東京・多摩動物公園でライオン3頭が死にました。全身の脱水や多臓器不全がみられ、急激な暑さの影響で倒れたらしいです。酷暑もここまできたのか、と思われた方が多いでしょう。立秋(8月7日)は名ばかり、命にかかわる高温は、まだまだ続きます。夏休み、お盆休みを災害級の炎帝さまと戦いながら過ごす日々、改めてご自愛ください。
*写真は8月6日、広島平和公園で。スローライフの会会員・金井紀光さん写す。
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●会員の方からの投稿をお待ちしています。次回は8月20日(木)が締め切りで、8月25日(火)に配信します。
『緑と絆の木陰』
TKBとAWM
斉藤睦 (地域総合研究所顧問)
阪神淡路大震災、東日本大震災。どちらの被災地にも被災1、2か月後に訪れました。
その時、避難所生活を強いられた皆さんが切実に訴えたのは、トイレがない不自由さ、飲食料品の不足、避難所の床に寝ころがる体の痛みでした。T(トイレ)、K(キッチン=飲食料品の運び込み)、B(ベッド)は、被災直後から待ったなしで必要となる必需品。それは被災者自身も訪れたボランティアたちにとっても骨身にしみる体験でした。
そしてこの度の熊本地震。被災地の現状を見聞きして、ギョッとしたのは相変わらずTKBがまったく間に合っていない現実です。用意しやすい段ボールベッドすらない。
阪神淡路大震災からは30年。東日本大震災からは15年。
地震国日本に住まう住民として、いざ災害という時に自分たちに必要なTKBくらいは1~2日で用意するくらいの経験は積んできたはず。また30年、15年というのは必要なTKBを用意できる準備期間として、まぁまぁの期間といえるではないでしょうか。
それなのに、なぜ、同じ経験をくりかえしてしまうのか。
災害は忘れないうちにやってきます。明日は、わが身=AWMです。
TKBに加えてAWM、明日は自分が当事者になる意識が欠けていたのではないか。
災害への備えは、スロー精神ではなく、特急で取り組むべき課題だと自分に言い聞かせています。
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スローライフ川柳 4 雑詠
喝采は明日のわたしのためにある 理惠
(評)そうだ、そうだ、そうなのだ、と元気をもらう
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<あっちこっちで多事争論>
「平和を願うカンナ」
金井紀光 (東京都新宿区 スローライフの会会員・写真家)
「75年は草木も生えない」と言われた広島で、カンナの花は原爆投下のわずか1カ月後、爆心地から約800mの地に咲いたという。そのカンナを株分けし、育て広めている活動がある。今年の8月6日も、カンナは青空に向かって力強く咲いていた。広島平和公園で。

タクシードライバーの幸せ (下)
ほんだゆかり (静岡市 スローライフの会会員)
(敬礼) 2日目、インドの選手。彼は国際大会で40個以上、国内外で90個以上のメダルを獲得し、国際的な講演会「TED」にも登壇したインドの英雄だそう。そして韓国の金メダリスト。彼女は2016年リオデジャネイロ大会で、3種目で3冠を達成したパラ水泳のトップ選手がご乗車!!!
こんなことって、ある? 私のタクシーにだよ~。国際大会の「顔」レベルのレジェンド・スター2人をお乗せするなんて。
3日目、乗車のレバノン選手に、カタカナ英語で「レースがんばって」と伝えると、輝くような笑顔で「サンキュウ」と返してくれました。彼は、パラ水泳、車いすバスケットボール、そしてお笑い芸人という3つの顔を持つ、23歳のアスリート。障害や紛争の逆境をユーモアと情熱で乗り越え、世界中で大きな感動を呼んでいる人物でした。頑張り屋さんで明るくて、輝くような笑顔・・・惚れた・・・・love。翌日、プールまで応援に駆けつけちゃいました。
タクシードライバーに転職して1年ほど。様々な出来事があったうちのひとつのご報告です。こういった出来事もあって、この仕事を選んで心からよかったと思えます。これからも、パトロール隊として、街の面白いこと、人との出会い、小さな変化を見逃さず、励んでまいります。(敬礼)
*写真は静岡名物「しぞーかおでん」、ほんださん写す。

常喜椀を語る
笠原俊典 (滋賀県長浜市 持専寺住職)
どこにでもある普通の田舎町と思っていた場所が、実は我が国の礎を築いた職人の街であったとしたら、何ともロマンティックな話ではないか。
