瓦版 2022.9.20 第637号 神野直彦さんのコラム掲載

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過去にない大型台風で全国が混乱です。どうぞ、ご無事に。きょうの瓦版には

動物たちと人間の関係についての原稿が、二つ届きました。そして、今夜は丹

波篠山から黒枝豆のお話です。嵐の中、皆さんとうまく繋がるかどうか・・。

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コラム<火曜日の鐘>   斉藤睦(地域総合研究所所長)

 

都会の野生化

 

だいぶ以前、環境省が環境庁だった頃、都会でリスやタヌキなど野生の小動

物と触れあう暮らしは可能かとの議論をしたことがある。その頃、庁専門職員

は、「約800メートルに一か所、80坪ほどの森があれば、小動物は森を伝い餌

場として常住して生きていける」と言っていた。そのころは800メートルごと

に80坪ほどの森が点在する都市空間なんて無理だけど、という論調だった。

ところが最近、住宅密集地にハクビシンやタヌキが出たとの話を頻繁に聞く。

散歩で気づくのは、都会にも廃屋が増え、いくつかは鬱蒼とした森化している。

野生の小動物が常住できる環境が期せずして生まれているのかもしれない。

ハクビシンに池の鯉すべて食べられたとか、リスだってどんな感染症ウイル

スを持っているかも知れずと、小動物たちは決して歓迎されてはいない。

だけど、ファストな暮らしを求めて野生と隔絶した大都会で、いわば慣れな

い新規参入者の野性小動物との共生の道をスローに探ってみることも、ある意

味ダイバーシティを受け入れることではないか、などと考えている。

 

 

 

学会コラム<緑と絆の木陰>   神野直彦(東京大学名誉教授)

 

熊鈴

 

私の「夏の家」である山小屋の前に、環境省と軽井沢町が看板を立てた。そ

れは7月20日の深夜に熊が出没したので、注意して行動するようにと警告する

立看である。この立看では外出をする際には、必ず熊鈴を身に着けるようにと

警告していた。そこで今年の夏は、「チリン、チリン」と熊鈴を鳴らしながら、

森の中を散策することになってしまったのである。

森の中で生活をすると、動物にも人間の人権と同様の権利があるという認識

が生まれる。というよりも、自然には人間と同様の「存在する権利」があると

思いたくなる。

私の「夏の家」には、これまで様々な動物たちが友人のように訪れてくれた。

鹿や猪に出会うこともあるけれども、頻繁に訪れてくれたのは、猿たちである。

森の中を走り回って楽しませてくれるだけではなく、開き戸を朝、開けようと

すると、ベランダに猿の群れが寝転んでいたこともある。家の中に大きな猿が

いて、それを私が妻と間違えたことすらある。しかし、その猿も最近は現れな

くなってしまった。それにかわって熊が訪れるようになったのである。

熊といっても臆病者の月輪熊である。その月輪熊が人里に現れるということ

は、森に異変が生じているに違いない。とはいえ、もう5年程前になるけれど

も、近くで高齢の女性が熊に殺されたことがあるので用心に越したことはない。

今年の訪問客で異常に増えたのは、小鳥たちである。私にとっては嬉しき訪

問者である。朝から晩まで心休まるバックグラウンド・ミュージックを奏でて

くれるからである。

ところが小鳥が増加した所為か、夏に踊り出すはずの昆虫が激減してしまっ

た。明かりを求めて夜、集まってくる虫たちもほとんどいない。夏の賑わいが

消えた悲しげな森となってしまった。この森の異変が人間の自然への権利侵害

によるものでないことを願い、熊鈴を「チリン、チリン」と鳴らしたのである。

 

 

 

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秋田県能代市「ノシロチーネ」。うどんとパスタの特徴をあわせ持つ和風麺で

す。麺の幅がせまいフェットチーネ風平打ち麺で、茹で時間が短いのも特徴。

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■街角から畦道から

 

老いはしだいしだいに   遠北剛(広島市 スローライフ学会会員)

 

老いてくると暇な時間が多くなる、もてあます時間を画像処理でつぶす。い

つものようにROWで撮りだめの写真をPCで現像する。突然に画像がフリーズし、

マウスが止まる。電池切れ。電池を取りに台所に降りて、ふと感じるは炊飯の

時間。お米を研ぎ電気釜にかけて再び書斎に戻る。PCはフリーズのまま、俺は

何しに台所に、当然の目的を綺麗さっぱりと忘れている。面倒であるが仕方な

い、もう一度台所に降りていこう。ただし今度こそ他のものに気を取られては

ならぬぞとまっしぐらに台所に降りていく。

と言うようなことが、しばしばわが身に起こるのである。

※遠北さん撮影の白い曼殊沙華の写真もご覧ください。

 

 

「55歳、初めての丹波黒栽培記」④ 追肥と防虫 そして初めて見た美しさ。

竹見聖司(兵庫県丹波篠山市役所 今年から兼業農家)

 

黒豆は窒素を欲しがります。8月に入って紫色の花が咲く頃に追肥します。

また、葉っぱを食べる虫がつくので、月1回のペースで防虫剤を散布します。

使用の良し悪しが言われていますが、必要最低限の散布をしないと残念ながら

満足いく収穫ができないというのも現実です。

強い日差しを避けるように朝夕の作業を心がけます。お日様が昇れば早朝か

ら田んぼに向かい、日中の酷暑にはお昼ご飯の後のお昼寝。そして夕刻から作

業を再開して暗くなれば終える。シャワーを浴びて自家製梅酒で乾杯!と、理

想的な週末を過ごせた日もありました。

添付写真は、追肥作業中に黒豆の花を撮影したものです。小さな紫の花は愛

らしいですが、葉と葉の隙間から差し込む夏の強い日差し、薄暗い葉と青空の

コントラストも素敵ですね。

 

