瓦版2018.12.25 第445号

今年の瓦版はこれが最終号、2019年は1月8日号からスタートです。1月15日
の「さんか・さろん」は増田寛也会長と来年3月のフォーラム開催地・篠山市
の方々が登壇されます。詳しくは編集室便りを。よいお年をお迎えください。

 

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コラム<火曜日の鐘> 川島英樹(せたがや文化財団)

 

Joy To The World

風呂釜が壊れた。いや「壊れた」は言い過ぎ。自動で沸く機能がダメになっ
ただけ。手動では使える。なあに、子どもの頃は、ガスをひねって、マッチで
火をつけていた。ひとりで沸かせるようになった時は、大人の仲間入りをした
ようで、ずいぶん鼻高々だったくらい。スローライフ・メンバーたるもの、何
のこれしき。
とはいえ、数分おきに様子を見に行かなくてはいけない。ボタンひとつ入浴
に慣れた身には、これが思いのほかこたえる。面倒くさいというだけなのだが、
「時間のムダ」「風邪ひいちゃう」…、リクツをつけ始める。1週間も持たず
に音を上げた。見てもらうと、18年前のもので、もはや交換部品もないそう。
どうせ工事になるならと、浴槽も合わせて一新。なんて心地いい。まさしく、
「極楽」である。
平成の最後の年が暮れる。被災地や難民の人たち、黄色いベストの人たち、
監獄でクリスマスのゴーン氏などにも思いを馳せながら、こんな風に生活でき
ることの幸せを噛みしめる。同時に、感謝するだけじゃ十分じゃないとも思う。
幸せなら、態度で示そう。世の中をつくるのは、土砂の投入や「移民」知らん
ぷりができる才の持ち主だけじゃないはず。
みなさん、どうぞよいお年を。そして、よい年にしていきましょう。ほんの
ちょっとでも。

 

学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(日本社会事業大学学長)

 

もう一人の自分

 

幼き貧しき頃、竃(かまど)の番をしながら、竃の炎の美しさに魅了されてい
く体験を、女優・浜美枝さんは追憶している。しかし、美しき炎を眺めている
と、その奥に生きていくことへの孤独を見て、「さびしいな」と涙する。する
と空耳かもしれないけれど、炎の奥から「がんばろうね」という女の人の声が
聞こえてきたという。
人間は自己を相対化して見つめようとする時に、もう一人の自分がいるよう
な体験をすることがある。浜さんが炎の奥から聞いた声は、もう一人の自分で
ある心の中の声であると思われる。
私は浜さんがパーソナリティを務める文化放送の「浜美枝のいつかあなたと」
というラジオ番組に、また出演して欲しいと浜さんから依頼された。私の拙い
自伝『経済学は悲しみを分かち合うために―私の原点』(岩波書店)について、
私から話を聞きたいとのことであった。
浜さんから私と妻との関係を聞かれた時に、私と妻はお互いに欠点が多く、
二人で生きて初めて、一人の人間として生きていけることを説明しようとした。
浜さんが心の中のもう一人の自分の声を聞いたように、私にとって、妻はもう
一人の自分であり、妻を通して私は自分を見つめているのである。
箱根の古民家で、自然とともに生きている浜さんの生活様式こそ、真のスロ
ーライフだ。浜さんの言葉を噛みしめながら、私は自分の人生を見つめ直そう
としている。

 

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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej
福島県白河市「だいずくりーむ」。県産の大豆でつくられたシンプルなペース
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△△△△△△△△△△△

 

■街角から畦道から

 

小松崎いずみ(スローライフ学会会員) 『おばあちゃんの恋文』

 

心、ドキドキする本に出会ってしまいました。主婦と生活社2003年1刷発行の
『おばあちゃんの恋文』。さんか・さろんのあとの懇親会で、今ヒットしてい
るとの話を聞き、購入しました。価格は驚くほどに急上昇中!
著者、永島トヨさん(74歳)は、料理研究家で、テレビにも出演。21歳年下の森
岡道人さんのファンレターで始まる恋文。相手を思う気持ちだけが山ほど書い
てありました。年上のトヨさんも、遠慮しながらも心を森岡さんに引き寄せら
れていきます。 ドキドキして、最終章を読むのは1週間遅らせました。
トヨさんはすべての財産を処分し福山の森岡さんのところへ嫁ぎました。トヨ
さんは一人で生活する寂しさをなくし、森岡さんはトヨさんと一緒につくって
食べるごはんが何よりの幸せと。この本を思い出すだけで、心がドキドキ。人
と人が一緒にいる意味を教えてもらえたような気がします。

 

■まち・むらニュース

 

・島根県出雲市 御饌井祭

 

