瓦版2016.4.5 第305号

新しい年度の始まりです。4月19日の「さんか・さろん」は、いまや関心の

深まった「健康と医療」について。わがNPOの斉藤睦理事の企画で、中野区

医師会の藤井多希子事務局長を迎えてのトークです。「編集室便り」に詳しく。

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コラム<火曜日の鐘> 長谷川八重(NPOスローライフ掛川)

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         とと姉ちゃん、がんばって!


遠州地方の桜は3月の雨空に影響され、少し遅れてこれから満開を迎えます。

新年度、始まりの季節ですね。NHK連続テレビ小説も、4月から新しくなり

ました。『とと姉ちゃん』の始まりです。

これは、雑誌『暮らしの手帖』の創刊者をモチーフにした作品で、ここ遠州

浜松の繊維産業が始まりの舞台となる。とくに浜松の注染(ちゅうせん)技法

は、浴衣や手ぬぐいなどを染める技術として確立され、昭和の最盛期には多く

の染物工場があり、地域を流れる馬込川は染料でいつも藍色をしていたといわ

れるほど。型紙をおこす彫刻師や専門の職人が暮らす地域もあります。

でも、手間暇のかかる本染より自由がきくプリント技術に押され、私が注文

を兼ねて取材させ頂いた7年前も、後継者は少なく、老朽化した工場で高齢に

なった職人さんたちの廃業してゆくケースが目立った。日本文化の浴衣でさえ

安い外国製に押され衰退の一途を辿っています。

注染の手ぬぐいは、ごわつきがなくとても使いやすい。食器を拭きあげると

曇りが取れて輝き、白米が美味しく見えます。日々の暮らしを丁寧に、そのた

めには道具選びの大切なこと。ドラマの中で、スローライフな生活が展開され

るように期待しています。



学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授)



筑紫哲也の「多事争論」



麗しのオードリー・ヘップバーンが「ローマの休日」で、妖精のように階段

を舞い降りるスペイン広場から、スローライフは始まる。私は筑紫哲也の描く

『スローライフ』の偉大な物語を、このローマのスペイン広場の出来事から紹

介することにした。ロングステイ学会発足の記念シンポジウムに、スローライ

フ学会学長として招かれた時のことである。

イタリア進出を決めたファストフードのマクドナルドは、その一号店をヘッ

プバーンが舞い降りたスペイン広場に開店しようとする。食の文化を誇るイタ

リアでは、マクドナルドの一号店開店で行列ができるどころか、激しい反対運

動が展開される。この一号店開店は阻止できなかったものの、イタリアでは食

の文化を守るスローフード運動が巻き起こり、日本でのスローライフ運動へと

飛火していく。筑紫哲也はスローライフという言葉が、自分の発案だといわれ

るけれども、本人にはその自覚がないと振り返りながら、スローライフという

言葉は「私も含めて、何となくいろんな人たちが言い出したのではないかと思

う」と述べている。

スローフードは、多様な文化を画一化しようとするグローバリゼーションへ

の反対運動である。アメリカのライフスタイルを強要するグローバリゼーショ

ンへの異議申し立てという点では、9・11のようなテロも同様であると指摘し

た上で、筑紫哲也はある思想やある価値観を、絶対的真理だと見做す原理主義

には異論を唱えている。

筑紫哲也は自己の思想を常に相対化していた。多様な価値の存在を認めた上

で、自己の論理を純化するために、他者の論理と自己の論理を交錯させる。そ

れ故に筑紫哲也は、福澤諭吉の「多事争論」という言葉に愛着を示したのであ

る。

グローバリゼーションには異議を申し立てるけれども、自己の思想を絶対化

せずに緩急自在に対応する。そうした真のリベラリズムとしての死せる筑紫哲

也の思想が、私の精神に生きつづけているかと問いつづけながら、私はロング

ステイ学会のシンポジウムから降壇した。


 

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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