 

■まち・むらニュース

 

・長野県飯山市 いいやま駅まつり~鉄フェスwith信越自然郷

 

「ミニSLの乗車体験」や「JRではたらくくるま」の展示のほか、駅構内と周

辺12カ所のスポットに設置された「ワールドラリー」。各所にある文字で文章

を完成させると景品がもらえる。内山紙すき、蒔絵皿などの伝統工芸の体験も。

開催日時:9月24日(土)9:30~15:30   場所:JR飯山駅と周辺

入場料:無料  伝統工芸体験料:500円から

問合せ:信越自然郷飯山駅観光案内所 TEL0269-62-7000

https://www.iiyama-ouendan.net/2022/09/7004/

 

 

・京都市 京都スマートシティエキスポ2022開催

 

安寧な社会づくりを目指して、スマートシティの新たなイノベーションを創出

する国際イベント。コロナ禍での3年ぶり、9回目の開催となる。先進的な自

治体の取組み事例やデジタル田園都市国家構想などが集約し、全国の自治体と

民間企業との交流の場が実現される。

会期:10月6日(木)、7日(金)

会場:けいはんなオープンイノベーションセンター(京都府精華)

主催:京都スマートシティエキスポ運営協議会

問合せ:京都スマートシティエキスポ2022運営事務局

TEL050-5804-1338    https://smartcity.kyoto/

 

 

 

コラム<象さんの散歩>

 

衝撃のニュース

 

英国のエリザベス女王の国葬が、厳かに、はなやかに。前後して中・ロ首脳

会談など内外のニュースもあふれる。安倍元首相の国葬の記事は、やや押され

気味。その安倍さんの悲劇の直前、もう一つ、驚くべきニュース・・・

7月7日。安倍元首相が凶弾に倒れた前の日。安倍氏は、神戸市で遊説した。

昼間に街宣車が「夕方、安倍さんがここに・・」と予告して回った。

この予告を、赤木雅子さんが聞く。森友学園問題で自殺した夫・俊夫さんの

「事件・再調査」求め続けてきた雅子さん。問題の現場・神戸に住まう。

宣伝車の予告を聞き、「会えるかも・・」と、喫茶店で手紙を書いた。夕方、

予告どうり安倍元首相が神戸へ。演説。終わった。聴衆とグータッチして回る。

チャンス。「安倍さん・・」と手渡したが・・。ネット・ニュースの話である。

受け取った安倍元首相、後からそれを読んだのかどうか・・・。

そして・・。安倍元首相は、翌朝、奈良で銃弾に・・・・ <川島正英>

 

 

 

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「奈良県十津川村」から・・

地域おこし協力隊角田華子さんから⇒東京ビックサイトで開催されるツーリズ

ムEXPO 2022 に参加。9/24と25は一般公開日なので、会いにきてくださいー!

農泊ブース R-020にいます。ツーリズムEXPO 2022 https://www.t-expo.jp/public

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>  「和久傳ノ森」

 

京都府京丹後市にある、ここを訪ねました。入ると圧倒的な緑に包まれます。

説明には「1,600名の参加で56種の苗木を3万本植えた」とあります。工業団

地の中に育てた森。森の中に美術館もレストランも、そしてもちろん工場も。

最寄りのバス停は「谷工業団地前」なのに、この静寂と美しさは何!?と驚き

ます。東京が進んでいるなんて嘘ですね。知と美の塊は、地方にあるのでした。

https://noguchi-tomoko.com/post-9007/

 

 

 

■編集室便り

 

10月からの「さんか・さろん」プログラムです。ご予定ください。

 

スローライフ学会の勉強会「さんか・さろん」は第3火曜日に開催する、皆が

参加するサロンです。だから“さんか”さろん。zoom利用で19時~21時頃開催

いたします。2022年度下半期のプログラムをご案内します。スピーカーは決定

していますが、内容は随時更新します。ぜひご予定ください。

↓↓↓

https://www.slowlife-japan.jp/2022/09/17/s-85/

 

 

【プログラム】

 

■10月18日(火):「お出かけさろんin日光」

舟越隆裕さん:キッチンカーカフェ「珈琲CoCom」オーナー

キッチンカーで「しもつかれパニーニ」などを食べ、東照宮以外の隠れた魅力

を訪ねます。10時浅草集合、17時日光で解散、19時からzoomで各地と繋ぎ昼間

の様子をご報告。事務局は宿泊しますぜひご一緒に。

 

■11月15日(火):「筑紫哲也を語ろう」

高橋征吾さん:スローライフ学会会員

筑紫さんが亡くなったのは2008年の11月7日。今回は「さろん」で「偲ぶ会」

風の試みです。筑紫ファンの高橋さんがエピソードを話したのち、皆さんで。

 

■12月20日(火):「タイトル未定」

室崎千重さん:奈良女子大学准教授と室崎ゼミの皆さん

奈良県十津川村谷瀬の村おこしで何をしたのか?何が変わったのか?

 

■1月17日(火):「タイトル未定」

増田寛也さん:日本郵政社長、スローライフ学会会長

 

■2月21日(火)「全く新しい森林アスレチック、“空中の村”の挑戦」

ジョラン・フェレリさん:奈良県十津川村「空中の村」

フランス人ジョランさんは、林業のむら十津川村で地域おこし協力隊を経て、

日本初の本格的森林活用のアスレチックを造りました。

 

■3月21日(火):「タイトル未定」

これからの「さんか・さろん」へのご意見ワイワイ

 

 

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飯山市

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丹波篠山市

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