瓦版 2022.2.8 第605号

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各地で大雪の悩みが深刻です。「コロナ以前に雪対策!」の言葉も聞かれるほ

ど。雪もコロナも人間もみんな自然の一部、とは思うもののマスクをしての毎

日の雪下ろしはしんどいですね。くれぐれも、お気をつけて・・。

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コラム<火曜日の鐘>  川島英樹(せたがや文化財団)

 

伝わる力

米国の新聞ニューヨーク・タイムズの有料購読契約数が、1000万件を超えた

そうだ。飛躍の理由は120万件をもつスポーツ情報サイトの買収だが、本体の

デジタル購読件数も800万件を超え、伸びているとのこと。つまり、紙の新聞

の読者の10倍以上だ。同紙は、読者拡大を狙って、報道以外の領域にも手を伸

ばしていて、「ワードル」の買収でも話題を呼んだ。

「ワードル」は無料のオンライン単語ゲーム。5文字の英単語を当てるとい

う単純なものだが、たいへん人気があり、買収金額は数億円に及んだらしい。

驚くのは、その伝播の早さ。昨年10月公開、11月の利用者は1日あたり90人だ

ったが、今年になって30万人になり、現在では数百万人という。

グローバル時代、強い“感染力”をもつものは、急速に拡張していく。翻っ

て、スローライフの広がり。あいかわらず牛歩ぶりで、もどかしい気はする。

でも、デジタルを使った、このメルマガが「瓦版」の名を冠するように、手渡

しの感覚はずっと大事にしていきたい。速さは苦手でも、温かさや深さの力を

信じて、伝わる方法を探していきましょう。

 

 

 

学会コラム<緑と絆の木陰>  神野直彦(東京大学名誉教授)

 

冬の京都への旅

 

冬の京都を訪ねると、身の引き締まる思いがする。大阪市立大学に勤務して

いた10年ほど、私は大阪の箕面に居を構えていた。その頃は、雪が降ると、必

ず南禅寺を訪ねた。雪の南禅寺ほど、日本庭園の動的様式美を堪能できる機会

はないからである。凍える体も、門前の湯豆腐で温めると、心が再生する気が

した。

しかし、身の引き締まる体験は、南禅寺から「哲学の道」を上って、詩仙堂

を訪れなければ完成しない。詩仙堂の凍てつくような冷たき廊下を歩いただけ

で、身が締まり、静寂に抱かれて学問に打ち込む情熱を掻き立てられる。つま

り、冬の京都は私にとって、石川丈山のように隠棲して、物思いにふける夢を

追う場だったのである。

2月9日は私の誕生日である。この日、私は妻とともに、「冬の京都」を旅

する。南禅寺から詩仙堂に向かうため、宿も南禅寺の門前にとった。しかし、

今回は妻の反対もあり、詩仙堂や南禅寺を訪れることは諦めざるをえないと思

われる。

京都への旅は、昨年の4月に死去した父の納骨のためである。既に浅草にあ

る菩提寺には納骨を済ましているけれども、私の家では代々、分骨して東本願

寺にも納骨することになっている。それがコロナ・パンデミックのために延び

延びとなっていたれども、東本願寺から2月9日に納骨することが可能である

ことの通知がきた。東本願寺からは信徒として、拝仏の時に身に纏う肩衣も送

られてきている。しかし、コロナの感染状況を考えれば、「冬の京都」への旅

は、父の納骨のみにとどめようと考えている。というよりも、私の人生は既に

隠棲に入っており、夢を追う必要もなくなったと思うからである。

 

 

 

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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej

長崎県雲仙市「あごだしクルスせんぺい」。銘菓クルスと、唐揚げ専門店のコ

ラボ商品。特製あごだしのタレがクルスの生地に混ぜ込まれています。

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■街角から畦道から

 

いましめの掛け軸  神徳政幸(和歌山県紀の川市「道の駅青洲の里」駅長)

 

昔、医聖・華岡青洲は、華岡流医塾を習得した門人に免許皆伝と掛け軸を贈

ったそうです。軸には自身の肖像画と、青洲作の漢詩が書かれていました。

「竹屋蕭然烏雀喧 風光自適臥寒村 唯思起死回生術 何望軽裘肥馬門 」

意味は「私の貧しい家の周りでは鳥が鳴き、私にはこのような田舎に住むこと

が合っている。ただ思うことは、瀕死の患者を救う医術のことだけである。高

い着物や肥えた馬といったぜいたくは決して望まない」若き医者に対してのい

ましめの言葉、これは今でも通用すると思います。

現在、華岡青洲の偉業を顕彰し語り部を養成するために学習会・検定会を行

なっています。受講者への認定証を掛け軸風に作ってみました。

写真もご覧ください。

 

