瓦版2016.7.19 第320号

東京は、梅雨があけずに、じめじめが続きます。暑さと重なってやりきれない。

きょう、第三火曜日は、「さんか・さろん」の日ですが、お休みです。ご注意

ください。来月、8月16日(火)は開きます。(詳しくは編集室便りに‥)




コラム<火曜日の鐘> 斉藤 睦(地域総合研究所所長)

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都市農業が転換の鍵


昨年、画期的な法律ができました。「都市農業振興基本法」です。これまで

市街地とその周辺農地は、早急な宅地化が前提の肩身が狭い存在でした。ここ

にきて人口減少社会で住宅開発圧力が減り、とくに東日本大震災で、都市内の

空間地や食料供給機能への必要性が高まり、都市内農地は保全すべきものへと

方向転換したのです。

東京都練馬区は23区最大の農地(東京ドーム67個分)があり、さまざまな農

産物ができるうえ、牧場があり、ワイナリーがあり、地ビールが生産され、区

内野菜を使ったメニューが売りのレストランがあり、図書館や病院で区内農産

物のファーマーズ・マーケットが開かれます。

「都市」で味わえる「農のあるまち」の豊かさ。実は、「田舎」はその先進

地です。この実感が、日本全体をファストからスローへと変えていく予感がし

ています。



学会コラム<緑と絆の木陰> 坪井ゆづる (朝日新聞論説委員)



         「知る義務」

参院選の終盤に、高知新聞の記者が街角で100人に「3分の2」の意味を聞

いたところ、80人以上が「知らない」と答えたという。驚くよりも、やっぱり

なあと思った。2年前の衆院選の投票日に、選挙をやっていたことすら知らな

い人がいたのを見た経験があるからだ。新聞はもちろん、テレビのニュースも

見ない人があふれている。そんな世の中になっているらしい。

これでは、いかん。そんな思いを込めて投票前日に「有権者の知る義務」と

いう見出しの社説を書いた。「知る権利」ではなく「義務」だ。

憲法学の樋口陽一先生が「3・11」で原発の安全神話にだまされていたこと

を知り、主権者の国民には未来への責任を果たすために、問題の所在を知って

おくべき義務があると確信して使い始めた言葉だ。

多くの有権者がそれぞれに「知る義務」を果たせば、世の中はもっと成熟し

洗練されてゆくだろう。でも実は、義務を果たさなくても世の中は猛スピード

で変転している。改憲勢力が初めて衆参両院で3分の2を占めた歴史的な選挙

を半分近い有権者が棄権した現実に、後者の可能性の大きさを実感する。

だからこそ、今後も「知る義務」という言葉を発信し続ける。どうか、みな

さんも使って、広めてください。



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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

島根県出雲市「黒柿のブラシ」。自然の妙、といえる黒柿の美しいモノトーン

の文様がブラシの柄に活かされました。しっくり柔らかく手になじみます。

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■街角から畦道から


竹内 義昭 カズコさん(71)


カズコさんのいる特養にインドネシアからの若者がこの5、6月に1人ずつや

ってきた。初の外国人だ。まだ研修中だが、本国で数年の経験を積んでいたと

あって、入所者や職員の評判がいい。


経済連携協定(EPA)を利用したもので、日本語を半年間集中的に勉強した

のち、施設に派遣される。4年間のうちに介護福祉士の資格取得を義務づけら

れているが、ほかにフィリピンとベトナムからも参加している。


施設の話では、今年末には同じインドネシアからの5人を採用の予定だという。

研修生とはいえ、人手不足に悩む施設にとって救いに違いない。日本語の壁も

あって国家試験の合格率5割というのが気になる。



■まち・むらニュース


・東京都墨田区 大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチ


縄文時代の奇怪な形の土偶から現代の妖怪ウォッチまで、4000年にわたって

日本人が恐れ、愛してきた妖怪たちが大集合。中世の絵巻物から江戸時代の

錦絵、浮世絵など、国宝、重要文化財も多く展示される。

会期:?8月28日(日)9時30分?17時30分

会場:江戸東京博物館(墨田区横綱1-4-1)

