瓦版2016.4.26 第308号

わがNPO・学会のことしのフォーラムは、長野県飯山市で開く予定ですが、

どんなところか、「さんか・さろん」で“日本のふるさと・飯山”シリーズと

して語りあう。まず5月17日は飯山市総務部長の話。(編集室便りに詳しく)


・・・・・・・・・・



コラム<火曜日の鐘> 斉藤 睦(地域総合研究所所長)

~~~

忘れないうちの天災


“天災は忘れたころにやって来る”。

明治時代の物理学者寺田寅彦が、天災で手酷い経験をしても、ついつい忘れ

やすい人間への警句として言ったようです。

でも今回の熊本地震は東日本大震災の記憶もまだ新しいうちに起こりました。

どうしたことでしょう。もしかすると20世紀後半は異常に気候や災害発生が少

ない安定期だったかもしれず、今後は忘れる間もなく次々と災害が起こる不安

を捨てきれないでいます。

少なくとも、天災は私の身近では決して起こらないと思うよりは、必ず起こ

ると考えて日々暮らすほうが、現実的でしょう。

改めて防災準備チェックをしているとき気づきました。平穏な朝昼晩の日常

が持つ何気なさゆえの豊かな輝き。災害への心配にも良いことがある。



学会コラム<緑と絆の木陰>



坪井ゆづる(朝日新聞東北復興取材センター長、仙台総局長)


被災地に4年


東日本大震災の復興現場を4年近く見てきた。仙台に赴任した2012年6月

は、まだガレキの山だった。宮城県石巻市の日和大橋のたもとで、消防自動車

や救急車がひしゃげていた。女川町では4階建てのビルが横転していた。岩手

県陸前高田市の海岸近くで、カーナビが「踏切があります」と告げたときは目

を疑った。そこに線路があったことさえわからなかったからだ。

震災2年目、3年目は道路がずんずん延びた。石巻市へ行くたびに高速道路

の車線が増えていた。宮城県南部の海岸線では防潮堤の威容が現れてきた。自

治体が建てた復興住宅に、プレハブ仮設から移る人々がうれしそうだった。

4年目には、集団移転で住宅街ができてきた。ピカピカの新築街は最初から

シルバータウンだが、笑顔が弾けていた。そして5年目、鉄路も復活した。新

しい駅舎がまばゆかった。人々に元気が戻ったのを実感しながら、国勢調査で

人口が確実に減っている実態を目の当たりにした。これから、どうなるのか。

原発被災地は、音もなく住宅が朽ちつつある。その上を走る高速道路を4月

中旬に駆け抜けたとき、道路脇の掲示板の放射能濃度が原発近くだけ40倍に跳

ね上がった。本当に、いつかは住民が戻ってくるのだろうか。

5月から戻る論説委員室でも復興を見つめていく。



▽▽▽▽▽▽▽▽

 













【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

 福岡県八女市「馬場水車場のお香」。伐採後の杉山から杉葉を集めて水車で

 粉にしてつくられるお線香。自然の原料、エネルギーを活用しています。

△△△△△△△△△△△



■街角から畦道から


梶 亨(観光文化創造研究所長) 光るものを観る


桜見物の外国人観光客も多かった。大半はアジアの人達が占め、その背景には、

ビザの緩和、LCCの普及、円安、爆買、和食、アニメ等いろいろな要素が相

乗効果となっている。一方、日本人の国内観光客数は、地方創生とはいえ、い

ささか心許ない。外国人の勢いに圧倒されそうだ。もっと日本人の国内観光を

増やす工夫が必要だ。観光・ツーリズムは、欧米では都会を楽しむアーバンツ

ーリズムと田園地帯を楽しむルーラルツーリズムが一般的な分類法。しかし、

日本ではルーラルではなく分かりやすいグリーンツーリズムで広まったためか、

やや狭義なツーリズムに分化してしまった。日本には地方固有の風景やローカ

ル線、路線バス、遊覧船等がある。日本らしい風景、伝統ある業などを日本人

に再認識させるとともに、内外を問わず多くの人が地方固有の光るものを観て

学び、ゆったりとした心で旅を楽しめる知恵と舞台づくりが鍵となろう。



竹内 義昭 カズコさん(59)