 

東伊豆便り(2)

邪気を祓う「桃」  八巻史恵(静岡県東伊豆町 稲取温泉観光協会)

 

いま当町で行われている「雛のつるし飾り」は、時代とともに忘れ去られた

風習でした。復興に努めた地元の方々により、当初は伝わりやすい通称で「つ

るし雛」と呼んでいました。当時、勤務先で展示していた案内板には、“女の

子の初節句を祝うため、健やかな成長を願うお細工物を雛段の両脇に対で飾り

「もも」または「桃飾り」といいます”と記されていました。今ではすっかり

呼び名も浸透し、稲取の「雛のつるし飾り祭り」として賑わっています。

桃といえば古事記に、イザナギノミコトが黄泉の国に旅立った妻に逢いに行

き、約束を守らず変わり果てた姿を見てしまい、亡者に追われ、最後に桃の実

を三つ投げてこれを制するとあります。邪気を祓うはここからきているのでし

ょう。桃を基本に作る飾りは、「三桃」「五つ桃」「ふくろう」があります。

写真もご覧ください。

 

 

 

■まち・むらニュース

 

・奈良県川上村 川上村オンラインコミュニティ「かわかみらい」Vol.15

 

「かわかみらい」とは、村民、関係人口、役場が一緒に村の未来を考えていく

対話プロジェクト。15回目を迎える今回は、みんなで考える「かわかみらいフ

ェス」。初めての方も気軽に参加申し込みを。

日時:2月28日(月) 20時~21時 zoom使用

問合せ:川上村水源地課 TEL0746-52-0111

申込み、そのほかは下記より

http://www.vill.kawakami.nara.jp/enjoy/program/docs/2022020100025/

 

 

・熊本県南小国町 黒川温泉湯あかり10周年

 

環境維持のための竹林伐採、再生の活動の一環として開催されるようになった

「湯あかり」。9つの竹ひごを束ねて、1つの球体をつくっていくシンボルの

毬灯籠は約300個。地域の人々の手によってつくられている。

日程・時間:4月3日(日)まで 日暮れから22時頃まで

場所:黒川温泉街一帯の各所

問合せ:黒川温泉観光旅館協同組合 TEL0967-44-0076

https://www.kurokawaonsen.or.jp/event/yuakari/

 

 

 

コラム<象さんの散歩>

 

石原慎太郎さん逝く

 

石原慎太郎さん逝く。作家、代議士、それぞれの分野で名だたる活躍をした

人だが、象さんには、東京都知事・石原慎太郎が、もっとも印象に強い。

朝日新聞の記者時代は、地方政治の担当だから、たくさんの知事、市町村長

とお目にかかった。 東京都知事は、美濃部亮吉、鈴木俊一、青島幸男氏まで。

とくに美濃部、鈴木知事とは大変に親しくおつきあいいただく。

石原慎太郎さんとはつながりなし。東京マラソンの創設、オリンピック招致

などにぎやかだったなあ。公害での厳しい取り組みなどの印象も強い。首都を

意識しての新東京銀行、首都大学東京などでは問題を指摘したい。

とくに地方分権について、とことん本音を聞きただしたかった。ぜひ一度

お目にかかりたい、という気持ちはずっと。いまも変わりない。

石原慎太郎・知事さん、安らかにお眠りください ・・・<川島正英>

 

 

 

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「奈良県十津川村」から・・

谷瀬で「酒粕アイス」がデビューしています。地元産の酒米を使った純米酒、

その副産物の酒粕をたっぷり使ったアイス。かわいいパッケージデザインは奈

良女子大の学生さん作。春には開く「吊り橋茶屋」で売られます、お楽しみに。

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>  食べなかった恵方巻

 

10数年前からか、関東でも急に広がった「恵方巻」。もともと習慣にあった関

西のかたには当たり前でしょうが、関東人の私の幼少時には記憶にない風習で

す。あるコンビニが仕掛けた流行などと聞くと嫌になり、高級太巻など見ると

一言いいたくなる。で、今年も豆まきだけで済ませた節分でした。巻き寿司は

好き、行事も大切と思うのですが。天邪鬼です、豆をぶつけられちゃいますね。

https://noguchi-tomoko.com/post-8412/

 

