世田谷線でゆっくりの「さんか・さろん」でした。

11月15日(火)、初めての昼間の「さんか・さろん」がありました。総勢23人が、時速20キロの世田谷線に乗ったり降りたり。まちを歩いたり、名所をたずねたり、説明をうかがったり。深まる秋を楽しみました。
夜の「さろん」ではこれまで出られなかった、という方が6人参加。初めての顔合わせができました。また夜の会合ではなかなか話す時間がありませんが、行ったり来たりブラリ歩きの中ですっかり一人一人うちとけることができました。
ゆっくりとはいえ、詰め込みぎみのメニューでしたが、それでもゆっくり感があったのは、時速20kの世田谷線というスローな乗り物と、地元のお世話係りのおかげでしょう。

世田谷線三軒茶屋駅ホームで、先ずは世田谷線の歴史についてうかがいました。ホームも学びの場に。


世田谷線で先ずは「松陰神社前駅」で下車。駅前商店街をブラリ。いいお店があると、ついついみちくさです。


吉田松陰の墓がある「松陰神社」は、その昔、長州藩主の別邸があった地。松陰が安政の大獄で刑死した後、高杉晋作などによってここに墓が移されたのだそうです。明治になってから松陰を祀る神社がつくられました。

商店街では「松陰ビール」を売っています。

続いて「世田谷区立郷土資料館」へ。世田谷に昔から続く名物「ボロ市」、そのボロ市通りに面してある代官屋敷。江戸時代の世田谷の空気が残っているかのようです。学芸員さんへ、質問が続々と。


通りに残る門を出て、参加者は「豪徳寺」へ徒歩でゾロゾロと。その同じ門が、資料館に展示される江戸時代ボロ市のジオラマにきちんと建っていました。

「豪徳寺」には、賢い猫の話が伝わります。ここから福を招く猫、招き猫が誕生したとか。ガイドさんのお話に皆、真剣に耳を傾けました。建物の彫り物の見落としそうなところに猫の像があったりして・・。「これはガイドさんに教えてもらわなければ、わからないなあ~」と感心。

境内には招き猫がずらり。ここは、先ほどの吉田松陰を処刑した井伊直弼の墓がある、井伊家の菩提寺。紅葉の名所でもあります。


世田谷線と名乗る以前、「玉電」時代の車両を見学。「24~5年前、これで通勤したなあ」と懐かしむ方も。

最後は「山下駅」にある「たまでんカフェ」に落ち着き、昔の世田谷線の写真に囲まれながら、世田谷線とその周辺のまちおこしの説明をうかがいました。
「ひさしぶりにゆっくりした」「商店街の“つまみ食いイベント”が参考になった」「世田谷線を縦軸に、史跡や店をコーディネートして繋ぐといいコースになる。うらやましい」「身近なところもしっかり見聞きすると、内容あるものだ。わがまちでもそういう視点でいろいろできると思う」など感想が出ました。
今回は様々な地元世田谷の方が、解説や段取りをしてくださいました。松陰神社様、郷土資料館の学芸員の方、豪徳寺のボランティアガイドさん、㈱東急ステーショナルサービス様、世田谷駅前商店街振興組合様。
そして、スローライフ学会会員のNPO法人まちこらぼの柴田さん、世田谷区砧区総合支所の田中さん、せたがや文化財団の川島さん、ありがとうございました。(写真は豪徳寺ですばらしいガイドをしてくださった原島さんです。)