 青森県おいらせ町「できるだし青森野菜ミックス」。だしのうま味で減塩を

 進める「だし活」事業から誕生した青森のうま味たっぷりの手軽なだしです。

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■街角から畦道から


渡辺 均(「八峰村」村長 長野県小海町) 安保法をどう咀嚼すべきか


安保法の施行にあたって感じることは、戦争への繰返しの第一歩を踏み出した、

という不愉快な実感です。若い方々の声として、憲法違反を大半が指摘しつつ、

自衛隊の派遣などが必要、という見解も多かった、と報道され、この相いれな

い考え方をどのように咀嚼して、周りに働きかけていくのが適当なのか、識者

の皆さんに教えていただきたいと思います。

追伸・・凍み餅を多くの皆さんにご購入いただき感謝しております。




竹内 義昭 カズコさん(56)


歳をとると味覚は衰えるものなのだろう。ただ、カズコさんの場合、認知症と

老化の両方で人一倍 味覚が退化している。


一口目に「おいしい」と言っていたのが、次には「味がしない」「くどい」に

変わってしまう。ただでさえ語彙が減っているから単純な言葉しか思いつかな

いらしい。味を表現する言葉は「おいしい」「くどい」に加えて「あったかい」

「冷たい」程度しかないのだ。


本当はどんな味なのか、ためしに少しいただいてみたが、病院食よりましだっ

た。施設の栄養士や調理師の皆さんが味付けに工夫をこらした食事なのに、申

し訳ない限り。それでも「おいしい」を発する回数が圧倒的に多いのが救いで

はある。



■まち・むらニュース


・宮城県松島町 瑞巌寺本堂拝観再開


平成21年からの平成の大修理でよみがえった国宝瑞巌寺本堂。この解体修理で、

部屋境すべての壁の内部に建物の強度を増す筋違(すじかい)が施されていた

ことも分かった。拝観再開で震災以降の観光復活に期待が集まる。

拝観:4月5日(火)から再開 交通:仙石線JR松島海岸駅より徒歩5分

問合せ:瑞巌寺TEL022-354-2023

http://www.zuiganji.or.jp/event/1511_saihaikan/index.html



・茨城県日立市 日立風流物


見事な桜のトンネルで有名な日立さくらまつり。ここで繰りひろげられる日立

風流物は江戸中期から伝わる。高さ15mの豪壮な山車の上、五層の舞台で演じ

られる操り人形芝居は、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。

日時:4月9日(土)13時、16時、19時 10日(日)13時、15時

場所:日立市内平和通り

問合せ:日立市観光協会(日立さくらまつり実行委員会事務局)0294-22-3111

http://www.ibarakiguide.jp/db-kanko/hitachi_sakura_fes.html



コラム<象さんの散歩> ことしのお花見


わが家のお花見まつりは、3月中頃からだったか。“孫”こうすけが訪ねて

きたので、神田川へ散歩に。もちろん桜の花は全くなし。二人で歩き回った。

ようやく数個のつぼみと小さい一輪の花を見つけて喜び合ったのだ。

まつり期間には、夕方、事務所の帰りに、宏子と待ち合わせて桜を訪ねる。

毎年、上野公園は敬遠するが、隅田川、目黒川、六義園、浜離宮、新宿御苑、

千鳥ヶ淵・・。JR四谷駅近くの土手の桜は、事務所の毎日の往き帰りに。

霞が関界隈も自然に。神田川はもちろん満開になれば必ず堪能する。

ことしも、そのいくつかを巡ったほか、先週土曜日は、奥多摩線に乗って

多摩川沿いに終点まで。車窓から黄色い菜花と紫菜花に囲まれた桜を楽しみ、

帰りに青梅の国営昭和記念公園で下車。あちこち伸び伸びと枝を拡げた桜の

群はやはり圧巻。日曜日は、毎年欠かさずに行く東京大学小石川植物園へ。

宏子は「ソメイヨシノの林、と書いているけれど、私たちには“森”ね」と。

いつも酒酔い客なしのいい雰囲気だが、この日は満開で、二重の幸い。

ことし、もっとも思い出に残ったのは、アークヒルズ横の坂道の満開近い

桜と、東京ミッドタウンの五分咲き桜。照明を浴びて輝いていた。この夜、

近くのサントリホールで水戸室内管弦楽団が、総監督・小沢征爾さん指揮の

ベートーベン第五番「運命」を演奏した。絶好調。天皇、皇后両陛下も鑑賞

され、終わるとお立ちになって、熱い拍手。何度も。興奮の場面にわが家族

も居合わせた一幕があって、桜がなお輝いたのだろうか・・∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