カズコさんのいる特養の地震対策はどうなっているのか、施設長に尋ねてみた。

まず、耐震強度。3階建の施設は2000年春の完成なので、最新の耐震基準は満

たしている、とのこと。避難訓練は年3回、食料や飲み水の貯蔵は3日分。一

応の準備はできている。


ただ慢性的に不足気味の人手で避難が計画通りに運ぶかどうか気になるが、避

難するより施設が近隣住民の避難場所になる可能性が大きいそうだ。一番の懸

念は、ライフライン断絶が長期化することという。


我が家の場合、透析治療を受けている私が遠隔地の病院に行かざるを得なくな

ると、援助に駆けつけられなくなるのが困る。大地震よ来るな、と祈っている。



■まち・むらニュース


・山梨県富士吉田市 ふじざくら祭り


富士山麓に可憐に咲く2万本の「ふじざくら」は、マメザクラとも呼ばれて

花も小さく、樹高も大きくならない。とくに中ノ茶屋周辺は最大の群生地で、

国の天然記念物に指定されている。期間中は苗木のプレゼントもある。

開催日:?5月5日(木・祝)

場所:富士山吉田口登山道中ノ茶屋周辺(富士吉田市上吉田5601-1)

主催・問合せ先:ふじよしだ観光振興サービス TEL0555-21-1000

http://fujiyoshida.net/event/73



・東京都千代田区 シンデレラの世界展


シンデレラの物語はディズニーがよく知られるが、世界各地にさまざまなバー

ジョンがあり、その起源にも諸説ある。今回、アンティーク絵本のコレクター

の全面的な協力のもと、日本初公開の絵本、グッズなど約150点が紹介される。

会期:?6月22日(水)10時?20時(土曜は19時、日・祝は17時まで)

会場:千代田区立日比谷図書文化館(旧・都立日比谷図書館)

03-3502-3340 http://hibiyal.jp/hibiya/museum/cinderella2016.html

観覧料:300円、大学・高校生200円(中学生以下、千代田区民無料)



コラム<象さんの散歩> 映画『サンマとカタール』を観て


熊本地震の被害がますます大きくなっていく中で、今週も東日本大震災の話。

日本記者クラブで、来月公開の映画『サンマとカタール・・女川つながる人々』

の試写会を観た。宮城県女川町。震災の当時は人口1万の町だったが、1割が

犠牲に、8割が住まいを失う。そこから立ち上がった物語である。

若ものを中心に、町の主産業であったサンマを盛り返し、「秋刀魚収穫祭」

「復幸祭」など外の眼を集めるお祭りを盛り上げながら、意気を高めて復興へ。

漁獲物の巨大な冷蔵冷凍施設を中核に、海へ見晴るかすプロムナードが出来て

JR女川駅と駅前商店街など、見違えるシンボル地域が出来上がった。

映画は若ものが苦悩しながら語り合う場面にとことん付き合っている。町の

復興ぶりを定点カメラで追い続けた。まちづくりの気持ちを鼓舞していい作品

だ。乾弘明監督と製作会社に拍手をおくるにやぶさかではない。

だが、ドキュメントとしてきれいごとに過ぎた。冷蔵冷凍施設「マスカー」

はカタールから100億円の寄付の申し出があって第一弾の大型プロジェクトと

して20億円を贈られる幸運に恵まれた、東北電力の女川原発も大丈夫だった。

政府の政策の迷いも省庁間の対立も見られないようだ。お隣り福島県では原発

が不幸な結果に。こんな復興の問題点を意識し、全体像を考えつつ映画化して

ほしかった。スタッフへの欲張りな注文だろうか・・ ∨ 川島正英 ∧



================= PR =====

「奈良県十津川村」から・・

5月8日(日)吊り橋で有名な谷瀬で、新茶を摘み、釜炒り茶を作るゆっくり

体験はいかがでしょう。茶がゆと筍ご飯の昼食も。お茶は持ち帰れます。詳細

はFacebook谷瀬の吊り橋【official】申込みは観光振興課 電話0746-62-0004

=======



コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> フルーツ料理