かつて滋賀県長浜市常喜町(じょうぎちょう)は木地師(きじし)や漆塗り職人の集う街であったそうだ。「常喜椀」と呼ばれた漆塗りの和食器の歴史は後鳥羽上皇の時代(平安末期から鎌倉前期)に遡る。そこは立派な仏壇彫刻も見つかっている。これは天保期のもの。当時は大飢饉もあり、百姓にとっては生きるだけで精一杯だった。
そんな時代にあって立派な彫刻を施した仏壇が遺っているのは何故か。実はかの近江商人たちが「仏法の灯を消してはいけない」と立ち上がって、職人の仕事を守ったと言うのだ。現在は、何でも経済効率優先の時代になってしまったが、先人は損得だけでは計り知れない付加価値を見出していたのではないか。
たとえば、「子孫の繁栄」とは凡そ金の力に基づくものではない。「常喜椀」とは我々にそのことを深く問いかけているのではないだろうか。
今、「常喜椀」の歴史を掘り起こし、その復刻を実践する者がある。渡邊嘉久氏(渡邊美術工藝代表)である。
8月15日(土)朝8時。
盂蘭盆会(持専寺 長浜市八条町)にて講演。
問合せ080-4394-0397(笠原)

梁川剛一展
小笠原洋子 (東京都 エッセイスト)
瓦版760号でお伝えした、市立函館博物館での「梁川剛一展」に因んだ講演で、「挿絵画家としての剛一」について講話をして参りました。羽田から函館へはたった一時間ほどですが、空気が異なり爽やかでした。帰路は5時間かけての列車旅を楽しみました。
函館生まれの彫刻家の剛一は、当時の花形職業であった挿絵画家としても活躍しました。大正から昭和初期、少年少女雑誌などに掲載された挿絵は、今日のYouTubeやSNSのような最大級の大衆娯楽でした。
挿絵とは物語のクライマックスシーンを描き添えたイラストであり、抒情画家としての竹久夢二や美少年で名を成した高畠華宵ら、それぞれの画家に熱烈ファンが付いて、読者を熱狂させたものです。
続く剛一の活躍期は、『少年探偵団』などを代表とする戦前作品と、『リンカーン』伝記絵本などの戦後にまたがります。耽美や武力などで読者の官能に触れたそれまでの挿絵とは異なる、陰影法や骨格表現などアカデミック画法による健康的な人物表現で、とくに戦後の児童の情操教育に一石を投じました。クローズアップされることが少なくなった挿絵ジャンルが、再び新たな精彩で、注目されるようになれば嬉しい限りです。
「さんか・さろん」で話してみて
前原信也 (東京都杉並区 アトリエ 風と土 プロデューサー)
こんな話を受けなければよかったと何度も後悔しました。錚々(そうそう)たる面々の前で、大した実績もないサラリーマンプロデューサーが話をしたところで、歯牙にもかけてもらえないのではないか。何をどこまで踏み込んで話したらいいのか。集中砲火を浴びるのではないか。
予想外の悶絶を強いられました。40分間、稚拙な言葉を並べて語ってしまった印象ですが、温かい感想のお言葉をいただき本当にありがたく思っています。多少なりとも「みなさまのNHK」に興味を持っていただいたとすれば何よりです。
テレビ放送でドキュメンタリーを作る機会が少なくなる中、最近は自分で取材、撮影、編集して作ろうと足掻(あが)いています。しかし、制作にはどうしても費用がかかります。その費用をどこから得るのか、それによってドキュメンタリーが、単なるプロモーションビデオになってしまうこともあります。虚実ないまぜの情報が飛び交うこんな時代だからこそ、みなさんの力によって支えられる公共財として、NHKの存在は尊いもので、その責任も重いのだと逆に学ばせていただいた次第です。
さて、「さろん」でお伝えした通り、一緒にドキュメンタリーを制作してきた若手のディレクターたちがクラウドファンディングで資金を集め、YouTubeで新たなドキュメンタリーチャンネルを立ち上げようとしています。是非ご支援いただければと願っております。
ご参考まで、以下がクラウドファンディングのリンクです。
https://camp-fire.jp/projects/941603/view?list=search_result_projects_popular
今回は貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。
「さんか・さろん」への感想
新澤公康 (奈良県高取町 スローライフの会会員)
ボクもほぼNHKしか見ません。民放が安かろう悪かろうで制作するバラエティ、大食いや早食いコンテスト。顔も知らない若手芸人や、アイドル系のグループが雛壇に座るモーニングショーもうんざりです。前原さんがご指摘されていた、カネオ君やチコちゃんはまだがんばっている方です。