新年、神前に供えるための若水を汲みあげる神事。井戸の前で祝詞が奏上され、
神歌、神舞が奉仕される。御饌(みけ)とは神様へのお食事のお供えのこと。
大社内には、ほかに真名井、御手洗井と、三ヵ所の神聖な井戸がある。
日時:12月27日(水) 9時30分? 場所:出雲大社 御饌井の井戸
問合せ:出雲大社 TEL0853-53-3100
http://www.izumooyashiro.or.jp/saitens/2275

 

・栃木県足利市 悪口(あくたい)まつり

 

大晦日の晩から元旦の未明にかけて、「バカやろう」などと大声で叫びながら、
一年間のうっぷんを発散する奇祭。江戸時代から伝わるとされ、大声で邪悪を
祓って新年の幸を祈願する厄払いの意味があるといわれる。
日時:12月31日(月)午後10時? 場所:大岩毘沙門天(最勝寺)
問合せ:大岩毘沙門天 TEL0284-21-8885
https://www.ashikaga-kankou.jp/event/akutai_matsuri

 

コラム<象さんの散歩>

 

平成天皇の師走会見

 

クリスマス・イブを目前にして師走街道まっしぐら、という23日。天皇陛下
の記者会見が報じられた。85歳の誕生日を迎え、「天皇としての旅を終えよう
としている」お気持ちを。来年4月の平成時代の幕引きを待たずに。
陛下は、憲法の求める「象徴」というありかたに神経を砕いたこと、さまざ
まな災害の被害者を案じること、何より太平洋戦争の犠牲者への祈り、沖縄へ
も11回訪れたこと、などと述べられた。ときに涙声を交えられて。妻・宏子は
「誠実なお人柄そのままの会見・・」と、こちらも感極まった様子だった。
天皇制度について、私なりに一つの考えを持つが、平成天皇の憲法と平和へ
のこれまでのアプローチには異論なし。この会見で、その方向を「戦後生まれ
の人たちにも正しく伝えていくこと」と語られたのは、すばらしい。
この平成天皇を畏怖するのが、安倍首相ではないだろうか。憲法改正、靖国
神社など、政治的な立場の違いは、もちろん問うべきでないが、太平洋戦争、
その犠牲者への心情の違いは明らか。何よりも沖縄に対する気持ち。
同じ昭和8年生まれの象さん。師走の整理ままならず・・ <川島正英>

 

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> イルミネーション

 

いつ頃から、こんなにあちこちがキラめくようになったのでしょう?商業施設
や商店街はもちろん、個人宅も電飾が盛んです。東日本大震災後は少し自粛さ
れましたが、今や日本中が輝いていますね。電気の無駄と一喝するのは簡単で
すが、私的には個人の電飾は肯定派。庶民がささやかに自己表現し他を意識す
る機会。誰かを喜ばせたいという気持ちが地域おこしに繋がればと思うのです。
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■編集室便り

 

▽新年の「さろん」は増田寛也会長と篠山市の方々です。

 

毎年1月は「さんか・さろん」をお休みさせていただき、
2月に増田会長のお話をうかがうのが恒例でしたが、来年は1月に開催します。

 

諸問題を抱える日本の行き先は?
増田さんから年頭所感をいただきます。

 

あわせて、3月9日・10日に開催する「スローライフ・フォーラムin丹波篠山」
に向けて、兵庫県篠山市の方々から詳しい篠山案内のお話を。

 

どうぞご予定ください。

 

・日 時:1月15日(火) 19時?20時30分
・テーマ・講師:
「2019年年頭所感」
増田寛也さん(野村総合研究所顧問、スローライフ学会会長)

 

「スローライフ・フォーラムin丹波篠山へどうぞ」
竹見聖司さん、酒井 誠さん(篠山市政策部創造都市課)

 

・会 場:クオリティソフト株式会社東京本部・会議室マーキュリールーム
東京都千代田区麹町3-3-4 「KDX麹町ビル」6階
※麹町4丁目の交差点から見える「成城石井」の並びにあるビル。
有楽町線 麹町駅 1番出口より徒歩1分/半蔵門線
半蔵門駅2番出口より徒歩8分
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・会 費:会員1000円、一般2000円(学生500円)
・参加申込みはこちらへ
メール TEL 03-5312-4141

 

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

 

岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
和歌山県紀の川市
http://www.city.kinokawa.lg.jp/
奈良県吉野郡十津川村
http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html
奈良県
http://www.pref.nara.jp/
雲仙市
https://www.city.unzen.nagasaki.jp/
飯山市
http://www.city.iiyama.nagano.jp/
出雲市
http://www.city.izumo.shimane.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/

 

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