~~~

おなじみの紀の川市で「フルーツ料理レシピ&グルメマップ」が発行され好評

です。果物グルメで思いつくのはフルーツポンチくらいですよね。でも、ここ

には料理などのアイディアが一杯。塩キウイチキンソテーとかフルーツキムチ

とか。日本は上質の果物が採れるのに消費量は低い国、生以外、料理の素材と

しても果物を使って、もっと健康に!というメッセージ・・・響きました。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=360



■編集室便り


◇ことしのスローライフ・フォーラムは長野県飯山市で開く計画です。


<と き> 2016年11月23日(水・祝日)

<ところ> 飯山市文化交流館「なちゅら」

<主 催> 飯山市

<協 力> NPOスローライフ・ジャパン(スローライフ学会)

蛍の宿を守る会



◇このフォーラムに向けて、「さんか・さろん」で語り合うことに。


“日本のふるさと・飯山”シリーズ


5月17日 飯山市から 堀内隆夫総務部長

「日本のふるさと」へどうぞ

そのあと、6月から10月にかけて、

梶 享(観光文化創造研究所長)

唱歌・童謡の里

尾田栄章(NPO渋谷川ルネッサンス代表)

日本の「水」

生源寺眞一(名古屋大学農学部教授)

「農」のまちづくり

木村 宏(北海道大学観光学高等研究センター特任教授命)

飯山のこころ

という企画を予定しています。



◇「スローライフ」が大学入試に


昨年6月『スタイルアサヒ』という小冊子に「スローライフを楽しむ」

という文を寄せました。それが、今年の大学入試に使われたそうです。


『受験用全国大学入試正解 英語 国公立大学編』に掲載するので・・

と、出版社からご連絡をいただきました。なんとも嬉しいことです。


「スローライフを楽しむ」の文章を読んで、“著者の考える「スローラ

イフ」とはどのようなものか、英語で説明しなさい”と設問。


答えた受験生の皆さんは、試験の時間、スローライフという考え方に思

いを馳せてくださったことでしょう。英語でどんな文章になるのか、解

答を見たくなります。


スローライフの運動をはじめた2000年頃は、「スローライフとか、ゆっ

くりなんて言ってくれるな!」という風潮が強く、社会はまだまだファ

ストに進んでいました。


世の中変わるものです。入試に出題なんて、なんだかスローライフ運動

が認めてもらったような気になりました。(野口智子)



◇平成28年度の会費をお願いします。 新会員も募集中。


スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会

  です。(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)

  スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、

  全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。


  年会費5000円(自治体会員は50000円)、

  この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したり。

  会費は下記の口座へお振り込みください。


【振込先】

  ゆうちょ銀行 振替口座 00190?4?595293 スローライフ学会

  三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会


詳しくはこちらをご覧ください。

  http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3



◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは

こちらまでお願いします。↓



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:先週に続いてバッテリーに関する質問です。スマートフォンのバッテリー

を長持ちさせる方法はありますか?(編集室:篠原伊佐武)



A:複数のアプリが立ち上がっていると、それだけ電気を消費しますので、必

要のないアプリは終了させましょう。次にwifiやbluetoothなどの通信機能も、

使い終わったらオフにしましょう。ディスプレイの明るさを暗くしたりスリー

プモードへの切り替え時間を短くすればその分消費電力を節約できます。充電

できないときのためにぜひ覚えておいてください。(EDI:藤井頼暁)



==== PR ====

クオリティライフから・・・

たまな食堂麹町店に「白浜ナギサビール」から期間限定ビールが届きました。

Heaven(ヘレス 淡色) Eyepatch (スタウト 黒色)、美味しいビールとヘルシ

ーなお食事を。Facebook たまな食堂 Natural-shift Kitchen 麹町店

=======



■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



=======


最後までお読みくださって、ありがとうございました。

このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへ


このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとの

ご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、

お気軽にお付き合いください。


今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメール

アドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。


=======


Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会



〒160-0002

東京都新宿区四谷坂町9?4 リカビル301

TEL 03-5312-4141  FAX 03-5312-4554

http://www.slowlife-japan.jp/