NHKのドキュメンタリーや特集番組はとても良質で、世の中にはこんな仕事もあるんだ、こんな生き方も、病気も、差別もあるんだと、改めて感じさせられることが多くあります。
受信料の問題にも意見を持っています。番組を放映する限り、NHKでも、民放でも受信料が発生するのは当然のことで、その受信料たるものを民放では大企業や資本家が提供している。どんな低俗でも自社の製品が売れることが最優先で、そのスポンサーの言うがままに番組が作られる。
雑誌『暮らしの手帳』は宣伝広告を拒否した為に、どの会社にもおもねることなく、書きたいことが書け、言いたいことが言えた。これが民放のめざすべき本当の姿なのかも知れないし、出来るか否かは分からないけど、その視点から大胆に受信料論議を考えてみれば良い。
さきの戦争に加担したNHK、今日ではいつでも政権や、ややもすればむき出しではないものの戦争に加担しかねない民放。民放の現場には攻めるも守るも、NHKぐらいの気概や真面目さが欲しいです。
人生の節目にNHKの番組あり
松井悠夏 (東京都国分寺市 スローライフの会会員)
前原信也さんの「さんか・さろん」で、改めてNHKという存在が自分の人生にずっと寄り添ってきたことに気づいた。
『おかあさんといっしょ』を見て育ち、小学校では『ざわざわ森のがんこちゃん』と『つくってあそぼ』、家に帰れば『ハッチポッチステーション』『天才てれびくん』を楽しみにしていた。中高生になると『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見るようになり、大学時代には『映像の世紀』をレポートの参考にした思い出がある。
現在でも大河ドラマや朝ドラを欠かさず見ており、『ばけばけ』『カーネーション』『鎌倉殿の13人』は名作だと思っている。
振り返ると、人生の節目ごとにNHKの番組がそばにあった。友人とは「がんこちゃん見てたよね」という話で盛り上がり、年上の方とは朝ドラや大河ドラマの話題で自然と会話が弾む。世代や性別を超えて人と人との距離を縮めることのできるコンテンツは、今ではとても貴重な存在だと感じた。
YouTubeやInstagramにも魅力的なコンテンツは数多くある。だが、何十年にもわたり世代を超えて共有される作品を積み重ねてきたという点では、NHKならではの価値があると思う。良質な番組を作り続けてきたからこそ、多くの人の記憶に残り、会話のきっかけや人生の一部になっている。「さろん」を通して、その価値を改めて実感した。これからも質の高いコンテンツを作り続けてほしいと本当に本当に思う。
経営と哲学
太田民夫 (神奈川県 スローライフの会会員)
CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)は企業における最高経営責任者の呼称だが、CPOという役割が登場するかもしれない。チーフ・フィロソフィー・オフィサーという最高哲学責任者。「えー、企業経営に哲学の発想とその責任者が必要なの」という声も聞こえそうだが、近年、欧米をはじめ、日本の産業界や学会でも議論になり始めている。
いささか旧聞だが、2025年9月に企業や産業が抱える課題を哲学の視点から考える第1回「京都会議」(京都哲学研究所主催)が開かれた。
同会議で、京都哲学研究所の共同代表理事を務める澤田純NTT会長は「企業経営は常に矛盾を抱えている。理想は社会的責任を果たしつつ利益を出し、株主もそれを認める価値観を共有することだ」と発言した。しかし、現実は株主利益が中心となり、ほかのステークホルダー(企業活動において直接的、間接的に影響を受ける利害関係者。消費者から地域社会まで幅広い)は後回しにされがちである。
こうした現状に追い打ちをかけるのが生成AIの出現である。報道によれば、人知を超えたAI開発事故(開発中のAIが勝手に他社のシステムに侵入)も起こっている。同会議にも出席していたボン大学のマルクス・ガブリエル教授(哲学)は今年の別の講演で「AIのイノベーションと倫理を両立するために企業は『最高哲学責任者』を置くべきだ」としている。
第2回の京都会議は来年夏に開かれる予定だ。経営と哲学の議論が深まるのを期待したい。
*カギカッコ(談話)は日本経済新聞の記事を引用。
『スローライフ曼荼羅』
「みずべでわっしょい」
野口智子(ゆとり研究所 スローライフの会共同代表)
北海道池田町の河川敷でこの催しがありました。町特産のワインが配られたリ、「よさこい」があったり、飲食屋台が並んだりのフェスタです。珍しかったのが、防災要素が織り込まれていたこと。消火訓練が笑えるバケツリレー仕立て、備蓄品チェックはビール片手に、という具合。企画は面白かったのですが、悲しいかな、曇天で寒くて。「わっしょい」の意味は、「皆で協力して1つになること」らしい。来年こそという気持ちが「わっしょい」した日となりました。