 

 

■編集室便り

 

▽「さんか・さろん」はアグリツーリズモ

 

イタリアの小さな田舎を訪ねる楽しいレポート番組などはテレビにありますが、

アカデミックなお話はなかなかうかがえないかと思います。

 

ワイン片手にご参加ください。

 

  • 日時:2月15日(火)19時 Zoomで

 

  • テーマ「イタリア・アグリツーリズモに学ぶものは」

 

  • 講師:工藤裕子さん (中央大学法学部教授)

公共政策学、公共経営論専攻。イタリアの行財政や地域の持続可能な発展など

を研究。長年独自でイタリア・アグリツーリズモを企画、好評を得る。

『イタリア料理大全―厨房の学とよい食の術』の監修・監訳者。スローライフ

学会員。

 

 

  • 参加費:一般の方 2000円 スローライフ学会会員 1000円

スローライフ学会会員 参加し放題3000円/年 学生さんは無料です。

 

詳しくはこちらから ↓ ↓ ↓

https://www.slowlife-japan.jp/2022/02/02/%ef%bd%93-87/

 

 

▽瓦版にご投稿を

 

地域の話題、日常の気づき、町の逸品紹介など、この「スローライフ瓦版」

にご投稿ください。スローライフ学会会員の方でしたら、どなたでも。

「街角から畦道から」が投稿欄です。300字くらいで、メールでお寄せ下さい。

写真も一枚添付できます。

 

 

▽フォーラムをYouTubeでどうぞ

 

昨年、11月20・21日開催の「スローライフ・フォーラムin十津川」が、

YouTubeでご覧いただけます。

 

前半は中村桂子さんの基調講演、後半は増田寛也さんのコーディネートのパネ

ルディスカッションです。そのほかは、ホームページからもご覧ください。

 

フォーラム前半

https://www.youtube.com/watch?v=sSwMPDOiMZ4

フォーラム後半

https://www.youtube.com/watch?v=tI7ewfRkmUo

 

分科会の様子

https://www.slowlife-japan.jp/2021/12/15/%ef%bd%93-71/

 

視察の様子

https://www.slowlife-japan.jp/2021/12/15/%ef%bd%93-72/

 

 

▽昨年12月の「さんか・さろん」YouTubeとまとめをどうぞ

 

12月21日113回「さんか・さろん」

川竹大輔さん:高知大学次世代地域創造センター専門員(地域人材育成)

「“よさこい”は、全国にどう広がり、どんな役目を果たしたか」

ゆっくりご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=biw_B4dnIXw

 

文字でまとめたものもこちらからどうぞ。

https://www.slowlife-japan.jp/2022/02/03/%ef%bd%93-88/

 

 

▽年会費・参加費について

 

  • 「さんか・さろん」の予定をこちらに掲載しています。

https://www.slowlife-japan.jp/2021/10/04/%ef%bd%93-42/

 

この「さんか・さろん」予定をご覧になり、新たに会員になろうと思われた方、

新入会の方は年会費3000円と「さんか・さろん」参加し放題で3000円、

合計6000円を下記にお振込みください。

 

「さろん」はその都度のお支払いも可能です。

1回ごとの参加費は会員1000円、一般2000円。

 

また学生は入会せずとも無料となります。

 

【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会

※他金融機関からのお振込みの場合は

店名:〇一九(ゼロイチキュウ)店  預金種目:当座

口座番号:0595293 スローライフ学会 まで。

 

 

 

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【たまな商店】室谷真由美さんのコラム「ビューティーフードライフ」2月の

テーマは免疫力アップとデトックス。コロナ禍の続く今だからこそウィルスに

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

 

奈良県吉野郡十津川村

https://www.vill.totsukawa.lg.jp/

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

飯山市

http://www.city.iiyama.nagano.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/

丹波篠山市

https://www.city.sasayama.hyogo.jp/

日本テレネット株式会社

http://www.nippon-tele.net/

シン・エナジー株式会社

https://www.symenergy.co.jp/

クオリティソフト株式会社

http://www.qualitysoft.com

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/

中島プレス工業有限会社

https://www.nakajimapress.jp/

 

 

 

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