主催:公益財団法人東京都歴史文化財団、他

問合せ:江戸東京博物館 TEL03-3626-9974

*東京のあと、9月10日?11月6日まで大阪あべのハルカス美術館で開催

http://yo-kai2016.com/


・京都市左京区 鹿ケ谷カボチャ供養


夏の土用に鹿ケ谷カボチャを食すると中風にかからない、との言い伝えから

参拝者にカボチャが接待される。鹿ケ谷カボチャは独特の瓢箪型をしていて

“京の伝統野菜”のひとつ。当日は寺宝も一般公開される。

日時:7月25日(月)9時?15時 拝観料:500円

場所・問合せ:安楽寺(左京区鹿ケ谷御所ノ段町21)TEL075-771-5360

http://www.kyoto-kankou.or.jp/event/?id=4284&r=1468561544.3054



コラム<象さんの散歩> 増田寛也さん


これまで友人・知人が選挙に立つときに驚きはなかった。政治記者の時代は

むしろ日常茶飯事でもあった。だが、今回の東京都知事選挙に増田寛也さんの

立候補は、まるで経験のない興奮がわき、また急に不安がつのったり。

もちろん、増田さんこそ首都・東京の総指揮者にふさわしい、と信じきって

いる。実は、前回の都知事選のときも増田さんぜひ、と談じた記憶がある。

私は、政治記者、とくに地方政治・行政の分野を担当したから、東京都では

「東京に青空を」の美濃部亮吉さんを取材、さらに四選の鈴木俊一さんをよく

訪ねた。増田さんは、鈴木さんと並び立つ。首都の長として、いや都政の実務

を超え、日本全域の地方政治、その未来像を視野に置く政治家として。

そう、増田さんは「東京も、ふるさとも」と説く人。たくさんのまち・むら

に出かけている。わがNPO、また学会のフォーラムやワークショップ活動に

率先参加してもらったのだ。今秋も長野県飯山市で開く「ふるさとを再発見し

創生する」フォーラムにコーディネーターを引き受けてもらっている。

一方、2040年の日本の姿を描き、東京一極集中と地方都市の消滅にいち早く

警告を発し、ここでも「東京も、ふるさとも」と論じた。歯がゆいのは、選挙

論戦では、こんな密度の濃い政策の争いへと拡がっていかないこと。

学会・NPOが政党から中立であれ、という政治モラルは心得ねばなるまい。

ただただ、増田さん、おからだを大切に、と祈るのみ・・ ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

つり橋まつり2016「揺れ太鼓」開催。8月4日「吊り橋の日」に、生活用吊り

橋として日本一の長さ「谷瀬の吊り橋」の橋上で、和太鼓演奏が行われます。

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/contents/1468391810184/index.html

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 紀州百匠隊

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農作業体験で生産の喜びや苦労を味わいながら、都市と農村の人が交流する。

そんな活動が全国で盛んです。その一つに参加しました。「匠」という字を名

に使う辺りに、この団体のこだわりが感じられます。主には、不耕起の田んぼ

で酒米を作り、日本酒を造ること。果樹栽培やグルメ体験も。作業はしんどい

のですが、参加者同士のおしゃべりが楽しい実りある時間でした。紀の川市で。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=372



■編集室便り


◇7月の「さんか・さろん」は、夏休みです。


毎月の勉強・懇親会「さんか・さろん」は、“日本のふるさと飯山”シリー

ズを始めています。11月23日に、長野県飯山市で開くスローライフ・フォー

ラムのために飯山を深く理解し、予習しておくため、でもあります。

第1回、堀内隆夫・飯山市総務部長「日本のふるさと・飯山」

第2回、梶亨・観光文化創造研究所長「童謡・唱歌の里」

好評でした。8月は、わがNPO、学会にとっての「農」の先生、生源寺眞

一・名古屋大学農学部教授に『「農」のまちづくり』についてお話しいただ

くようにお願いしました。

9月は尾田栄章・NPO渋谷川ルネッサンス代表?日本の「水」・飯山の水、

10月は木村宏・北海道大学観光学高等研究センター特任教授?飯山のこころ、

の順にうかがうことにしました。お楽しみに。



◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは

こちらまでお願いします。↓



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クオリティライフから・・・

「納豆づくり教室」7月23日(土) または30日(土)いずれも14時から。

納豆を作るには、30℃近い気温が重要。だからこそ、夏に仕込みます。

詳しくは >>> http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=VSR56-YeMDwZ

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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