https://noguchi-tomoko.com/?p=11298&preview=true
■■つべ小部屋■■
熊本地震に
つぼいゆづる (スローライフ瓦版編集長)
熊本地震の被災地を容赦なく酷暑が襲っている。停電でクーラーが使えない、断水で風呂にも入れない。現場の映像を見て、自分なら耐えられまいと思うばかり。冷房の効いた部屋にいること自体が申し訳ないような気持ちになる。
筆者は6年前、朝日新聞の社説で「めざせ『TKB72』」と書いた。災害発生から72時間以内に、快適で十分な数の「トイレ」、温かい食事をつくれる「キッチン」、簡易な「ベッド」を提供する。イタリアなどでは実践されているのだから、日本でも早く整えようと唱えた。いま思えば、猛暑への備えの視点が欠落していたことは反省するしかない。
今回の現場では、「TKB48」と言われているので、避難所はそれなりに改善されてはいるのだろう。しかし、あの炎暑のもとでは2日、48時間でも耐え難いに違いない。そう思うのは、2年前のある集会で、「避難所の2日目のトイレは地獄でした」という話を聞いたからだ。辛い体験を語ったのは誰あろう、いまも渦中にある熊本市の大西一史市長だった。
その集会には地方議員が多く参加していたので、「災害時への備えとして、市区町村に1台の『トイレカー』を配備するよう議会から行政へ提案する」という提言が採択された。いま、熊本に各地から多くのトイレカーが派遣されている。どうやら、あの提言は生かされたようだ。
大災害のたびに、避難所の劣悪さとともに指摘されるのが、被災者への対応の難しさだ。これから、復旧・復興が始まる熊本でも多くの問題が顕在化するに違いない。たとえば、
●「現物給付の原則は時代遅れ。金銭給付をもっと柔軟に活用すべきだ」。(プレハブ仮設より、賃貸住宅の賃料を)
●「申請しなければ支援を受けられない『申請主義』が被災者を切り捨てている」。(書類を読めない、読む時間もない人々を置き去りにするな)
●「被災者生活再建支援法の支援対象は被災『世帯』だけでなく、被災者『個人』にも広げるべきだ」。(世帯ごとに家族の事情や人間関係があるのだから)
こうした声を反映させるには災害法制の改正が欠かせない。それこそが国会の最優先課題のはずだ。国会が「めちゃくちゃな政治」に堕していていいはずがない。
<編集室便り>
▽8月18日(火)は「世界に広がるよさこい」のお話
18日(火)の「さんか・さろん」は高知市の会員・川竹大輔さんのお話です。
川竹さんから「海外に広がるよさこい。鳴子踊りは平和賞をめざせるか?」というタイトルをいただきました。平和賞とは、もちろんノーベル平和賞のことです。
川竹さんは「よさこい」の研究で、海外まで取材を広げています。最近では、マレーシアなどへも行かれました。
今回はその現地からも「よさこい」指導者がゲスト参加されます。
●日時:8月18日(火)19時からzoomで
●タイトル:「海外に広がるよさこい。鳴子踊りは平和賞をめざせるか?」
●講師:川竹大輔さん(高知大学地方創生推進室長・スローライフの会会員)
●ゲスト:エドワード・リーさん(マレーシア日本語協会)
●参加費:会員1000円(年間参加費をお納めの方はそれでOK)、一般2000円
●申込:8月15日(土)までに、スローライフの会までメールで。slowlifej@nifty.com
~川竹大輔さんプロフィール~
1969年生まれ、56歳。学生時代に1992年のYOSAKOIソーラン祭りの立ち上げに参加。安濃津よさこい組織委員会顧問。著書に「よさこいはなぜ全国に広がったのか」(リーブル社)など。8 月17 日まで高知大学地方創生推進室長。NPO高知市民会議監事。安芸市教育委員。9 月からは高知大学客員准教授の予定。
詳しくはこちらから
https://www.slowlife-japan.jp/2026/08/08/%ef%bd%93-394/
▽前原信也さんの「さんか・さろん」好評でした。
今号にも感想が載っていますが、7月の「さんか・さろん」、「NHKなんかもういらない?」がおもしろかったです。簡単な報告です。
https://www.slowlife-japan.jp/2026/08/05/%ef%bd%93-395/
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