなったらスリープモードにする、こまめ

に電源を切る‥など、注意しながら使ってください。



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クオリティライフから・・・

和歌山県内産のフルーツを広めようという「和歌山ぽんち」、東京で味わえ

るのは数店舗。「たまな食堂」南青山店のものは梅の実シロップ煮をトッピ

ング、冷たい豆乳塩麹アイスと果物一杯です。お早目に!http://nfst.jp

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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