十津川村谷瀬で、お茶を摘み釜炒り茶を作る体験があります。昼食は茶がゆ。

5月8日(日)お茶尽くしの一日です。詳しくは、谷瀬の吊り橋【official】

Facebookを。問合せ申し込みは十津川村観光振興課 電話0746-62-0004まで。

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 大飯盛物祭り

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11年ぶりという、奇祭を観ました。“おいもりものまつり”という読み方さえ、

地元でもはっきりしない珍しい祭り。六千個の餅を縄に括り飾り、引きまわし

ます。最近、役所主導のイベント祭りや御輿担ぎの人を募集する祭りが多い中、

完全に地元の人だけで準備し、地元民だけで行列する自立した祭りです。その

ことが貴重で、すがすがしく感じました。和歌山県紀の川市貴志川で。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=357



■編集室便り


◇4月の「さんか・さろん」は


聞いておきたい「健康」と「医療」

超高齢社会のスロー・メディカルを考える


そうなるとは知ってはいたけれど、万全の準備も整わないままに、

日本は、2007年から高齢化率21%以上の超高齢社会を迎えています。

現在は高齢者の比率は25%を超え、超々高齢社会の様相です。

超高齢社会が抱える課題の中でも、「医療」と「介護」は、

難問中の難問です。厚労省は診療報酬の改定を発表しましたが、

今月の「さんか・さろん」は、医療機関とどうつきあえばいいのか、

認知症対策と病院のあり方など、超高齢社会の医療問題を

スロー・メディカルの切り口から語り合います。

ゲストは、藤井多希子さん(中野区医師会事務局長・

一般社団法人政策人口研究所代表理事)。わがNPO理事の斉藤睦さん

((株)地域総合研究所長)とのトークセッション形式で

進めていただきます。


●日 時:2016年4月19日(火)19時?21時

●会 場:クオリティKK・会議室マーキュリールーム

(千代田区麹町3?3KDX麹町ビル6F・地下鉄「麹町駅」からすぐ)

http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html

●テーマ:聞いておきたい「健康」と「医療」

超高齢社会のスロー・メディカルを考える

●講師:藤井多希子(中野区医師会事務局長・一般社団法人政策人口研究所代表理事)

斉藤睦((株)地域総合研究所長)

●参加費:会員1000円、一般2000円(学生500円)どなたでも参加できます。

●申込み:4月18日までに下記へ。

  メールTEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554



◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは

こちらまでお願いします。↓



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:画像や表を入れてワードで文書を作成し、相手に送ったところ「レイアウ

トがぐちゃぐちゃになっている」と言われました。私のPCでは問題なく表示

されています。こういうことはあるんでしょうか。<編集室:野口智子>



A:インストールされているワードのバージョンの違いなどで、レイアウトが

崩れて表示されることがまれにあります。修正しても解決出来ない場合はPD

Fで保存してはいかがでしょう。PDFでしたらバージョンに関係なく正しい

レイアウトで表示されます。ただし、PDFは相手側で編集できません。注意

が必要です。



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クオリティライフから・・・

4月25日(月)11:00から「こころ華やぐ酵素玄米彩食」の講座。春色玄米ちらし

寿司、3色お花見酵素玄米だんご、 春野菜のゼリー寄せなどを作ります。

詳しくはこちらから http://tabegoto.jp/kosogenmai/

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

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